Quantcast
Channel: 東京倶樂部★CLUB TOKYO
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1332

大陸ドラマ『琅琊榜(ろうやぼう)<弐> 風雲来る長林軍~琅琊榜之風起長林』①

$
0
0
イメージ 1

梁の都・金陵城。
梁帝・蕭歆は、北の国境・甘州附近で、大渝が怪しい動きをしているとの報告を受ける。
梁帝の兄である長林王・蕭庭生は、これを侵攻の前兆と判断、
西の軍を動員し、いち早く大渝を征圧すべきと考え、梁帝に兵符を求め、
梁帝もまたこれに即座に応え、長林王に兵符を託す。
長林王は、早速、長男の蕭平章に、甘州左路を守るよう命じる。

梁帝がいとも簡単に長林王に兵符を渡したことに、不安を覚える朝臣たち。
今や長林王府の軍功と名声は著しく、梁帝の厚い信任を得ているのは、誰の目にも明らか。
內閣首輔・荀白水は、まだ10歳の甥である太子の将来を案ずるも、
梁帝に進言するわけにもいかず、悶々とするばかり。
そんな荀首輔に、軍の物資輸送を任されている中書令の宋浮が言う、
禍の芽を摘み取ることが忠臣の務めである、と。

父からの命を受け、甘州へ向かう途中、琅琊閣に立ち寄った長林王府の世子・蕭平章は、
自分の問いに対する老閣主からの答えを受け取る。
そこに書かれていたのは、「面立ち 心より生まれ 局面は心が左右する 
国境での戦いは危険が待ち受けよう」という厳しいもの。

何も知らずに、兄の来訪を無邪気に喜ぶのは、弟の蕭平旌。
蕭平旌は、将家の息子でありながら、縛られる事を嫌い、
修行と称し、琅琊閣で自由気ままに生きる長林王府の次男坊。
蕭平章は、久し振りに再会した弟に、「平旌、お前ももう直21歳。将には誰しも国を守る責務がある。
私がいつまでも無事とは保証できん。国境が安定したら、金陵に戻れ」と優しく諭し、
慌ただしく任地へ向かって行く。

3ヶ月後の甘州。
もう長いこと都からの兵糧も途絶え、絶体絶命の危機に追い詰められている蕭平章率いる長林軍。
それでも、この苦境に屈せず、士気を鼓舞する蕭平章だが、致命的な傷を負ってしまう。
その頃、琅琊閣の平旌は、「大同府で補給船3艘が左水路で謎の沈没」という不可解な報告書を目にする。
船の沈没場所は、明らかに甘州へ続く水路。
胸騒ぎがした平旌は、琅琊閣を飛び出し、ついに下山する…。



2018年3月末、衛星劇場でスタートした大陸ドラマ、
『琅琊榜(ろうやぼう)<弐> 風雲来る長林軍~琅琊榜之風起長林』が、
約半年後の9月初旬、全50話の放送終了。

今さら言うまでもなく、中華ドラマニアの皆さまなら御存知でしょうが、
私は、これ以上視聴可能チャンネルを増やし、廃人道まっしぐらになることを恐れ、
これまで長年「衛星劇場は契約しない!」と心に決めていたのだが、
『琅琊榜<弐>』は、制作発表の時からずっと気になっていたドラマなので、
自らに課した掟を破り、遂に入れてしまいました、衛星劇場…。
まぁ、結果的にとても楽しめたので、悔いはナシ。
最近、長いドラマに慣れっ子になってるので、50話なんてあっと言う間であった。



あれこれ思いの丈を書き綴っていたら止まらなくなり、
思いの外長くなってしまったので(これでもすでにかなり削除した)、
この『琅琊榜<弐>』に関しては、以下の3部構成で掲載いたします。

大陸ドラマ『琅琊榜(ろうやぼう)<弐> 風雲来る長林軍~琅琊榜之風起長林』①
概要、物語、キャストなどについて

大陸ドラマ『琅琊榜(ろうやぼう)<弐> 風雲来る長林軍~琅琊榜之風起長林』②
その他のキャストについて

大陸ドラマ『琅琊榜(ろうやぼう)<弐> 風雲来る長林軍~琅琊榜之風起長林』③
吹き替え、所作、音楽などについて

★ 概要

世に、大陸ドラマの著しい進化を見せ付けたエポックメイキング的作品とも称せる前作、
女性作家・海宴(ハイイェン)の脚本を、
孔笙(コン・ション)と李雪(リー・シュエ)が共同監督、
そして侯鴻亮(ホウ・ホンリャン)がプロデュースした東陽正午陽光(Daylight Entertainment)制作のドラマ。


