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柑橘を使った和洋菓子4種(+テレビ雑記)

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今晩10時からNHK BS1で放送の『国際報道2016』の中で、
2016年4月23日に最新作『山河ノスタルジア』の日本公開を控えている
賈樟柯(ジャ・ジャンクー)監督と市山尚三Pのインタヴュが流れるようだ。
この映画、フィルメックスで鑑賞済みだけれど、一般公開されたら、もう一度観たい。
主要キャストの一人、大陸の新星・董子健(ドン・ズージェン)は(→参照)、まだ20代前半と若いのに、
俳優業のみならずプロデュース業も手掛けており、そんなプロデュース作品の一本で、大ヒットした娯楽映画
『モンスター・ハント』も今年日本で公開予定とのことなので、要注目。

(↓)こちら、その『山河ノスタルジア』の公開されたばかりの日本版予告編。





テレビ番組は、他にも観たい物いろいろ。

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一本目は、2月20日(土曜)、BS朝日の『地球紀行』
毎回自然や風土、動物などを取り上げるこの2時間のドキュメンタリー番組は、今回日中共同制作で、
パンダの故郷 美しき九寨溝~速水もこみち 世界遺産の旅”と題した中国特集。
もこみちが四川省へ飛び、九寨溝や、藏(チベット)族の聖地・神仙池、パンダ保護区などを取材。
また、2010年、ユネスコ創意都市ネットワークのグルメ都市に
アジアの都市としては初めて認定された省都・成都で美食レポも。
本場の麻婆豆腐や、四川の食文化“小吃”を紹介するみたい。





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翌2月21日(日曜)のBSフジも日中共同制作の番組で、『天山を往く~氷河の恵み シルクロード物語』
2014年6月世界遺産に登録されたシルクロードも、
天山山脈が無ければ存在し得なかった、とまで言われるこの地にスポットを当て、
大地に生きる動植物や人々の営みを雄大な景色と共に紹介する番組。
“天山あってこそのシルクロード”というのは、タクラマカン砂漠やゴビ砂漠が広がる中国西部では、
天山の頂から流れる雪解け水が無ければ、動植物も人類も生きることができなかった、という意味らしい。
現地で長年氷河の研究をしている千葉大学の教授も出てきて、
28億年前に地球で最初に酸素を生み出したといわれる微生物クリオコナイトについても説明するようだし、
“旅番組”と言うより“ネイチャーもの”に分類される番組かも。
私向きではない予感もしつつ、一応録画を予約。





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同日、NHK BS1『ドキュメンタリーWAVE』は、
“揺れる一人っ子社会~中国・36年間の政策が生んだもの”と題し、
一人っ子政策が社会にもたらした歪みに迫る特集。
特に、戸籍の無い子供“黒孩子(ヘイハイズ)”や、
一人っ子だった子供を亡くした親“失独者”の問題を追っている模様。
現在『最愛の子』が日本で公開中の陳可辛(ピーター・チャン)監督も黒孩子の問題を語っていたし、
私自身、朝日新聞に連載中の『ふたりっ子の中国』を毎日楽しみに読んでいることもあり、興味深いテーマで、
『天山を往く~氷河の恵み シルクロード物語』より、こちらの方が好みの番組かも。





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中国の社会問題を取り上げている番組なら、
海外で制作されたドキュメンタリーを紹介するNHK BS1の『BS 世界のドキュメンタリー』
2月23日(火曜)に放送する『安全な“食”を求めて』も。
これは、台湾で制作された、大陸の監督・商明(マイク・シャン)のよる『食為天~To Live For Food』
(別名『民以食為天~Food Crisis in China』/『重建餐桌~Reconstruction of Food』)の事と思われる。
海外生活を終え、帰国し、アレルギーで体調を崩した元外交官の女性・張志敏が、
その原因を中国で使われている農薬や肥料のせいだと考え、
私財を投げ打ち北京郊外に有機農場・天福園を開き、富裕層から支持を得るようになるが、
コストや手間などの問題で、一般にはなかなか広まらないという、
中国の食に関する理想と現実を描くドキュメンタリー。





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最後は、2月24日(水曜)、NHK BSプレミアムで放送の『中国王朝 よみがえる伝説』第2弾!
清朝の皇帝・乾隆帝を取り上げた第1弾がなかなか面白かったこのシリーズ、
この第2弾では、“永楽帝と鄭和の大航海”と題し、明朝第3代皇帝、成祖・永楽帝(1360-1424)と、
彼に仕えた武将で宦官の鄭和(1371-1434)にスポットを当てる。

永楽帝に関しては、南京から北京に遷都し、紫禁城へお引越しした皇帝であり、
また大航海を行った皇帝という程度の知識。
鄭和の方は「身長九尺,腰大十圍」という記述が残されているほどガタイのいい武将だったと言われているので
(当時の一尺が何センチなのか知らないが、一説には身長190センチ超え…!)
私の中でどうもいわゆる宦官のイメージと結び付かない。
“宦官=おネェ系”というのは、知らず知らずの内に映画やドラマで植え付けられているイメージなのかも。
まぁ両人物とも大してよく知らないので、番組でお勉強させていただきます。
レポーターは、第1弾から引き続き、濱田岳。真冬のの長城、寒そう~…!!
ちなみに、第1弾“乾隆帝と謎の美女・香妃”は、2月20日(土曜)に再放送あり。
このシリーズ、結構気に入っているのだが、来月には第3弾の放送もあるのだろうか。
清→明ときたら、次は元?




お菓子は、柑橘を使った物ばかりを4種類。
酸味が爽やかな柑橘類は、和モノにも洋モノにも合って好き。

★ 聖和堂:みかん大福

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大きさは、直径約5.5センチ。
白餡と共に、丸ごと一個のみかんを、お餅で包んだ大福。



ひとつめは、聖和堂(公式サイト)“みかん大福”
聖和堂のフルーツ大福では、以前、高級マスカット・桃太郎を使った“桃太郎大福”を食べた。
美味しかったけれど、残念ながら、今はもう季節ではないので、今度はこのおみかんヴァージョンを。

お餅に包まれた丸々一個のみかんは、小ぶりで甘い。
ジューシーで適度に酸味もあるから、後味爽やか。

充分美味しいが、みかん大福は近年売っているお店が多いので、珍しさには欠ける。
やはりどうしても桃太郎大福の方が“特別感”がある。
桃太郎大福、また食べたい。来秋まで御預け。

★ しろ平老舗:きんかん大福

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大きさは、直径約4センチ。
白餡と共に金柑の甘露煮を羽二重糯で包んだプチ大福。



続いて、滋賀県から。
創業慶応元年(1865年)の老舗、しろ平老舗(公式サイト)“きんかん大福”

画像で見ると、外見上、上のみかん大福とほとんど差異が無いけれど、
こちらは中に包まれているのが金柑なので、おみかんより自ずと小さなプチ大福。

地元(つまり滋賀県産?)のもち米を使った生地は、とても柔らかな羽二重。
中には、甘露煮にした宮崎産の金柑。
甘露煮と言っても、甘ったるくクタクタに煮込んでしまわず、ナマの新鮮味を残している。
まろやかな白餡に、金柑独特の苦みと、ピールの歯応えが絶妙。

私が好きな三陽の“黄金餅”に似たお菓子で、金柑好き、柑橘ピール好きには、たまらない。
より自然な状態の金柑を好む人には、三陽のより、こちらのしろ平老舗の物の方がお薦め。

★ 清閑院:雪花椿

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大きさは、直径約4センチ。
甘く煮詰めた金柑の果肉を、紅色に染めたきんとんで包んだお菓子。



引き続き金柑を使用したお菓子で、清閑院(公式サイト)“雪花椿”

“雪花椿”の名の通り…

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椿をイメージした包装。
二重包装になっており、外側の柔らかなティシューから覗く内側のアルミの尖端が、椿の黄色い雄蕊に見える。
単純だけれど、上手いアイディア。

肝心の中身は、金柑餡を包んだきんとん。
この場合の“きんとん”は、薄紅色に染めた白餡。
中の餡は、ペースト状の金柑で、みかんの果肉が少し混ざっている。
甘さ控えめの金柑コンフィチュールといった印象。

清閑院の柑橘のお菓子だったら、柚子に羊羹を詰めた“花つぼみ”が、本当は好きなのだけれど、
この冬は一度も食べないまま販売期間が終わってしまった…。
今回妥協で食べた、こちらの雪花椿は、
優しい甘さの白餡に金柑の酸味が融合したお味は良いが、
ピールとか、何か食感のアクセントになる物が入っていたら、もっと良かったかも。
まぁ、これはこれで“アリ”だけれど、やはり花つぼみには敵わない。

★ ラ・ヴィ・ドゥース:ユズ・エ・ショコラ

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大きさは、直径約6センチ、高さ約5.5センチ。
ガレット生地の上にアーモンド生地、アプリコット・ジュレを重ね、柚子ムースで覆い、
さらにシブースト・ショコラをのせたケーキ。



最後は洋モノで、ラ・ヴィ・ドゥース(公式サイト)“ユズ・エ・ショコラ”

柚子ムースは、ふわっふわの食感。
が、“ユズ・エ・ショコラ(柚子とチョコレート)”と商品名にしている割には、柚子の影が薄い。
その分、アプリコットが助けてくれていて、両方合わさって爽やかな味わいに。

もうひとつの主役、チョコレートは濃厚で、軽くなりがちなムースのケーキに、コクを加わえている。
アーモンドの香ばしさも効いているし、気のせいか、底部にはキャラメルの風味も感じる。

柚子のケーキとしては、柚子の主張が弱いけれど、フルーティな柚子&アプリコットの爽やかさが、
チョコレートのコク、アーモンドの香ばしさとマッチした、味のバランスの良いケーキ。

映画『ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE』

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【2015年/日本/119min.】
2015年9月。
いつも路線バスで旅をしている太川陽介と蛭子能収のちぐはぐなコンビが、
初めて日本を飛び出し、やって来たのは、お隣の国・台湾。
マドンナに三船美佳を迎えた3人で、台湾最南端の燈台を目指し、早速台北をあとにする。
バスの路線が発達しているという台湾ではあるが、言葉が通じず、勝手も分からず、四苦八苦。
それに3人を何よりも不安にさせるのが、怪しい空色。
なんと、大型台風が台湾に接近しているという予報が出ていたのだ…。



テレビ東京で2007年から放送している人気の旅番組『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』が
初海外ロケで、なんと映画化されたのが本作品。
“人気の旅番組”などと書いたが、実は私はたったの一度も観たことが無い。
その映画版にもこれっぽっちも興味が無く、お金を払ってまで観るものではないと思っていたが、
伊勢丹に出した靴のお直しを待つ時間を持て余し、近所の新宿ピカデリーでついつい観てしまった。

この映画版は、基本的にテレビ版と同じ。
監督を務めた鹿島健城という人も、2007年の番組開始当時から関わっているディレクターらしい。



本作品を簡単に説明すると、
路線バスだけを乗り継ぎ、3泊4日で目的地を目指すドキュメンタリーでありロード・ムーヴィ

テレビ版と同じように、有名な観光地や名物料理を紹介すること以上に、
制限時間内に目的地に到達することが最重要とされる。
テレビ版にある“旅のルール3箇条”も、同様に映画版に適応。その3箇条とは…

高速、タクシー、鉄道、飛行機、船、自転車、ヒッチハイク等、他の交通機関の利用は禁止。
情報収集でインターネットを利用することは禁止。
ルートを決め、宿泊する宿、撮影交渉など、全て自分たちで行う。

…とのこと。
唯一テレビ版と違うのは、旅の舞台が日本国内ではなく、台湾であること…!



スタート地点は台北、そして目指すは…

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台湾最南端の鵝鑾鼻(がらんび)燈塔!地図を見て分かるように、台湾を本当に南北縦断することになる。
数年前に起きた自転車ブームで、台湾一周にチャレンジする台湾人は激増したと聞くが、
ローカル路線バスだけで南北縦断する現地人は、あまり居ないであろう。

旅のスタートは、2015年9月27日。
一行は、台湾で休暇を過ごす日本人観光客にもお馴染みの、台湾版Suiica、悠遊卡 Easy Cardと地図を手に、
早速南へ向かう。基本的に交渉や調査は本人たちがやらなければならないが、通訳も同行している。

バス路線網が発達していると言われる台湾でも、中長距離は大抵高速バス。
高速にのらず、ローカル路線バスだけで南部へ向かうのは困難だという事は、早々に分かる。

しかし、それ以上の憂いは、この時ちょうど、台風が台湾に接近中だったこと。
初日でなんとか苗栗まで移動するが、台風の進行具合によっては、その後の旅程に大きく影響。
台湾では、台風の進路を見極め、翌日バスを運行するかどうかを、前夜10時に発表するらしい。
その発表がある夜10時は、スクリーンの前の私まで、判決を待つ被告人のようにハラハラ。
一泊目の苗栗ではその瞬間、「翌朝バス運行決定!」の知らせに、ホッと胸をなでおろすが、
二泊目の員林では、無情にも翌日の運行停止が宣言されてしまう。
短い3泊4日のロケで、3日目を丸々無駄にしてしまうとは…。
苗栗まで辿り着いた1日目を見て、このペースで進めば、余裕で鵝鑾鼻にゴールすると確信したけれど、
3日目の足止めで、事態は暗転。なぜわざわざ台風シーズンにロケを選んでしまったのか…?!
(もしかして、旅をより波乱万丈に盛り上げるため、敢えて撮影を台風シーズンにぶつけたとか…?
途中通過した嘉義では、映画『KANO』の紹介とともに
「あの嘉農の選手たちのように、最後まで諦めない精神が大切」といったナレーション。
“重要なのは結果ではなくプロセス”と言わんばかり。
この時点で、私は、“鵝鑾鼻にはゴールインできない”という残念なエンディングに覚悟を決める。

そして迎えた最終日の4日目、一行は結局どこまで進めたのか、奇跡は起きたのか?!に注目。


色々ルールの多い本作品だけれど、観光や食レポも、まったく無いわけではない。
有名な観光スポットや、有名レストランには立ち寄らないが、それゆえ、よりありのままの台湾を覗ける感じ。
例えば、員林のレストランでしたっけ?夕食に提供されたひと皿、なんともジャンクなエビマヨに私の目は釘づけ。

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↑これこれ。この画像だと分からないけれど、
実はエビマヨの上に、カラフルなチョコレートスプレーがトッピングされている。
お世辞にも趣味が良いとは言い難いこういう料理を出すレストランは、
自分では積極的に行きたいとは思わないが、とても台湾らしいと感じる。


こうして終えた3泊4日台湾の旅。
この間、彼らが乗った路線バスは23本、かかったバス代はNT$500(7500円)とのこと。
やはり台湾は日本に比べ交通費が断然お安い。
NT$1=JPY4で計算しているようなので、現在のレートなら、さらに安くあがるであろう。




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出演は、太川陽介蛭子能収がレギュラーメンバーで、
そこに毎回一人のマドンナを加えた3人で旅をするのがお約束らしい。
初の映画版でマドンナに抜擢されたのは、三船美佳

これまで太川陽介には、明るく自虐的に「ルイルイ♪」と言っているイメージしか無かった。
この映画では、慣れない土地でのロケだの、天候不良だので、さすがに顔に疲労困憊の色が隠せず、
案外“年相応の普通のオジちゃん”という一面を垣間見た。

太川陽介の疲れを加速させるもう一つの要因は、空気を読まない蛭子能収の言動ではないだろうか。
蛭子能収は決して悪い人ではない。でも、ナンなのでしょう、人を軽くイラッとさせるあの雰囲気は。
映画鑑賞中、知らず知らずの内に私は太川陽介に乗り移り、
蛭子能収がどーでもいい事を口走る度に、神経をピリッとさせたのであった。
そんな蛭子能収ではあるが、今回ひとつ特技を披露。なんとビニール傘の修理が得意なのだ。
今まで、壊れたら捨てるしかないと諦めていたビニール傘を、あんなに上手に直せる人が居たなんて…!
尊敬に値する特技です。

三船美佳に関しては、これまで良くも悪くもあまり印象が無かった。
…が、この映画では、非常に好印象。
疲れ切った太川陽介と、人の神経を逆撫でする蛭子能収という二人のオヤジ衆の中で、
明るく笑顔を振りまくマドンナ三船美佳に、私は何度癒され、救われたことか。
もし私が男性なら、三船美佳と結婚したいとさえ思った。

そんな三船美佳、彼女は確かインターナショナルスクール出身で、英語は喋るハズよねぇ…?
英語でやり取りすれば簡単に済む事も多いはずなのに、本作品の中では、あまり使っていなかった。
庶民的なイメージを保つためや、作品をより面白くするために、英語は意識的に封印しているのだろうか。

そんな訳で、台湾の人々との交渉には、一番モタモタした蛭子能収までもが駆り出される。
案外やる気が有って、出発前、「公車站在哪裡?(Gōngchēzhàn zài năili?バス停はどこですか)」という
中国語フレーズまで覚えてきた蛭子能収であるが、これは残念ながら、ほとんど通じていなかった。
ホテルの客室確保には英語も駆使。いつも“シングルルーム3室希望”という意思を
「ワン・ピープル、ワン・ピープル、ワン・ピープル、スリー・ルーム」というかなりいい加減な英語で伝えるのだが、
これは不思議と理解されていた。




まったく期待しておらず、どうせ時間潰しと割り切って観たこともあり、
意外にもスリリングな展開に、どきどきハラハラしながら、結構楽しんでしまった。
でも、じゃぁ人にお薦めしたいかと聞かれたら、う~ン、どうでしょう…??
わざわざ1800円払ってまで観るべき作品と言えるかどうか…。
どうせ数ヶ月後にはテレ東で放送されていそうだし(笑)。
テレビで観るなら、台湾を紹介する他の旅番組と切り口がちょっと違うから、多くの人が楽しめそうな気がする。

上映館は、どうせガラガラだろうと想像していたら、そこそこに人が入っていた。
近年台湾は、女子大生から主婦まで、日本人女性に人気の旅行先になっているので、
映画館の観客も女性が大半かと思いきや、そのほとんどは高齢の男性。
テレビ版『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』の視聴者層が、ちょうどこのおじいちゃまたち辺りなのでしょうか。
この映画版は、お茶の間のファンを映画館に呼び寄せる事には、ある程度成功したかも知れないけれど、
観客の大半はシニア割り引きが適応される層で、満額は払っていないと想像いたします。

ちなみに、本作品の売り上げの一部は、2月6日に台湾南部で起きた地震に、義援金として寄付されるそう。
寄付だと思えば、ゆくゆくテレ東で放送されるにしても、その前に映画館で観るのも悪くないかも知れない。

大ヒット大陸ドラマ『琅琊榜』日本公式サイトがオープン♪

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2016年4月11日、チャンネル銀河で日本初放送スタートが決まっている大陸ドラマ
すでにオープンしていた事を、大陸の『琅琊榜』公式微博を通し、知る。


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自国の自信作が日本へ上陸するという事で、人民の皆さまの食い付きは非常に良く、コメント多数。
その微博に添えられているドラマやキャラの紹介、人物相関図などの画像から、漢字を拾い、
そこそこに意味が想像できるのも、討論し易い一因のよう。


例えば、(↓)こちらの人物相関図で…

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皇帝直属の機関・懸鏡司の夏江(かこう)と夏冬(かとう)の関係が
“師弟”となっている点に、引っ掛かる人が多いみたい。
中国語の“師弟”が“弟弟子”を意味することから、「これ間違っている!」と指摘する人が居ると、
日本語を解する人が「日本語の“師弟”は中国語と違って、“師匠と弟子”の意味」と教えてあげたり、
なんか結構盛り上がっております。


さらに、日本語が分かる人の指摘で多かったのが、霓凰郡主を演じる女優・劉濤(リウ・タオ)の片仮名表記。
「“リン”じゃなく、“リュウ”じゃないの?」、「劉濤姐の名字が“リン(林)”になっている!」、
「林濤じゃない、劉濤!」と不満続出。
その画像を見てみると、確かに“リン・タオ”と記されている。
劉濤は、日本にも出演作がそこそこに入ってきている女優さんなのに、
なぜ今更“リン・タオ”にされてしまったのだろう?と不思議に思い、
日本の『琅琊榜』公式サイトを改めて見てみたら…

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ちゃんと“リウ・タオ”になっていた。問題すでに解決済み。
大陸の劉濤ファンの皆さま、安心して下さい、穿いてます(…じゃなくて)、
皆さまの劉濤は、ちゃんと正しく紹介されていますので。



まぁ、欲を言うならば、出演俳優の名前は、片仮名だけではなく、漢字表記を添えて欲しかった。

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例えば夏冬役の張齡心(チャン・リンシン)など、片仮名の“チャン・リンシン”だけで見ていたら、
薬師丸ひろ子の懐かCM「チャン♪リン♪シャン♪」をふと思い出し遠い目になり、
続いてハリウッドのお騒がせスタア、チャーリー・シーンに想いを馳せてしまった。
まぁ、そんなの私だけだろうけれど。
あと、誉王付きの謀士・秦般弱役の王鷗(ワン・オウ)も、片仮名だけで“ワン・オウ”とだけ記されると、
私にとっては数字の“1(ワン)”と“0(オウ=ゼロ)”でしかないのよね。
ま、それはそれで覚え易いでしょうか。

役名の方は、漢字の名前に日本語の音読みが添えられている事で、
「へぇー、“霓凰”は日本語では“げいおう”って読むんだぁ~」といった発見があり、お勉強になりました。



続いて、“あらすじ”のページを覗いてみたら、第10話までのあらすじが紹介されている。
大雑把とはいえ、すでに最後まで『琅琊榜』を観てしまっている私は、
ちょっとでも新鮮な気持ちで日本語字幕版を鑑賞するため、あらすじには目を通さないことにした。
あ゛ーーーっ、でも、ちょっと読んでみたい…。現在、「読め、読め…」と囁く悪魔の声と格闘中。




