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台湾ドラマ『華麗なる玉子様 スイート♥リベンジ~後菜鳥的燦爛時代』

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雨棠は、大手化粧品メーカー天璽に就職し、今日でちょうど4年と7ヶ月と3日。
所属する秘書室で、当たり障りなく業務をこなしてきた彼女にも、ようやく追い風が。
先輩がおめでたで退職し、秘書室長の席が空いたのだ。
社内では「次の秘書室長は絶対に雨棠」と噂され、気の早い同僚たちからはお祝いメールが続々。
雨棠自身、もうすっかりその気。今日、新たに就任するCEOから辞令が出れば、昇進確定だ。
そんな興奮気味の雨棠に、天璽のトップ沈会長がスイスで行方不明になったという一報が入る。
よりによって鑫威との大切な契約が交わされるこの日に、会長が消えたなんて、
社外に漏れたら、株価にも悪影響を及ぼす大事に発展することは避けられない。
雨棠は秘書たちの先頭に立ち、奔走するも、
遂には崖っぷちに立たされ、もはや打つ手も無く、言葉に詰まった次の瞬間、
幸運なことに、行方知れずだった沈会長がふらりと出社。
そして、沈会長の傍らには、見覚えのある若い男性。
そう、高校時代、雨棠がよくからかっていた劣等生の紀文凱ではないか。
なぜ彼がここに?状況が掴めない雨棠に沈会長が言う
「こちら、我が社の新しいCEOに就任した紀文凱くん。」

ハイ…??!テストで0点ばかり取っていたあの劣等生の紀文凱がうちの会社のCEO…?!
沈会長行方不明事件も、紀文凱の提案で行われた秘書の能力を試すテストだったという。
そしてそのテストで、紀文凱が雨棠に下した評価はたったの59点。
この日秘書室長就任のハズが、新CEO紀文凱から散々にケナされる羽目となり…。



2016年8月、ホームドラマチャンネルでスタートした台湾ドラマ、
『華麗なる玉子様 スイート♥リベンジ~後菜鳥的燦爛時代』が、約半年後の2017年2月下旬、
全28話の放送を終了。

最初に簡単に本ドラマの印象を述べておくと、“平均的な台湾偶像劇”。
最悪ではなくても、もはや新鮮味も無く、夢中にさせてくれるようなドラマではなかった。
ただ、“炎亞綸(アーロン)主演ドラマ”として考えると、今までの作品の中でトップレベル。
(言い方を変えると、他がツマラナすぎる…。)
ホームドラマチャンネルでは、現地台湾で大ヒットした『アニキに恋して~愛上哥們』も現在放送中だけれど、
2/3まで観て、未だヒットの要因が分からないので、それと比べると、こちらの方が良かった。
(それとも、『アニキに恋して』は残りの1/3で劇的に面白く変化するのでしょうか。うーん、期待薄…。)

★ 概要

CMやMVを数多く手がけ、2013年辺りから、三立の作品を演出するようになった
郝心翔(ハオ・シンシャン/ホー・シンシャン)監督によるドラマ。
(日本の公式サイトでは、監督の姓“郝”を“ホー”と誤表記。これでは、まるで別人。
片仮名表記が間違っていても人物の確認ができるよう、きちんと漢字を併記すべし。)


本作品も、例に漏れず三立ドラマなのだが、
以前から台湾ドラマについてしばしば辛口の批評を漏らしていた主演男優・炎亞綸(アーロン)が、
本作品出演後、三立の姿勢を“戲劇血汗工廠(血と汗にまみれたドラマ製造ファクトリー)”と批判、
ファンに向けては、三立主催のドラマアワード・華劇大賞(←自局のドラマを自画自賛する賞)には
どうせ出席の意思が無いので、人気投票に僕を入れなくていいから!とSNS上で呼び掛け、
三立との決裂を決定的にしたイワク付きのドラマでもある。