“『琅琊榜』の続編”という位置づけではあるが、メインキャストは一新。

イメージ 2

前作では、胡歌(フー・ゴー)扮する主人公・宗主梅長蘇が、あまりにも強い印象を残したため、
“梅長蘇不在の『琅琊榜』は、『琅琊榜』に非ず!”という前作のファンも多いであろう。
私個人的には、梅長蘇のインパクトが絶大だからこそ、
その梅長蘇を出して、続編をつくることは危険であり、それで前作を超える作品にするのは、困難だと感じる。
また、胡歌も、一つの成功にシガミ付きたくない、
梅長蘇のイメージに囚われずに、前進したいという気持ちがあったのではないだろうか。
胡歌は、若い内にアイドル的な人気を得た人だが、非常にプロ意識の高い俳優である。

メインキャストが一新された続編『琅琊榜<弐>』では、
制作発表当初、前作に、南楚の公主・宇文念役でチラリと出演した喬欣(チャオ・シン)のみ
続編にも連投と報道されていた。
が、いざ蓋を開けると、多くの前作出演俳優が、所々に顔を出している。
基本的には、前作で善人だった人が続編では悪人、前作で悪人だった人は続編では善人。
そういう前作からの転生キャストを見付けるのも、続編を観る一つの楽しみになることでしょう。

★ 物語

物語を簡単に言ってしまうと、
人の野心や猜疑心は絶えることがなく、(ネガティヴな意味で)歴史は繰り返す!
そして、それでも、崇高な魂は消えず、受け継がれる!という胸が熱くなる歴史人間ドラマ


舞台は、前作『琅琊榜』同様、架空の王朝“梁”。
時代背景は、前作の“その後”。
武靖帝(靖王・蕭景琰の諡)から皇位を継いだ嫡男・蕭歆が天下を治めている時代。
前作と続編を繋ぐ人物・庭生に注目すると、
前作初登場シーンで11歳だった彼が、続編冒頭では恐らく62歳前後と推測されているので、
前作の約50年後を描いているのが、この『琅琊榜<弐>』と言えよう。

前作の最後で、靖王が新皇帝に即位し、清廉な名君のもと、安定した平和な国になったであろう梁だが、
約50年後の続編冒頭では、前作で復讐の要因となった赤焰軍の案件を彷彿させる出来事が起きる。
狙われるのは、著しい軍功と忠誠心で、梁帝からの信用も厚い長林王府。
当人に野心など微塵も無く、真っ白な忠臣であったとしても、
軍功を立てれば立てる程、梁帝から信頼されればされる程、その存在がある者たちにとっての脅威となり、
長林王府は追い詰められていく。
そして、いざ本当の敵が現れても、時すでに遅し。
真の忠臣・長林王府はすでに潰され、国を守れる者はすでに梁にはおらず…。
歴史上何度も繰り返されてきた野心と猜疑心によるこのような権力闘争を、
長林王府の栄枯盛衰と、長林王府次子・蕭平旌の成長記を軸に描いているのが、このドラマ。


ここで今一度“長林”についておさらい。
前作『琅琊榜』ファンの皆さまは覚えていらっしゃいますよね?
最終回、皇帝に即位した靖王・蕭景琰が、新たに編成した軍に自ら命名したのが“長林軍”。

イメージ 3

長林軍の“林”は、蕭景琰の朋友・林殊(=宗主・梅長蘇)の“林”、
“長”は、梅長蘇の“長”、もしくは、“長在(ずっと存在する)”を意味しているといった説あり。
いずれにせよ、長林軍は林殊/梅長蘇の化身であり、
蕭景琰が永遠に友を想う気持ちが込められているのであろう。

続編で語られる蕭庭生を中心とした長林王府は、
まさに、そんな蕭景琰と宗主の魂をしっかりと受け継いだ王府なの。
前作のファンは、もうそれだけでジーンと来ちゃうでしょう…?!
理不尽な苦難に遭い、世子・平章が亡くなり、父王・庭生も亡くなり、次子・平旌だけが残されても、
長林の魂は消えず、また、長い時をかけ築き上げられた長林の信用に人々はついて来て、
絶望的状況に陥った国が復興していく様子を描く、前向きで力強い感動作。


あと、これ、最後まで観ると、血に関係無く、誰しもが善にも悪にも成り得る表裏一体の存在である事を、
蕭平旌と蕭元啟という光と影のような対照的な二人の青年の歩みを通し描いている物語だとも感じる。