公式サイトもオープンし、『琅琊榜』日本初放送のその日が着々と近付いていると実感。
ただ、このサイトを見る限り、日本版予告編は、やはりまだ無いようだ。今後、出てくるのだろうか…??
とにかく、4月11日の放送開始日が楽しみ♪


チャンネル銀河『琅琊榜(ろうやぼう) 麒麟の才子、風雲起こす』公式サイトは、こちらから。

主演の胡歌(フー・ゴー)をはじめとするmango厳選男前キャスト4名については、
こちらの“大陸男前名鑑”でさらなる予習をお薦めいたします。

續・胡歌&霍建華in北海道(陳漫for<Harper's BAZAAR>)

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2016年1月上旬、中華圏きっての男前俳優、大陸の胡歌(フー・ゴー)と台湾の霍建華(ウォレス・フォ)が
北海道で落ち合い、人気フォトグラファー陳漫(チェン・マン)が手掛ける
中国版<時尚芭莎(ハーパース バザー)>、3月ホワイトデー特集のシューティングを行ったのは、
こちらに記した通り。
その号の表紙は十日ほど前にすでにお披露目済みだが、他のお写真も公開されました~。

★ 胡歌&霍建華

まずは、胡歌と霍建華のツーショット。

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雪もしたたるイイ男。
中華圏の俳優は時代劇に必須だから、乗馬が上手い。


続いて、こちら。

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下段の雪合戦のお写真は、カメラを意識していない感じで笑顔が自然。
(仲良さそうだし、どうせ噂になっているんだから、本当にこのまま付き合っちゃえばいいのに。…笑)


最後はこちら。

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左の画像は、以前こちらに記した通り、星野リゾート トマムの中のレストラン、ニニヌプリであろう。
このお店はどうやら朝食と夕食のみしか営業していないようなので、
きっとその間の空き時間に撮影させてもらったのでしょう。

★ 胡歌

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こちらは、胡歌一人のお写真。
北海道の郵便ポストって青いの?
すっかり氷に覆われた“冷凍ポスト”の投函口だけが開いていて(ポストがペンギンに見える)、
そこから覗く青色が、胡歌が穿くパンツの紺色と、さり気なくコーディネイト。

★  霍建華

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霍建華のお一人様ショットも。カッコイイです。


(↓)こちらは、もうちょっとキュート系。

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With アルパカ。北海道にアルパカが居るとは知らなかった。モコモコで可愛い。


気のせいか霍建華の写真が多い。…いや、ぜんぜん気のせいでは無く、確実に多い。
(もっとも、ここに出ていない胡歌の写真も実は多数。)
ツーショットを撮る時、胡歌を後方に立たせ、霍建華に焦点を当てるのは、
遠近法で二人の身長差をカバーするためだと納得しているけれど、
それぞれのお一人様ショットでも、霍建華の方に力が入っているように見えなくもない。
陳漫ってさぁ、胡歌より霍建華の方が好みのタイプなんでしょう…?!
良かったわぁ~、陳漫と男の趣味がカブらなくて。
まぁカブらなかったところで、どうせ当の胡歌からは相手にされないわけだけれど(笑)。

★ オマケ:胡歌 in台湾

胡歌の物足りない分は、こちらで。
胡歌は、昨日2月22日(火曜)の午後に台湾入り。
もっとも、本日午後3時には帰国という一泊だけの弾丸旅だったようだが、
ドラマ『琅琊榜(ろうやぼう) 麒麟の才子、風雲起こす~琅琊榜』が台湾で大ヒットした後なので、
現地メディアからかなり注目された模様。

昨晩は、所属事務所・唐人が台北君酒店(グランドハイアット台北)で主催した新年会に出席。
事務所の同僚女優で、台湾人俳優・吳奇隆(ニッキー・ウー)と入籍した劉詩詩(リウ・シーシー)も出席。

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唐人の新年会は、これまで北京で行うのが恒例で、台湾は初めてなのだと。

社員旅行を兼ねているそうで、唐人社員250人の大所帯が、北投の5軒のホテルに分かれて泊まったらしい。
『琅琊榜』大ヒット御礼のボーナス旅行だろうか。
映画監督・張藝謀(チャン・イーモウ)の事務所では、末端のお掃除のおばさんに至るまで社員全員に
ボーナスとしてマンションが支給されたなんて噂もあったし、大陸のエンタメ界はなんとも景気が良い。

ちなみに、『琅琊榜』で胡歌オチしたことを公言している台湾の“小S”こと徐熙娣(シュー・シーディー)は、
こんな時に限って、明日から開催のミラノ・コレクションにショーを見に行ってしまい、台湾不在で、
リアル梅長蘇(『琅琊榜』での胡歌の役名)に接触するチャンスを逃したとのこと。御愁傷様でございます。
でも、小Sに関してのコメントを求められた胡歌は「僕の思う小Sは、とても好き嫌いがはっきりした人で
霓凰郡主(梅長蘇の元許嫁)のよう。」と温かなメッセージを残して下さっている。



北海道にやって来た胡歌と霍建華、及び撮影を担当した人気フォトグラファー陳漫については、

『琅琊榜』って何?胡歌って誰ヨ?!という方は、こちらの“大陸男前名鑑”を参照に。


なお、胡歌主演のその大ヒットドラマ『琅琊榜(ろうやぼう) 麒麟の才子、風雲起こす』は、
2016年4月11日よりチャンネル銀河で日本初放送開始♪



追記:2016年2月24日
陳漫が、噂を煽るようなこんな写真も出してきた。

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ただ単に噂を煽っているように見せ掛けておいて、裏をかき、
実は本当に付き合っている、…なんて事ならもっと面白いのに(笑)。

ケーキ3種(+明星とかテレビとか諸々)

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月2回、日曜日の朝日新聞に付いてくる<The Globe-朝日新聞グローブ>という別紙がある。
その2016年2月21日号に、見開き2ページを使って、
中国で活動する日本人女優・松峰莉璃(まつみね・りり)が紹介されていた。
最近、この人一体何者なのだろう?!と、ちょっと気になっていたので、タイムリー。




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私が、演じている松峰莉璃を見たのは、南田洋子という役を演じている大陸ドラマ『偽裝者~The Disguiser』。
南田洋子といっても長門裕之の妻で、元祖サスーンカットの、あの故・南田洋子ではなく、日本の特高。
(なぜ敢えて“南田洋子”という役名が選ばれたのかは、はなはだ疑問。
他の日本人出演者は、中国語の台詞があからさまな吹き替えで、
日本語の地声とあまりにも違い、違和感があるのに、
松峰莉璃だけは、恐らくどちらも本人の声で、自然な上、流暢。
目力があり、そもそもが重要な役なので、とても印象に残る。


この度、<グローブ>を読み、彼女の色んな事が分かったし、素敵な女性だなぁと応援したくもなった。
出身は福岡、年齢は非公開だが、経歴から察するに、30代後半(←ゴメンね、察しちゃって)。
中国語専攻で北九州市立大学に在学中、北京の中央戲劇學院に留学し、
留学生クラスからすぐに演技科に聴講生として編入。
(一旦帰国し、日本の大学を卒業後、中央戲劇學院の大学院へ進学。)
同級生には章子怡(チャン・ツィイー)。役者を目指す学生たちは街中で何時間も人間観察をしたりするそうだが、
当時すでに大女優の道を歩み始めていた章子怡は、ペタンと座り込んだ途端、乗り移ったかのように、
物乞いを演じてみせた、なんていうエピソードも語られている。

それはそうと、松峰莉璃は2005年から俳優業を始め、徐々に仕事が増えだし、
2011年ドラマ『鋼鐵年代~A Age Of Iron』で主人公と恋に落ちる日本人技術者を演じ、一気に飛躍。
ところが良い事は続かないもので、その後領土問題が勃発し、入った仕事もことごとくキャンセル。
ドラマ一本の製作費の相場約5千万元(≒9億円)が、
日本人たった一人が加わったせいで、パーになる可能性があるのだから、やむを得ない。
これを機に、中国人の友人たちのアドバイスで、脚本を書き始めたら、上手くいき、
この夏ついに自作のミュージカルが國家大劇院で上映される運びになったそう。おめでとうございます!

まぁ、それ以前にも、裏方のお仕事はしており、
吳宇森(ジョン・ウー)監督の『レッドクリフ』や『太平綸~The Crossing』の脚本の翻訳を手掛けたのも
彼女なのですって。

もちろん俳優業も続けており、日中関係が最も難航していた時でさえ手を差し伸べてくれ、
大作に起用してくれたのが、姜文(チアン・ウェン)監督。その“大作”とは、私もずっと観たいと思っている一本
『一步之遙~Gone with the Bullets』。日本でも上映希望。(それにしても、姜文ってやっぱりカッコイイ。)


私が松峰莉璃を見た大ヒットドラマ『偽裝者~The Disguiser』に関しては、
<グローブ>ではタイトルを伏せ、“抗日戦争ドラマ”と表現されている。
これは、日本でも初放送を控えている『琅琊榜(ろうやぼう) 麒麟の才子、風雲起こす』と
同じスタッフ&キャストによるドラマ。
監督は、李雪(リー・シュエ)と共に『琅琊榜』を手掛けた孔笙(コン・シェン)監督。
この孔笙監督は『鋼鐵年代』の監督でもあるので、その時のヨシミで『偽裝者』に松峰莉璃を抜擢したのだろうか。
“抗日ドラマ”と聞いただけで毛嫌いする日本人も多いだろうが、
日中戦争の時代を背景に、重慶の国民党、延安の共産党、南京の汪兆銘政権が、
上海を舞台に繰り広げる水面下の闘いを描く“諜報モノ”で、『琅琊榜』同様、非常ぉぉーーに面白い!

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画的にも当時の上海セレブリティがとてもエレガントでうっとりだし、私にとっては“スーツ萌えドラマ”でもある。
胡歌(フー・ゴー)のコスプレも楽しめるし、女性のお衣装も素敵。
『上海グランド~上海灘』とか『ラスト、コーション』のような世界観が好きな人なら、多分これもイケる。
どうせチャンネル銀河辺りなら、観る人も限られているから、こちらもシラーッと放送してくれれば良いのに…。
(最近の日本人は“抗日”という言葉に過剰に反応するが、さきの大戦を描く日本の作品だって、
言い換えれば所詮“抗米作品”。こんな風潮で秀作が埋もれてしまうのは、もったいない。)
このドラマを観ると、胡歌や王凱(ワン・カイ)以上に、靳東(ジン・ドン)に惚れます、確実に。

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靳東は『琅琊榜』では、瑯琊閣の少閣主・藺晨役で、物語の最初と後半にだけ登場。
多少口は悪いが心根の良い、ロン毛の少閣主をちょっぴりコミカルに演じており、
『偽裝者』の素敵過ぎるアニキ・明樓とは別人。(靳東目当てなら、存在感と素敵っぷりで『偽裝者』がお薦め。)


その『偽裝者』の中では敵対する日本の特高を演じている松峰莉璃だけれど、ほら…

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こちら、共演者の王凱と。血ノリ飛び散る撮影現場は和気藹々♪
それにしても、王凱、指、長っ…!作り物みたい。“美手男神”と称えられる王凱の美しいお手々は、
2016年4月11日日本初放送開始の『琅琊榜』で御確認を。靖王役で出ております。
あと王凱は、美手だけでなく、美声にも注目ね♪




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『琅琊榜』繋がりで、もうひとつ。
主人公・梅長蘇の小さな護衛、飛流を演じている吳磊(ウー・レイ)が、
『世界最速のインディアン』(2005年)などでお馴染みのロジャー・ドナルドソン監督最新作
『S.M.A.R.T Chase:The Dragon&Phoenix~極智追擊:龍鳳劫』に出演することが決まったという。
近年激増しているハリウッドと中国の合作だろうか。
撮影は上海で行われ、他にも韓国の李政宰(イ・ジョンジェ)の出演が決まっているのだとか。
前の松峰莉璃の話と重なるけれど、日中関係が安定しない限り、常にリスクがつきまとうから、
こういう所に日本人俳優がなかなか絡んでいけなくて残念。
それにしても子役出身の吳磊クンは、成長とともに朽ちて“あの人は今”と忘れ去られるどころか、
人気も知名度も天井知らずで伸びる一方。
まだ吳磊を知らない日本人でも、『琅琊榜』を観たら、彼の人気に納得するはず。飛流、本当に可愛い。

吳磊や、前出の胡歌、王凱など、『琅琊榜』を彩る男前に関しては、こちらの“大陸男前名鑑”を。





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テレビでは、明日、2月26日(金曜)、日テレで放送の『アナザースカイ』が、久々に楽しみ。
ゲストは、先日40歳の医師との入籍を発表したばかりの田中麗奈で、
海外映画初主演を果たした台湾を、彼女の“アナザースカイ”として紹介。
現地で活躍する映画監督にも再会し、当時を振り返るという。
他にも、台湾の食を堪能したり、台湾武術にも挑戦。得意の中国語も披露しているのだとか。

最近すっかり忘れていたけれど、田中麗奈って結構早い内から中華圏進出に挑んでいた日本人女優なのだ。
日本未上陸の『愛在左、情在右~The century begins with a love』という日中合作ドラマに出て以降、
中国語の学習を続けていると以前テレビで言っていた。
その時共演していたのが、『傾城の雪~傾城雪/美人如畫』などで最近日本でも知る人が少しずつ増えてきた
曹曦文(ツァオ・シーウェン)であると、ついさっき知った。このドラマ、日中合作とはいうけれど…

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タイトルの左横に小さく記されている「よく左にあります 情がになるのは右」という日本語が不可解。


今回の『アナザースカイ』で焦点を当てている“海外初主演映画”は、『幻遊伝』(2006年)のことであろう。
…ってことは、番組の中で再会する監督さんは、陳以文(チェン・イーウェン)?

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『幻遊伝』『暗いところで待ち合わせ』と立て続けに共演した陳柏霖(チェン・ボーリン)も出てくれれば
嬉しいけれど、絶対に出ないわよね…。





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他、要録画予約の番組は、漫画家・瀧波ユカリのレポートで第9シリーズが始まる
NHK BS1の『世界で花咲け!なでしこたち』
その新シリーズ2回目、3月3日(木曜)の放送では、鈴木美妃を取り上げる。
話は前後するが、松峰莉璃と同じように、鈴木美妃もまた、中央戲劇學院に留学し、
そのまま中国を拠点に活動する日本人女優。
私は、CS旅チャンネルで彼女がレポーターをやっていた『体験☆北京 PEKING』を毎回観ていたし、
出演映画『黒四角』(2012年)も日本で公開されているので、松峰莉璃よりは馴染みがある。
『世界で花咲け!なでしこたち』(前『アジアで花咲け!なでしこたち』)は、
普段は海外で頑張る一般の日本人女性を紹介することが多く、女優さんは珍しいので、なんだか楽しみ。

余談になるが…
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(↑)これ、レポーターの瀧波ユカリが、北京の胡同にあるお土産屋さんで購入した子供用のシャツだって。
大人だとなかなか着れない感じだけれど、子供が着たらきっとキッチュで可愛い。


あと、その3月3日(木曜)、同じくNHK BS1の『ドキュメンタリーWAVE』では
“アジアの黒衣(くろこ)動く~日本人技術者を取り込む台湾企業”と題し、
台湾の鴻海(ホンハイ/Foxconn)を取り上げた回が再放送される。
2年近く前に放送された物だが、シャープ買収で今話題をさらっているので、急遽再放送決定?
今の時代、2年も前のドキュメンタリーだと内容が古くなっている可能性もあるが、興味のある方はどうぞ。

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ちなみに、一代で大企業・鴻海を築いたカリスマ経営者・郭台銘(かく・たいめい/テリー・グオ)は
御年65歳で、身長180センチ、再婚した2人目の妻は24歳も年下という台湾屈指の大富豪。
日本のお父様方、羨ましい?? 
今生ではもう無理でも、来世でお父様方が郭台銘になれることを、影ながらお祈りさせていただきます。




お菓子は、ケーキを3ツ。どれも初めて食べる物。

★ パリ・セヴェイユ:ポワール・キャラメル

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大きさは、直径約7センチ。
スポンジ生地の上に、キャラメル・ムースと洋梨ムースを重ね、洋梨のジュレで覆ったケーキ。



ひとつめは、パリ・セヴェイユ03-5731-3230)の“ポワール・キャラメル”
パリ・セヴェイユのケーキは初めて。
ここのお店の物では、以前に焼き菓子やチョコレートなら食べたことがある。
本格的なフランス菓子という印象で、とても美味しかったので、ケーキも楽しみ。

これは、名前の通り、“Poire(洋梨)”と“Caramel(キャラメル)”をメインにしたケーキ。
ムースの上からジャムやゼラチンのような物を流しかけ、ツヤを出しているのかと思ったら、
そのツヤツヤな上の層が、まんま洋梨のジュレ…!
口にすると、とてもジューシーで、洋梨特有のザラついた質感まで感じられ、洋梨そのもの…!
ほのかに甘苦いキャラメルのムースとも合っている。
中には、カットした洋梨も。

一見有りがちなムースタイプのケーキのようでいて、実はあまり食べたことが無いタイプ。
洋梨そのものを食べているかのような表層のジュレに、新鮮な驚き。

★ ラ・ヴィ・ドゥース:フランボピスターシュ

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大きさは、直径約6センチ、高さ約5センチ。
クッキー生地の台の上に、ピスタチオ風味のマジパンとババロアをのせ、
フランボワーズ・クリームで包んだケーキ。




2ツめは、ラ・ヴィ・ドゥース(公式サイト)“フランボピスターシュ”

ピスタチオ・ムースもフランボワーズ・クリームも、口の中でサッと消えてしまうほどの軽さ。
味は、ピスタチオのまろやかな風味を、フランボワーズの爽やかな酸味がキリッとしめている。
ピスタチオはピスタチオで好きだけれど、それだけだと、もしかしてボヤけた味になってしまっていたかも。

私はマジパンが好きなので、実は「マジパンが入っている」という説明にに惹かれ、このケーキを選んだのだが、
いざ食べてみたら、マジパンの量は少なく、存在感が弱い。
まぁ、このままでも美味しいけれど、マジパンがもっと大胆に使われていたら、
もっと個性的なケーキになっていた気もする。

★ アングランパ:フィグ

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大きさは、直径約6センチ、高さ約8センチ。
アーモンド生地にラム酒漬けのカラント・レーズン等を混ぜた物を、ピスタチオのマジパンで包み、
いちじくに見立てた物を、コーヒー・バタークリームを絞ったガレットの上にのせたケーキ。




最後は、アングランパ(公式facebook)“フィグ”
こちらは、マジパンをしっかり使ったお菓子。

“Figue(フィグ/イチジク)”は、ラム酒漬けにしたドライフルーツを混ぜ込み、ギューッときつくまとめ上げた生地に
マジパンをかぶせ、イチジクの形に仕上げたフランスの伝統菓子。
半端に残った生地を捨てたらもったいない!これをなんとか再利用できないものだろうか?
と考え出したリサイクル菓子なのでははいだろうか。
日本ではメジャーとは言い難いけれど、本格フランス菓子にこだわるお店がぼちぼち提供していて、
私がこれまで食べてきた物はどれも美味しかった。でも、アングランパのは初めて。

一般的なフィグとやや違い、コーヒークリームを絞ったガレットの上にフィグ本体をのせているのが、
アングランパのオリジナリティ。
あと、フィグの形も、他店よりリアリティを追及しているようで、ひとつひとつが異なる。
イチジクというより、日本のサツマ芋に似ている?

