家に帰らないと、自分のブログを覗くことも無いので、少々間が空いてしまい、“今さら”という感じもあるが
本日閉幕する
第66回カンヌ国際映画祭での女優さんたちのお召し物、

特に
日本人女優がどんな出で立ちで登場したのかは気になるので、続きをば。

(第1弾“第66回カンヌ国際映画祭 中華明星勝手にファッションチェック♪”は、こちらから)
★ 日本三女優

コンペ部門に選出された是枝裕和監督作品『そして父になる』の上映に登場した尾野真千子は
『萌の朱雀』、『殯の森』といった河瀬直美監督作品で注目されただけあり
カンヌとは御縁があり、参加も初めてではない。
ただ、
朝ドラ『カーネーション』の糸子役にも違和感が無いように、下町風の気兼ねの無い雰囲気で

“華やか”、“煌びやか”という世界からは縁遠い。
今回のこのベージュのドレスは、ナンてこと無い物に見えるが、実はプラダ。 うーン、どうなんでしょ。
プラダって、良い素材を使い、超ミニマムにデザインされているので
存在感のある人やスタイル抜群の人が着ると、すごく素敵なのだけれど
地味な人が着ると、野暮ったくなり、霞んでしまう。 正直なところ、この尾野真千子を見て
「もしかして自腹で買ったデパートのフォーマルウェア・コーナーの吊るしか…?」と疑ってしまった…。
このさり気なさ、“小品向けの実力派”という印象の地味目な尾野真千子の個性には合っているとも言えるが
カンヌという華やかな舞台では、物足りなさも感じる。
かと言って、ギンギラギンのドレスを着たところで、それはそれで似合わない気がするし、難しいところ。

真木よう子も『そして父になる』からの参加で、お召し物がプラダ。
尾野真千子と「一緒にプラダで揃える?」と決めたのだろうか。
同じプラダでも、真木よう子の物は、彼女の爆乳を際立たせる、アンナミラーズのウェイトレス風の仕立て。
膝丈で、ウエストからフワッと広がるこの手のワンピは、80年代アイドル風にも見えてしまう。
可愛らしいけれど、尾野真千子同様、華やかなカンヌの舞台で、他国の女優さんたちと比べてしまうと
どうも子供っぽく、特別な感じに欠ける。 友達の披露宴に出席するためおめかししたフツーのOLみたい。
以前、
電車(確か山手線)で真木よう子を目撃した母が「すごーく小さい」とも言っていたし

サイズの問題で、借りられる服に限りが有ったのかも?
あと、東洋人の金髪も、ヨーロッパではウケが悪い。 次回作の役作りのためかも知れないが、残念。

コンペ部門に入選したもう一本の日本映画、
三池崇史監督作品『藁の楯』の上映に登場したのは松嶋菜々子。
水色地に対照的なピンクのリボンをポイントにした
エレガントでありながらもリゾート風の色合わせが目を引く総レースのガウンは、ドルチェ&ガッバーナの物。
(女優としての資質という意味ではなく、あくまでも選んだお召し物とその着こなしという点でだけれど)
『そして父になる』組の女優ふたりには、どうも納得出来なかったがこれはとても素敵だし、松嶋菜々子にも似合っていて、
文句ナシ!

年齢では、上記二女優よりオバさんであっても、スタイルの良さやセンスでは、ずっと格上で
世界の舞台に出しても恥ずかしくない。
★ ちなみに…
ミラ・ジョヴォヴィッチのこのお召し物もプラダ。
非常に残念だが、こういうボディ、こういう存在感がある人でないと
シンプルなプラダを大人っぽくカッコよく着こなすのは、難しい気がする。
ディタ・フォン・ティースが着ているこの総レース+リボンのガウンは、案の定ドルチェ&ガッバーナで
松嶋菜々子とビミョーにカブっているのだけれど
私個人的には、東洋的に控え目で上品に着こなしている松嶋菜々子に軍配を上げる。
★ 中華明星
ついでに、カンヌで存在感を増している
カンヌの顔になりつつある范冰冰(ファン・ビンビン)は
その後も衣装替えを繰り返し、結局3日間で9着もの最新モードを披露したが、ここでは別の明星に焦点を。
(クリックで拡大)