★ ドラマのキーワード“後菜鳥”とは

ドラマの中文原題『後菜鳥的燦爛時代』は、“‘後菜鳥’の輝かしい時代”の意味。
では、ドラマのキーワードでもある“後菜鳥 Hòucàiniǎo”とは?
そもそも“菜鳥”は、ネットの初心者を表す言葉で、その後、広く新人、新米を意味するように。
“後菜鳥”は、文字通り“アフター菜鳥”であり、“菜鳥(新人)”と“老鳥(ベテラン)”の中間の人。
このドラマの場合、入社から数年が経ち、そこそこ要領よく仕事はこなせるようになったものの、
新入社員のようなやる気や情熱はすでに失せ、惰性で平凡に生きている社員と定義している。
日本語字幕では、“ハンパ社員”と訳されていた。


ちなみに、邦題を『華麗なる“王子様(プリンス)”』ではなく、
字ヅラは酷似しているけれど、よく見ると異なる“玉子様(エッグ様)”にした理由は、
配給の人に聞かないと分からない。
企業のCEOに華麗に成長した男性主人公の紀文凱が、
実は学生時代、テストで落第点ばかりとっていた劣等生で、
“鴨蛋王(アヒルの玉子キング)”と呼ばれていた事に由来か?
(アヒルの玉子の形が、数字の0に似ていることから、中国語の“鴨蛋”には“ゼロ”の意味あり。)
日本では、“0点の劣等生”という部分ではなく、“仕事はできても恋にはオクテ”という主人公に思いを込め、
初心者を連想させる“玉子様”という言葉を使ったように見受ける。
なお、紀文凱の学生時代の屈辱的なニックネーム“鴨蛋王”は、日本語字幕では“タマゴ君”と表現。

★ 物語

学生の頃からずっと優等生で、化粧品の老舗大企業・天璽の秘書室で働いていた鍾雨棠であったが、
高校時代にからかっていた劣等生の紀文凱が海外で大出世し、新任CEOに抜擢され、就任したがため、
“社内の墓場”と呼ばれる業務三課(営業3課)に飛ばされ、目の前が真っ暗になるが、
自分でも気付かぬ内に、眠っていた実力を発揮するようになり、数々のプロジェクトを成功させ、
並行して、敵視していた紀文凱との間の誤解も徐々に解け、恋を実らせていく様子を描くラヴ・ストーリー



物語の大きな柱はふたつ。

グダグダ“後菜鳥”から出来る女への成長記

女性主人公の雨棠は、元々は優等生。
社内でも花形の秘書なのだが、その地位に甘んじ、新たなチャレンジをしなくなっている。
そんな時、かつてイジメた同級生・紀文凱が、新たなCEOとして会社にやって来て、
学生時代の仕返しとも思える“嫌がらせ人事”で、雨棠を降格して、業務三課に配属。
この業務三課は、クズ社員の集まりで、陰で“会社の墓場”と罵られている部署。
こういう所は、まるで日本のドラマ『ショムニ』。
雨棠も、同僚たちも、みんな最初はやる気ゼロなのだけれど、
降り掛かる様々な難題を解決していく内に、結束して、一人一人も能力を発揮し、優秀な社員に成長。
実は文凱、すっかり“後菜鳥”化していた雨棠から、本来もつ能力を引き出すための荒療治として、
彼女を敢えて業務三課に転属させたのであった。
仕返しの“嫌がらせ人事”は、実のところ、雨棠の才能を信じた“カンフル剤人事”だったというわけ。


遠回りのラヴ・ストーリー

高校時代の雨棠と文凱は、将軍(=雨棠)と一兵卒(=文凱)のような上下関係。
久々の再会では、文凱がCEO、雨棠と部下と、関係が逆転。
雨棠が、文凱からの仕返しを恐れるのも無理はない。
しかし、“カンフル剤人事”でも分かるように、文凱は常に雨棠の為を思って、陰で彼女を支え続ける。
文凱が表現下手で、雨棠が鈍感だから、進展しなかっただけで、
文凱にとって雨棠は高校時代からずーーーっと想い人。
遠回りして、学生時代の初恋を実らすというラヴ・ストーリーは、まるで『結婚なんてお断り!?~必娶女人』
(さらに遡ると、大ヒットドラマ『イタズラな恋愛悪書~我可能不會愛你』が、この系統。)



