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街角の明星in新宿(范冰冰案件の結末)

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“陰陽合同”と呼ばれる二重契約書の暴露に端を発した脱税容疑で
姿をくらましていた女優、范冰冰(ファン・ビンビン)。
2018年10月3日、国税局が処分を公表。
大方の予想通り、范冰冰に命じられたのは、追徴課税と罰金。
その総額、8億8394万6千人民元也。
日本円にして、約147億円。支払期限は本年度末。
沈黙を守っていた范冰冰も、その直後、久し振りに微博を更新し、謝罪文を掲載。

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国家や社会に対し不利益をもたらした事を認め、
下された罰を全面的に受け入れ、納付に全力を尽くすと、ひたすら反省と謝罪。




思い出すのは、2002年に発覚した劉曉慶(リウ・シャオチン)の脱税である。
劉曉慶は、710万人民元という范冰冰よりずっと少ない額にもかかわらず422日間も収監。
そんな事例が有ったので、もしかして范冰冰サマも監獄入り?!と予想した人は少なからず居ただろうが、
なんでも、中国では2009年に脱税に関する法改正があり、
初犯の場合、期限内に定められた額を納付すれば、基本的には刑事罰には問われなくなったのだとか。
日本だと、そんなお金持ちの芸能人はいないから、支払額147億円なんて聞くと、ギョッとするけれど、
大陸トップクラスの芸能人なら、払える額でしょ。

ちなみに、劉曉慶は、日本でも、映画『芙蓉鎮』(1986年)で広く知られ、
数年前TBSの番組が“中国最強の美魔女”として取り上げた際、年齢を暴露し、御本人激怒と話題になった。
近年では、武則天を演じたドラマ『武則天 秘史~武則天秘史』が日本に入って来ている。

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私にとっては、范冰冰が武則天を演じた『武則天-The Empress-~武媚娘傳奇』より、
劉曉慶の(正確には、他2名の女優が武則天を演じている)『武則天秘史』の方がずっと面白かった。




さて、脱税問題も収束すると、気になるのは、范冰冰出演作の行方である。
昨日の今日なので、まだ具体的な話は無く、どの報道も推測の域を出ていないように見受ける。

ブルース・ウィリスも出演する日中戦争中の重慶爆撃を描く映画『大轟炸~Unbreakable Spirit』は、
本来2018年8月17日公開の予定であったが、延期となり、
いつの間にかポスターから范冰冰の名が消え、2018年10月26日に今度こそ公開予定。

(↓)こちら、范冰冰の名前がある旧版ポスター。

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(↓)こちら、范冰冰の名前が消えた新ポスター。

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但し、制作者サイドは
「深い意味は無い。新しいポスターには、主要キャストの名だけを載せた」と言っている。
実際、この映画で、范冰冰は主要キャストではなく、特別出演の扱い。
(ちなみに、前出の劉曉慶も、この映画に特別出演。)

そして、この映画、公開は決まったものの、
一連の出来事の発端となった有名司会者・崔永元(ツイ・ヨンユエン)がまたまた
『大轟炸』は大ウソつき。たった一人の出演者しか処罰を受けていない」と
他にも脱税した者がいることを匂わす発言。
“不発弾”を抱えた映画と言われている(苦笑)。


ドラマでは…

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『巴清傳~Legend of Ba Qing』は、范冰冰の脱税問題の前に、
もう一人の出演者、秦の始皇帝嬴政を演じる高雲翔(ガオ・ユンシャン)も、
オーストラリアで現地の華人女性に性的暴行を働いた容疑で裁判沙汰になったため、
制作した唐影視は株価も下落し、相当な損失を出したらしい。
現時点では、公開困難と見る人が多いようだが、ホトボリが冷めた頃、シレーッと公開の可能性も…。
芸能人は人気商売なので、公開されたところで、現地ではどれくらい受け入れられるのか不明だが、
日本に限って言えば、秦は人気の時代だし、今回の一件で范冰冰の知名度が一気に上がったので、
飛び付いて買いたがる配給会社が絶対にある気がする。

★ 街角の明星

そう、范冰冰が脱税しようが納税しようが、日本には関係ないのです。
それどころか、今や彼女は、有名人。
これまで長年、ごく一般的な日本人が知っている中華明星と言ったら、
李小龍(ブルース・リー)と成龍(ジャッキー・チェン)くらいだったけれど、
このほんのひと月程の間に、そこに范冰冰が加わった。


以前、こちらに記したように、2018年5月より、范冰冰は、
美顔ローラーでお馴染みの日本企業ReFaのグローバルアンバサダーになっている。
私は、新宿伊勢丹に貼られたポスターをたまたま目にして、その事を知った。
伊勢丹の化粧品売り場には、中華圏からの旅行者も多い。
果たして、あのポスターはどうなったのか?と思ったら…

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はい、范冰冰サマはちゃんと健在でした。

伊勢丹の近くのシネマート新宿では、范冰冰の婚約者・李晨(リー・チェン)が監督&主演して、
范冰冰も出演している映画『スカイハンター 空天猎』が絶賛上映中。
日本でお客が入るタイプの映画とは思えないのだけれど、
配給会社は、偶然にも、このタイミングで公開し、ちょっとした范冰冰特需に湧いたのでは。


その後、伊勢丹で買い物を済ませた私は、道を挟んで斜め向かいのビックロへ。
そうしたら、こちらには…

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あら、王凱(ワン・カイ)が。
こんな所で殿下に謁見できるとは。
「お得なクーポンを配布中」と日本語でも書いてあるけれど、
中華圏からの旅行者だけではなく、日本人のお客さんでも、
ーラルBの何かお得なクーポンをもらえるの?



最後に、今回もしつこく申しておきますが、
私が好きな范冰冰出演作は、『ロスト・イン・北京』(2007年)です。
あと、2017年の大阪アジアン映画祭で上映され、それっきりになっている范冰冰主演作、
『わたしは潘金蓮じゃない』はどうしても観たい作品なので、
日本で范冰冰の知名度が一気に上がったこの機会に、
どこかが買って、公開してくれないかと、密かに願っております。

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