2017北京旅行備忘録、今回は番外編。
数ヶ月前、当ブログのコメント欄にて、ゆうさんより、
大陸ドラマ『那年花開月正圓~Nothing Gold Can Stay』が、
2018年8月に日本で放送されるという情報を頂いた。
その後、邦題が『月に咲く花の如く』で、
具体的には、チャンネル銀河で、2018年8月1日(水曜)に放送開始と知る。
延々と続く『麗王別姫 花散る永遠の愛~大唐榮耀』がようやく終わって下さり、その後番組である。
これねぇ、昨年、私が北京へ行った時、現地でちょうど放送開始されたばかりで、
初っ端から、到着した北京首都空港で、大看板を目にし、
それ以降も、滞在中、街中で、ちょくちょく宣伝を見掛けた。
2017年北京旅行備忘録、こちらのホテルの項にも記したように、
ホテルの客室内でも、朝でも晩でも、テレビをつけると『那年花開月正圓』。
余談になりますが、バスルームの鏡に埋め込まれた(? 構造が解らず)このテレビ、面白いですよね。
“镜面电视 Electric Mirror”と呼ばれているそうだ。
テレビをつけていない時は、まったく普通の大きな鏡で、
まさかそこにテレビ番組が映し出される気配など無いの。
★ 大陸ドラマ『月に咲く花の如く~那年花開月正圓』
『月に咲く花の如く』は、清朝末期に実在した周瑩(1868-1908)という女性富商の人生を描いたドラマらしい。
富商と言えど、昔の女性なので、謎の部分も多く、恐らくドラマはかなり想像で脚色されていると思うが、
宮廷モノとはまた違う、商家の物語、面白そう。
主人公・周瑩を演じているのは、孫儷(スン・リー)。
私が、ホテルの客室でチラリと観た限り、
周瑩は、養父と共に、詐欺紛いの大道芸で日銭を稼いでいたが、
巡り巡って、何東潤(ピーター・ホー)扮する御曹司・吳聘のもとに身を寄せることとなる。
この吳聘が超イイ人で、下層出身で、ろくにマナーも知らない周瑩を優しく見守るの。
そのような回を観ていたので、私は、これ、てっきり孫儷&何東潤主演ドラマだと思い込んでいたら、
実は、私が北京を去って早々に何東潤はお亡くなりになり、結局のところ…
孫儷&陳曉(チェン・シャオ)主演ドラマであることが判明。
よくよく考えてみれば、確かに、優しい男性とのハッピーな生活を描くだけだったら、
全74話ももたないわよねぇ。
(思い返せば、ポスターでも、何潤東の扱いは小さかったし。)
作中二番手の男性で、出番は少ないが、
それでも何東潤は、本ドラマの吳聘役で、“理想の夫”、“國民好老公(国民的良き夫)”と称えられ、
40も過ぎ、結婚もし、ひと頃の人気が落ち着いていたところ、ちょっとした再ブレイクを果たしている。
主演男優の陳曉の方は、
2016年に結婚した妻・陳妍希(ミシェル・チェン)との交際のキッカケになったドラマ、
『神雕侠侶・新版~神俠侶』が、『月に咲く花の如く』よりひと足早く、
2018年7月20日、チャンネルNECOで放送開始。
私個人的に、『神雕侠侶・新版』には期待していないので、『月に咲く花の如く』の方がずっと楽しみ。
この『月に咲く花の如く』では、『雲巔之上~Above The Clouds』に続き、
陳曉の女形が見られるのでも話題。
元々ゴツゴツしていない優しく端正な顔立ちだから、女形も息を飲む美しさ。
陳妍希は、自分より若くてキレイなこんな男性とよく結婚したものだ。
私だったら、毎日家で美しいものを拝める幸福感より、
自分の方が見劣りする劣等感の方が勝ってしまいそうヨ。
『月に咲く花の如く』では、これらメインキャストの地声を採用。
これ、原音重視派の多い日本では、喜ばしいポイントであろう。
大陸の吹き替えは良く出来ているので、ほとんどの日本人視聴者が違和感を抱かず観たと察するが、
あの大ヒット作『宮廷の諍い女~後宮甄嬛傳』で耳慣れた孫儷娘娘の声は、声優による吹き替えである。
孫儷の地声が聞ける以上の驚きは、香港人の両親をもち、台湾で英語教育を受け育った何潤東さえ、