他にも、社内の覇権争いとか、裏取引、買収といった、企業を巡る謀略も盛り込まれてはいるけれど、
そこはユルさが売りの台湾偶像劇、どのエピソードも生ヌルく、先が簡単に読めてしまい、
はらはらドキドキ感は皆無。

★ キャスト その①:十年腐れて恋の花咲かす主人公二人

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曾之喬(ジョアンヌ・ツァン):鍾雨棠~化粧品大手・天璽の秘書から業務三課に飛ばされた落ちぶれOL

雨棠は華やかな秘書室から社内の掃き溜めに飛ばされ、
おまけに、父親が経営する傾きかけの飲食店の立て直しで、文凱に借金を作り、
その借金返済の代わりに、彼の家のお手伝いさんをする羽目になる踏んだり蹴ったりの29歳。
そういう踏んだり蹴ったりも、実は全て文凱の彼女に対する愛ゆえで、知り合った高校時代から長い時を経て、
彼女はようやく文凱の優しさに気付き、相思相愛になっていく。
前述のように、そういう遠回りの恋は、『結婚なんかお断り!?』とダブるのだけれど、
本作品のヒロイン雨棠は、『結婚なんかお断り!?』の環真に比べ、印象が薄く、“可もなく不可もなく”って感じ。
悪くはないが、何か決定的な魅力に欠け、特別惹かれないのは、なぜでしょう…??
演じている曾之喬は、本作品がパクった(いや、オマージュを捧げた?)その『結婚なんかお断り!?』にも
主人公と犬猿の仲の勝男役で出演している。勝男はK-Popアイドルのような金髪がチープだったけれど、
本ドラマでは髪色が少し落ち着いてくれて、ホッとした。(本心を言えば、もっとダークカラーにして欲しい。)



炎亞綸(アーロン):紀文凱~雨棠の元同級生 アメリカから帰国し、天璽のCEOに就任

雨棠が女性主人公であるにも拘わらずパッとしないのは、
このドラマがあくまでも“炎亞綸ファンのための炎亞綸ドラマ”であり、
相手役の曾之喬は彼を輝かせるためのお引き立て役に過ぎないからであろう。
そんな訳で、炎亞綸が演じている文凱は、これまでに演じた役と大して変わり映えの無いツンデレ王子様。
アメリカ帰りで有能、ヘッドハンティングで若くして大企業トップに君臨するイケメン・セレブ、
それでいて、雨棠の好物・魷魚片(のしイカ)を当てるため、
駄菓子屋のクジを子供みたいに必死で引き続けるという健気な一面があったり、
無駄なシャワーシーンや、ねっとり目のキスシーンも多々有るので、
ファンなら胸キュンの連続で、ファンじゃなければ「またかヨ…」って感じ。

私は後者だが、炎亞綸が近年しばしば漏らしていた台湾ドラマに対する憂いには共感する部分も多く、
彼を見直してもいるのです。(このドラマ終了後に三立を名指しで批判したことに関しては、
一緒に作品を作り上げた仕事仲間の中にも、困惑させられた人が居ると思うけれど。)
私にとっての炎亞綸は、衰退したマンネリ台湾偶像劇のド真ん中に居る典型的なアイドルだが、
彼は、台湾偶像劇衰退の現状や、
中身の無いそんな偶像劇で演じ続け、アイドル好きな日本のオバちゃんたちを喜ばせているだけだと、
そう遠くない将来、自分は潰れると、ちゃんと分かっている人だと見受ける。
ハタチくらいに見えるけれど、もう30過ぎているからねー。
本ドラマでも、“相も変わらぬ炎亞綸”を演じてはいるが、
小さな一歩として、王子様ルックをやめ、フツーのスーツを着たり、
茶髪や変なセットもやめ、まぁまぁフツーの黒髪にし(←サイドは中華明星にありがちな刈り上げだが)、
見た目は年相応の男性にシフトしつつある。



“年相応”と書いたばかりでナンですが、“学生時代から十年越しの遠回りした恋”という物語ゆえ、
本ドラマでは、回想シーンで、そんなアラサー主演俳優二人の高校生ルックが見られます。

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『結婚なんてお断り!?』主演2人組の高校生ルックとも比べてみます。

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いかがでしょう。どちらも、実年齢を感じさせない若々しさで、ぜんぜん痛くないのだけれど、
制服のデザインだけを見ると、『結婚なんてお断り!?』で邱澤(ロイ・チウ)が着ていた作業着風の物の方が、
“これぞ台湾!”と異国情緒を感じさせてくれる制服で、個人的に好み。

★ キャスト その②:主人公を取り巻く仕事仲間(→転じて恋敵?)