下にガレットの台を使うのは、正直邪道だと思ったが、
サックリした食感のガレットと、コーヒー味の滑らかなバタークリームの組み合わせが、なかなか美味。

メインのフィグの部分は、ラム酒がしっかり効いていいるし、
ほんのり香るスパイス(ナツメグやシナモンか?)も良いアクセント。

ドッシリ重く、食べ応えがあり、とっても美味…!
普通の日本人には重過ぎるケーキだと思うけれど、
本格的なフランス伝統菓子が好きな人なら、きっと気に入るはず。

映画『ディーパンの闘い』

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【2015年/フランス/115min.】
スリランカ内戦でLTTEの兵士として戦ったシヴァダーサンは、
死亡したディーパンという男のパスポートを手配し、
会ったばかりの妻役のヤリニ、9歳の娘役のイラヤルと共に、家族を装い、
フランスへの入国になんとか成功。
移民や低所得者が多く暮らすパリ郊外の荒廃した集合住宅で、住み込みで管理人をする職も得る。
フランス語が分からず、従姉が暮らすイギリスへ行きたいと訴え続ける妻ヤリニは、
この地域の物騒な雰囲気に怯えながらも、
月500ユーロという満足な報酬で、認知症の老人の世話を始めることに。
3人の生活は徐々に落ち着き、家族の絆らしきものも生まれてくるが、そんな矢先…。



2015年、第68回カンヌ国際映画祭で、最高賞パルムドールに輝いたフランス映画。
手掛けたのは、ジャック・オディアール監督。『君と歩く世界』(2012年)以来3年ぶりの監督最新作となる。

この時のカンヌでは、グランプリを受賞した『サウルの息子』が日本で先に公開され、鑑賞済みだったので、
こちらのパルムドール受賞作品も楽しみにしていた。



物語は、スリランカで長く続いた内戦終結後、国を出る決意を固めた反政府勢力の元兵士・シヴァダーサンが、
すでに死亡したディーパンという男のパスポートを入手し、妻役のヤリニ、娘役のイラヤルと共に家族を装い、
なんとかフランスへの入国を果たし、パリ郊外の集合住宅で管理人の職に就き、
ささやかながら落ち着いた生活を手に入れた矢先、地域の抗争に巻き込まれ、
不本意にも再び暴力の世界に身を投じていく姿をスリリングに描く遣る瀬無いヒューマン・ドラマ

主人公の出身地スリランカは、隣国インドに比べ、日本に入って来る情報が少ない、案外謎の多い国。
特産品であるセイロンティーの優雅なイメージとは裏腹に、実は1983年から2009年まで、
人口の多数を占めるシンハラ人優遇政策をとるスリランカ政府と、
それに抵抗する組織・LTTE(Liberation Tiger of Tamil Eelam タミル・イーラム解放のトラ )との間で
26年にも及ぶ内戦があった。結局この内戦は、スリランカ政府軍がLTTE支配地域を制圧して終結。

本作品の主人公・シヴァダーサンは、元LTTEの兵士。
つまり、戦いに敗れた側の人間で、戦後国外脱出を決意する。
彼は、すでに死亡しているディーパンという男のパスポートを入手し、
ヤリニという妻役、イラヤルという娘役も揃え、家族を装いフランスに入国。
パリ郊外の荒廃した集合住宅に居と職を得て、他人同士の3人が、慣れない土地で不安を抱えながらも
徐々に心を通わせるようになるプロセスが、中盤以降まで描かれる。

偽装家族というか、偽装結婚を描いた作品なら、これまでにも結構有ったような…。
例えば、アメリカの永住権グリーンカードを取るため、書類上夫婦になる『グリーン・カード』(1990年)とか、
同じようにグリーンカード取得目的に加え、同性愛者であることを保守的な親に隠すため、
偽装の結婚をする『ウェディング・バンケット』(1993年)とか。
そうそう、偽装家族の話なら、北朝鮮のスパイたちが、韓国で家族を装い諜報活動を行う
『レッド・ファミリー』(2013年)という映画が有った。

それらいずれもが、笑える部分がある楽しい作品なのは、偽装に対し、我々観衆が「どこか冗談ぽい」と
現実とは一線を引き、一種のファンタジーのように捉えて観ているからかも知れない。
一方、この『ディーパンの闘い』の偽装家族には現実味が有り過ぎる…。

この偽装家族の家長ディーパンの本名がシヴァダーサンであることは早々に分かるけれど、
妻役や娘役は本名すら分からず、3人が家の中でも当たり前のように“役名”で呼び合っていたのが、印象的。
それぞれの素性など関係なく、生きるためのお芝居と割り切っての共同生活という感じが強く伝わってきた。
それでも3人の情は徐々に通じ合い、次第に本物の“家族”のようなものになっていく。
世間一般の夫婦だって所詮は他人同士だし、
子供だって、実子ではなく、養子を迎え育てている人はいくらでも居るわけだから、
家族になるキッカケはあまり重要ではないのかも知れない。


この映画もここで終われば、ハッピー・エンディングなんだけれどねぇー…。
残念ながら、争いが絶えなかった祖国を逃れた偽装家族が行き着いた新天地もまた
狂った争いが絶えないある種の戦場だったのです…。

これは、スリランカ人と限らず、どこの国出身の難民・移民にも言えることだが、
たとえ他国への入国に成功しても、そこで待ち構えているのが貧困や差別で、
どう足掻いても抜け出せないその国の最下層に組み込まれ、犯罪者になってしまったり、
また自らが犯罪者にならなくても、犯罪に巻き込まれるケースは、よくある。
祖国で政治犯にされたり、同国民に殺される不幸と、
亡命先で貧困に耐えた挙句、その国のチンピラに殺される不幸と、
どちらがまだマシかという不幸比べになってしまうではないか…。




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出演は、ディーパン/シヴァダーサンにアントニーターサン・ジェスターサン
偽装の妻ヤリニにカレアスワリ・スリニバサン
9歳の娘という設定のイラヤルにカラウタヤニ・ヴィナシタンビ等々。

3人ともまったく知らない。
主人公ディーパン役のアントニーターサン・ジェスターサンは、プロの俳優ではなく、
実際に16歳から19歳までLTTEの少年兵として戦った経験があり、
その後タイを経由しフランスに亡命し、様々な職を転々とした末、文筆業に就いた作家らしい。
色々と苦労はあっても、作家という知的職業に辿り着き、
亡命先でしっかり生活している彼のような元難民も居ると知ると、少し救われる。
そう言えば、『サウルの息子』の主演男優も本職は詩人だったし、
芸術家や文化人は、プロの俳優とはまた異なる独特の個性で、役に雰囲気を与えてくれる。
本作品のアントニーターサン・ジェスターサンの場合、実際に兵士としての経験が有ったのも役立っているのか、
突撃シーンにもやけにリアルな凄味があった。
あと、大の男が頭に不似合いな光るカチューシャを付け、物売りをしている姿も、記憶に焼き付く。
しかも、その時売っていたキーリングが…

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香港アニメ『麥兜(マクダル)』シリーズにいかにも登場しそうなキャラだった。


映画初出演で、娘イラヤルを演じたカラウタヤニ・ヴィナシタンビちゃんは美人さん。
見ていると吸い込まれそうな、キラキラした大きな目が印象的。




銃を手にしてしまったディーパンとその家族の“その後”をついつい想像してしまい、切ない…。
強制送還なのか、牢獄行きなのか…??
あの場に居合わせなかったまだ幼い娘イラヤルは、仮にフランス残留を許されても、
保護者を失い、施設に入れられてしまうのだろうか。
せっかくフランス語が喋れるようになり、普通学級への転入も決まったのに。
そして、そのまだあどけなさが残る可愛いイラヤルも、十年もしない内に、
あの集合住宅の一角で群れていた輩のようにグレてしまうのだろうか。
ラストのイギリスでのシーンで描かれる、叶わなかった美し過ぎる未来と、想像できる現実との間に、
あまりにも大きなギャップがあるから、益々もの悲しい。

…なぁ~んて思っていたら、
あのラストシーンをそのままハッピーエンディングと受け止める観衆が案外多いことを知る。
そう思える人はきっとかなりポジティヴな人に違いない。私は思いっ切り後ろ向きに捉えましたわ。

スリランカの事情には詳しくないけれど、
難民問題やテロが頻繁に語られる今、とてもタイムリーな作品として、興味深く鑑賞。
本作品にも、スリランカから流れて来たディーパンたちと限らず、アフリカ系、アルジェリア系等々
多くの移民が登場しているように、実際にフランスは、彼らを寛容に受け入れている他民族国家で、
その裏で抱えている問題もかなり深刻。

難民受け入れに消極的で世界から批判されがちな日本は、
今後変化を求められれば、“対岸の火事”などと言っていられない。
暴動やテロといった最悪の状況に行き着かないまでも、
どのように移民・難民と共生していくべきかを考えさせられる細々とした描写が、本作品の所々にあった。
例えば、ディーパンは問題を起こさず、フランス社会に溶け込もうと努めているように見受けられるのに対し、
本当はイギリスへ行きたかったのに、不本意にフランスに連れて来られた妻ヤリニは、いつも不満顔。
「ジロジロ見られるのがイヤ」、じゃぁスカーフを被ればと言われれば「私の宗派ではない」と小言が多い。
知らず知らずの内にフランス人と化し、スクリーンの中の彼らを見ている私は、
“郷に入ったからには郷に従おうとしている”ディーパンを応援したくなり、
逆に「私はこんな所に居たくない」と言わんばかりの妻ヤリニに対しては、あまり良い感情が湧かなくなっていた。
将来もし日本が大勢の難民・移民を受け入れる側になった時、
宗教や文化、個人の自由など、日本人はどこまで彼らのアイデンティティを尊重できるのか、
はたまた完全な日本人になることを強要していくのか…、等々色々考えさせられたのであった。

NHK BS プレミアムよるドラマ『はぶらし 女友だち』

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真壁鈴音は、連続テレビドラマを手掛ける37歳の独身人気脚本家。
ある晩、一人暮らしのマンションに、小さな男の子を連れた古澤水絵が突然訪ねて来て
「一晩だけ泊めて欲しい」と懇願される。
古澤水絵…、彼女は鈴音が故郷・静岡の高校に通っていた頃、同じ合唱部に所属していた旧友。
旧友とはいっても、もう20年も音信が途絶え、忘れかけていた人。
なんでも水絵は、昨年夫と離婚し、息子・耕太を連れ上京したが、身を寄せていた叔母が亡くなり、
住む家も仕事も頼れる人も無く、困り果て、仕方なく東京に暮らす唯一の知人・鈴音を訪ねて来たというのだ。
思い掛けない人物の突然の来訪に戸惑う鈴音であったが、
水絵の状況に同情し、「一泊くらいなら」と彼女を家の中に迎い入れるが…。



2016年1月、新年明けて早々にNHK BSプレミアムで始まったドラマ『はぶらし 女友だち』が、
約2ヶ月後の2月23日、全8回の放送を終了。週末に、録画しておいた最終回をようやく観る。
近頃の私は、全50話とか80話なんていう中華ドラマに慣れちゃっているし、
ましてや、これ、一話30分ポッキリだから、なんの苦も無く、あっと言う間に完走。
普段、このブログには日本のドラマの感想をあまり残していないけれど(そもそも、ほとんど観ていない)、
コレ、面白かったし、簡単に記録しておく。

★ 概要

近藤史恵の小説<はぶらし>を、宮武由衣、千村利光の演出でドラマ化。
宮武由衣は『JAZZ爺MEN』(2011年)、千村利光は『けの汁』(2012年)といった映画を
手掛けた監督さんみたい。…もっとも、私はどちらも未見だが。

原作小説も未読。
まったく内容の想像がつかぬまま、ドラマを鑑賞。

★ 物語

物語は、独身の人気脚本家・鈴音のもとに、ある晩、「他に行く場所が無い。一晩だけ泊めて欲しい」と
一人息子を連れ、突然訪ねてきた、20年間一度も会っていなかった高校の同級生・水絵を
戸惑いながらも家に入れてしまったことで、そのままズルズルと居座られ、生活のペースを狂わされた上、
周囲で次々と不可解な出来事が起き、まるで嵌ってしまった負のスパイラルから抜け出せないかのように、
順調だった鈴音の人生が静かに暗転していく様を描くサスペンス


『はぶらし 女友だち』というタイトルからは、女同士のほのぼのとした友情物語を想像するが、
いやいや、実際にはちっとも“ほのぼの”なんかしておらず、
断ち切ろうにも切れない、なんとも薄気味悪い腐れ縁の物語。

タイトルにもなっている歯ブラシに関するエピソードは、物語が始まって早い内に出てくる。
急な外泊で、歯ブラシを持っていなかった水絵は、「明日買って返すから」と約束し、
鈴音から彼女がストックしていた予備の歯ブラシを借りる。
この場合、“借りる”だの“返す”だのという言葉を使ってはいても、
実際には新たに買った物を相手に渡すのが常識である。
ところが、約束した通り翌日新しい歯ブラシを買ってきた水絵は、それを自分用にキープし、
前の晩鈴音から借り、使用した歯ブラシを、律儀にもそのまま鈴音にお返ししてしまうのだ(…!)。
確かに水絵が言った「返す」という言葉に偽りは無いんだけれどねぇ…。
さり気ないエピソードでありながら、水絵の規格外の人格や、
その後に起きる災いを暗示させるに充分なプロローグで、物語の世界にすっかり引き込まれる。

この歯ブラシは、ドラマの最後にも、今度は幸せの象徴として再登場。
誰もが毎日使う身近な物だからこそ、
日常の中のささやかな不安や幸福を映しだす道具に成り得るのかも知れない。

★ キャスト その①:二人の主人公

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内田有紀:真壁鈴音~テレビドラマの脚本家 既婚のプロデューサー柳井護と不倫中

しょっちゅうテレビで目にする人気アイドルだったのに、
吉岡秀隆との結婚・離婚後は、あまり目立った活動が無かった内田有紀。
最近、いい感じに大人っぽくなり、露出の機会が増えたなぁ~と思っていたら、もう40歳になっていたとは…!
綺麗なアラフォーですねぇ~。
本作品で扮している鈴音は、連続ドラマを手掛ける独身の脚本家。
仕事でも成功している美人なんて、気が強そうなイメージだけれど、鈴音は意外にも「NO」が言えない人。
私だったら、20年も音信不通だった元同級生(←しかも、高校時代も大親友だったわけではない)が
アポ無し訪問で「泊めて」なんて懇願してきても、お断りするであろう。
ところが鈴音は泊めてしまうのだ。…しかもズルズルと何泊も。
さらに水絵が仕事の面接に行くと言えば、洋服を貸してあげるし、彼女の息子が病気になれば、治療費も負担。
悪い奴というのは、野生の勘が働いて、騙されてくれる相手を嗅ぎ分けられるものなのヨ。
水絵のペースに巻き込まれていく鈴音を見ていて、
「今度こそ“NO”を突き付けろーーっ!」と何度叫びそうになったことか。
鈴音がなんとなく不倫を続けてしまうのも、良く言えば優しく、悪く言えば優柔不断な性格のせいなのかも。



池脇千鶴:古澤水絵~鈴音の高校時代の同級生 6歳の息子・耕太を育てるシングルマザー

美人の成功者でありながら、どこか気弱な鈴音を演じる内田有紀も良かったけれど、
水絵を演じる池脇千鶴のインパクトが強過ぎて、他が霞んでしまった。
このドラマの見所は、ズバリ、池脇千鶴、彼女ですっ…!!!
お世辞にも美人とは言えないのに、この池脇千鶴が、次々と若手美人女優が現れては消えていく
競争熾烈な芸能界でサーヴァイヴし続ける理由が分かる気がする。
“アタシは女優よ!”なオーラが一切無く、ややショボいくらいの生活臭漂う平凡な見た目を逆手にとり、
ごく普通の主婦やOLを演じさせたら、リアリティでは日本の芸能界きっての名女優(30代部門)。
誠実な人を演じれば、本当に誠実に見えるし、その反面、内に何か狂気を秘めていそうだから、
今回の水絵のように、何を考えているのだか分からない不気味な役もやけにハマる。
菜々緒が演じるような分かり易い悪女と違い、可哀相っぽいし、掴み所が無いから、ホント、薄気味悪い。
水絵の不可解さは、ドラマの回を追うごとに増し、後半戦に入ってから言う
「だって、鈴音には私を助ける義務があるんだもんね」の台詞で、背筋が凍りついた…。
さらに、挙句、居直って言う「簡単に他人を信用するからよ!」で、ボー然。
美人女優ばかりではなく、池脇千鶴のような女優さんは、本当に必要だと思います。

★ キャスト その②:主人公と関わるその他の人々

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その他の主要キャストにもザッと触れておくと、
鈴音と交際を続けている既婚のプロデューサー柳井護に尾美としのり
鈴音に惹かれていく古書店の店主・灘孝史に金子ノブアキ
鈴音の友人でカフェを営む米澤美穂子に市川実和子、水絵を追う謎の男・曽我諒一にダンカン
鈴音の母・真壁鏡子に岡まゆみ、水絵の夫・梅森正に岡田義徳などなど。

鈴音は、尾美としのり扮するロマンスグレイの敏腕プロデューサーと、
金子ノブアキ扮する温厚な古書店店主というタイプの異なる二人の男性と曖昧な関係が進んでいく。
この二人の男性が鈴音を巡りついには衝突し、彼女の目の前で取っ組み合い。
このドラマは、中年になってもまだ“喧嘩をやめてぇ~、二人を止めてぇ~”のモテ状況にいる鈴音を描くことで
テレビの前のすでに枯れてしまった女性視聴者たちに
“モテ期の再来”、“モテ期の疑似体験”という夢を与えているのかも知れない。

金子ノブアキは、古書店店主(…しかも、神楽坂の古書店)という設定が、本人の雰囲気にピッタリ。

あと、登場シーンは少ないけれど、鈴音の母親役で出ている岡まゆみを久し振りに見て、懐かしく思う。
私の中では、「クルクルバビンチョ パペッピポ、 ヒヤヒヤドキッチョの、モォ~グタン…!」
の決め台詞でお馴染みの『まんがはじめて物語』のお姉さんから、
一気に本作品の“中年の娘をもつ母親”になってしまった。
でも、それだけブランクが有っても、あまり変わっていないように感じた。
まぁ、私が見ていなかっただけで、その間にも女優業は続けていたのであろう。

登場シーンが少ないと言えば、ドラマの終盤にようやく登場する水絵の夫・梅森正に扮する岡田義徳も。
私、最初の頃ずっとダンカンが水絵のDV夫なのだと思い込んでいた。
終盤ようやく登場する岡田義徳扮する本当の夫が、腰が低く、優しい雰囲気だから、
視聴者は、水絵の人間性に益々疑いの目を向けてしまう。
ところが、その夫にまさかの裏の顔…。
岡田義徳も、池脇千鶴と同じように、見た目が普通だからこそ、豹変後のギャップが生きてくる。





ドラマを最後まで観ると、水絵はただの嘘つきではなく、ましてやサイコパスなどではなく、
本当に心に深い傷を負っている孤独な女性で、
自分の人生で唯一キラキラしていた高校時代に、「何かあったら私を頼って」と優しく言ってくれた
頼り甲斐のある鈴音を一筋の希望のように感じ
(鈴音本人は何の思慮も無く、なんとなく発した言葉だったのだろうが)、
藁にも縋る思いで訪ねて来たのだと理解できる。
鈴音と再会した後も、水絵は将来が見えず、ずっと必死にもがいていたに違いない。
…ただ、彼女が鈴音を隠し撮りしたり、お金を盗もうとしたり、勝手に合鍵を作るなど、
軽い犯罪まがいの事を行う人物であったのも、また事実。
芸能関係という華やかな世界で仕事をし、生活に何不自由なく、今をキラキラ生きている鈴音に憧れる反面、
そんな彼女に理不尽な嫉妬心が湧いてきてしまったのかも知れない。
その結果、不可解な行動を繰り返してしまった水絵を、最終的には受け入れ、
20年越しで、ついに真の友人となり、彼女を支えてあげる鈴音は、やはり良い人だ。
イイ人っぷりが仏レベルで、リアリティに欠け、話を上手くまとめ過ぎたようにも感じるが、まぁいいわ。
このドラマは、そこに至るまでの不可解なプロセス、
取り分け、視聴者を煙に巻くような池脇千鶴の怪演にこそ、観応えがあるのだから。
池脇千鶴が、半ベソかいているんだか、微笑んでいるだか分からない顔で、鈴音を見詰めて言う
「だって、鈴音には私を助ける義務があるんだもんね」は、当分忘れられそうに無い。


NHK BSのプレミアムよるドラマは、2016年3月1日(火曜)の今晩から、
柄本時生主演の『初恋芸人』がスタート。
柄本時生主演という点には惹かれるけれど、芸人という題材にはあまり興味が無いから、これはパスかしら。

苺大福2種(+来日監督とかテレビとか)

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本日新宿で『最愛の子』の舞台挨拶を行った陳可辛(ピーター・チャン)監督のみならず、
4月に『山河ノスタルジア』の日本公開を控えている賈樟柯(ジャ・ジャンクー)監督もまた同時期に東京滞在。

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どうやら池松壮亮が、その『山河ノスタルジア』雑誌<ELLE>で紹介しているらしく、
監督本人にも会ったようだ(もしくは誌面で対談したのだろうか?)。
賈樟柯監督が、↑この写真を貼った昨日の微博には、人民の皆さまから「池松壮亮は演技が上手い」、
「池松壮亮は“カルト四小天王”の一人」、「壮醬(壮ちゃん)カッコイイ」、「是非コラボを!」
といった池松壮亮絡みのコメントも多数寄せられている。
日本のこの世代の“カルト四小天王”って、他3人は誰を指すのでしょう?
似た系統の染谷将太、菅田将暉、窪田正孝あたり…??
『山河ノスタルジア』に出演している注目の若手・董子健(ドン・ズージェン)も、そういう部類に入りそうな男の子。
(董子健については、こちらの“大陸男前名鑑”を参照に。)
池松クンもいつか賈樟柯監督作品に出られると良いですね~。



話変わって、先週、こちらに記した通り、3月4日(木曜)の昨晩、
中国を拠点に活動する日本人女優・鈴木美妃を取り上げたNHK BS1の番組
『世界で花咲け!なでしこたち』を観た。
この回は取材対象が女優さんということで、番組の中で大陸芸能界の一端を覗け、期待以上に面白かった。
また、プライベートの面では、鈴木美妃が一年ほど前から付き合っているというボーイフレンドまで登場。
その彼ってば、見たことある顔…。

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そう、『薄氷の殺人』で、廖凡(リャオ・ファン)扮する主人公の同僚刑事を演じていた余皚磊(ユー・アイレイ)。
(画像の車中のシーン、向かって右が廖凡で左が余皚磊。)
へぇー、付き合っているんだぁ~。テレビ観ていて、そこにすンごく食い付いてしまった(←小学生か、私)。

余皚磊は、前述の陳可辛監督作品、現在日本で公開中の『最愛の子』にも、実はチラッと出演している。

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やはり、こちらでも警察官の役。
ポリス慣れしていて(?)、銃の扱いには人一倍コダワリが有るのか、
『世界で花咲け!なでしこたち』の中でも、余皚磊は鈴木美妃の演技に対し、銃の構え方が違うとか、
好きな人に撃たれたら笑うはずだとか、色々とダメ出ししておられた。
再放送は、3月7日(月曜)、同じくNHK BS1で。興味のある方は是非その機会に。





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今後のテレビでは、
まず、明日、3月5日(土曜)の朝、BSジャパンで放送の『NIKKEIプラス1をみてみよう!』
多分これまで一度も観たことが無い番組なのだが、
明朝の放送は“香港スペシャル”との事なので、録画を予約した。
遼河はるひが、わん!君(←って誰でしょう?)と、LCC利用で安く行ける香港の様々な場所を巡りながら、
日本には無い「へぇ~」と思える情報を10個探し、香港版なんでもランキングを作る、…とのこと。
どんな感じの番組かは分からなくても、私の最近の“香港不足”を体内に補うために必見。
香港の街並みの映像を見ているだけで、気分が上がる体質なので、それなりに楽しめる気がする。




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同日、夜は、NHK BS1の『BS1スペシャル』
“私たちが日本を好きな理由~中国・変わり始めた対日観”という特集を。
日本社会に実際に触れた人々が“本当の日本”を次々とネットや口コミで発信し、
これまで流布していた日本像が覆され、空前の日本ブームに沸いているという中国。
彼らは、日本のどこに魅力を感じているのか。そして、その現象は何を意味しているのか。
中国社会の深部で起きつつある地殻変動を描くドキュメンタリー。

まぁ、そもそも、どこの国にも、日本を好きな人も、嫌いな人も、まったく興味が無い人も居るもの。
あれだけ人の多い中国を“反日国家”と決め付け、敵対心をムキ出しにするのも、
逆に“空前の日本ブーム”と自意識過剰になるのも、私個人的には本当は感心できないけれど、
銀座辺りで中国人観光客にいきなりカメラを向け、「何を買ったんですか?」、
「“爆買い”をどう思いますか?」などと、相手に何の敬意も無く、不躾な質問をしている日本のテレビ番組が
近年多過ぎて、いい加減辟易しているので、恐らくもう少しマトモであろうこの番組には興味あり。




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最後は、3月9日(水曜)、NHK BSプレミアムで放送の『世界で一番美しい瞬間(とき)』
今回は、“麗しの島 桜に染まる時~台湾”と題し、
2月、春の訪れと共に白、ピンク、赤紫など十数種類の桜が一斉に咲き、山を染め上げ、
日本とは一味違った桜の絶景が現れる台湾を特集。
ちょうどその時期は旧正月ということで、小籠包、豚の角煮といった御馳走をもって花見に繰り出す人々や、
新品種の桜を開発する研究者も取材。

以前、台湾人女性に、「台湾は、春に咲く白い油桐花が、雪みたいで綺麗なんでしょ?」と言ったら、
「あれは地味で、そうでもない。桜の方が真っ赤で綺麗!」と言い返され、
さすが南国の人は派手好きだわぁ~と思ったことがある。
私は、お花は品種に関係なく白が好きだし、桜なら、ソメイヨシノのような淡いピンクが好みなのだけれど…。
台湾の赤い桜は、ツツジを彷彿させる(…そして、私は、ツツジがあまり好きではない)。
映像が美しいこの番組で見たら、私の好みも覆されるでしょうか…?