開幕のレッドカーペットには、ディオールのパンツ・ルックで軽快に現れた章子怡であるが
その後も、シャネル、ジャンバティスタ・ヴァリ等、様々なお衣裳で登場。
こちらは、NYブランド、キャロリーナ・ヘイラのガウン。
初日は、「今年は審査員だから、おとなし目にしたのかしら?」とも思ったけれど
華やかな装いもよろしゅうございます。
今回髪の毛はまとめ上げているが、結局短いのか長いのか…?!

杜峰(ジョニー・トー)監督作品『盲探~Blind Detective』が
ミッドナイトスクリーニングで上映され、主演の鄭秀文登場。
この
キラキラのガウン、MCMの物なのだと。

MCMは、日本で、かつて流行ったダサいロゴ入りのお財布ばかりが強く印象に刻まれてしまっているので
こういうラグジュアリーなお召し物も作っているとは、意外であった。

オマケに♂男性も。 劉華も『盲探』組。 杜峰×鄭秀文×劉華のトリオの作品は
『Needing You』、『ダイエット・ラブ』、『イエスタディ、ワンスモア』に引き続き、実にこれで4作目。
で、この度の劉華のお召し物は、エルメネジルド・ゼニア。
★ 劉嘉玲お姐サマ
中華明星からは、さらに香港のもはや大御所、劉嘉玲(カリーナ・ラウ)をピックアップ。
劉嘉玲は、出演作『過界~Bends』がある視点部門に入選し、カンヌへ。
お姐サマ貫録の着こなしに、学ばせていただきます。

空港に到着した劉嘉玲。 ひとつ間違うと非常に危険なアニマル柄のコートはステラ・マッカートニー。
お足下に合わせているのは、 (この画像ではよく見えないが…)
シャーロット・オリンピアの人気の
Kittyシリーズのバレエシューズ。

シャーロット・オリンピアは、日本でもそろそろ展開が始まるようだが、香港にはとっくに上陸している。

フォトコールの際着ていたこれは、レバノン出身のセレブ御用達デザイナー、エリ・サーブの物。
淡いライラック色が上品。

『過界』上映の際に着ていたこれも、同じくエリ・サーブ。
真っ赤なカーペット上に、ハッキリと浮き立つ純白。 “逆日の丸弁当”状態で、非常に目立つ。
身頃には繊細なビーズ刺繍、肩からかけたケープは、背中でパックリ割れており、ワザあり。

コンペ部門に入選している賈樟柯(ジャ・ジャンクー)監督作品『天注定~A Touch Of Sin』の上映には
夫・梁朝偉(トニー・レオン)と共に来場。
お召し物のデザイナーは不明。 さすがは香港人、
金運を呼びそうなゴールドがお似合い。

日本人女優は華やかに装うことに慣れていないと改めて思う。
日本にはそのような場がほとんど無いし、
“人を見掛けで判断するな”とか“ボロは着てても心は錦”などと言ってしまうお国柄だから ![]()

仕方が無いのかも知れないが、一日本人として少々残念。
その点、同じアジアでも、中華圏の女優は、欧米並みに華やかな場で華やかに装うことに慣れている。
日本人で対抗できるのは、今回に限って言えば、松嶋菜々子で、及第点突破。
そうそう、河瀬直美監督の例のあのスケスケのお召し物は、どうやらアニエス・ベーの物のようだ。
映画好きで知られるアニエス・ベーと以前から交流が有った関係で、お譲りいただいたらしい。
授賞式は、本日この後。 どの作品、だれが賞に輝くでしょうか??!

“第66回カンヌ国際映画祭 中華明星勝手にファッションチェック♪”は、こちらから。