Quantcast
Channel: 東京倶樂部★CLUB TOKYO
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1332

北京2016:馬連道①~遵義紅

$
0
0
ぜんぜん終わる気配の無い昨年の北京休暇備忘録を、久し振りに更新。

中国土産の定番といえば、お茶。
北京の繁華街には、吴裕泰(吳裕泰)、张一元(張一元)といったチェーン展開している老舗のお茶屋さんが、
あちらこちらに点在しているので、時間が無い場合は、そういう所で買うのが便利。
でも、もっと選択肢色々の中から買いたーいっ!というのであれば、马连道(馬連道)

馬連道は、何軒ものお茶問屋が集まるお茶屋街。大陸北方地区では、最大のお茶交易市場。
一国の首都で、こんな規模のお茶屋街は、世界随一ではないだろうか。

★ 馬連道への道

馬連道は、北京市の西南に位置。
市街地からめちゃくちゃ遠いわけではないけれど、
以前は交通の便がお世辞にも良いとは言えず、行くのがやや面倒な場所であった。
私はずっとタクシーやバスを利用していたが、
北京をご無沙汰していた2014年末に地下鉄駅がオープンし、俄然便利に!



イメージ 1

開業したのは、地下鉄7号線・湾子(灣子)駅。
お茶屋街最寄りの駅だけあり、構内もお茶の伝統や雅な世界を感じさせるデザイン。


イメージ 2

馬連道へはD出口。


イメージ 3

D出口を出ると、もう目の前が馬連道。
あとは、この通りを南下していくだけ。
ほんのちょっと歩いただけで、すぐに、通りの両脇に軒を連ねるお茶屋さんが見えてくる。

★ 遵義紅

イメージ 4

まずは、通りを南下していくと右手に見えてくる赤い建物・遵义红(遵義紅)へ入ってみる。


そもそも、遵義紅(Zūnyìhóng)とは?
遵義(じゅんぎ)は、貴州省にある都市の名。そこで生産されているのが遵義紅。
貴州は近年お茶産業の発展に力を入れている省で、都勻毛尖、湄潭翠芽、寶石という3大緑茶が有名だが、
遵義紅は名前からも想像がつくように紅茶。
市場に出回り始めたのは比較的最近のことで、
貴州が開発とブランド化を進めているだけあり、お茶博の紅茶部門で賞を獲るなど、
注目度が高まっているお茶。

北京の馬連道にある、その名もズバリ“遵義紅”というこのお店は、2014年末にオープン。
貴州のお茶産業発展計画の一環なのであろう。
言うなれば、都・北京で貴州の遵義紅をプロモーションするアンテナショップ。


入り口を入ると…

イメージ 5

大きな湯飲み茶碗&急須がお出迎え。
当然茶葉の販売もあるのだが、私はそれらをスルーして、奥の階段から2階へ上がってみる。

★ 遵義紅茶城2階お食事処

2階は、貴州料理を提供するお食事処になっているという情報を事前に得ていた私。
これまで、馬連道エリアでは、あまり行きたいお食事処が無かったので、
「今後の参考に」という程度の気持ちで、グルメサイトでの評価も上々のこのお店を覗いてみたかった。



イメージ 6

完全な“レストラン”という感じではない。
フロアの壁際では、お茶を展示販売しており、中央がお食事できるスペースになっている。


私が行ったのは、半端な時間で、お客さんは一組だけ。
レジの女性もヒマそうで、「お食事していきます?」と私に話しかけてきたので、
もう、ついでだから何か食べちゃおうか!って気になり、別におなかも空いていないのに、席についてしまった。

★ 黔菜

「四川人不怕辣、湖南人辣不怕、貴州人怕不辣
(四川人は辛さを恐れず、湖南人は辛くとも恐れず、貴州人は辛くないことを恐れる)」とも言われるほど、
貴州は、四川、湖南と並び、中国の中でも特別辛い物を好む地域。

俗に“黔菜(Qiáncài けんさい)”と呼ばれる貴州料理は、
中国四大料理のひとつ、四川料理の系統に属し、実際、四川料理に似ているようにも感じるのだが、
四川が“麻辣”と呼ばれるシビレる辛さを特徴とするのに対し、貴州はスッパ辛い“酸辣”を好む傾向。

★ オーダー

四川料理を出すお店は日本にも沢山あるけれど、貴州料理は珍しいので、
行き当たりバッタリのこんな機会にお試しも悪くない。私、辛いのも酸っぱいのも好きだし。



イメージ 7

メニューは写真入りで分かり易い。
問題は、1ポーションの量が多いこと(←まぁ、一般的に中華料理はそういうものだが)。
しかも、何か頼もうとする度に、お店の女の子が「それ、すっごく辛いですよ」と脅すので、
次から次へと却下となり、結局2品だけオーダー。