今回、お菓子は、苺大福を2ツ。

★ 聖和堂:いちご大福

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大きさは、直径約4.5センチ。
苺をひと粒、白餡と共にお餅で包んだ大福。




ひとつめは、秋限定で売られている、高級マスカットを使用した“桃太郎大福”が美味しかった
岡山・聖和堂(公式サイト)“いちご大福”
販売期間は、12月から5月とのこと。

苺は、倉敷市連島の提携農家と総社市・農マル園芸の物を中心に使用。
私が食べた物がどちらかは不明だが、香りが良く、とても甘い苺であった。
そんな苺を白餡と共に包み込んでいるお餅は、薄さが特徴的。
お餅が薄いので、当然、中身がたっぷり。

苺大福は、今やどこの和菓子屋さんでも売られている定番商品なので、
聖和堂のフルーツ大福だったら、桃太郎大福の方がどうしてもすっと特別な感じがする。
でも、白餡を使っているお店は少数派なので、その点で評価。
苺には、やはり白餡が合う!

★ 鳴海餅本店:いちご大福(つぶ餡)

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大きさは、直径約5.5センチ。
丸々一個の苺をつぶ餡と共にお餅で包んだ大福。




2ツめは、京都・鳴海餅本店(公式サイト)“いちご大福”
ここの苺大福が一番好き!でも、東京のデパートの催事になかなか出ないので、食べる機会がほとんど無い。
今回は、新宿高島屋で月に一度行っている“京都航空便”で購入。

…が、地下食料品売り場でわざわざ列に並んだのに、購入の直前に、
今回京都から運ばれてきた苺大福が、白餡の物ではなく、小豆のつぶ餡の物である事が判明。
 超ショック…!私はこれまでにも何度か高島屋の“京都航空便”で鳴海餅の苺大福を買っているが、
餡はいつも白餡であった。なぜ、今回に限って、つぶ餡を取り寄せたのか…?!
いつもと違う物を入荷したのなら、その旨を事前に告知して欲しかった。
知っていたら、わざわざ並ばなかったもの…。

しかし、実際には並んでしまったのだから、手ブラで帰るのも悔しいし、妥協でつぶ餡の苺大福を購入。
その餡は、小豆の粒を適度に残し、甘さ控えめに炊かれたサッパリ目のつぶ餡。
餡を苺と共に包んでいるお餅は、矛盾しているようだが、トロケる程とても柔らかなのにコシもあって美味。
さすがは“餅は餅屋”というだけあり、前出の聖和堂の大福のお餅とは別物と感じる。

別にマズい!とは言わない。これはこれで充分美味しい。
でも、小豆の餡子を使った苺大福なら、他にも売っているお店が日本中にゴマンとあるわけで、
わざわざ京都の鳴海餅の物を買うなら、白餡が目当て。
今回は本当ぉぉ-----っに残念無念であった…!

映画『女が眠る時』

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【2016年/日本/103min.】
処女作が話題になったものの、その後思うように小説が書けず、ついに就職を決めた作家の清水健二は、
妻・綾と共にリゾート地のホテルで一週間の休暇をとることに。
滞在初日早々、健二はホテルのプールサイドで、ある一組のカップルに目を奪われる。
初老の男と若く美しい女性のそのカップルは、放つ異様な雰囲気から、親子とはとても思えない。
その時以来、この二人が気になって気になって仕方がない健二は、
こっそりと追跡を始め、彼らの部屋をも覗くようになる。
ある時、健二は、プールサイドに一人佇む初老の男を見付け、自ら近付く。
初老の男は佐原、同伴の女性は美樹というらしい。
ちょっとした会話を交わし、手にしていてビデオを健二に見せる佐原。
そこには、何年も前から撮り溜めされてきた眠る美樹の姿がひたすら映し出されていた。
「あの子の最後の日を記録しようと思って」
そう言い放つ佐原に、健二は言葉を失うも、彼らへの好奇心は益々募り…。



アメリカを拠点に活動する香港出身の王穎(ウェイン・ワン)監督最新作は、
なんと日本語を喋る日本人俳優を使い、日本を舞台に撮った日本映画。
私が王穎監督作品を観るのは、『雪花と秘文字の扇』(2011年)以来。
但しそれは中国映画週間のみでの上映だったので、
一般劇場公開作品となると、ここ日本で王穎監督作品が観られるのは
『千年の祈り』(2007年)以来なのではないだろうか。

この新作の原作は、
スペインの作家ハビエル・マリアスの同名短編小説<女が眠る時~Mientras ellas duermen>。
当然ながら、この映画では、原作ではスペインだった舞台を日本に置き換えている。
なお、日本では、原作小説の日本語訳と、日本を舞台にした映画のノベライズを一冊に収録した
<女が眠る時>が最近パルコ出版から出たらしいが、私は未読。



本作品は、スランプに陥っている作家の清水健二が、倦怠期の妻・綾と共に、
一週間の予定で宿泊し始めたリゾートホテルで、異様な雰囲気を醸している親子ほど年の違うカップル、
初老の佐原と若く美しい女性・美樹を見掛けて以来、彼らの事が脳裏から離れず、
好奇心に駆られ、彼らを追うようになるが、次第に予想だにしなかった不可解な状況に入り込み、
自分をも見失っていく様を描くミステリー

ミステリー映画というと、不可思議な事件を推理しながら進行していくタイプの作品を想像しがちだけれど、
本作品はそういう物とは少々異なる。
物語が進行すればするほど、不可解な迷宮に入り込んでしまい、
どこまでが現実で、どこからが主人公・清水健二が見ている幻覚なのか、線引きができなくなってしまう。
なので、一般的なミステリー映画というよりは、“ミステリアスなファンタジー映画”といった印象。


主な舞台は、リゾート地のホテルにほぼ限定。
ヨーロッパのミステリーには、高級リゾートホテルがよく似合う。
…が、文化の違いから、高級リゾートで休暇を過ごすような習慣がほとんど無い日本だと、
そういうヨーロッパ的なミステリーに相応しい場所が、パッと思い浮かばない。
本作品冒頭、どこだか分からないけれど、舞台となるホテルがスクリーンに映し出された時、
プールや建物のデザインから、高級リゾートホテルとは程遠い
“今はさびれた昭和臭漂うファミリー向け大型ホテル”という印象を受けた。
後々、車のナンバーや、その車で行き着く伊豆アニマルキングダムを見て、その土地が伊豆であった事、
また、クロージングクレジットで、ホテルが伊豆今井浜東急ホテルであった事を、ようやく知る。

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外観からは昭和臭が拭えないものの、このホテル、2013年にリニューアルしているらしく、中の客室はモダン。
ホテルの外の街の風景にも情緒が感じられ、本来の伊豆の姿以上に、
ミステリー映画に相応しいリゾート地に見えるよう、上手く撮られているなぁ~と感心。




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主な出演は、仕事も家庭もパッとしない作家の清水健二に西島秀俊
健二の妻で、編集者の清水綾に小山田サユリ
健二が休暇中のホテルで出会う得体の知れない初老の男・佐原にビートたけし
なぜか佐原と一緒に居る若く美しい女性・美樹に忽那汐里

ある時からいきなり“セクシーな肉体派”などと呼ばれ、
女性たちからキャーキャー黄色い声を上げられる超メジャー級に仲間入りしてしまったため、
なんだか遠い所へ行ってしまったように感じる西島秀俊…。
でも本作品を観て、本来の“俳優・西島秀俊”が健在であると確認でき、嬉しい。
『ストロベリーナイト』や『チーム・バチスタ』のような作品ばかりになってしまったら、寂しいもん。

本作品で演じているのは、作家の“シミケン”。<失恋レストラン>の清水健太郎ではなく、清水健二ね。
処女作で大きな賞を受賞したものの、それを越える作品が書けず、ついに就職することを決めた男。
仕事面のみならず、家庭もイマイチで、妻・綾とは倦怠期。
物語の冒頭では、なんかやる気が無く、精彩を欠いたシミケンが、
謎のカップルを追っていく内に、狂人めいてきて、
ある意味、やる気がみなぎった男の印象に変わっていくのが印象的。


シミケンに追われるカップルでは、初老の佐原を演じるビートたけしは、まぁ毎度のたけしという感じで、
佐原と一緒に居る若い美樹に扮する忽那汐里の方が、フレッシュな魅力で記憶に焼き付いた。
美樹は、人々が想像しがちな、いわゆる“愛人タイプ”ではない。
まだあどけないさを残す女の子なのは、透明感がある忽那汐里が演じるからこそ。
こんなピュアな少女が、不似合いなオヤジと一緒に居るのはナゼ?!と
カップルの関係に深い闇を想像させる。

忽那汐里は、侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督作品『黒衣の刺客』(2015年)、本作品と、
海外の監督さんとのお仕事が続いている。
オスカープロモーションの美少女コンテスト出身の割りに、アイドル女優っぽいお仕事に留まらず、
興行成績があまり期待できない作品にも挑戦するのは、本人の希望なのだろうか。
オーストラリア育ちゆえ、成長の過程でどっぷり嵌ったことが無いであろう日本のエンタメ業界には、
さほど憧れも執着も無いのかも知れない。
バイリンガルだし、ゆくゆく目指しているのは、海外なのかもね。



あと、本作品では脇を固めている個性派がとても良くて、
綾の友人でもあるホテル従業員・恭子に渡辺真起子、伊豆で店を経営している飯塚にリリー・フランキー
伊豆署の刑事・石原に新井浩文などが出演。

渡辺真起子扮するホテル従業員が、親友・綾に会った時の喋り方が
“中年女性のあるある”尽くしで、可笑しかった~。

リリー・フランキー扮する飯塚がやっているIIZUKAというお店は、お食事処なのか?
突然入店してきたシミケンに語る取り留めのない話が、なんか可笑しくて、ついつい聞き入ってしまった。
タイツとストッキングの違いは分かるか?とか、女性がモテるタイツは40~60デニールだ、とか。
飯塚曰く、女性が膝を曲げた時、肌が少し透けるタイツが40~60デニールとの事。
ちなみに、私にとって60デニールは、すでに厚ぼった過ぎる防寒用。
モテる/モテないは別にして、美脚に見せたいなら、タイツは30~40デニールがベストだと断言いたします。




とても不思議な物語で、先が気になり、観入った。
結局、シミケンが伊豆で見たものは現実だったのか、幻だったのか…?
ラストの東京のシーンを観ると、伊豆での出来事は、
新たな作品に着手できるよう、作家としてのシミケンの眠っていた感性を刺激したり、
淀んでいた妻との関係を修復させるために、何者かが仕組んだ大芝居だったように感じる。
そして、最後の最後に、佐原がシミケンに向けた表情と、シミケンがそんな佐原に返した微笑みを見ると、
佐原こそが、シミケンの人生の軌道修正を采配した神様だったかのように思えた。
という事は、全てシミケンが見た夢の中の出来事だったのかしら…。
観た人それぞれに様々な解釈がありそうな、奥行きのある作品。

『琅琊榜』日本初放送開始まで一ヶ月♪(+予習で所作を真似てみよう!)

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2015年大ヒットを記録し、早くも続編の製作が公になったハイクオリティ大陸ドラマ、
『琅琊榜(ろうやぼう) 麒麟の才子、風雲起こす~琅琊榜 Nirvana In Fire』
この話題のドラマの日本上陸を知ったのは、2016年が明けて早々の事。

それから約一ヶ月後、今度は、“2016年4月11日よりチャンネル銀河で放送開始”という
放送に関する詳細を知る。
放送がCSのマイナー局チャンネル銀河という事で、「観られない…」と落胆した人も多いと思うが、
私は、うちに入る局だったので、ホッと安堵。

それからさらに一ヶ月以上が経過し、放送開始日までついに残すところあと一ヶ月…!
日本上陸を知ってからは、すでに2ヶ月以上が過ぎているし、残りの一ヶ月なんて、どうせあっと言う間。
日本語字幕が付いた『琅琊榜』で、素敵な殿方たちに再会するのが本当に楽しみ♪


ここに改めて、『琅琊榜』mango厳選男前4人衆を記した“大陸男前名鑑”をリンク。





男性陣が見目麗しいのは言うまでもないのだけれど、
顔だけではく、彼らのとても優雅な身のこなしにもご注目を。
(別に無理に注目しなくても、所作の美しさは、イヤが応にも記憶に残ると思いますが…。)

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このドラマを観ると、身のこなしが優雅で礼儀正しい男性がいかに素敵かを思い知らされる。



大陸時代劇で、所作が重要視されるようになったのは、『宮廷の諍い女~後宮甄嬛傳』からと言われる。

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『宮廷の諍い女』では、溫太醫の役で出演もしている張曉龍(チャン・シャオロン)が指導にあたった
本格的な清代の所作が美しいと評判に。


『琅琊榜』も所作の指導は、今やこの分野の第一人者である張曉龍のチームが担当。

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撮影の最初から最後まで直接俳優の指導にあたったのは、張曉龍センセの愛弟子・李斌(リー・ビン)。
李斌は張曉龍に師事し、『宮廷の諍い女』から、張曉龍センセの所作顧問のチームに参加、
『琅琊榜』と、こちらも日本初放送が待たれる孫儷(スン・リー)主演ドラマ『羋月傳~Legend of MiYue』では
チームの中心となって、指導にあたっている。


『琅琊榜』を観た人は、美しい所作をついつい真似たくなるハズなので、ここに一例を。

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洋服の打ち合わせが男性・左上、女性・右上となるように、
中国の古式の御挨拶でも、男女で手の組み方が左右逆になるらしい。
もしかして、昔の映画やドラマだと、そこまで正しい御挨拶にこだわっていない気も…。
アラ探しは、その内じっくり。



ちなみに、上の画像で、胡歌(フー・ゴー)扮する主人公・梅長蘇が言っている「草民(平民)・梅長蘇」は
皇帝などに謁見する際に名乗る言い方。
二枚目が言う“草民”が、なんか無性に可笑しくて、可笑しくて、ここのところずっと私のお気に入りワード。
一人湯船に浸かりながら、手を合わせ、「草民・mango」などと言ってみたりする。

(梅長蘇は、本当は林殊という皇帝の甥っ子、つまり皇族なのだが、
身分を伏せて都に舞い戻って来たので、伯父である皇帝に謁見する時は“草民”と名乗っている。
こういう“草民”みたいな単語は、日本の時代劇では一体何て言っていただろうか…、
ともう数ヶ月考え続けているけれど、思い出せない。
そもそも、日本の時代劇の中で、偉い人に会う時、そこまでへりくだって、
「それがし、下々の田中安兵衛でございます」とか、言いましたっけ…??
『琅琊榜』の放送が始まったら、日本語字幕でチェックいたします。)


ま、“草民”くらいは別にどうでも良いのだけれど、
このドラマは、お気楽なラヴコメとは違い、深い台詞や心に沁みる台詞も多いので、
日本語でどう訳されているのか、放送で知るのが楽しみ。

あと、シツコイようだけれど、『琅琊榜』日本版予告編は…?
無いのだろうか…。それとも、これから出てくるの…??

大陸ドラマ『水滸伝 All Men Are Brothers~水滸傳』

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北宋崇寧年間。
江湖の好漢とも交流があり、“及時雨”と称され、その人柄で崇められている鄆城の押司・宋江は、
知事の代理で、皇帝に献上される花石綱の運送に加わるが、
「身分が低い」、「小役人」と一行から嫌がらせを受け、道中任務から外されてしまう。
その一部始終を見ていた公孫勝という道士は、宋江を見込み、一人とぼとぼと去っていく彼を追い、
ある物語を話して聞かせる。
それはまだ宋江も生まれていない昔のこと。
竜虎山から百八の魔星、三十六の天罡星と七十二の地煞星が放たれ、人界に転生したという物語。
さらに、その天罡地煞の一人こそが宋江だと断言し、
宰相・蔡京の誕生日に娘婿・梁中書が贈る十万貫の生辰綱、
そもそもは梁中書が民から搾取した財宝である生辰綱を強奪しようと持ち掛ける。
宋江が、そんな胡散臭い話を信じるわけもなく、一笑に付すと、姿をくらます公孫勝。
ところが、この一件で、宋江は“公孫勝を逃がした共犯者”という疑いを掛けられてしまう。
身の潔白を証明するただ一つの方法は、公孫勝を見付け、捕らえてくること。
早速、雷横らを連れ、捜索に出ると、東渓村で晁蓋という立派な保正と出会う。
宋江は、晁蓋に、公孫勝の事を話し、生辰綱強奪を持ち掛けられても信じるなと忠告するが…。



2016年1月12日、チャンネル銀河で始まった大陸ドラマ『水滸伝 All Men Are Brothers~水滸傳』
約2ヶ月後の3月10日に全86話の放送を終了。
これ、確か一年以上前に同局ですでに放送済み。
その際は、100分にまとめた先行放送のダイジェスト版のみを鑑賞。
しかし、なにぶん超無理のある“86話→100分”。つまり、2話/86話程度の長さ。
予告編としては思いっ切り長いが、端折り過ぎていて、“あらすじ”にすらなっておらず、チンプンカンプン。
全86話という長さには恐怖心さえ湧いてくるけれど、一度はちゃんと観ておこうと思い、
今回の再放送でついに重い腰を上げた。

★ 概要

中国で明代に書かれた歴史通俗小説<水滸伝>を鞠覺亮(ジュ・ジャオリャン)監督がドラマ化。

鞠覺亮は、“武俠教父”と称されるほど、時代劇、武俠ドラマでよく知られる香港出身の監督で、
古くは劉華(アンディ・ラウ)版『神俠侶』(1983年)や
梁朝偉(トニー・レオン)版『鹿鼎記』(1984年)を手掛けているが、その後は活動の場を台湾→大陸へと広げ、
李亞鵬(リー・ヤーポン)版『射英雄傳』、胡軍(フー・ジュン)版『天龍八部』、
黃曉明(ホアン・シャオミン)主演『岳飛伝~精忠岳飛』、
鍾漢良(ウォレス・チョン)主演テレビドラマ版『孫文の義士団~十月圍城』などなど
相も変わらずヒット作話題作を発表し続けている。



<水滸伝>の映像化は、今回が初めてではない。
それどころか、もう何度も何度もスクリーンやお茶の間に登場している人気の題材。

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日本人にも興味深い物だと、香港の邵氏公司(ショウ・ブラザーズ)が1972年に手掛けた
姜大衛(デビッド・チャン)主演の映画『水滸伝』があり、これにはなんと丹波哲郎や黒沢年雄も出演。
また、完全日本製では、1973年に中村敦夫主演で『水滸伝』というテレビドラマが放送されているそう。


鞠覺亮監督が手掛けたこの『水滸伝』は、2011年制作のドラマ。
過去の『水滸伝』との一番の違いは、ずばり“スケール”。
総製作費は4.5億人民元。主な撮影は、実際に梁山泊があったとされる山東省東平縣で、
東京ドーム6.5個分の敷地に巨額を投じ建造したオープンセットで決行。
ここは、水滸影視城(水滸伝パーク/Shuihu Movie City)という名のテーマパークとして、
現在一般に公開されている。(参照:水滸影視城・公式サイト

★ 水滸伝

ここで今一度<水滸伝>について簡単に。

<水滸伝>は明代に書かれた歴史通俗小説で、“中国四大名著”や“中国四大奇書”のひとつに挙げられる。
(四大名著の他の3作品は<三国志演義>、<西遊記>、<紅楼夢>、
四大奇書だと、他3作品は<三国志演義>、<西遊記>、<金瓶梅>となるらしい。)

作者には諸説あり、最有力とされる施耐庵の他、羅貫中、施惠、郭託などの可能性も。
本ドラマでは、オープニングに“原著”として、施耐庵と羅貫中の両名がクレジットされている。

日本には江戸時代に入って来て以来支持され続けている人気の物語。
曲亭馬琴の<南総里見八犬伝>は、<水滸伝>に倣っていると言われるし、
ヤーさんの間で刺青の習慣が広まったのは、
刺青を入れた<水滸伝>の英雄たちへの憧れがあった等という説があるくらい、
この中国の小説がlここ日本に及ぼした影響は大きい。