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琳恩(レネ・ライ):苗愛莎~紀文凱の秘書

愛莎は、紀文凱がアメリカから連れて来た有能な秘書。有能なだけではなく、人柄も良し。
彼女が密かに文凱を想っているのは明らかなので、最初の内こそ羊の皮を被っているが、
立場を利用し、恋のライバル・雨棠を蹴落とす極悪セクレタリーと化していくのかと思いきや、
最後まで利他的で心清らかな愛莎であった。…いや、正確には、終盤、一度、ダークサイドに堕ちるのだが、
「どうせ見せかけの裏切りでしょ…」と展開が読めてしまう。
驚きの無い脚本は問題だが、もっと問題なのは、扮する琳恩の表現力かも。
“成り金不動産王に寄り添うセクシー秘書”って感じで、大企業の知性派秘書にはぜんぜん見えない。
琳恩は、これまで見慣れていた(↓)この手のお色気写真のイメージが払拭できていないのよねぇ。

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はーい、琳恩を天使と悪魔風にまとめてみました~。彼女は体張ってる時の方が活き活きしている。
ささやかな演技力で無理に知性派に転じようとせず、
割り切って、いっそトゥマッチなほどお色気を振りまくセクシー秘書として登場した方が、
案外女性視聴者ウケも良かったのでは。

言いたい事はまだまだ有るが、この琳恩、つい最近の2017年1月…

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ドラマ『幸福蒲公英~Happy Dandelion』での共演をキッカケに
約6年交際した陳乃榮(ナイロン・チェン)に嫁いだばかり。
陳乃榮てば、ずっと「結婚より仕事」と言っていたのに、結局、彼も“裸にエプロン”にオチたか(笑)。
とにかく、おめでとうございます。お幸せに♪




李運慶(ジャック・リー):王子譽~鑫威の秘書 雨棠に片想い

王子譽は天璽と取り引きのある企業・鑫威の秘書で、想いを寄せる雨棠を何かと助けてくれるジェントルマン。
…が、実は、ただの秘書ではなく、鑫威会長の御曹司であることが後々判明。
私、そんな事は最初から察知しておりました。なにせ、彼、名前が“王子譽(おうじ・ほまれ)”ですから…!
そして、この王子様、正体がバレ、鑫威の頂点に登り詰めてからは、ブラック化が加速。
雨棠と付き合いだした文凱への嫉妬で、文凱から全てを奪おうと、あの手この手の画策。
そんな黒い王子様を演じているのは、そう、李運慶(り・うんけい)。
炎亞綸と共演したこの前のドラマ『恋にオチて! 俺×オレ~愛上兩個我』では、
大人っぽくて、主演の炎亞綸より素敵だったのだけれど、
本ドラマでは、「悪役だから」という以前に、髪型でOUT。
ふんわりウエィヴィな茶髪は、オジさんを超越してもはやオバさん…。宝塚男役っぽくもある。

★ キャスト その③:その他

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琴(シウチン):孟和~業務三課の課長

雨棠の同僚も少し見ておくと、業務三課で一番目立つ中心人物は、この孟和であろう。
勤続年数の長いお局様なので、一応課長という肩書きにはなっているが、
所詮掃き溜めの課長で、ただのオバちゃん。
しかし、そんなオバちゃんだからこそ、自然と身に付いている庶民感覚。
雨棠に触発されてからは、その鋭い庶民感覚で、業務三課の躍進に貢献していく。
演じている琴自身、実際に周りの俳優たちより年上の40代半ば。
若い子たちばかりの中に、こういう中堅が混ざると、お芝居が引き締まる。
周囲をパーッと明るくする雰囲気もよし。