イメージ 8

注文も済み、ひと息。
お茶は、貴州の緑茶(無料のサービス茶)。
お料理が辛いので、どんどん飲んでしまうのだが、減るとグラスに継ぎ足してくれる。

★ 開胃茄丁

イメージ 9


貴州にも、辛くないお料理は有ります。
この“开胃茄丁(開胃茄丁)”もそんな一つ。ひと皿、36元也。

頭に“開胃(食欲を刺激する)”と付いているので、前菜程度の物を想像していたら、結構な量であった。
その後に続く“茄丁”からも分かるように、メインはダイス状にカットしたお茄子。
赤い物は肉厚のパプリカだと思ったら、トマト。酸味より甘みの強いトマト。
これは嫌味の無い味で、美味しい。大抵の日本人は好きな味だと思う。
唐辛子も入っているので、まったく辛くないわけではないけれど、ちょっとピリッとする程度。
その僅かなピリ辛効果で、このお料理の名前通り、食が進む。

★ 米豆腐

イメージ 10

もう一品は、“米豆腐”。ひと皿、28元也。
お店の女の子に「すごく辛い」と何度も念を押されたので、怖くなり、辛さ控えめで注文。


そこまで脅かされながらも、なぜこれを頼んだかと言うと、
映画では見たことがあっても、実際に食べたことは無かったから。

イメージ 11

「きみの手、米豆腐より白いね」 ←口説き文句にも土地柄が(笑)。
文革期を描いた謝晉(シエ・チン)監督のこの『芙蓉鎮』(1986年)で、
劉曉慶(リウ・シャオチン)扮する主人公が営んでいるのが、米豆腐屋さんなの。
この映画を観た時、「豆じゃなくてお米なら、もはや豆腐ではない…」とも思った。

米豆腐は、お米と食用の石灰を混ぜ、豆腐状にした物。
貴州と限らず、四川や湖南などでも食べられる小吃で、地域により多少の差はあるらしい。

イメージ 12

今、改めて調べたら、『芙蓉鎮』の舞台は湖南省。
映画の中の米豆腐は、ダイス状にカットした物がお椀の中にコロコロと入っていたけれど、
このお店で出てきた物は、棒状。
ちなみに、映画で、主人公と恋に落ちる右派の男を演じているのは、かの姜文(チアン・ウェン)。


私がお店で食べた棒状の米豆腐、食感はツルン。
大豆で作った本物の豆腐よりは固く、歯切れも良い。
気にして食べると、後味にほんのりお米の味を感じなくもない。
何も付けずに、米豆腐だけで食べたら、もしかして米の研ぎ汁を固めたようなボケた味かも…?

今回私は辛さ控えめで作ってもらったけれど、やはりそれなりに辛い。
このタップタップの漬け汁、見ての通り、真っ赤だから。
唐辛子の味がダイレクトに来る。


大好物とは言わないが、こういうツルンとした食感の物は好きなので、悪くないと思った。
ただ、お店の女の子は、
「本当の米豆腐はもっと美味しい。もし機会があるなら、苗乡楼(苗郷樓)で食べてみて」と。
その子が言うには、このお店では、買ってきた米豆腐を使っているけれど、
苗郷樓ではちゃんと手造りしており、本場の味なのだと。
そもそも本場の味を知らないので、これでも充分だと思った私、
どう違うのか尋ねたところ、本当の米豆腐の食感は、もっと柔らかなんですって。


この女の子、天燕ちゃんというのだが、自分が働く店内で、客に他店を薦めて大丈夫なのか…?
とても人懐っこく、ずっと私の横で、お喋りをしているから、後で上司に叱られるのではないかと、少々心配に。
でも、くれた名刺を見たら、役職が“主管”であった。
小柄で若々しく見えるので、18歳くらいの出稼ぎ労働者だと勝手に想像していたら、実際には25歳だという。


馬連道へ来た目的は、お茶を買うことで、
遵義紅は“ちょっと寄り道”程度のはずが、すっかり油を売ってしまった私。
お喋りも切りのいいところで、お会計。
お支払いしようとしたら、レジの女の子が、なぜかちょっとオマケしてくれた。
満額払おうとしたけれど、「いいから、いいから」と。
そもそも2品しか注文せず、サービス茶ガンガン飲んだのに、申し訳ない。
天燕ちゃんをはじめ、北京馬連道・遵義紅の皆さま、ありがとうございました!
親切な良いお店なので、貴州料理をお試ししたい方は、どうぞ。
(天燕ちゃん曰く、米豆腐のお薦め店は苗郷樓とのことだが、
こちらの遵義紅も、グルメサイト等での評判はまずまず。)



さて、次に、私は、いよいよ茶葉を買いに行きます。
“北京2016:馬連道②”に続く。



◆◇◆ 遵义红 ◆◇◆
北京市 西城区 马连道路 9-22号 遵义红茶城2层

 010-63476166

 10am~9pm (←間違っている可能性あり、要確認)

 地下鉄7号線・湾子(灣子)駅
D出口から出て、馬連道路を南下 徒歩8~10分程度

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1332

Trending Articles