日本人が日本語で小説化、漫画化した作品も多く、
特に北方謙三の小説や横山光輝の漫画は広く読まれているようだし、
<水滸伝>をモチーフにしたゲームも大人気。


…が、私は、小説<水滸伝>を読んだことが無いのだ。
物語は大雑把には知っているが、詳細は知らないので、
集英社文庫から出ている人気の北方謙三版を、読んでみようと考えたことがあるのだけれど、
全19巻と知り、たじろぎ、それっきり。
このドラマを観たのも、“手軽に水滸伝を学べる”という理由が大きい。
(実際には、86話もドラマを追い続けるくらいなら、19冊の本を読んだ方が楽だったかも知れない…。

★ 物語

官吏の不正で民が苦しむ腐敗しきった宋朝末期、
様々な事情で世の中からはじき出された108人の好漢が梁山泊と呼ばれる要塞に集結、
“替天行道”を掲げ、悪を成敗し、朝廷の招安を受け、お国のために尽くそうと奮闘する世直し任侠物語



物語を大きく分けると、最初の2/3で、それぞれの好漢がそれぞれの事情で梁山泊へ向かう様子が描かれ、
残りの1/3で、終結した108人が朝廷の奸臣に立ち向かい、招安を受ける様子が描かれる。

私が特に興味深く観たのは、前の2/3の方。
好漢が梁山泊入りする経緯は、ざっくり3パターン。

止むを得ない事情
奸臣に嵌められ罪人にされたり、義侠心で人を殺めてしまい、行き場を失い、梁山泊を目指すパターン。
こういう人の多くは、朝廷に真面目に仕える忠臣から落草(山賊になる)した人。

梁山泊の好漢への憧れ
梁山泊に居る尊敬する好漢と共に世直しをしたくて、自ら進んで梁山泊入りを志願するパターン。
このパターンには、官吏から、民間人だのコソ泥だの、様々な人種が。

スカウト
まったく興味なんて無いのに、梁山泊の好漢から一方的に才能を買われ、スカウトされるパターン。


は自分の意思だから、別に構わないが、問題はである。
梁山泊にまったく興味の無い人を仲間に迎い入れるのは至難の業で、普通の説得など、大抵通用しない。
そこでよく行うわれるのが、目を付けた対象を罠にハメ、退路を断ち、もう世間に居られないという状況を作り、
梁山泊に来るよう仕向けるという荒業。

一番悲惨なのが、立派なヒゲを蓄えた“美髯公”朱仝のケース。
ワケあって流刑になるも、流刑地・滄州の知事に気に入られ、穏やかな生活が再び始まったばかりの頃、
知事の幼い息子を連れ、夜店に行ったのが、朱仝の運の尽き。
梁山泊から派遣されてきた雷横に話し掛けられている間に、
同じく梁山泊からやって来た李逵が、知事の息子を連れ去り、誤って殺害。
知事に合わす顔の無い朱仝に残された選択肢は、梁山泊へ行く事だけになってしまったのだ…。

 どっひゃぁー。梁山泊の好漢がスカウトのために行ったこの行為は、
ハッキリ言って、集団ぐるみの詐欺、幼児誘拐、そして殺人である。
通常のヒーローものでは到底考えられない、このようなエゲツない事も、サラリと描かれてしまう所に、
『水滸伝』、広くは、“フツー”が通用しない大国・中国ならではの歴史の面白さが有るように感じる。



どんな方法であれ、梁山泊に108人の好漢が揃ったら、最後のパートは朝廷の奸臣排除である。
キーワードは“招安”(=支配者が反抗者に帰順を勧めること)。
梁山泊の中でも意見は分かれるが、最終的にリーダー宋江らの決断で、招安を受けるという選択肢を取る。
彼らはただの反逆的な賊などではなく、お仕えしたいのはあくまでも皇帝、
きちんとした朝廷の役人として、世直しに貢献したいという強い思いから、招安を受けようとするが、
朝廷にはびこっている奸臣たちが彼らの帰順を歓迎するわけがなく、
梁山泊の好漢VS朝廷の奸臣で激しい闘いに突入していく。

★ キャスト その①:梁山泊の好漢たち

梁山泊の豪傑は非常に多く、その数なんと108人。
以前、ネットで“水滸伝”と入力したら、自動的に“仲間多過ぎ”という第二検索ワードが現れ、苦笑い。
やはり皆さま、そうお思いなのですね。
このドラマでは、さすがに108人全員が主要人物として登場することは無い。
しかし、重要な役回りで登場する人物だけでも、通常のドラマ5本分くらいの数に上ってしまうので、
ここには、私の印象に残った人物を、絞りに絞って数人だけ挙げておく。



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張涵予(チャン・ハンユ):“及時雨”宋江~山東鄆城の人望厚い押司 ある事件を閻婆惜に知られ罪人に

本ドラマ出演陣の中で、私のお目当てだった一人が、この張涵予。
キャリアの割りに、日本に入ってきている出演作がそう多くないため、知名度もイマイチのように感じるが、
以前、こちらに記したように、かの吳宇森(ジョン・ウー)監督が、
“風格のある俳優”として、我が愛しの金城武と共にこの張涵予の名を挙げたこともあり、
高倉健主演映画『君よ憤怒の河を渉れ』の中華版リメイク『追捕』の主演候補の一人として、噂され続けている。

今回扮している宋江は、この物語の実質主人公といって良いであろう。
“黒三郎”と称される風采の上がらない男という設定ゆえ、
ドーランも目元のシャドーも、腎臓疾患を疑ってしまうほどドス黒い。
吹き替えの声も特徴的。張涵予が、この役を演じたのは、40代後半の時だが、
声の印象は、その実年齢を大きく上回る“翁(おきな)感”漂うシガレ声。
ところが、後々の台詞で、宋江の年齢は30そこそこと知り、「じゃぁ、なんでわざわざこの声?」と違和感…。
でも、よくよく考えたら、人生五十年の時代なら、30歳はもう初老。この声は“アリ”であると納得した。

…と、こういう書き方をすると、張涵予版宋江に魅力が無かったかのようだが、そんな事はぜんぜんない。
策略の才でも武力の才でも、ナンバーワンになる程ではない彼が、組織のトップに立てたのも、
懐が深くて、人望に厚い人物だったからという魅力が伝わって来る。
人はあまりにも完璧過ぎると、お高く止まっているように見え、嫉妬されたり、嫌われたりしがちだが、
プライベートでも、つまらない女で人生を棒に振っている脇の甘い宋江には、人間味が感じられ、
世の男性たちは、彼に親近感を抱いちゃうのかもねぇ~。なんか宋江人気が分かった気がする。



李宗翰(リー・ゾンハン):“智多星”吳用~梁山泊の軍師 宋江の右腕

私がドラマで李宗翰を見るのは、『画皮 千年の恋~畫皮』以来かも。
李宗翰というと、私はなぜかアクションをやっている姿ばかりを思い出してしまうのだけれど、
本ドラマでは、腕力より知力が勝負の軍師を演じているので、他のキャストより動きがおとなしい。
髭をチョロチョロ生やした涼しげなお顔といい、羽毛の孔明扇を手にした佇まいといい、
見た目は人々がイメージする通りの“宋代の軍師”なのだが、
「さすが天才軍師!」とうならせてくれる程の策略があまり出てこなかったのが、ちょっと残念。



王建新(ワン・ジェンシン):“玉麒麟”盧俊義~北京の大商人から一転、妻と李固に嵌められ罪人に

物語もかなり後半になってから登場する盧俊義だが、梁山泊では第2位につく好漢。
理性も風格も備わった大商人でありながら、不貞の妻・賈氏と、彼女と繋がっている都管・李固の嘘を
いとも簡単に鵜呑みにした結果、罪人にされ、梁山泊入り。
腹黒女房にすっかり騙され、自分に常に忠実だった息子同然の燕青を切り捨てるくだりの盧俊義は、
あまりにも愚かで情けなくなったけれど、基本的には素敵なおじ様で、堂々と風格のある王建新に相応しい役。
…ところが、その“素敵なおじ様”王建新、実は、見た目ほどは“おじ様”ではないのだ。
数年前、陳建斌(チェン・ジェンビン)が『宮廷の諍い女~後宮甄嬛傳』で雍正帝を演じ、
『宮廷女官 若曦(ジャクギ)~步步驚心』の雍正帝・吳奇隆(ニッキー・ウー)と比較され、
「同い年なんて信じられなーい!」とジジィ扱いされたが、実はこの王建新もまた、彼らと同じ1970年生まれ。
王建新と陳建斌は同じ年に見えるけれど、吳奇隆と比べちゃうと、“父親世代”っぽいわよね…(笑)。
ちなみに、前述の70年代香港映画『水滸伝』で丹波哲郎扮するのが、この盧俊義とのこと。



嚴屹(イェン・イークァン):“浪子”燕青~大商人・盧俊義に育てられた孤児 別名“小乙”

2013年に現在の“嚴屹”に改名した彼は、このドラマではまだ旧名の“嚴(イェン・クァン)”でクレジット。
唐の中国統一に貢献した秦瓊を威風堂々と演じていたが、今回は仲間たちより年下の“弟キャラ”を演じている。
自分を拾い、育ててくれた盧俊義に恩義を感じ、忠誠を誓い、仕えてきたのに、
その盧俊義に誤解され、絶縁されるも、なお御主人様に尽くし続ける忠犬のようなとことん善良な青年。



胡東(フー・ドン):“豹子頭”林沖~禁軍の教頭 妻が上司の養子に見初められたばかりに悲劇が襲う

林冲は、戯曲にもなるほど人気のキャラ。
日本でも、前述の和製ドラマ『水滸伝』は、この林冲を主人公に描かれ、中村敦夫が演じているそう。
なぜそんなに人気なのだろう…?世の人々は、悲劇的なヒーローがそんなに好きなのだろうか。
禁軍の真面目な教頭・林冲は、妻と静かに暮らしていたのに、
上司である太尉・高俅の養子・高衙内が、その妻に横恋慕したがため、高俅から邪魔者にされ、
高俅側に寝返った親友・陸謙に嵌められ、宝刀を手に白虎堂に入り、“殺意あり”と濡れ衣を着せられ、
流刑され、離れ離れになった愛する妻は自害…、と踏んだり蹴ったり。
あまりにも悲劇的なため、線が細く弱々しい男を想像するが、豹のような顔の、身の丈八尺の大男という設定。
宋代の一尺は31.2センチ、つまり林冲の身長は、2メートル49センチ(…!)ということになる。
演じる胡東は、さすがに2メートル半には遠く及ばないけれど、充分高い186センチという身長と、鋭い目付きで
“豹子頭”林沖の雰囲気を醸している。



晉松(ジン・ソン):“花和尚”魯智深~官吏だったが、義侠心から罪を犯し、身を隠すため寺で和尚に

魯智深は、木を根っこごと抜き取るほどの怪力の持ち主で、普段は豪快なのに、
止むを得ない事情で、お寺で剃髪される時、よほどイヤだったのか、往生際が悪く、涙を流す姿が、まるで少女。
その後は、大酒は飲むは肉は食らうはの、文字通りの“生臭坊主”。
良く言えば豪傑だが、あまりにも人迷惑な行動が多く、どうも好きになれなかったけれど、
物語後半は自分勝手が抑えられ、スケールの大きな男らしさだけが良いように残って、魅力が増した。
この魯智深も林冲同様、身長は八尺、つまり2メートル49センチで、
演じる晉松の身長も、胡東と同じ186センチ。
しかも、かつて、水泳や近代五種競技、ボディビルで好成績を残しているだけあり、さすがのボディ。
ただひたすらにムッキムキではなく、適度にアブラがのった“デブ一歩手前”な感じが、よろしい。
首から下げた超大ぶりの佛珠も、大きなボディにお似合い。



康凱(カン・カイ):“黒旋風”李逵~梁山泊一の怪力男 別名“鉄牛”

ドラマ後半、生臭坊主・魯智深を好きになったのは、同じ“デブ枠”のこの李逵との比較で、
魯智深がマシに思えてきたからかも知れない。
酒と博打くらいならまだ目も瞑れるが、李逵の無鉄砲は、私の許容範囲を超えている…。
この無知で無作法な男が、「それでも素直なイイ奴」と梁山泊で愛されキャラになっているのが理解できない。
見た目は、三国志に出て来る張飛を彷彿させると思ったら、すっかり忘れていたけれど、
演じている康凱は、実際ドラマ『三国志 Three Kingdoms~三國』で張飛をやっていた。



陳龍(チェン・ロン):“行者”武松~人食いトラを退治し都頭に出世するも、自分を好いた兄嫁から逆恨み

陳龍もまた、私がこのドラマをわざわざ観た理由の一つ。
大ヒットドラマ『琅琊榜(ろうやぼう) 麒麟の才子、風雲起こす』で演じた猛将・蒙摯がカッコよかったので、
他の出演作も観たいと思ったのだ。
この『水滸伝』で演じている武松も、“知力より腕力”、“単純なイイ奴”という点で、『琅琊榜』の蒙摯に通じる。
武松は、獰猛なトラを退治し、英雄になったばかりに、
ある意味トラより獰猛な(?)兄嫁・潘金蓮に狙われてしまったのが、悲劇の始まり…。モテる男は、つらいね。
酔いに任せたリアル“酔拳”で人食いトラを倒すというエピソードも印象的だが、この武松は衣装も印象に残る。

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ジョニー・デップ風だったり(『パイレーツ・オブ・カリビアン』限定)、
ワンダーウーマンのようなアメコミ・ヒロイン風だったり。

終盤、方臘との激しい交戦で、命こそ助かったものの、武松が左腕を失うシーンが激しかった~。
今思うと、同じように片腕を失う『片腕必殺剣』(1967年)の方剛とか『捜査官X』(2011年)の唐龍は、
<水滸伝>の武松へのオマージュだったのか…?
そう言えば、そもそも『捜査官X』に出て来る危険な集団は“七十二地煞”だったし、
<水滸伝>に何らかの影響を受けて撮られた武俠映画と捉えて、間違いないであろう。
当時はそんな事を考えなかったが、そのつもりで『捜査官X』を観直したくなった。

なお、『琅琊榜』と陳龍については、こちらの“大陸男前名鑑”を参照に。



王春元(ワン・チュンユエン):“矮腳虎”王英~元盗賊 梁山泊一の小男

王英は、“短足タイガー”を意味する“矮腳虎”と呼ばれているように、
身長が五尺(156センチ)にも満たない梁山泊一の小男。
しかも、タイガー並みの肉食系で、無類の女好き。
気に入った女性を見付けると、すぐに襲い掛かるから、タチが悪い。
容姿には恵まれなかったが、自分なりに色男を演出しているのか、
頭にカーニバル風の飾りを付けているのが、目を引く。宋代に本当にそんなファッションが有ったのか、疑問。
演じている王春元は、色んなドラマでよく見る顔だが、プロフィールがあまり出回っていない。
身長は、一説には160~165センチ。
五尺の王英よりは大きいけれど、大陸男優の中では貴重なプチサイズ。
それも、この役に抜擢された理由かもね。



韓棟(ハン・ドン):“九紋龍”史進~豪農の息子 トレードマークは体に彫られた九条の青龍

韓棟は、想像していたより出番が少なかった。
…いや、結構出ているけれど、周囲に強烈キャラが多いため、存在が薄く感じしまうのかも知れない。でも…

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上半身に九条の青龍を施した大胆な“九紋龍”の刺青は、
正統派の二枚目で、王子系の役が多い韓棟にしては、挑戦している感じ。

★ キャスト その②:物語を彩る女性たち

“男たちの物語”にも、もちろん女性は登場する。
…が、この物語に出てくる若い女性の大半はビッチ(笑)。
ここには、代表して2名のアバズレだけを挙げておくが、
他にも、お金に汚いのとか、貞操観念が甘いのとか、登場するスレた女は、決して少なくない。



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袁詠儀(アニタ・ユン):林娘子~林冲の妻

お久し振りです、袁詠儀!香港の袁詠儀は、一時日本でも出演映画が多数公開されていたけれど、
結婚してママになってからの作品は、ほとんど入ってきていないのでは?
かつて『香港大夜総会 タッチ&マギー』(1998年)なる日本映画で、
香取慎吾と共演していた事を覚えている人も、もはや少なくなっていることでしょう。
ミス香港出身で、以前はヒョロ~ッとスレンダーな女の子という印象だったけれど、
中年になり、それなりの貫禄が出た。
今回演じている林冲の妻は、登場する女性陣のビッチ率が非常に高いこのドラマにおいては
非常に希少な貞淑な妻。善人には報われて欲しいけれど、残念ながら、ビッチの皆さまと同じように、
最後に待っているのは、死…。但し、無残に殺されるのではなく、自害なのが、マシな点か。



甘婷婷(ガン・ティンティン):潘金蓮~万頭売り・武大の美人の女房 武大の弟・武松に恋心

潘金蓮は、<水滸伝>のみならず<金瓶梅>にも登場する美女。
冴えない万頭売りの武大と、質素に暮らしていたのに、
武大の弟で、トラ退治で一躍英雄となった武松に出会ってしまってからは、盛りが付いた猫のように発情。

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分かり易いまでの色目を使い武松に迫りまくるが、身持ちが堅く、兄想いの武松は相手にしてくれない。
逆ギレした潘金蓮は、そんな武松にひと言、「私がトラより怖いとでも言うのっ…?!」。
ハイ、発情したアナタ様は、トラよりよほど怖いです。あんなに獰猛に狙われたら、武松じゃなくてもビビるって。
結局、潘金蓮は自分に一目惚れした西門慶と不倫に走り、邪魔な夫・武大を毒殺。
その事が武松にバレ、殺されてしまう。艶のある甘婷婷は、潘金蓮を演じるに相応しい。



熊乃瑾(ション・ナイジン):閻婆惜~妓女から宋江の内縁の妻に

閻婆惜もビッチだが、前出の潘金蓮よりは、同情の余地がある。
閻婆惜は宋江に囲われて以降、彼を困らせ続けるけれど、
それはどんなに宋江を好きでも、自分は宋江から相手にされていないと感じているからだと理解できる。
解釈の違う作品だったら、この閻婆惜は、封建的な男社会の犠牲者として、
同情される女性になっていたかも知れない。
でも、この『水滸伝』では、あくまでも英雄・宋江を貶めた悪女だし、
何より、いかんせん、演じている女優・熊乃瑾の顔が人工的過ぎて、感情移入も同情もできなぁーーいっ…!
熊乃瑾は、以前こちらにも記したように、特にヒアルロン酸を注入し過ぎた唇と、
プロテーゼの形がハッキリ分かるアゴばかりに目が釘付けになってしまうから、
彼女が出てくるとシーンでは、気が散って物語に集中できなくなってしまう。女優の皆さま、お直しはほどほどに。



安以軒(アン・アン):李師師~皇帝からの寵愛を受ける都一美しい芸妓

活動拠点を大陸に移して幾久しい台湾女優・安以軒。
以前とほとんど変わらないように見えるけれど、もう35歳なのだと。
本ドラマでは、皇帝から寵愛を受ける美人芸妓・李師師役で、物語も終盤に差し掛かってから、ようやく登場。
徽宗のような風流な皇帝の心を掴んだ“当代きっての美女”の割りには、
美女度も気高さも才気も今ひとつに感じてしまったのは、私だけか?
それに、皇帝の寵愛を受ける身でありながら、燕青との道ならぬ恋に発展していくくだりも
予想していたほど膨らまず、存在感イマイチな李師師であった。

★ キャスト その③:その他の気になる登場人物

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杜淳(ドゥ・チュン):西門慶~武大の女房・潘金蓮との不倫がバレ、武松に殺される富豪

大陸でなぜか“イケメン枠”に入っているのが、どうも理解できずにいたが、
この前に、『隋唐演義』で演じている李世民を見て、ちょっと見直した杜淳。
ところが、この『水滸伝』では、またまたおかしな男を演じており、もう良いのか悪いのか、分からなくなった…。
今回扮している西門慶は、胡散臭いやり手ババアの仲介で、一目惚れした人妻・潘金蓮との不倫に走る男性。
お金持ちで、遊びを知っている風流な男性ということで…

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頭にはいつも一輪の花。
これ、西門慶に限ったことではなく、劇中登場する風流な男は、大抵お花のヘアアクセを付けている。
宋代の男性の間では、本当に、こういうファッションが有ったの…??!



李子雄(レイ・チーホン):高俅~宋朝の太尉(?-1126)

香港の李子雄が、高俅役で出演。
高俅は、林冲を無実の罪で罰し、彼を不幸に陥れた朝廷の奸臣。本ドラマ一番の悪役といって良いであろう。
李子雄の濃ゆ~い顔が、嫌味たっぷりで、悪役・高俅にぴったり。



楊子(ヤン・ヅー):宋徽宗~宋朝第8代皇帝(1082-1135)

言わずと知れた宋代の有名な皇帝で、一流の芸術家でもあった徽宗(きそう)。
演じているのは、中國巨大集團の総裁で俳優でもある、異色の経歴の持ち主・楊子。
前妻と離婚後、『カンフー・ハッスル』(2004年)で名を挙げた女優・黃聖依(ホアン・ションイー)と結婚している。
企業のトップという実際の身分や、あまりクセの無い柔らかな顔立ちは、芸術家皇帝に合っているかも?



