今年で10回目になるという東京・中国映画週間。
オープニング作品の『モンスター・ハント~捉妖記』は、この夏中国で大ヒットした映画。
実はこの映画にものすごく興味があったという訳ではないのだけれど、
上映日の午前中、ちょうど映画館の近所で仕事の予定が入っていたので、
午後、そのまま中国映画週間のオープニングセレモニー付き上映へ行くことに決めた。
…ところが、前日、突然風邪をひいてしまった。
カコナールを飲んで、早々に床についたが、軽い頭痛と吐き気が収まらず…。
仕事が終わったら、さっさと帰宅したいぐらいダルかったけれど、
不味いカコナールをもう一本グビッと飲んで、いざ会場へ。
★ 会場
会場は、TOHOシネマズ日劇。
中国映画週間の他の作品の上映は、同じ系列のTOHOシネマズ日本橋だが、
オープニングだけは、946人というキャパ大きめの日劇スクリーン1で実施。
今年の東京中国映画週間は、いつもにも増してオーガナイズが悪く、宣伝もほとんどされていなかったせいか、
チケット発売日のお昼頃、ふらりとチケットぴあへ寄った私でも、座席は選び放題であった。
映画だけなら後方が良いけれど、セレモニーもあるので、G列を確保。
(希望すれば、もっと前のかぶりつきシートも購入可能であった。)
入り口を入ると、すぐに例年通りのブ厚いパンフレットをくれる。
…が、中国映画週間名物だったSOYJOYの配布は無し。
(私は不参加だった昨年の事は分らない。いつの間にか大塚製薬はスポンサーを降りていたようだ。
自分では積極的に買ったことがないSOYJOYなのに、中国映画週間に行く時だけ、
「今年は何味をくれるのかしら」とちょっとだけ楽しみにしていた。)
チケット販売の出足は遅かったように思えたが、会場に入ると、ほぼ満席。
毎度のように中国人率非常に高し。
私の周囲に日本人らしき人はほぼ皆無で、地元・東京に居ながら、アウェイ感がハンパない。
日本にお住いの人民の皆さまにとっては、恐らく一年に一度の楽しいイベントになっているのであろう。
このまま夜はグランドプリンスホテル高輪で開催のレセプションパーティーにも出席する予定なのだろうか、
特に女性は、ばっちりおめかししている人が多い。
★ 霍尊
オープニングセレモニーは、定刻通り午後2時10分にスタート。
開会を彩るのは、2012年、東方衛視のオーディション番組『聲動亞洲 Asian Wave』で
頭角を現したシンガー霍尊(フオ・ズン)の歌。
日本語の男性司会者が、霍尊を“ボー・ズン”と紹介するのが、なんだか“坊主”に聞こえて気になってしまった。
歌ったのは、霍尊の代表曲<まきすだれ~卷珠簾>。
独特のコブシをきかせた綺麗な声。
私の近くの女性たちは、霍尊のファンらしく、“霍尊”と書かれた応援グッズも持参していたが、
それもほとんど使いことなく、彼の歌にうっとり聴き惚れておられた。
★ 主催者&来賓の御挨拶
歌の後は、中国映画週間実行委員会理事長・耿忠、
駐日中国大使館文化参事官・陳諍、日本映画監督協会理事長・崔洋一と挨拶が続く。
このイベントでイヤだったのは、上映される作品の監督・出演者とは関係の無い人の挨拶が、
気が遠くなるほど長いことだったが、年々改善。
今でも、イヤだった頃の記憶が鮮明なため、挨拶が始まると、ついつい時間を計ってしまうのだが、
今回は、耿忠女史7分、陳諍参事官5分、崔洋一監督4分であった。
紀念すべき10周年という事で、スピーチの内容は、その年月の日中関係が決して平坦ではなく、
映画祭の開催を続けるのも楽な道ではなかった事などが主に語られた。
耿忠女史も苦労が色々有ったようだが、それでも頑張って継続し、
「日中関係を経済効果だけでは計れない物が得られたと思う」と語ったのが印象に残った。
日本語の達者な陳諍参事官は、感覚ももはや日本人的で、
「皆さん、監督や俳優さんのお話の方が聞きたいでしょうから」と控えめに話を締められた。
崔洋一監督は、初めて中国へ渡ったのが1994年で、
その時、今回特集が組まれている吳天明(ウー・ティンミン)監督の『變臉 この櫂に手をそえて』を
北京で観たんですって。
★ 上映作品監督+キャスト登壇 …が、写真撮影禁止だとー??!
開会して30分ほどが過ぎた2時40分頃、いよいよ上映作品の監督や俳優さんたちが登壇。
その前に、
写真撮影禁止のお達し。

このイベントは、日本語と中国語の2ヶ国語で進行されるが、
なぜか写真撮影禁止のお達しに限り、いつも“日本語”でだけ発せされる。気に食わない…。
納得できない理由


中国映画週間がなぜ今更、そういう所だけ、日本を真似るのか?