★ 人物相関図

イメージ 4

一応、人物相関図を載せておく。
簡単すぎて、見ても見なくても、あまり関係ないとは思いますが…。

★ 大梁歴代皇帝

イメージ 5

前作から続編へと続く、梁の国の歴代皇帝も、即位の順に載せておく。
蕭選→蕭景琰→蕭歆→蕭元時ね。

★ キャスト:その①~長林の魂を受け継ぐ者・長林王

イメージ 6


孫淳(スン・チュン):長林王・蕭庭生

蕭庭生は、前作と続編を繋ぐ軸となる人物。
実父である祁王・蕭景禹が、謀反の罪を着せられ、死に追い遣られたため、
罪人の子として、掖幽庭で生まれるも、宗主・梅長蘇の計らいで、靖王・蕭景琰に引き取られ、
出自を知らぬまま育つところまでを描くのが前作。
続編の庭生は、長林軍の主帥として、血の繋がらない弟・梁帝蕭歆と()、梁を支え、
家庭では、蕭平章と蕭平旌という二人の息子の父親で、すでに人生の黄昏時を迎えている。
 正確には、庭生と梁帝には血縁あり。
庭生の実父・祁王と、梁帝の実父・靖王は兄弟なので、庭生と梁帝は実のところ従兄弟同士。)


前作から引き続き登場し、視聴者にも馴染みのある人物ゆえ、
続編の制作発表当初から、キャスティングに注目が集まっていた庭生。

イメージ 7

孫淳が演じると知った最初の率直な感想は、「随分とオッサン化したわね、庭生…」。
赤子だって死なない限り老いるのは当たり前の事。
それでも、多くの前作ファンは、私と同じように、初めて目にした熟年庭生に、軽いショックを受けたはず。

ところがデス!このオッサン化した庭生が、素晴らしい人格者。
靖王(武靖帝)が、実子ではない自分を、我が子同然に育ててくれたのと同じように、
養子の平章と実子の平旌を平等に育て、権力欲に駆られることなく、義弟である皇帝と国に尽くす君子。
私は、回を追うごとに、この庭生に魅了され、遂に庭生逝去という時には、気分的には殉死or未亡人…。
『琅琊榜<弐>』全登場人物の中で、良い意味で、最初と最後の印象がここまで違う人物は、
庭生を置いて他に居ない。
つまり、わたしにとっての庭生は、『琅琊榜<弐>』のギャップ萌え度NO.1キャラであった。

最後まで分からなかったのは、庭生は自分の出自を知っていたのか?という事。
庭生は、自分が武靖王の実子ではなく、掖幽庭から引き取られた養子だという事は知っている。
でも、じゃぁ、実父が祁王だという事は、最期まで知らなかったのだろうか…?
それとも、知っていたとしても、皇位を巡る問題をこれ以上複雑にしないため、“臣下に徹する!”と心に決め、
息子たちにも真実を告げず、秘密を墓場まで持って行ったのだろうか?(←庭生なら有り得る。)
もし赤焰軍のあの一件さえなければ、
庭生こそ大梁皇家の直系中の直系で、皇帝になるべき人だったのだけれどね…。

★ キャスト:その②~長林王府の兄弟

イメージ 8


黃曉明(ホァン・シャオミン)蕭平章~長林王府世子

蕭平章は、蕭庭生の非常に優秀な長男だが、実は庭生に引き取られた養子。
実父は庭生と一緒に掖幽庭で育った路原。
皆さま、覚えていらっしゃいますか、路原を。

イメージ 9

前作で、宗主に拾われた3人の子の内の一人。
あの路原は、成長すると国に仕えるようになるが、欲に取り付かれ、罪を犯し、死んでしまったため、
当時まだ幼かった彼の息子・平章は、幼馴染みの庭生が引き取って養育。
血の繋がりは無くても、平章と庭生、平章と平旌の、父子愛、兄弟愛はホンモノ。
特に、無邪気な弟・旌を優しく見守る知的で包容力のある兄としての顔が素敵。

演じているのは、大陸のトップスタア黃曉明。
かつては、日本でも、“中国一美しい男”と紹介されていた黃曉明だが、
近年は『アメリカン・ドリーム・イン・チャイナ』(2013年)のように、二枚目とは言い難い役に挑戦したり、
『愛のカケヒキ』(2014年)で爆笑演技も披露。
私は、そういう黃曉明に慣れ、また気に入っていたため、
この『琅琊榜<弐>』は、原点回帰とでも言おうか、久し振りにカッコイイ黃曉明を堪能。
…が、その黃曉明は、このドラマで、特別出演という扱い。
えっ、こんなにたっぷり出演している主要キャストなのに、なぜ特別出演?と疑問に思っていたら、
ハイ、悲しいかな、ドラマ中盤で永遠のお別れ…。
最期までカッコよく、弟思いの素敵な平章でありました…。