佟大為(トン・ダーウェイ):蘇東坡~宋代の政治家、詩人、書家(1037-1101)

最後は、出演作『最愛の子』が日本でも公開されたばかりの佟大為。
中華電影ファンの間では、本ドラマ出演者の中で最も知られた俳優の一人かも。
でも、ドラマのオープニングに彼の名がクレジットされているのに、待てども暮らせども出てこない。
メイクや衣装で変身し過ぎていて、見落としたのかも…、と疑いだしたら、物語も終盤になって、ようやく登場。
演じているのは、豚の角煮“東坡肉(トンポーロー)”でも知られる、宋代の文人・蘇東坡(そとうば)。
“カメオ出演”程度の、ほんの一瞬の登場であった。
だが、蘇東坡が出てくることで、『水滸伝』とは、そういう有名人を沢山輩出した時代の物語なのだと再認識。

★ テーマ曲

このドラマでは、オープニングとエンディングで、流れる曲に中文歌詞のみならず、
拼音(アルファベットの発音表記)、さらに日本人が不得手な四声の記号まで付くのが、親切かつ斬新!

肝心な曲は、ドラマ前後半で変わる。
前半のオープニングは、景崗山 (ジン・ガンシャン)が歌う<兄弟無數>
エンディングは、、李玟(ココ・リー)が歌う<四海盟約>
後半、49話からはいきなり変わり、オープニングは毛阿敏(マオ・アミン)が歌う<四海盟約>
そしてエンディングは初瑞(チュウ・ルイ)による<自從你走後>となる。

なんで前後半で変えちゃったのだろう?!オープニングは<兄弟無數>が断然イイのに~!
ここにはもちろんその<兄弟無數>を。


暑苦しいーーっ(笑)!でも、士気上がるわぁ~。
これ聴くと、戦闘態勢にスイッチが入る(…別に闘う予定は無いけれど)。





この『水滸伝』は、ちょっと前に観た『隋唐演義』と、内容もキャストもかなりカブるので、
2作を同時進行で観たら、混乱しちゃいそう…。放送時期がズレていて良かった。
腐敗した世の中で英雄たちが立ち上がるこれら2作の違いは、
『隋唐演義』の目標が現朝廷を打倒し、自分たちの新たな国を作ることであるのに対し、
『水滸伝』では、排除したいのはあくまでも腐った奸臣であり、仕えるお上は常に現在の皇帝でOKという点。

終盤は、非業の死を遂げる者が続出し、あれよあれよと言う間に生存者が数えるほどに。
中国は基本的に勧善懲悪だと感じるので、
正義のために立ち上がった好漢の多くが、奸臣たちにハメられ、命を落とした上、
平安の世が訪れたとも言い難い遣る瀬無いラストには、やや意外性あり。

私は闘いのシーンにあまり興味が無いので、そういう部分では、少しダレてしまったけれど、
それぞれの好漢が梁山泊へ向かう経緯を描く前半2/3は、
個性的なキャラクターが沢山登場し、各々のエピソードを楽しめた。
前述の、“優秀な人材確保のための、集団詐欺、誘拐、殺害”のように、
現代日本人的な感覚では考えも及ばない型破りがサラーッと行われてしまう事に、
唖然とさせられるのだけれど、だからこそ面白くもあった。

ただ、物語の基本は、古今東西、どこでもいつでも通じるものだと感じる。
先日最終回が放送されたばかりのwowowのドラマ、浅田次郎の小説が原作の『きんぴか』も、
それぞれに裏切られたり、濡れ衣を着せられ、居場所を失った、まったく職種の異なる3人、
ヤクザ(中井貴一)、政治家秘書(ユースケ・サンタマリア)、自衛官(ピエール瀧)が、あるアジトに集い、
筋を通して復讐するという話で、まさに“現代日本小規模版『水滸伝』”であった。

まぁ、とにかく、ザックリとしか知らなかった<水滸伝>の物語を、
86話もの長編で知ることができたので、私の中では納得。
もちろん、ちゃんと事前に小説を読んでいれば、
思い入れのあるキャラクターがどのように描かれているか気にしたり、解釈の違いを見付けたり、
もっとずっと楽しめたかも知れないとも思うけれど。



チャンネル銀河、平日午後1時のこの枠は、明日、2016年3月14日(月曜)から
香港の江若琳(エレイン・コン)主演の大陸ドラマ『ムーラン~巾幗大將軍』を放送。
袁弘(ユエン・ホン)が出ているから、ちょっと惹かれもするのだけれど、あまり興味の無い題材。

それが終わると、4月11日(月曜)から、ついに私の大本命、
『琅琊榜(ろうやぼう) 麒麟の才子、風雲起こす~琅琊榜』が放送開始なので、
やはり『ムーラン』はパスして、体力温存期間にしようかしら…。

和菓子2種(+『追捕』とかテレビとか)

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高倉健主演映画『君よ憤怒の河を渉れ』(1976年)を吳宇森(ジョン・ウー)監督がリメイクする
中華版『追捕~Manhunt』の主要キャストが公に。



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オリジナル版で高倉健が演じた何者かにハメられた刑事は、大方の予想通り、
大陸の張涵予(チャン・ハンユー)に決定。
張涵予は、日本ではまだあまり知られていないけれど、1964年生まれ、51歳の実力派。
私好みの渋い中年オヤジで、納得の起用。
過去の出演作では、娯楽映画の巨匠・馮小剛(フォン・シャオガン)監督に大抜擢され主演を張った出世作、
映画『戦場のレクイエム』(2007年)や、宋江を演じたドラマ『水滸伝 All Men Are Brothers~水滸傳』は、
日本でも簡単に観ることができるはず。

意表を突いたのは、オリジナル版で高倉健に次ぐ“第二の主人公”的位置の原田芳雄扮する刑事を
日本の福山雅治が演じると発表されたこと。
ガーン…!!別に福山雅治でも良いのだけれど、これで金城武出演説は完全に消滅した…。
台湾観光PR広告でのコラボ以来、『追捕』への出演説が急浮上したキムタクが本決まりになるくらいなら、
福山雅治の方が余程良いと、自分の中で納得しようと努力中。
(私と限らず、“原田芳雄=キムタク”では、いくらなんでも納得できない日本人が多過ぎるのでは…。)
福山雅治は、キムタクより前に、アサヒ・スーパードライのCMで吳宇森監督とコラボしているので、
その時の御縁もあるのかも知れない。
とにかく、福山雅治のキャスティングに成功した事で、
以前から中華圏進出に積極的だった所属事務所アミューズは、
ディーン・フジオカの『追捕』追加投入にも頑張りそうな予感。


他に発表されているのは、韓国人俳優で、
逃亡中の張涵予と恋に落ちる女性、つまりオリジナル版で中野良子が演じた女性を
ドラマ『奇皇后 ふたつの愛 涙の誓い~기황후』の河智苑(ハ・ジウォン)、
張涵予を陥れようとする男(オリジナル版の誰でしょう?)を李炳憲(イ・ビョンホン)が演じるとのこと。
但し、それぞれの所属事務所は、出演オファーが有ったことは認めても、まだ協議中として、
ハッキリとした回答は控えている。

この『追捕』は2016年6月に大阪でクランクインの予定。
大阪にお住いの方々は、ラッキーだったらご近所でアジアのスタアを目撃できるかも知れませんねー。
私もナマ張涵予を見たーい…!




続いて、近々放送の注目テレビ番組。

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一本目は、2016年3月16日(水曜)、NHK BSプレミアムで放送の『「爆買い」したのワタシです』
爆買いされた商品がその後どうなっているのか、
帰国後の中国人たちに密着取材した笑いと感動のドキュメンタリー。
春節休暇の頃に、上海のふたつの空港と、クルーズ船が発着する上海港で、
日本から帰国する中国人を待ち受け、取材交渉。
断られ続けても粘り強く頑張った結果、自宅までの随行を許してくれる家族もどんどん出てきたという。
そんな彼らは、華やかに暮らすセレブから、苦労して成功を手に入れた農民まで。
日本から持ち帰った物も様々で、空気清浄機、温水洗浄便座、薬、健康サプリ、化粧品、
カレールー、調味料といった定番から、日本人には意外に感じる物まで有り、
これら質の良い商品でより安心安全に暮らしたい、もっとセンスよく暮らしたい、
親戚・友人、年老いた両親にも幸せを分けてあげたい…、と買い物に込めた思いが感じられ、
ホッコリ温かな気持ちになる場面もあるドキュメンタリーになっているらしい。
バブルに沸いてプチ成金となった自分たちの過去の行いを棚に上げ、
中国人観光客の爆買いを茶化すような取材ばかりをする日本のメディアには、
いい加減ゲンナリしているけれど、この番組は捉え方が少々違う気がして、ちょっと観てみたいかも。




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翌日3月17日(木曜)は、同じくNHK BSプレミアムで『世界入りにくい居酒屋』
先月の上海に引き続き、またまたアジアからの初登場都市で、今回は香港♪
笑顔に努めてもなぜか怒っていると勘違いされてしまうという女主人・アンジェラが切り盛りする西貢のお店で、
亭主が作るピーナッツ油が香ばしいホタテ蒸しやシャコのピリ辛揚げが絶品なのだと。
“なぜか怒っているように見えてしまう香港猛女”、なんとなく目に浮かぶ(笑)。
とにかく、これまでアジアの都市は、台湾とベトナム限定だった『世界入りにくい居酒屋』が、
先月の上海に引き続き、今度は香港を取り上げてくれ、嬉しい。
元々結構お気に入りの番組だし、さらに取材が香港ということで、とても楽しみ!




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最後は、3月19日(土曜)、NHK BS1の『地球タクシー』
ディレクターが外国のある都市を訪れ、タクシーを乗り換えながら、街を知り尽くしたタクシードライバーと
その地を駆け巡るドキュメンタリー番組で、この度訪れるのは、台湾・台北。
台北名物のバイクの渋滞に出くわしたり、ドライバー御用達のB級グルメを堪能しながら、
ガイドブックには出ていないパワースポットに辿り着くんですって。この番組も良さそう。




お菓子は、和の物を2種。

★ 赤羽まんぢう本舗:栗かのこ

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大きさは、直径約4センチ。
白餡に栗をあえた鹿の子。




ひとつめは、赤羽まんぢう本舗0285-72-3153)の“栗かのこ”(正式名称未確認)。
東京・赤羽にある和菓子屋さんだと思い込んでいたら、益子のお店であった。

表面には、大きく、ツヤツヤの栗が3片。
中に隠れている白餡は、パッと見た感じ、ネットリ系に思えたが、
口にすると、案外あっさり甘さ控えめ。

一般的な鹿の子より、使っている餡の水分が多いのかも知れない。
ややユルく、柔らかで美味。それが上品な印象にもなっている。

★ 甘楽:いちご大福

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大きさは、直径約5センチ。
丸々一個の苺を白餡と共に包んだ大福。



こちらは、甘楽(公式サイト)“いちご大福”

箱に添えられていた紙に「大粒いちごをお楽しみ下さい」と書かれていたが、
実際には、わざわざ“大粒”と表記するほど大きな苺ではなく、通常サイズ。
たまたま私のがハズレだったのかしら…?
でも、甘く香りの良い美味しい苺ではあった。
苺を包み込む餡は、きめ細やかでトロリとし白餡。

苺に白餡は、やはり合う!
私は、苺大福は、どうしても黒い小豆餡より白餡派だわ。
白餡は苺の邪魔にならず、それでいて、さらに甘さと酸味を引き立ててくれる気がする。

台湾ドラマ『幸せが聴こえる~聽見幸福』

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巨城百貨集團を率いる若き経営者・方展丞は、
水晶百貨店の跡取り息子・古龍と株を賭けたカーレースで見事勝利し、
水晶百貨店の経営権まで手に入れる。
仕事ばかりか、私生活も絶好調。
高校時代に知り合い、愛を育んできた外科医の婚約者・洛涵との結婚も間近。
結婚写真の撮影のため、ウェディングドレスを着た美しい洛涵を助手席に乗せ、車を出し、
ハート型のネックレスを贈り、改めて永遠の愛を誓う展丞。
ところが、その時、有ろう事かトラックが追突。
二人は病院に運ばれるも、展丞は視力を失い、洛涵は間も無くして息を引き取ってしまう…。

2年後。
洛涵を失った哀しみと、自責の念からずっと逃れられないでいる展丞。
世間には隠し通している失明を、メディアが嗅ぎつけ、会社の株も不安定。
展丞の仕事上の右腕で親友でもある威廉は、展丞を案じ、目の手術を勧めるが、彼は聞く耳を持たない。

一方、お土産を売りながら、家族とささやかながら幸せに暮らしている女の子・禹希は、
一度も行ったことの無い贅沢なスパのタダ券をもらい、大喜び。
巨城百貨店の上階にあるゴージャスなスパで、ウキウキと鼻歌を歌いながら、シャワーを浴びる禹希。
遠くから聞こえるその歌声に、最近味わったことの無い幸せを感じた展丞は、
引き寄せられるようにスパに足を踏み込む。
人影に驚いたのは、無防備な姿の禹希。男に覗かれたと大騒ぎ。
何事かと駆け付けた威廉は、騒いでいる若い女性・禹希を見て、目を疑う。
なんと、展丞の亡くなった婚約者・洛涵と瓜二つだったのだ…。



2015年7月、ホームドラマチャンネルで開始した台湾ドラマ『幸せが聴こえる~聽見幸福』
約8ヶ月後の2016年3月、全33話の放送を終了。
タイトルからして苦手なタイプのドラマだと直感し、案の定早々に好みに合わないと感じたが、
やめるタイミングを失い、結局ズルズルと最後まで観てしまった…。
友人Mも同じような事を言っていたけれど、これ、日本で彼女と私以外に
辛抱強く最後まで観た人なんて、あと百人居るだろうか…。
これといった感想は無いが、せっかく頑張って完走したので、簡単に記録を残すことにする。

★ 概要

手掛けたのは陳戎暉(チェン・ロンフイ)監督。
私が観た過去の作品は『逆転!赤ずきん~大紅帽與小野狼』くらいなので、
陳戎暉監督に良いイメージはまるで無い。
しかし、私がとーっとも観たいと思っている『僕らのメヌエット~妹妹』を撮ったのも、
最近台湾でスマッシュヒットとなったドラマ『愛上哥們~Bromance』を撮ったのもまた陳戎暉監督である。
もしかして、私がたまたま『赤ずきん』というハズレくじを引いてしまっただけなのかも知れない。

実際のところ、この『幸せが聴こえる』は、現地台湾での放送時にそこそこの視聴率は取っている。
(でも、同時期に強敵が無かったお陰の好成績かなぁ~とも思うのですが…。)

★ 物語

高額報酬に釣られ、交通事故で婚約者・洛涵を亡くし、自身も視力を失ってしまったデパート経営者・展丞を
住み込みで介護することになった禹希が、偏屈な展丞に振り回され、ぶつかり合いながらも、
閉ざされた彼の心を次第に開き、やがて角膜移植で視力を取り戻した展丞と恋人同士になるが、
その後も二人に降りかかる数々の問題、試練を乗り越え、本当の幸福を掴むまでを描くラヴ・ストーリー


これもまた、富豪男性と庶民派女子が結ばれる、台湾偶像劇お得意のシンデレラ・ストーリーである。
しかも、お相手がデパートを経営する富豪男性というシンデレラ・ストーリーは、パッと思い出せるだけでも、
最低でも私は2本は観ている。
台湾女性は、どれだけ好きなのでしょう、デパート経営者を。
(それとも、閉店後のデパートなら撮影し易いから?予算の関係で、セットを組むより、
既存の建物を撮影に使うことが多い台湾ドラマ界ならではの事情で決まった設定という気もしなくもない。)

但し、この『幸せが聴こえる』には、“プラスα”がある。
まず、富豪男性・展丞が愛した二人の女性、亡くなった婚約者・洛涵と、その後出会うヘルパーさん禹希は、
なんと幼少期に生き別れた双子の姉妹…!
人の好みなんてそうそう変わるものではなく、結局は似たようなタイプばかりを好きになってしまうものだから、
展丞が立て続けに双子を愛してしまったのも、まったく有り得ない話ではない。
双子の方とて、似た好みがDNAに組み込まれているのかも知れない。
こうしてこのドラマは、片や故人、片や存命者という双子の姉妹が、
計らずも一人の男性を時間差で共有することになる双生児恋物語へとなっていく。

姉・洛涵の方はすでに故人なので、双生児恋物語も本来問題無いはずなのだけれど、意外な形で“問題”勃発。
なんとその亡くなった姉・洛涵の心臓が徐亞緹という女の子に移植されていたため、
赤の他人である徐亞緹の中で洛涵の想いが生き続けてしまったのだ。
つまり、徐亞緹は亡くなった洛涵の“イタコ状態”で(…!)、初めて会ったはずの展丞に恋心を感じてしまう。
こうして、イタコと禹希の、展丞を巡る何とも不可解な三角関係に発展。

世の中には科学では解明しきれない不思議な事が沢山あるので、
臓器提供者の想いや性格が、何らかの形で被提供者に影響する事も、もしかして有り得るのかも知れない。
でもねぇー、このドラマで、亡き洛涵の心臓を移植された徐亞緹の場合は、
“イタコっぷり”があまりにも顕著で、超常現象の連続。
徐亞緹が登場してからのこのドラマは、まるでB級サイコスリラー(しかもツッコミ所満載でコミカルですらある)。

★ キャスト その①:主人公

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王傳一(ワン・チュアンイー):方展丞~巨城百貨集團を率いる若き経営者

“ハジメちゃん”こと王傳一をドラマで見るのは『シュガーケーキガーデン~翻糖花園』以来か?
確かその時演じていたのは社長で、今回も社長。
ハタチそこそこの頃から“3人の子持ち”と言っても通じそうな老け顔だったから、社長役には違和感ナシ。
但し、偶像劇に出て女性視聴者をキュンキュンさせちゃうような存在かというと、うーン、疑問。
兵役を終え、芸能活動を本格的に再始動した際に出演したドラマ『ブラック&ホワイト~痞子英雄』では
それまでのイメージを一新するヤクの売人を演じ、“これを機に実力派へ転向か?!”と期待したけれど、
結局30過ぎても偶像劇に縛られたまま、痛々しくアイドルを続けている現状に、ちょっと失望…。
もっとも、これはハジメちゃんのせいばかりではなく、
“元々アイドルらしからぬ老け顔の30も半ばの中年男”に偶像劇をやらせなければならないほど
若手の人材不足が深刻だったり、偶像劇から脱却して本格派ドラマがなかなか作れない台湾エンタメ界に
問題が有るのだと思うけれど…。
本ドラマでのハジメちゃんは、強いて言うならば、盲人を演じるという新たな挑戦をしている。
彼が扮する展丞は、交通事故で婚約者・洛涵を亡くした際、自らも視力を失ってしまったのだ。
このまま最後まで盲人を演じ続けるのかと思いきや、中盤、角膜移植を受け、視力回復。
えっ、そんなに簡単に治る失明だったの…?!と肩透かしを食らったのは、私だけか…?



任容萱(キミ・レン):陳禹希/梁洛涵~生まれてすぐに別れ、相手の存在を知らない双子の姉妹

任容萱は、3人組人気女性ユニットS.H.Eのメンバー、
“Selina”こと任家萱(セリナ・レン)の実の妹。
妹は姉より10センチほど長身の172センチだし、顔立ちもぜんぜん違うし、
こんなに似ていない姉妹も珍しい(但し、二人とも足首が無い“サリーちゃん足”だけは共通)。
でも、今のところ、より人気があるのは、美人の妹より、庶民的なオバちゃん顔の姉の方なのだから、
世間の需要って、分からないものだ。

そんな妹ちゃん・任容萱が演じている姿を、私は今回初めて見たのだけれど、
正直言って、あまり上手いとは思わなかった。演じている役に魅力を感じなかったのも、低評価の一因かも。
演じているのは、洛涵と禹希という双子の姉妹を一人二役で。

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落ち着いて上品な姉・洛涵とガサツな妹・禹希という演じ分けは、バッチリ。
姉・洛涵は早々に他界してしまうので、物語にメインとして登場するのは妹・禹希の方となる。
この妹・禹希が、特にドラマ前半では、
中華圏の作品によく登場するタイプの自分勝手に振る舞う女の子で、見ていて辟易…。
こういう人迷惑なキャラが、“明るい”、“率直”とポジティヴに受け入れられる、あちらの感覚が分からない…。
しかし、そんなウザい禹希にも、モロい部分があり、
実は交際中の恋人・柏諺に邪険にされている上、利用されている。
…ところが、禹希のそのような悲劇さえ、同情を誘うどころか、イラッとさせられるのだ。
本来悪いのは、女性を利用する男性側であって、振り回されている女性は被害者のはずなのに、
人はなぜダメンズに尽くしまくっている愚かな女を見ると神経を逆撫でされるものなのだろうか…?!
しかも禹希の場合、彼女が懲りずにダメンズに騙され続けるせいで、周囲にも迷惑を掛けているし、
いい加減目覚めろっ!利口になれ、バカ女っ!!と心の中で叫んでしまいました…。

★ キャスト その②:番外

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このドラマには、前述の“Selina”こと任家萱(セリナ・レン)もちらりとゲスト出演し、
主演を張っている実妹・任容萱の応援をしている。
Selinaが演じているのは、方展丞にインタヴュするテレビ番組の司会者。

余談になるが、昨今Selinaは、突然の離婚発表で渦中の人。
2010年、撮影中の事故で生命さえ危ぶまれるほどの全身大火傷を負った際も、
変わらぬ愛で支え続けてくれた弁護士の婚約者と入籍し、誰もが幸せに暮らしていると信じていたところ、
2016年3月4日、4年半の結婚生活にピリオドを打った事を電撃的に発表。
一番困難な時期を共に乗り越えた人とは、固い信頼で結ばれ、一生上手くやって行けるような気がするけれど、
分からないものだ。
人がよく言う“結婚はゴールじゃない”、“夫婦の事は夫婦にしか分からない”って、アレ、本当なのね。

★ キャスト その③:主人公の周りの様々な人々

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邵翔(ショーン・シャオ):李柏諺~禹希の恋人 高登百貨集團勤務