もっとも、来場している華人のほとんどは、恐らく日本在住者で、日本語も理解していると察するが、
誰もお達しに従わず、結局のところ、写真は撮り放題。
中年は撮るだけで満足し、学生くらいの若い子は撮りながら次々と微博を更新していた。
実のことろ、私も何枚か撮ったのだが、写真の整理に時間がかかりそうなので、
ほとぼりが冷めた頃に、この記事にひっそりと写真を載せておく。
取り敢えず今日は、以下、写真ナシで、ザッと登壇者について。
★ 『黒ネコ警部 宇宙船グリーンスター~猫警長之翡翠之星』より
一人目は、アニメ作品『黒ネコ警部 宇宙船グリーンスター~猫警長之翡翠之星』を手掛けた
于勝軍(ユー・ションジュン)監督。
日本に来たのは2度目なんですって。
★ 『再愛~約定倒計時』より
『再愛~約定倒計時』からは、謝升皓(シエ・ションハオ)監督と主演女優の倪景陽(ニー・ジンヤン)。
謝升皓監督は、なかなかの男前。
倪景陽は182センチの長身。
さらにハイヒールを穿いているから、集団の中で一人だけ頭ひとつ分ニョキッと飛び出ている。
★ 『君といた日々~匆匆那年』より
『君といた日々~匆匆那年』からは、張一白(ジャン・イーバイ)監督。
オムニバス『アバウト・ラブ~関於愛』やモックンも出ている『夜の上海』などを手掛けている張一白監督は
日本とのゆかりも深く、「尊敬する崔洋一監督にお会いでき光栄。監督の『血と骨』が好き」と。
来年は自身の作品の日本公開が控えているとの事。
日本でも撮影が行われている『在世界的中心呼喚愛』のことか?
★ 呂麗萍
1987年、第2回東京国際映画祭でグランプリと主演男優賞を受賞した
故・吳天明(ウー・ティンミン)監督の『古井戸』にも出演している女優・呂麗萍(リュウ・リーピン)は
その時初参加した東京国際映画祭の想い出などを語った。
★ 『ひだりみみ~左耳』より
『ひだりみみ~左耳』チームは、ついに監督業を始めた台湾アイドル・蘇有朋(アレック・スー)と
出演者の馬思純(マー・スーチュン)、歐豪(オウ・ハオ)が登壇。
蘇有朋は、やはり人気があるようで、彼の登場で会場に歓声が上がった。
馬思純は、ドラマ『ハッピー・カラーズ 僕らの恋は進化形~摩登新人類』で見た時は、
陳柏霖(チェン・ボーリン)の恋のお相手には役不足のようにも感じたが、実物は清潔感があり可憐。
笑顔も可愛らしい。
若い歐豪クンは、緊張しているようにも見え、初々しい。
★ 花束贈呈
一通りの挨拶が済むと、翁倩玉(ジュディ・オング)登場。
日本語と中国語で御挨拶(やはり中国語より日本語の方が楽みたい)。貫録も華もありました。
さらに、スポンサーmiki houseの服を着た子供たちが登場し、監督さんや俳優さんに
花束を贈呈。

私個人的には、スポンサーはmiki houseより、SOYJOYの方がいいわ(←しつこい?)。
最後にフォトセッションがあり、約一時間のイベント終了。
今回の中国映画週間で、『愛のカケヒキ~撒嬌女人最好命』が上映される彭浩翔(パン・ホーチョン)は、
プロデュースした『レイジー・ヘイジー・クレイジー~同班同學』が東京国際映画祭でかかるため、
現在来日中だから、もしかしてこちらのセレモニーにもサプライズ登壇してくれるかなぁ~、
なんてちょっと期待したけれど、来なかった。
色々改善の余地もある中国映画週間だけれど、まぁ、ナンだカンだいって、今年も楽しめました。
来日してくれた監督、明星の皆さま、ありがとうございます!
日中関係が落ち着き、来年以降、もっと盛り上がっていってくれることを切に願います。
(この日撮った写真はその内シラーッと載せておくかも。
シンガーの霍尊クンは、私が想像していたより人気があるようで、微博の方にちょっと写真を出したら、
数分の間に“
讚”が付きまくっていた。)