夏如芝(シア・ルージー):黃佳茵~業務三課所属のシングルマザー

佳茵は元々やり手の営業ウーマン。
ところが、夫のDVに耐えかね離婚した今は、幼い息子の世話に追われ、生活疲れ激しく、仕事は御座なり。
そんな佳茵も、雨棠に触発され、再び仕事に目覚め、徐々に輝いていた頃の自分を取り戻していく。
そして、ついには、 シンガポール地区での営業を任されるまでに!
えっ、でも、単身でシンガポール赴任なんて、まだ幼い息子はどうするの?大丈夫…?!
はい、大丈夫なのです。だって、DV夫だったJohnnyが改心し、台湾で息子の面倒を見てくれるのですから!
Johnnyのお人柄は、実は彼の友人だった文凱のお墨付き!
出来るCEO文凱は、Johnnyの人間性も考慮した上で、佳茵にシンガポール行きの辞令を出していたのです。
しかも、さらにその後、佳茵はJohnnyと復縁。めでたし、めでたし♪
…なんて、祝福している場合…??!なんとも都合の良い展開(笑)!
あのねぇ、普通はDV夫とヨリを戻したところで、またブン殴られるのが、オチなのよ。
性懲りも無く腐れ縁のDV夫と復縁するそんな佳茵に扮する夏如芝は、
数年前、故宮博物院を紹介するNHKの番組で、谷原章介と共演し、得意の日本語も披露しております。
こんな美人さんに日本語で話しかけられたら、多くの日本人男性はきっとメロメロになってしまいますよね。
(…だからJohnnyはやめなって!)



:塔可夫斯基(タルコフスキー)~ロシアの実業家

天璽の取り引き相手であるこのロシアの実業家は、第1話にほんのちょこっとだけ登場。
“タルコフスキー”という役名は、ロシアの巨匠、故アンドレイ・タルコフスキーから頂いたのであろう。
非常に安直だが、ロシア人ならタルコフスキー、ギリシャ人ならアンゲロプロス、イラン人ならキアロスタミ、
…としたくなる業界関係者の気持ちは理解できる。
で、そのタルコフスキー氏を演じている男性だが、演技がギコチない明らかな素人で、素性は不明。
“台湾版・稲川素子事務所”のようなタレント事務所に登録している台湾在住ロシア人か?
どうせ素人だし、初回にチラッと出て終わりだと思ったら、終盤再登場したので、ちょっと驚いた。
もっと驚いたのは、3億元横領の疑いを掛けられていた文凱が、このタルコフスキー氏と手を組み、
極秘でシンガポールに“天璽DD(ティエンシー・ディーディー)”なる新会社を設立していたというオチ。
ナンなの、“マッハGO GO”みたいな、その“天璽DD”って…?!
このくだりが、本ドラマで一番意表を突かれた部分かも。

★ 天璽→朵璽

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主人公たちが働いている“天璽(ティエンシー)”という化粧品メーカーは、
“朵璽 Dr.Douxi(ドクター・ドウシー)”という実在の台湾メーカーがモデル(ストーリーには関係なし)。
化粧品というか、スキンケア用品のメーカーで、
ドクターズ・コスメっぽい社名からして“台湾版ドクターシーラボ”って感じか。
(文凱が極秘に設立した新会社・天璽DDの“DD”は、もしかして“Dr.Douxi”の略…?)