私にとっての邵翔は、まだ“李紹祥(リー・シャオシャン)”の名で活動していた頃に出演した
“弟キャラ”のイメージが鮮明。いつの間にか30過ぎて、こんなイヤな男を演じるようになっていたのねぇ~。
扮する柏諺は、父を知らず、唯一の肉親・母も16歳で亡くし、経済的困窮の中必死で生きてきた青年。
典型的な苦労人で、とにかく卑屈で、お金や地位にハングリー。私が最も嫌いなタイプ…!
でも、ホームドラマチャンネルでの放送時期が重なった『勇気を出してアイ・ラブ・ユー~勇敢說出我愛你』
に登場する趙杰(ジェット・チャオ)扮する王威仁のダメンズっぷりが、
「コレ、素なんじゃないか?!」と疑ってしまうほどリアルだったため、それとの比較で、
こちらの邵翔扮する柏諺は、ドン引きには至らなかった。



茵芙(インフー):Vanessa~高登百貨集團の跡取り娘 柏諺の上司 展丞に片想い

展丞にずーっと片想いし続けているこのVanessaが、展丞と禹希の恋の邪魔をしたり、
相手にされない腹いせで展丞の仕事を妨害する、本ドラマ一の悪女なのかと思いきや、
案外道理の分かる真人間であった。
演じている茵芙を私が初めて認識したのは、もう随分前で、方大同(カリル・フォン)のMV<singalongsong>。
その中で演じるニット帽のピュアな女の子が、その後7年でここまでスレ(笑)、
さらに今度は台湾で制作される実写版『ちびまる子ちゃん~櫻桃小丸子』にまる子のママ役で出演するという。
(↓)こちら、その台湾実写版『ちびまる子ちゃん』の面々とママに扮する茵芙。

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『幸せが聴こえる』と違い、ナチュラルメイクだと愛嬌があって可愛らしい。
茵芙は、好きなタイプの女優さんではないけれど、見る度に別人になっているのには、驚かされる。



雷瑟琳(ニタ・レイ):徐亞緹~亡くなった洛涵の心臓を移植され、宜蘭の民宿で働く女の子

雷瑟琳は、台湾人の父とパラグアイ人の母をもつ混血。
私も大好きな映画GF*BF(2012年)で、鳳小岳(リディアン・ヴォーン)と桂綸鎂(グイ・ルンメイ)の間に生まれ、
張孝全(チャン・シャオチュアン)に育てらてる双子という設定で、チラッと登場するあの子が雷瑟琳。

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ほんの数年前の映画なのに、あれから随分女性らしく成長したものだ。
ちなみに、その時の双子役の片割れは、実際にも雷瑟琳の双子の妹である雷婕熙(レイ・チエシー/J.C.レイ)。

それはそうと、どうなのでしょう…?!台湾って、混血を重用し過ぎる気がする。
混血にも美人/不美人が居るのに、台湾だと、ただ混血だというだけで女優になれるのか?と疑ってしまう程、
ドラマに無駄に混血女優が投入されている上、彼女たちのルックスや演技のレベルが低い。
この雷瑟琳にも、ハッキリ言って、私は何の魅力も感じなかった。
でも、心臓移植で提供者・洛涵が乗り移った彼女の“イタコっぷり”は、視聴者の想像を遥かに越えており、
ツッコミ所満載なので、それなりに楽しめるかも…?
洛涵が得意だったハート形クッキーを無意識に焼き上げ、しかも洛涵が命名したのと同じように、
そのクッキーを“雪絨花(エーデルワイス)”と名付けるなんて、やり過ぎでしょー。
このサイキックなくだりで感動できる視聴者は、よほど素直な良い人だ(私には失笑しか無かった)。

ついでに記しておくと、このクッキーは、お菓子作りが得意なドラマスタッフが作ったなどという物ではなく…

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台北・信義區にあるJmi Handmade Dessert 手作烘焙坊というスウィーツショップが手掛けた物なのだと。
ドラマに感動した人は、台湾旅行の際、このお店を訪れるのも良いかも知れません。



陳語安(チェン・ユアン):謝霏霏~義理の兄・展丞に片想い

霏霏は兄・展丞に片想いし続ける彼の妹。
…と言っても、二人の親が再婚同士なので、兄妹で血縁関係は無い。
物語も最初の内の霏霏は、目の上のタンコブ・禹希を、小姑根性丸出しで意地悪く接するが、
やがて義兄・展丞への気持ちは薄れ、禹希の弟・禹安に惹かれていくようになる。
演じている陳語安をこの前に見たのは『台北ラブ・ストーリー~罪美麗』
その時もそうだったけれど、陳語安って、小生意気な女の子の役がとても合う。



徐浩軒(シュー・ハオシュエン):陳禹安~禹希の弟で牧師

初めて見る若手男優。台湾でヒットした馮凱(フォン・カイ)監督作品
『陣頭~Din Tao:Leader of the Parade』(2012年)で自閉症の少年を演じ、注目された若手みたい。
その映画は未見だが、お世辞にも“今どきのイケメン”とは呼べないルックスだからこそ、
内気な青年やヲタクの役で重用されるのが分かる。
本ドラマで演じているのは、生真面目な神父。
もっとも、母の“いつか結婚して子供をもって欲しい”という願いを叶えるために、いとも簡単に還俗してしまうが。
そんなにアッサリ還俗しちゃったら、神様に失礼だろっ!!と日本人の私は呆れるけれど、
親孝行が理由なら、容易な還俗も許されてしまうところに、台湾らしさを感じなくもない。
信念の無さは大いに問題アリだが、この眼鏡をかけた口下手な青年は…

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私が好きな香港の方大同(カリル・フォン)彷彿させる。役作りでちょっと意識した?
好きです、地味男子。このドラマに出演する男性陣の中で、一番私好み。



苗可麗(ミャオ・カーリー):王玉真~禹希・禹安の養母

苗可麗は他で見ると、結構スタイルいいし、ちょっぴりセクシー系の印象さえあるのに、
このドラマでは気の置けないオバちゃんによくぞ成り切っていると思う(…でも、まぁ、よく見ると、やはり美人)。
ただ、夫が存命だった当時と亡くした今とでは事情が違うと考慮しても、
怪しげな祈祷だか占いを生業にし、あまり経済的余裕が無い彼女扮する王玉真が、
孤児院から子供を二人も引き取ったなんて、物語の設定に無理を感じる(孤児院の審査が甘過ぎる)。
禹希と禹安に実の親ではないと打ち明けるくだりも、アッサリし過ぎ。
普通の子供なら、実母だと信じていた人が養母だったと分かったら、
恋愛なんかそっちのけになるくらい狼狽するのでは。

★ テーマ曲

テーマ曲、オープニングは畢書盡(Bii ビー)が歌う<我還想念你>
エンディングは汪小敏(ワン・シャオミン)が歌う<空>
オープニング曲の畢書盡は、台湾人の父と韓国人の母をもつ台韓混血のシンガー。

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見た目は、完全にK-Popアイドル。
本ドラマ第1話に、展丞と株を賭け、カーレースで勝負するデパートの御曹司・古龍の役でゲスト出演もしている。
(赤毛だけならまだしも、アイラインが濃過ぎて、“御曹司感”に欠ける。)
作曲もしているオープニング曲も、韓流テイストのバラード。
正直言って、私の好みからはズレているが、せっかく出演もしているし、ここにはその<我還想念你>を。







幸せの絶頂での婚約者の死、失明、血の繋がらない義妹の横恋慕、出生の秘密、生き別れた双子の姉妹、
臓器移植で受け継がれる死者の想い、昏睡状態のまま着るウェディングドレス等々…、
古臭い韓流ドラマのようなクサい要素がテンコ盛り。
こういうベタベタなドラマの場合は、
女性視聴者が不覚にも恋に落ちてしまうような素敵な男性主人公でも居ないと、話がもたない。
このドラマの主演男優・ハジメちゃんが、日本でそこそこに支持されているのは、
お人柄が認められているからであって、見目麗しいからではないと見受ける。
(勿論彼を「カッコイイ!」と支持する少数派のファンだって居るであろう。あくまでも主流の話。)
ハジメちゃんを知らない女性視聴者が、「わぁ~素敵♪」と夢中になってしまうようでなければ、駄目なのヨ。
そこが、このドラマが日本でウケない一番の原因なのでは…?

私は、いい年して、前髪もっさりの“韓流ヘア”なんかにセットして、
不似合いなメロドラマなんかやっているハジメちゃんなんかもう見たくない。
(どうせハジメちゃん一人の力ではどうにもならなだろうが…)こんなベタベタな偶像劇には見切りをつけて、
いっそ木コリとか漁師でも演じてくれたら、私も俳優としてのハジメちゃんを認めるかも知れない。



ホームドラマチャンネル、火曜深夜のこの枠は、一週間お休みがあって、2016年3月29日より、
『進め!キラメキ女子~小資女孩向前衝』の主演コンビによる新ドラマ、
『結婚なんてお断り!?~必娶女人』を放送。
放送に先駆け、プロモーションのために来日した主演の邱澤(ロイ・チウ)&柯佳嬿(アリス・クー)が、
池袋で行った“ニコニコ座談会”を見に行った際(→参照)、このドラマの第1話も観たのだが、
“台湾偶像劇の王道”といった印象の観易いラヴコメであった。
少なくとも、『幸せが聴こえる』よりは、テンポが良くて、楽しめそうな気がする。

和洋濃厚ケーキ2種(+テレビ雑記)

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たった今、微博で知ったのだが、日本でもお馴染みのピザハット(中国語名:必勝客)の大陸での新CMって、
監督:關錦鵬(スタンリー・クワン)×スタイリング:張叔平(ウィリアム・チョン)×主演:胡歌(フー・ゴー)だと。


關錦鵬監督&張叔平といったら、映画『藍宇~情熱の嵐』(2001年)、『長恨歌』(2005年)、
ドラマ『画魂~畫魂』(2003年)といった、なんとも耽美な香港コンビ。
このCMはぜんぜん耽美ではなく、ポップでコミカルな雰囲気さえあり、
始まって早々『琅琊榜(ろうやぼう) 麒麟の才子、風雲を起こす』を思わすアニメが一瞬挿入されていたり、
どこかで見覚えのあるコスプレ姿の若者まで出てくるが、
とにかく、たかがピザハットに(←スミマセン…)、キャストもスタッフも贅沢。

念の為、日本初放送間近の名作ドラマ『琅琊榜』や胡歌については、こちらの“大陸男前名鑑”を参照に。



ところで、2016年3月20日(日曜)の昨晩、
テレビをつけザッピングしていたら、日テレで『世界の果てまでイッテQ』をやっていて、
北京の大柵欄と思しき場所で、お猿の着ぐるみをまとったイモトアヤコが映っていたので、リモコンを置いた。
イモトはその後、天壇公園だの故宮だのを取材して、台湾へ移動。

そこで、「今、台湾では“小鮮肉”が大流行」、「“小鮮肉”は“細マッチョ”という意味」と“小鮮肉”ブームを紹介。
ひとこと言わせていただくと、“小鮮肉 xiăoxiānròu”は、もう2年くらい前に中華圏で使われだした言葉で、
そもそも“細マッチョ”というより、“若いイケメン”を意味する。
試しに、英語だとどう説明されているのかと思い調べたら、“Young hunk”とか
“Young, good-looking, handsome men who are between the ages of 12 and 25.”等と訳されていた。
“小(若くて)”、“鮮肉(新鮮な肉)”とは、やけに生々しくて、上手い表現だと思う。

ま、とにかく、細マッチョなら何でも良いという訳ではなく、あくまでも“若い”ということが重要。
なので、我が愛しの金城武も、昨年映画『太平綸~The Crossing』のプロモーション中、
メディアに「僕の“小鮮肉”時代はもう過ぎているヨ」などと自虐的に語っている。
日本の中年男性の皆さま、昨晩の『イッテQ』で“小鮮肉”という言葉を覚えたからといって、
台湾旅行で若い女の子にモテようとして、一生懸命引き締めた上腕二頭筋をチラつかせながら、
お調子に乗って「ほら、オレ、“小鮮肉”!」なんて言ったら、
ただのウザいセクハラおやじになってしまうから、気を付けるようにねー!頼むワ。


昨晩の『イッテQ』で、イモトは、“小鮮肉”という流行語のみならず、
“小鮮肉”にまつわる(↓)こんなヒット商品を紹介。

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その名は“小鮮肉奶茶(小鮮肉ミルクティー)”。
中は普通のミルクティーらしい。単純だが、面白いアイディア。
鍛え上げられたボディにしたたる汗まで生々しいこと(笑)。
台南にある張三瘋冰火菠蘿油專賣店(公式facebook)というお店が売り出し、
連日行列ができるほどのヒット商品に。
(日本の株式会社mokkuが手掛けるボディウォーターのボトルのパクリとの指摘もかなりアリ。)

このヒットに乗じ…

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女性版“小鮮女奶茶(小鮮女ミルクティー)”も登場。
昨晩テレビで紹介されたことで、これらの商品は、
これから春休み、黄金周と台湾へ出向く日本人観光客にも人気がでそうですね。

ちなみに…
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イモトアヤコのtwitterによると、本日イモトは香港経由で帰国らしい。
林村の許願樹におみかん投げしてきたのでしょうか。
近々『イッテQ』で放送されることでしょう。楽しみ。





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今後の放送で注目は、まず、NHK Eテレ『テレビで中国語』
今年のレッスンは先週で一通り終わり、明日、3月22日(火曜)は、特別企画。
番組を通し一年間中国語を学んできた壇蜜が、北京へ行って、勉強の成果を試すという。
近年は日中関係の悪化もあってか、この番組の卒業スペシャルは台湾と決まっていたが、
ようやく私のお気に入りシティ・北京で撮影してくれて嬉しい。壇蜜自身、大陸上陸はお初とのこと。

なお、『テレビで中国語』、2016年4月からの新たな生徒は、こちら(↓)

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川島海荷ちゃん。
この3月に卒業したばかりの明治大学で2年間必修科目として中国語を学んだ経験があるらしい。
同じNHKの語学番組でも、ハングル講座は最近生徒を男性タレントにしたり、
K-Popアイドルを出演させているのに対し、
中国語講座がセクシー系の壇蜜や癒し系の川島海荷を起用するのは、
それぞれの語学を学習するメインターゲットに合わせているわけよね…?




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翌3月23日(水曜)は、NHK BSプレミアム『世界で一番美しい瞬間(とき)』
今回は“森の民 女神を祝うとき”と題し、中国・貴州省の少数民族・侗(トン)族の村、肇興(しょうこう)で、
この地が一年で最も華やぐ旧正月の模様を取材。
民族衣装に身を包んだ人々が、豪華な料理が並んだどこまでも続く長いテーブルを囲む
“長卓宴”の風習などが見られるようだ。こういう長~いテーブルを囲む野外の宴は…

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高倉健主演の張藝謀(チャン・イーモウ)監督作品『単騎、千里を走る』(2005年)の中にも出てきた。
映画は確か雲南省で撮影されており、“長卓宴”ではなく“長街宴”と呼ばれていたはず。
似たような伝統文化が、貴州、雲南といった中国南部のあの一帯にあるのであろう。




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3月26日(土曜)は、久し振りにTBS『世界ふしぎ発見!』を。
“台湾一周 ぐるっと環島(ホァンダオ)”という台湾特集。
近年自転車愛好家から注目されている自転車での台湾一周“環島”に、
ミステリーハンター鈴木ちなみが挑み、自転車大国としての台湾をレポ。
ちなみに、自転車を使った“環島”ブームの火付け役となったのは、映画『練習曲』(2007年)と言われている。
日本版DVDも出ているので、興味のある方はどうぞ。地味だけれど、味のある良い映画。




お菓子は、ケーキを2ツ。
…と言っても、通常の洋風ケーキのみならず、和菓子屋さんが作る変わり種ケーキも。
和と洋という違いは有れど、どちらもサッパリ系というよりは、ややコッテリ系。
暦の上では春分でも、まだまだ冷えるから、良いのでは。
(私個人的には、コッテリも激甘も、季節を問わず、いつでもウエルカム。)

★ 鎌倉五郎本店:和菓子屋さんのモンブラン 小波(こなみ)

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箱の大きさは、約12センチ角。
刻んだ蜜漬け渋皮栗と生クリームを、きんとんの上にのせ、マロンクリームを絞り覆ったモンブラン。




和の代表は、鎌倉五郎本店(公式サイト)の、その名もズバリ“和菓子屋さんのモンブラン 小波(こなみ)”
12センチ角の箱に収まっている本体は、10センチ角程度のケーキ。1/4にカットして食すことに。
見た目は特別和を強調していない。どういう部分が和風なのだろうか…?

最も和を打ち出している特徴的な部分は、恐らく下に敷かれた栗とお芋を合わせたきんとんの層。
と言っても、おせち料理のきんとんとは別物で、ずっと甘さ控えめで、そこだけ浮くことなく、全体に調和。
原材料表示を記されている白餡も、多分このきんとんに練り込まれているのだろう。
そのため、味の印象がまろやか。

渋皮栗は、期待していたほどの量は入っていなかった。
ほんのり洋酒の香りも感じるし、一般的な洋風のモンブランとの極端な違いは無い。
ただ、私はスポンジ生地を使った日本式のモンブランが好きではないので、
そういった小麦粉生地を一切使っていない点に、高評価。
安っぽいコンビニスウィーツ程度を想像していたので、意外とイケた。

★ リュー・ド・パッシー:サンクロード

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大きさは、直径約5センチ、高さ約7センチ。
メレンゲ生地にヴァニラ風味のバタークリームをはさみ、
周囲に細かいクランブルをまぶし、トップにアーモンドを添えたケーキ。




洋の代表は、リュー・ド・パッシー(公式ブログ)“サンクロード”
このお店の物では、塩キャラメルを使った人気のケーキ“キャラメル・サレ”他、
何種類かのケーキを試しているけれど、これは、見るのも食べるのも初めて。前から有った…?

私がこの“サンクロード”に飛びついたのは、
大好きなメレンゲとバタークリームをメインにしたケーキだと知ったから。
バタークリームは、濃厚でもシツコくなく、滑らかで口溶けもよい。
香ばしいナッツと、クランブルの歯応えも上手く調和。

これ好き。バタークリームがコーヒー風味でも美味しいかも。
でも、そうすると、モンサンクレールの“モンサンクレール”やピュイサンスの“ピュイサンス”と似てしまうので、
このままの方が差別化されて良いかしら。

大ヒット大陸ドラマ『琅琊榜』日本版予告編

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あと20日も待たない2016年4月11日(月曜)、
チャンネル銀河でいよいよ日本初放送がスタートする大ヒット大陸ドラマ
『琅琊榜(ろうやぼう) 麒麟の才子、風雲起こす』の日本版予告編が、いつの間にか公開されていた。

私、「日本版予告編は無いの?」、「もしかして作らないのだろうか?」などとずっと言ってきた割りに、
いざ制作され、公開されても、まったく気付きませんでしたワ…。
(↓)こちらが、その日本版予告編。



予告編制作はやはり日本。
あちらの予告編は無駄に長いばかりで、ドラマの魅力が伝わって来ないので、
当ブログに貼るのを避けていたが、
日本版予告編は、5分の中に、物語の輪郭が分かり易く説明されていると思う。

梅長蘇を「小殊」と呼ぶ太皇太后のシーンが使われていたのは、ちょっと意外だったかも。
5分にまとめるなら、端折られるシーンだと思っていたので。
このばぁ様、ボケているんだか鋭いんだか、よく分からず、人を戸惑わすクセ者です(御本人に作為ナシ)。
具体的には、ドラマ本編をお楽しみに。

「復讐に次ぐ復讐、中国宮廷の倍返し」というナレーションには苦笑いしちゃったけれど、なかなか良い予告編。
途中ちょっとと、終盤梅長蘇が血ぃー吐くシーンの辺りから、私が好きなインストゥルメンタルの曲も流れるし。
(…って事は、ドラマのオープニングでも、大陸の放送と同じように、この曲が流れるのかしら?)
映画音楽みたいに壮大で好き。
もはや、この曲のサワリを耳にしただけで、反射的に感情が高ぶる体質になってしまっているため、
予告編を観て益々日本初放送スタートの日が楽しみになってきた。

★ 『琅琊榜』色々

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以下、当ブログ過去の『琅琊榜』関連のエントリの内いくつかをリンク。

~大陸ドラマ『琅琊榜』、及び、mango厳選4人の男前出演者について。

~『琅琊榜』の男前たちは見た目だけじゃない!彼らの優雅な身のこなしについて。

~日本上陸が決まった『琅琊榜』を是非おススメしたい人々を列挙。

~予告編の中でも「中国版エミー賞10冠達成!」と説明されている2015年の國劇盛典について。

映画『母よ、』

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【2015年/イタリア・フランス/107min.】
映画監督のマルゲリータは、新作映画の撮影真っ只中。
アメリカから迎えた俳優のバリーは、ローマに到着早々マルゲリータをスタッフと間違え、ナンパしてくるわ、
台詞覚えも悪く、撮影が滞るわで、マルゲリータは頭が痛い。
仕事が空くと、決まって向かうのは病院。母アーダが入院しているのだ。
ある日、マルゲリータは兄ジョヴァンニと共に担当医に呼ばれ、母がもう余命幾許もない事を告げられる。
信じ難い言葉に困惑するマルゲリータは、
その事実を本人に教えるかと打診してきた医師に、ついつい噛み付いてしまう。
例え信じたくなくても、母の容態はまったく良くならず…。



ナンニ・モレッティ監督、『ローマ法王の休日』(2011年)以来の新作。
本国イタリアの映画賞はもとより、第68回カンヌ国際映画祭でもエキュメニカル審査員賞を受賞。



難しい年頃になった娘の扱いや、順調に進まない新作映画の撮影など、
公私共に悩み多き映画監督のマルゲリータが、
追い討ちをかけるように、入院中の母が余命僅かだと宣告され、混乱するも、
やがて心を落ち着かせて、受け入れ難い現実と向き合っていこうとする姿を描く人間ドラマ

『ローマ法王の休日』撮影中の2010年、母親を亡くしたナンニ・モレッティ監督。
これまでの作品にも多かれ少なかれ自身が投影されていると感じるが、
この新作には取り分け監督本人の影がチラつく。
自身の経験をなぞっているような、当時の自分は正しかったのかと未だ迷っているいるような、
何かそういうナンニ・モレッティ監督自身の思いが濃く感じられるのだ。

