六本木ヒルズがハロウィンの仮装をしたお子ちゃまたちで賑わう本日、
また
第29回東京国際映画祭へ行って参りました。

今日は“当たり日”で、観た2本どちらも気に入った。
まずは、ワールド・フォーカス部門で上映された台湾映画、『ゴッドスピード~一路順風 Godspeed』を。
大好きな鍾孟宏(チョン・モンホン)監督の新作で、
来月発表される第53回金馬獎では、8部門もでノミネートされている評判の話題作。
今年の東京国際映画祭で、私が最も観たかった作品の一本がこれであった。
東京国際映画祭での上映は、10月27日(木曜)と29日(土曜)の2回。
私がチケットを入手したのは、2度目の方。
当初発表されていた予定では、
1度目の上映には鍾孟宏監督と共に出演している納豆(ナードウ)もQ&Aに参加するが、
2度目の上映は鍾孟宏監督のみとなっていた。
ところが、いつの間にか、私が行く2度目の方にも、納豆が来てくれることに変わっていた。
予定されていた登壇者がキャンセルされてしまうのは悲しいけれど、増えるのは嬉しい。
欲を言えば、主演の許冠文(マイケル・ホイ)も見たかった~…!
『Mr.BOO!』シリーズの、あの香港喜劇王・許冠文ですヨ。
★ 『ゴッドスピード~一路順風 Godspeed』 鍾孟宏監督+納豆Q&A
鍾孟宏監督のお話を直に聞くのは初めてではないが、ナマ納豆はお初。
最初の御挨拶では、中国語の発音で“ナードウ”ではなく、
日本語読みで「“なっとう”です」と自己紹介されておられた。
来日は何度もしているけれど、日本でこういう映画祭に参加するのは初めてとのこと。
以下、『ゴッドスピード~一路順風 Godspeed』の鍾孟宏監督と出演者・納豆によるQ&Aから、
私個人の記憶に残った部分を抜粋して書き残しておく。

作品に納豆を起用するのは初めてではありませんよね?

2007年に最初の作品を撮る時にも出てもらいました。
納豆は、台湾では有名なコメディアンであり司会者です。
私にとっては、そういう面だけではなく、聡明な人という印象です。

納豆は好きですか?

ぜんぜんダメ(日本語)。体には良い食品だとは知っていますが、頑張っても食べられませんでした。

英語のタイトル『Godspeed』は古い言葉らしいですね。

当初、フランス語の『Bon Voyage(ボン・ヴォヤージュ)』を使おうと思っていたのですが、
友人から、それでは平凡だから『Godspeed』にしろと助言されました。
中文タイトル『一路順風』と意味は同じですが、今ではほとんど使われない古典英語です。

なぜ香港の許冠文(マイケル・ホイ)を起用したのですか?

許冠文は、子供の頃から見ていて、好きでした。
脚本を書いている時点では“香港からやって来てタクシー運転手をしている人”という設定だけで、
具体的に俳優は決まっていませんでした。
設定にも合うし、結局許冠文にやってもらうことになったら、素晴らしい人物像を作り上げてくれました。

許冠文はとても有名で、ずっと見ていたので、
まるで伝説と一緒に映画に出演させてもらうようで、嬉しかったです。
現場では、可愛いアニキという感じで、凄さがよく分からなかったのですが、
出来た映画を初めてスクリーンで観たら、「さすがは許冠文」と思いました。

<昴>は中国語でカヴァーされている物もあるのに、なぜ日本語ヴァージョンを使ったのですか?

去年、中国へ旅行にいった時、麗君(テレサ・テン)が歌う<昴>をたまたま聴きました。
その後、それが日本の歌だと知り、聴いたら、麗君が歌っているのより、良かった。
さらに歌詞を見たら、映画の内容にもとても合っていました。
人生でつまずいた時、立ち直る勇気を与えてくれるような歌詞です。

全体的に照明が暗めに感じましたが、照明にはどのようなコダワリが?

自然光で撮るのが好きなので、照明の作り込みはあまりしません。
例えば、許冠文とタクシーが一緒にタクシーに乗っている部分も、“肉眼でどう見えるか”を気にしています。
ボーリング場のシーンも照明はごく簡単です。
元々自然に存在する光と影を巧く捉えるような照明にしています。

お葬式のシーンには監督が細かい指示をだしたのですか?それとも俳優二人のアドリブですか?

私は、美味しい食べ物を見付けるのが好きなんです。
プロデューサーとバイクで走っていた時、行列ができているのが目に入り、
何か美味しい食べ物屋さんなのかと思い、近付いたら、プロデューサーが「違う、葬式をやっているんだ」と。
あのシーンは、私自身の経験なのです。
もっとも私は中へは入りませんでしたが、「もし中へ入っていたら、どうなるか」を考え、あれを撮りました。
鍾孟宏監督一人の時より、納豆みたいな人が一緒の方が、場が和みますね~。
鍾孟宏監督がその納豆を初めて起用した作品は、
張震(チャン・チェン)&桂綸鎂(グイ・ルンメイ)主演の『停車~Parking』のことであろう。
よくよく思い返してみたら、その長編監督第一作から今に至るまで、
鍾孟宏監督作品って、もしかして、たったの一本も日本で一般劇場公開されていない…?
この新作『ゴッドスピード』はどうなるでしょう?私はかなり気に入ったけれど。
今年、金馬獎で賞の行方を注目されている話題の一本だし、
谷村新司の<昴>も流れるから、日本で公開してくれないでしょうか。
なお、その第53回金馬獎では、本作品でタクシー運転手を演じた香港の許冠文が、
最佳男主角(主演男優賞)にノミネートされているだけではなく、
今回日本に来てくれた納豆も、最佳男配角(最優秀助演男優賞)にノミネートされている。
彼が賞を競うことになるのは、台湾の新鋭・林柏宏(リン・ボーホン)の他、
曾志偉(エリック・ツァン)、林雪(ラム・シュ)、秦沛(チョン・プイ)という香港ベテラン勢。
どうなるでしょうね…?!
★ サイン会
約30分のQ&Aも終わると、TOHOシネマズ六本木入り口附近で、
即席サイン会を実施。

至近距離で見た納豆はプチサイズでキュート。身長160は絶対に無いと思う。
なんかフィギュアとかゆるキャラみたい。
鍾孟宏監督のサインは“平安”の文字と共に。
右側の、お顔付きが納豆のサイン。
そうそう、ちゃんと納豆のお写真もございます。

納豆が納得しなかったので、撮り直した。
私は、中村アン化した納豆、好きだけれどね。
台湾映画『ゴッドスピード~一路順風 Godspeed』については、また後日。