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ドラマの中で、良く言えばロングセラー、はっきり言って古臭く、客に見向きされなくなっていたところ、
卵の殻を混ぜるという改良でヒットする“美美(メイメイ)”という設定で登場する石鹸も、
朵璽が“卵殼精萃乳霜 Essence of Eggshell Cream Soap”の名で実際に販売している商品。
朵璽の公式ショッピングサイトで100gの石鹸が350元也。

商品のラインナップにザッと目を通したところ、卵の殻以外にも、
杏仁酸(マンデル酸)を配合した商品が得意みたいで、美容液だのフェイシャルマスクだのと充実している。
台湾土産として買うのも良いかも知れませんね。
2015年にオープンした直営のフラッグシップストアは台中で、旅行者には不便かも知れないが、
台湾中にチェーン展開しているドラッグストア・康是美 COSMED、小三美日、巴黎草莓 Fraise de Parisなどで
取り扱いがあるようだ。興味のある方は、次の台湾旅行の際にどうぞ。



朵璽逢甲旗艦店 (台中フラッグシップストア)
台中市 西屯區 福星路 420號 1樓
OPEN 15:00~23:00
(化粧品店というより飲み屋のような営業時間 …笑)

★ テーマ曲

テーマ曲は、オープニングが郭靜(クレア・クオ)の<拍檔>
エンディングが韋禮安(ウェイ・リーアン)の<第一個想到你>
韋禮安のドラマ主題歌というと、『イタズラな恋愛白書』の<還是會>を思い出す。あれ、好き。
なので、ここにも韋禮安が担当したエンディング曲<第一個想到你>の方を貼っておきます。







最後から2番目の第27話後半から最終回・第28話にかけては、タネ明かしの回。
と言っても、そもそも大した謎が無かったので、「なるほど!そうだったのか!」と感心するような事は無かった。
そういう部分は、台湾でも近年大人気の大陸時代劇に倣い脚本を練ったのだろうけれど、
謀略の物語はやはり台湾偶像劇の得意分野とは言い難く、スキだらけでユルユル。
一番驚かされたのは、文凱が会社の3億元を勝手に動かし、
タルコフスキー氏と秘密裏に天璽DDとやらを設立していたという素っ頓狂なオチでしょ、やっぱり。

最初に述べたように、最悪ではないし、“炎亞綸主演ドラマ”としてはかなりイイ線いっているのだが、
『結婚なんかお断り!?』や、ましてや『イタズラな恋愛白書』などと比べてしまうと、ガクッと落ちるので、
前2作と共に“高校時代からの遠回りの恋”系列3部作(?)に入れることは、避けたい。

あと、日本語字幕で、会社名、地名、歴史上の人物は漢字、現代人の名は片仮名などという
クダラない縛りは、もういい加減やめて。
“天璽”、“鑫威”といった非常に難解な漢字だって、社名としてなら、そのまま使っているのに、
“紀文凱”程度の人名がなぜ漢字で記せないのか…?(“はんぺんの紀文”で見慣れた字なのに…。)
最近、ドラマの日本語字幕は進化しており、他では漢字表記が徐々に増えてきているのに、
気のせいか、炎亞綸主演ドラマばかりが、未だ片仮名表記に固執しているように見受ける。
炎亞綸ファンはオバさんが多いから、「最近の子は漢字が読めない」という言い訳は通用いたしません。
それとも、配給会社は、炎亞綸ファンは漢字も読めない馬鹿だと侮っているのだろうか。

そんな炎亞綸も三立と決裂したことだし、これを機に、日本もそろそろ偶像劇には見切りをつけ、
“偶像劇以外の台湾ドラマ”が入って来ることを切に願います。
(偶像劇の全盛期はとっくの昔に終わっている。このまま退屈な偶像劇ばかりを入れ続けても、
喜ぶのはごく限られたアイドルのファンだけで、台湾ドラマの支持者は増えないし、
それどころか、台湾ドラマ全体に“低品質”のイメージが定着するだけ。
目の肥えた視聴者を満足させる観応えのあるドラマを!)



ホームドラマチャンネル、水曜深夜(正確には木曜未明)のこの枠は、ちょっとお休みが入り、
3月15日から大陸ドラマ『シンデレラはオンライン中!~微微一笑很傾城』を放送。
主演は、楊洋(ヤン・ヤン)と鄭爽(ジェン・シュアン)。
『お昼12時のシンデレラ~杉杉來了』と同じように、顧漫(グー・マン)の小説のドラマ化ということで、
こういう邦題なのであろう。ネットゲームの中で知り合った男女の恋物語なんて、
若すぎる&異次元すぎて(笑)、興味の対象外なのだけれど、取り敢えず、観てみます…?

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