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ベルナルド・ベルトルッチ監督逝去。

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映画ファンに留まらない多くの皆さまがすでに御存知の事と察するが、
昨日、2018年11月26日朝7時頃、イタリアの巨匠ベルナルド・ベルトルッチ監督が、
ローマはトラステヴェレの自宅で、家族に見守られ、永眠。享年77歳。
近年、車椅子で公けの場に出ていたが、やはり長いこと癌を患っていたらしい。




『暗殺の森』(1970年)、『ラスト・タンゴ・イン・パリ』(1972年)、『シェルタリング・スカイ』(1990年)等々、
日本でも話題になった監督作品は色々。
でも、日本で、いや、世界でも、最も知られるベルナルド・ベルトルッチ監督作品と言えば…

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そう、間違いなく、1987年の作品、『ラストエンペラー』
清朝最後の皇帝、宣統帝・愛新覺羅溥儀(1906-1967)の生涯を描いた伝記映画で、
1988年第60回米アカデミー賞では、な、な、なんと、作品賞、監督賞をはじめ、
撮影賞、脚色賞、編集賞、録音賞、衣装デザイン賞、美術賞、作曲賞と計9部門もでオスカー獲得。

数年前に久し振りに観たら、やはり素晴らしかった。
清朝の話なのに、皇族も太監も皆が皆英語ペラペラとか、川島芳子がエロ過ぎるとか、
多々有るツッコミ所にも目が瞑れる程、
作品自体がもつパワーが強烈で、物語の世界に引き込まれた。
衣装や美術は西洋人が担当しているのだけれど、かなり研究されており、視覚的美しさもタメ息もの。


さらに、この作品でスゴイのは、北京にあるホンモノの紫禁城(故宮)で、撮影を行っていること。

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修復に来た大工でもないのに、故宮の屋根に登っちゃって、お咎めが無いなんて、現在では信じられない…。
故宮は、この映画が撮影された直後の1987年、ユネスコの世界文化遺産に登録。
昨今、紫禁城を舞台にした映像作品の多くは、
紫禁城とほぼ同スケールで作られたセットがある浙江省の横店影視城で撮られており、
北京のリアル紫禁城で全編撮影なんて、もはや有り得ない贅沢である。
横店のセットも充分リアルなのだけれど、久し振りに『ラストエンペラー』を観た時に、私、呆然としたのです、
ホンモノが放つ威光は何物にも代え難い…、と。


ベルナルド・ベルトルッチ監督が亡くなったことで、
テレビではまた『ラストエンペラー』の追悼放送があるかも知れない。
でも、それ以上に、私が「この機会だからこそ是非!」と公開を切望しているのは、こちら(↓)

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『L'ultimo Imperatore 3D~ラストエンペラー3D』!
以前、当ブログのこちらにも記したように、
3D版に修復され、2013年のカンヌ国際映画祭でお披露目され、
2015年には、上海國際電影節でも上映されている。
イタリアでは、3D Blu-Rayが発売されているので、まぁ入手は可能だけれど、
これは、絶対に映画館で観なきゃ駄目な作品じゃなぁーい…?!
80年代の名作を3Dにしてしまう事に対しての批判も少なからず有るようだが
(そもそも、フツーに撮った映画を、どうやって3D映像に変換できるのかが、私には皆目分からない…)、
日本でも、是非ぜひ劇場公開して欲しい。


最後に改めて、
Addio al grande regista del cinema italiano, ベルナルド・ベルトルッチ監督安らかに。



ついでに。
映画『ラストエンペラー』で溥儀を演じる尊龍(ジョン・ローン)を見て、
辮髪の負のイメージを覆された日本人も多いですよね?
そんな皆さま、こちらの“辮髪(べんぱつ)大特集♪”をどうぞ。
当ブログで、なぜか常にアクセスされ続けている隠れた人気記事の一つです。

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