本ドラマでは、自らアフレコを行っていることである。
日本では、中国で声優による吹き替えが行われる理由を、
「正しい標準語の発音を広めるため政府がお達し」と捉える向きがあったが、
やはり、以前、こちらにも記したように、今回のこの一件で、むしろ慣習的な事情もあると感じた。
今回、特に何潤東は、どんなに意識して一字一句正確に発音しようとしても、どうしても抜けない訛りがあり、
プレッシャーも大きかったようだ。
実際、放送が始まると、時代劇らしからぬ彼の香港訛りや台湾訛りが、若干の物議を醸したようだけれど、
結果的に、吳聘というキャラが人気になったのだから、成功と言えそう。
まぁそんな訛りも含め(どうせ日本人だと、中国語ネイティヴの人ほどは訛りも気にならないであろう)、
人気俳優たちの声にまで気を配った演技を楽しめそうですね。
昨秋放送されたNHK朝ドラ『わろてんか』のモデルになった吉本興業創業者の吉本せい(1889-1950)は、
『月に咲く花の如く』の主人公・周瑩より約20歳年下だが、
“19世紀末、この世に生を受けた東アジアの女性実業家”という大きな括りでは同類になる。
『わろてんか』は、舞台が日本で、しかも吉本興業の話なので、日本人の私には身近過ぎて、
「吉本興業の創業者が葵わかなみたいなラヴリー系のわけないじゃんっ…!」、
「もっとガメツイ浪速の商人だったでしょーに…」とシラケてしまった。
いっそガメツさを前面に押し出してくれた方が、割り切って楽しめた気がする。
(視聴者の多くは、ガメツイおばちゃんなんて、朝から見たくないでしょうが。)
その点、『月に咲く花の如く』は、他国の未知の話で、
激動の中国史が背景になっているのも魅力だし、
作品自体も、日本の朝ドラより遥かにスケールが大きく、豪華な物を期待できる。
北京でちょっとだけ覗いた印象からは、恐らく観易いエンタメ作品に仕上がっているのではないかと想像。
中国史に疎い人でも、気負わずに楽しめる女一代記という気がしている。
(…と言っても、洋務運動や戊戌の変法などが物語の背景になっていると思うので、
清末の歴史はある程度分かっていた方が、より楽しめるはず。)
ちなみに、主演コンビ孫儷&陳曉は、本作品が初共演。
一方、何潤東は、過去に孫儷と『玉観音~玉觀音』、『1メートルの光~一米陽光』で共演しており、
本作品が久々の第3弾コラボとなる。
孫儷にとっても何潤東にとっても代表作の一本となる『玉観音』を撮ったのは、
ヒットメーカー丁(ディン・ヘイ)監督であり、
この『月に咲く花の如く』もまたその丁監督の手による(画像中央の強面のオジちゃんが監督さん)。
孫儷とは初共演の陳曉も、『大秦帝国』シリーズ2作品、
『大秦帝国 縦横 強国への道~大秦帝國之縱』、『昭王 大秦帝国の夜明け~大秦帝國之崛起』で、
丁監督作品は経験済み。
『月に咲く花の如く』と同年に制作のもう一本の丁監督作品、その『昭王 大秦帝国の夜明け』も、
同じくチャンネル銀河で、2018年8月16日放送スタート。
これ、私が現在衛星劇場で視聴中の孫儷主演作『ミーユエ 王朝を照らす月~羋月傳』と、
時代がバッチリ重なるの。
『昭王 大秦帝国の夜明け』で羋月に扮するのは寧靜(ニン・チン)、
その息子・昭王嬴稷にふんするのは張博(チャン・ボー)。
平日毎日放送のドラマの視聴をこれ以上増やすのは、本当にキツイのだけれど、
『昭王』は評判良いし、やはり観ておくべきなのでしょうかねぇ…、たったの38話だし。
(38話を“たった”と感じてしまうとは、私も随分大陸ドラマ慣れしたものだ。)
グダグダの『麗王別姫』に加え、『三国志 Three Kingdoms~三國』を吹き替え版で放送したことで、
私の中では、チャンネル銀河は信用失墜、株価大暴落だったのだが、2018年8月で名誉回復。
今は逆に、『月に咲く花の如く』と『昭王』、毎日両方追うの大変っ!と嬉しい悲鳴。
皆さまは、どのドラマを視聴中で、どのドラマを新たな視聴リストに加えますか…?