劉昊然(リウ・ハオラン)蕭平旌~長林王・蕭庭生の次男

本ドラマの主人公・蕭平旌は、典型的な末っ子キャラ。
王府の息子に生まれながら、縛られることを嫌い、自由気ままに琅琊閣で武芸の腕を磨いてきた少年。
血縁関係が無いことなど知らず、大好きな兄・平章を慕う可愛い弟。
良く言えば無邪気でも、悪く言えば単純なお馬鹿さんなのかというと、そんな事はなく、実は聡明で勘も鋭い。
兄、そして父と、ずっと自分を守ってきてくれた大切な人たちを立て続けに亡くし、
否が応にも平旌の少年時代は幕を閉じ、薄汚い大人の世界に足を踏み入れることとなる。
ドラマは、前半と後半ではっきりと平旌の変化が分る成長記になっている。

イメージ 10

見た目の変化も顕著。
前半はポニーテールの少年仕様、後半は髷でアダルト仕様。私の好みは髷姿のアダルト平旌

扮する劉昊然は、1997年生まれで、撮影時はまだティーンエイジャー、
今でも中央戲劇學院に在籍する現役学生俳優である。
正式なデビューは2014年で、キャリアは決して長くはないけれど、
主演映画『僕はチャイナタウンの名探偵』(2015年)は大ヒットして、シリーズ化、
陳凱歌(チェン・カイコー)監督作品『空海 KU-KAI』(2017年)のような大作にも重要な役で出演。
そして、大ヒットドラマ『琅琊榜』の続編で主人公に大抜擢と、ノリに乗っている若手。
母親世代を安心させる素朴な顔立ちと、185センチの長身というアンバランスが、
野球の大谷翔平にも通じるから(顔がソックリという意味ではなく、同カテゴリーという意味)、
人気になるのも、なんか分るのよねぇ。
『琅琊榜<弐>』では、無邪気な少年が、高潔な魂を受け継いだ長林王となるまでの成長を演じ切っている。
若くして、こんな大作で大役を経験したことは、俳優・劉昊然自身の成長にもなったことでしょう。

ドラマを観ていて、細かい部分で気になったのは、劉昊然の脇の下。
初回、泳ぎが得意で、自称“寒潭の神龍”という平旌が、
琅琊閣老閣主から与えられた罰で川に潜るシーンで、彼のワキにふと目をやると…

イメージ 11

毛が無い。
平旌の少年ぽさを演出するために、処理したのかと思い、他の画像もチェック。すると…

イメージ 12

『琅琊榜<弐>』に限ったことではなく、劉昊然の脇には通常毛が無い。
中央戲劇學院の同級生が、「たまたま劉昊然のワキを見たら、毛が一本も無かった」と証言しているし、
劉昊然のワキは、無毛がスタンダード。
無毛には、剃る、抜く、又は、そもそも最初から生えない、の3ツの要因が考えられるが、
劉昊然本人が腋毛について語っているインタヴュが見当たらないので、真相は不明。
私mango、以前は、台湾女優の口ヒゲ問題を追っておりましたが、彼女たちが剃毛を覚えてしまった今、
新たな対象として、大陸若手男優の腋毛問題に注視していく所存でございます。
(男子新体操や水泳等でも、腋毛ある派と処理派で、世界中で二極化が進んでいるので、
2020年東京五輪に向け、これ、今後活発化していくであろう結構ホットな話題。)

★ キャスト:その③~大梁皇帝ファミリー

イメージ 13


劉鈞(リウ・ジュン):梁帝蕭歆

武靖帝蕭景琰から帝位を継承した武靖帝の嫡男。
武靖帝が、靖王時代に養子にした兄・庭生とは、当然本当の兄弟ではなく、
父帝の死後は、年下でも嫡男である自分が帝位を継ぎ、兄・庭生に補佐されながら、国を治める。
でもね、この梁帝、さすがは靖王の息子なのだ。
歴史の中では、実の兄弟でも、血で血を洗う権力闘争なんて珍しくないのに、
この梁帝は、自分の死後まで考えて、義兄・庭生を守ろうとするの。
平章&平旌同様、この梁帝&長林王の兄弟愛も泣かせる…。
演じている劉鈞は、香港明星風の暑苦しい顔ゆえ、
当初、“『琅琊榜』的キャスト”ではないようにも感じたのだが、いや、劉鈞扮する梁帝、大層良かった。


梅婷(メイ・ティン):荀皇后

梁帝蕭歆のような名君が、なぜ荀氏のような愚かな女を皇后にしてしまったのだろうか。
もっとも、昔の皇族は惚れた腫れたで婚姻関係を結ぶ訳じゃないから、色々事情が有ったのでしょうが…。
荀皇后は、溺愛する我が子を守りたい一心で感情的に動く盲目なママ。
(感情で動く母親という動物は、キレ者の策士より、ある意味厄介…。)
視聴者が、他の悪役より、この荀皇后にイラっとさせられるのは、
彼女が、現代日本にも居そうな一種のモンスターペアレントで、馴染みがあるからであろう。
でも、荀皇后は、そこらのモンスターペアレントとは違い、絶大な権力を握っているから、益々面倒。
梅婷の、愚かしくフテブテしい演技が、これまた上手いのです。
嫌われキャラでしょうが、本ドラマ出演の全女優の中で、私が最も演技で感嘆したのは、この梅婷である。

梅婷は、本ドラマで、黃曉明と並び、日本の映画ファンを喜ばす大物出演者。
『琅琊榜<弐>』で初めて梅婷を知ったという皆さま、
「荀皇后を嫌いになっても、梅婷を嫌いにならないで下さいっ!」(←AKB脱退時の前田敦子風に)
御存知ない方のために、改めて梅婷について簡単におさらいしておくと、
1975年生まれの彼女は、中央戲劇學院で、あの章子怡(チャン・ツィイー)と同級生だが、
中退しているので、卒業写真には一緒に写っていない。中退の理由は、当時すでに仕事が忙しかったから。
在学中に撮影した『追憶の上海』(1997年)は、日本でも広く知られる映画。

イメージ 14

相手役が、かの張國榮(レスリー・チャン)という事もあり、この映画で梅婷を知った日本人は多いはず。
章子怡も「在学中、一番羨ましかった同級生は梅婷。
私のアイドル張國榮と共演し、彼からサングラスをプレゼントされていた」と話している。
あの『追憶の上海』から約20年、『琅琊榜<弐>』の荀皇后を見て、
梅婷はやはり凄い女優になったと、彼女の実力を再確認。


胡先煦(フー・シェンシュー):蕭元時

荀皇后が産んだ蕭元時は、次期皇帝の座が約束された太子で、
実際、父帝蕭歆の崩御に伴い、13歳の若さで新たな大梁皇帝に即位。
素直な良い子で、子供の頃からずっと平旌お兄ちゃんが大好き。
皇帝になってからは、父の遺言通り、補佐役の長林王・蕭庭生に学び、朝廷を運営するが、
その事で余計に、母・荀皇后と伯父・荀白水が、長林王府に脅威を感じ、長林王府潰しを加速させる。
元時が幼くピュアなだけに、母&伯父の入れ知恵に毒されるのではないかと、見ているこちらはハッラハラ。
そして、母&伯父の思惑通り、長林王府が解体しても、
今度は萊陽王・蕭元啟の台頭で、元時自身が狙われるから、ハラハラ感倍増。

扮する胡先煦は、2000年天津生まれの子役出身。
『琅琊榜』繋がりで、同世代の子役出身俳優・吳磊(ウー・レイ)と引き合いに出されこともしばしばだが、
子役時代は、吳磊ほどの人気者になったことはないようだ。
が、ここ最近、『琅琊榜<弐>』、『如懿傳~Ruyi's Royal Love in the Palace』と話題作に立て続けに出たり、
『老男孩~Old Boy』であの劉(リウ・イエ)の息子を演じたりと、活躍が目立ってきている。
今秋、北京電影學院に入学した吳磊に対し、胡先煦は実技試験3位の成績で中央戲劇學院に入学。

イメージ 15

初々しい新入生の胡先煦クン。これで、学校でも、平旌お兄ちゃん・劉昊然の後輩になりましたね。
ちなみに、今年首席で中戲に合格した同級生は、TFBOYSの易烊千璽(イー・ヤンチェンシー)。
胡先煦は、若いイケメンを指す“小鮮肉”より、
年齢以上の卓越した演技をみせる実力派の若手を指す“小戲骨”と形容されることが多いし、
学校で本格的に演技を学び、将来どんな俳優になるか楽しみですね。



大陸ドラマ『琅琊榜(ろうやぼう)<弐> 風雲来る長林軍~琅琊榜之風起長林』②に続く。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1332

Trending Articles