主人公のマルゲリータは、女性でこそあれど、ナンニ・モレッティ監督を彷彿させる映画監督。
その母アーダは、現役時代ラテン語を教えていた先生という設定だが、
ナンニ・モレッティ監督の実際の母アガタ・アピチェッラもまた高校でギリシャ語やラテン語を教えていたという。

物語前半の母アーダは、入院こそしていても、まだ元気そうで、“余命僅か”の宣告が冗談のよう。
しかも、かつては教鞭を執り、身体も頭脳もシッカリしていた、あの母の余命が僅かだというのだ。
なかなか信じられなくて当然。
混乱し、医者にまで逆ギレしかけるマルゲリータに、彼女の兄ジョヴァンニが、現実を見ろと言わんばかりに、
落ち着いた口調で言う「mamma sta morendo.」が、スクリーンの外の私にも突き刺さる。
日本語字幕はどうでしたっけ?多分「残された時間はもう少ない」とか、何かそんな感じだったかも。
きちんと意味の伝わる正しい日本語訳なのだが(日本語訳の批判では決してない)、
ダイレクトにイタリア語の台詞で解した人は、もっとグサッと来たはず。
「sta morendo」だと、“確実に死に向かっている”、“死へのカウントダウンが始まっている”というニュアンスが
ひしひしと伝わってきて、子供にとってはより辛く、受け入れ難い。

その母アーダは、集中治療室に入れられた頃から、目に見えて弱々しくなっていく。
娘マルゲリータも勿論そこに面会に来るが、看護師から「あと5分」と急き立てられると、
喉を切開し、声が出ない母が、メモ帳に「あなたが居るのが一番の治療なのに」と走り書き…。

だわよねぇ~…。
そんな事も有ったからだろうか。現実と向き合う覚悟を決めたマルガリータは、母親を家に連れ帰る。
住み慣れた家に戻ってきた母は、孫娘リヴィアにラテン語を教えたり、回復したかのように活き活き見える。
“病は気から”は本当にあると思う。まぁ、それでも寿命には逆らえないわけで…。



また、本作品には、娘マルゲリータを中心とした、母アーダ、孫リヴィアという女性3代の物語という側面も。
今回、ナンニ・モレッティ監督が脚本を、ヴァリア・サンテッラ、ガイア・マンツィーニ、
キアラ・ヴァレリアという3人の女性と共同で執筆していることからも、
“女性の物語”を意識しているように感じる。
自分の経験や思いを投影し過ぎた、あまりにもパーソナルな作品にする事は、意図的に避けたのだろうか。


あと、主人公が映画監督なので、映画撮影の裏側が覗けるのも、本作品でもう一つ興味深い点。
労働者を描く社会派映画なのに、スタッフが選んできたエキストラが、眉を細くした青年だったり、
セクシー系の女の子ばかりなので、マルゲリータが「リアリティな無い」と文句を言うと、
スタッフが「こういう若者こそが現代の労働者」と言い返したり、
俳優に「役に完全に成り切るのではなく、その役の隣に自分を出して」とマルゲリータ毎度の演技指導しても、
大抵理解してもらえなかったり…。
撮影中、俳優のお誕生日があった場合、ケーキを持ってきて、現場で皆で祝うのは、日本と同じだった。
(別に日本の撮影現場を知っているわけではないが、よくテレビの芸能ニュースで、そういう場面を見るので。)




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出演は、映画監督のマルゲリータにマルゲリータ・ブイ、病気の母アーダにジュリア・ラッツァリーニ
娘リヴィアにベアトリーチェ・マンチーニ、兄ジョヴァンニにナンニ・モレッティ
そして、マルガリータの新作映画の主演俳優バリー・ハギンスにジョン・タトゥーロ等々。

前述のように、本作品の主人公である映画監督は女性なので、
ナンニ・モレッティ監督自身は脇に回り、主演をマルゲリータ・ブイに譲っている。

マルゲリータ・ブイは、元夫であるセルジオ・ルビーニ監督作品に数多く出演しているイタリアの有名女優。
ナンニ・モレッティ監督は、自身の作品に同じ俳優を複数回使うことが多いが、
マルゲリータ・ブイもまた『夫婦の危機』(2006年)、『ローマ法王の休日』(2011年)に続き、本作品が3度目。
扮するマルゲリータは、若干アグレッシヴで、周囲への気遣いにも少々欠けるため、
ややもすると観衆から総スカンを食らう嫌われキャラになってしまいそうだけれど、
それ以上に「人はこういう場面できっとこうなる」と思わせる人間味が表現されていて、とても共感できた。
特に記憶に残っているのは、悪夢で目覚めたら、床が水浸しになっているシーン。
慌てて水の処理を始めたマルゲリータだが、その内怒りのような情けなさのような複雑な感情に襲われてしまう。
実際に私にそのような経験は無いが、いつの間にか自分がマルゲリータになり、
「私、なんで夜中に床掃除なんかしているんだろう…?!」と心の中で叫んでしまった。


ナンニ・モレッティ監督は今回脇役だけれど、
演じた兄ジョヴァンニは妹マルゲリータとは対照的で、彼もまた印象的。
ジョヴァンニは、母の闘病中も忙しく働く妹マルゲリータとは違い、休職という選択をする。
“Ingegnere”と呼ばれているので、何か技術系の仕事をしているのだろう。
「その年齢で再就職は難しい」と分かり切った助言もされるが、それでも母に付き添う決断をする。
一見マルゲリータより余程冷静なジョヴァンニなのに、死期の迫った母親のためにそこまでしてしまうのだ。
普通の人は、経済的な事や周囲への影響を考えたら、なかなか仕事をやめられないのが現実だろうけれど、
このジョヴァンニは、“こうありたかった”というナンニ・モレッティ監督の後悔も踏まえた
理想的な息子像にも感じられる。


マルゲリータの難しいお年頃の娘リヴィアに扮するベアトリーチェ・マンチーニは、本作品でスクリーン・デビュー。
2001年生まれだと~!(←私にとっては“つい最近”。)
過去のナンニ・モレッティ監督作品なんて、それまでほとんど観たこと無かったらしい。
大人ばかりの中に放り込まれ、初めての映画撮影は緊張もしたようだが、
それでも「ナンニはそごく感じのいい人ヨ」と、監督とも“タメ感覚”のベアトリーチェちゃん。
こういうちょっとおませな感じ、日本のローティーンとはやはり少々異なる。
美女ではないが、クシャクシャッとしたお顔は個性的です。
今のところ、次回作のニュースは聞かないが、今後も女優さんを続けるのだろうか。
同じくナンニ・モレッティ監督に見い出され、出演したデビュー作『息子の部屋』が、
ベアトリーチェ・マンチーニが生まれたその年に、カンヌでパルムドールに輝いたジャスミン・トリンカは、
その後も女優を続け、一定の成功を収めているし、このベアトリーチェちゃんも十年後には有名スタアかも?


そして、一番のメジャーどころは、ハリウッドスタアのジョン・タトゥーロ。
父親がバーリ・ジョヴィナッツォ出身のイタリア移民ということで、多少のイタリア語は喋れるようだ。
本作品では、そのタドタドしいイタリア語を武器に(本当にタドタドしいのか、
故意にタドタドしく喋っているのかは不明)、マルゲリータの新作映画に主演するため、
ローマにやって来たアメリカ人俳優バリー・ハギンスを演じる。
スタンリー・キューブリックについて熱く語るが、実は監督作に一度も出演したことが無いという設定(笑)。
物語も終盤になると、人の名前が覚えられない病気を患っていた事も判明。
私も、人の名前や顔がまったく覚えられないので、いっそその病気ってことにしようかしらー。
このしょーもないバリー・ハギンスは、ドンヨリ重くなりそうな本作品の“息抜きポイント”。





人によっては物語のクライマックスと捉えるかも知れない“母の死の瞬間”を、本作品では描いていない。
実は私、その瞬間がどう表現されるのだろうと、ビクビクしながら鑑賞していた。
母アーダが、か細い声で感動的な一言を呟き、次の瞬間、娘の腕の中でスーッと息を引き取り、
家族全員がベッドにひれ伏せ号泣!みたいな臭い演出だったら、興醒めだなぁ~、と。
その瞬間は描かず、遺体に着せる服を選ぶシーンにもっていった本作品の演出は秀逸で、
あの一見冷静な空気の中に、よりリアルな喪失感を感じ取り、ジーンと来た。
偶然にも私は最近、お母様を亡くした人の話を立て続けに幾つか聞いており、
それが誰もが必ず経験する“通過儀礼”という意識が強くなっていたこともあり、
本作品は心に響くものがかなりあった。
香港映画『桃(タオ)さんのしあわせ』を観た時にも思ったが、
こういう作品を17歳で観てもピンと来なくて、今の年だからこそ感動できるのかも知れない。

ナンニ・モレッティ監督作品の中でも、かなり分かり易い作品だとも感じる。
日本でそこそこ話題になった前作『ローマ法王の休日』より、ずっと簡単。
前作は『ローマの休日』を彷彿させる楽し気な邦題に惹かれ映画館へ足を運んだ多くの女性客を、
「想像と違った…」と失望させたように見受ける。
そういう人々は、むしろこの新作の方がまだ理解し易いかも。

余談になるが、邦題『母よ、』の最後に付いた“、(読点)”を見ると、どうも“藤岡弘、”を重ねてしまう。
NHK大河ドラマ『真田丸』のオープニングで、毛筆調の達筆で、律儀に読点まで付け、
縦書きで“藤岡弘、”とクレジットされているのを見る度に、プッと吹き出してしまう私。
『母よ、』も、読点を付け一画増やすことで、ヒット祈願しているとか、
邦題命名にあたり、何か占い師の助言でも受けたの…?

桜餅2016:その①~関西風を3種(+賈樟柯とかテレビとか)

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2016年4月23日(土曜)日本公開予定の最新作『山河ノスタルジア』のプロモーションで、
今月上旬、賈樟柯(ジャ・ジャンクー)監督が来日した際、
東京で池松壮亮や竹中直人に会っていたのは、こちらに記した通り。
その時、賈樟柯監督は、自身の中華版twitter・微博で
「日本の俳優・池松壮亮が『山河ノスタルジア』を雑誌<ELLE>で紹介してくれました」と呟いていたのだが、
実際には御両人の誌面対談だったようで、その模様を掲載した<ELLE>5月号が、昨日3月28日に発売。

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(↓)こちら、対談の日の様子がちょっとだけ覗ける動画。
期間限定公開とのことなので、興味のある方は、消される前に急いで観ましょう。


池松壮亮クンの映画好きは結構有名だし、賈樟柯監督に会え、本当に嬉しかったのでは。
彼は本来私が苦手な低身長&童顔男子なのだけれど、
普段のこういうラフな感じだと(まぁこれももしかして<ELLE>側がスタイリングした衣装なのかも知れないが)、
同世代のアイドル男優たちとは異なる独特な雰囲気を醸していて、なかなか魅力的。
今度は“池松壮亮が選ぶ映画10本(池松壮亮出演作10本ではなく、あくまでも彼が好きな10本)”なども
是非紹介していただきたい。


ちなみに、賈樟柯監督は、今月2度目の来日。今度は東京ではなく、奈良。
“東アジア文化都市2016奈良市”というイベントの映像交流プロジェクトに参加するためだったようだ。
オフの、(↓)こんな日中映画人交流ショットも。

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画像左から、村上虹郎、中村優子、河直美監督、斎藤工、賈樟柯監督、そして趙濤(チャオ・タオ)。
そう言えば、斎藤工って、池松壮亮と共演している『無伴奏』が公開されたばかりよね…??
斎藤工も、賈樟柯監督作品好きそう。二人とも、いつか賈樟柯監督作品に出られると良いですね。





話変わって、気になるテレビ番組。

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一本目は、明日3月30日(水曜)、NHK BS1で放送の『アジア食紀行~コウケンテツが行くタイ』
料理研究家コウケンテツが食を通しアジアの人々と交流する人気のシリーズ。
今回の旅の舞台はタイで、首都バンコクをスタートし、チェンマイ、
そしてミャンマー国境付近の村へとどんどん北上して行くらしい。
行く先々で堪能するお料理は、母の味として親しまれているスープ“ゲーンソム”(日本のお味噌汁感覚?)や、
豚の内臓料理、北部でしか食べられない麺料理などなど。
内臓は苦手だけれど、タイ料理は基本的に好きなので、今回の旅は結構楽しみ。





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同日、それ以上に楽しみにしているのが、NHK BSプレミアムの『中国王朝 よみがえる伝説』
2016年に入ってから、月一で放送されてきたこの番組も、3月30日でいよいよ最後の第3弾。
これまで、清の乾隆帝→明の永楽帝と時代を遡ってきたので、次は元かと思いきや、
元はスルーして宋(北宋)で、取り上げるのは、徽宗(1982-1135)、題して“徽宗と水滸伝の英雄たち”。
徽宗は、宋朝第8代皇帝にして、宋代きっての芸術家としても名高い風流皇帝。
徽宗の筆によるとされている絵画<桃鳩図>は、ここ日本で国宝に指定されている。

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<桃鳩図>はたまーに一般公開されることがあるので、ナマはそういう機会にどうぞ。
どういう経緯で日本に渡ってきたのかは不明だが、過去には井上馨(1836-1915)が所有し、
巡りに巡って現在は美術商・瀬津巌氏の個人蔵らしい。スゴイお宝を持っている人って、居るのですね。

もうひとつ、今回の番組で取り上げているが<水滸伝>。
日本でもお馴染みの<水滸伝>は、悪政のため困窮する民を救うべく、
梁山泊の英傑たちが立ち上がる世直しの物語だが、その時代背景がまさにこの徽宗が即位していた頃の宋朝。

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私は<水滸伝>をよく知っているわけではないけれど、
最近観たドラマ『水滸伝 All Men Are Brothers~水滸傳』では、徽宗は“悪”とは描かれていない。
梁山泊の英雄たちにとっての敵は徽宗ではなく、朝廷の奸臣。徽宗はむしろ、お仕えするに値する皇帝。
英雄たちは、私利私欲に走る奸臣を排除し、朝廷へ帰順し、徽宗の忠臣として世の中を立て直したいと望む。
今回のNHKの番組では、美に溺れ、政治を疎かにした徽宗こそが諸悪の根源という前提がまずあり、
“ところが近年、その実像に別の評価が…”というアプローチで、
黄河畔の農村で発見された徽宗の救貧対策の痕跡などを紹介しているようだ。

先日たまたま目にした番組予告では、私が観たそのドラマ『水滸伝』の映像も使われていた。
主人公・宋江に扮している俳優・張涵予(チャン・ハンユー)は、
もう直大阪でクランクインが予定されている吳宇森(ジョン・ウー)監督最新作、
高倉健主演映画『君よ憤怒の河を渉れ』(1976年)の中華版リメイク『追捕 MANHUNT』の主演男優で、
福山雅治と共演することになっているので、興味のある人は要チェックです。(→参照

で、番組で徽宗の足跡を辿るのは、『水滸伝』に出てくる“矮腳虎”王英に見えなくもない濱田岳。
中国の歴史にまったく詳しくなさそうな濱田岳が、この番組に起用された理由が分からずにいたが、
もしかしてNHKのプロデューサーは、水滸伝絡みの第3弾を“矮腳虎”濱田岳にレポさせたいがためだけに、
この『中国王朝』シリーズへの出演オファーを彼に出したのかも?(←恐らく深読みしすぎ。)





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4月1日(金曜)、HNK『ドキュメント72時間』は、放送時間を拡大した特番。
『ドキュメント72時間』は、毎回ある場所に3日間カメラを据え、そこに行き交う人々を捉える
一風変わった定点観測ドキュメンタリーだが、
韓国にもこれと同じような『다큐멘터리 3일(ドキュメンタリー3日間)』というKBS制作の番組があるという。
今回は、その韓国KBS『3日間』とのコラボ企画で、
日韓それぞれのクルーが海外に飛び出して取材した世界の3日間を紹介。
韓国KBSは、中国にある世界最大の中国料理店の3日間をカメラに収め、
日本の方は、昨年放送したニューヨークのコインランドリーの回を再編集して流す模様。
鈴木おさむと鈴木杏が、韓国料理店で日韓72時間について語るシーンが入るのも、普段の放送とは異なる。

“世界最大の中国料理店”って、『アジアハイウェイを行く』で井浦新も取材していた
湖南省長沙にある皇帝気分が味わえる宮廷風レストラン・西湖樓のことか?
NYのコインランドリーの回はすでに視聴済みだが、韓国が取材した中国メガ餐廳は勿論未見なので、
今回のスペシャル企画は録画を予約。





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週を跨いで4月4日(月曜)は、テレ東『未来世紀ジパング』
今回はこちらも時間を延長し“拡大スペシャル 追跡取材!中国バブル崩壊の真相”と題した中国特番。
中国経済の減速が語られる中、放送開始から4年間中国を追い続けてきた当番組が、
再び中国バブル驚きの現場を取材し、バブルは崩壊したのか、日本への影響はどこまであるのかを検証。
犬バブルや翡翠バブル、鬼城(ゴーストタウン)などの追跡取材の他、
景気減速で起きた節約志向を追い風に、中国での普及に力を入れる日本のカレールーのメーカーや、
あの山下智久、…もとい、山下智博も、またまた取り上げる模様。
“ヲタク界の山P”こと山下智博については、こちらを参照。
ネット上で若者を中心にニッチに人気な山下智博に、日本企業も注目し、
日本限定発売の“ヤマシタマスク”なるフェイシャルマスクなどの商品開発を進めているのだとー。
それ、売れる気しないんだけれど、大丈夫…?!
ちなみに、山下智博は、昨日日本に一時帰国し、現在東京に滞在している模様。





さて、東京の桜もそろそろ見ごろを迎えようとしているみたい。
お花見にはまだちょっと早いようにも感じるけれど、品種によっては満開の木も見掛けた。
お菓子はそんな今の季節ならではの桜餅を。
最近、桜餅を頻繁に食べている。今回は、その中から関西風に絞り、3種類。お江戸風桜餅は、また今度。

★ たねや:さくら餅

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大きさは、直径約4センチ。
道明寺の中に、紅色に染めた白餡を詰め、塩漬けの桜で包み込み、桜の花で飾った桜餅。




ひとつめは、たねや(公式サイト)“さくら餅”

ここの桜餅の一番の特徴は、中に白餡を入れていること。
関西風でも関東風でも、桜餅の餡は大抵小豆のこし餡。白餡は、結構珍しいと思う。

餡を包む道明寺は、とても柔らかだが、口の中でちゃんと粒々を感じる。
桜の葉っぱは、厚めのしっかりした物。
この大きさの桜餅に対しては、シッカリし過ぎているので、一緒に食べるよりは、香り付けだろうか。

珍しい白餡だし、見た目も可愛らしい。
でも、“可愛らしい=小さい”でもある。
一口で呑み込めてしまいそうなくらい小さいので、激甘党の私には、一個ではやや物足りない。

★ 亀屋:道明寺

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大きさは、直径4センチ強。
中にこし餡を入れた道明寺に桜葉を添え、上部をひと粒の小豆で飾った桜餅。




続いて、亀屋042-385-8181)の“道明寺”
このお店が“さくら餅”の名で売っているのは、関東風の桜餅。
こちらは、“道明寺”と名付けられているが、通年商品ではなく、
この時期にしか売られていない関西風桜餅である。
関東風のみならず関西風も販売しても、それを“桜餅”と呼ばないのは、東京のお店のケジメだろうか。

桜葉の塩分が適度。
モッチリした道明寺の表面には、ツヤツヤの照り。寒天をかけているのだろうか。
そのお蔭で、道明寺がベタつかず、食べ易い。

おまんじゅうのような真ん丸い形は、愛嬌があって可愛らしい。
たねやの物よりやや大きめなのも良い。

★ 叶匠壽庵:桜もち

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大きさは、長さ約6センチ、幅約4センチ。
手炊きのこし餡を道明寺で包み、塩漬けの桜葉一枚で巻いた桜餅。




最後は、叶匠壽庵(公式サイト)“桜もち”

ここのは俵型。大きさといい、形といい、おはぎのよう。
桜葉はたっぷり大きく、適度な塩分。
もっちり、ねっとり、しっかりした道明寺。
中のこし餡がちゃんと甘く、葉っぱの塩分とのバランス良し。

基本に忠実に作られた関西風桜餅の優等生。間違いのない美味しさ。

映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』

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【2016年/日本/180min.】
中学校で派遣教員として働く七海は、SNSで知り合った鉄也と交際を始め、
トントン拍子で結婚することになったが、結婚式に呼ぶ親族があまりにも少ないため、
やはりSNSを通し教えてもらった便利屋の安室に、親族役を演じてくれる人の派遣を依頼。
お蔭で式は滞りなく執り行われ、新婚生活がスタート。
ある日、家で一人静かに過ごす七海のもとに、高嶋と名乗る見知らぬ男が訪ねて来る。
なんでも、鉄也が高嶋の恋人と浮気していると言うのだ。
結婚早々の夫の裏切りに、少なからず傷つく七海であったが、
それどころか、鉄也の母親から、逆に七海が浮気をしているという疑いをかけられ、
結婚生活は、あっと言う間に破綻。
家を追い出され、行くアテもなく、辿り着いた安ホテルで、清掃員をしながら細々と暮らし始めるが、
そんな時、あの便利屋の安室から月百万円という高収入のメイドの仕事を紹介される。
連れて行かれたのは、主人不在の大きな洋館。
ここで、七海は、もう一人のメイド・真白と暮らすことになり…。



岩井俊二監督、『花とアリス殺人事件』(2015年)以来の最新作。
『花とアリス殺人事件』はアニメーションなので、実写映画だと『ヴァンパイア』(2011年)以来。
『ヴァンパイア』は英語作品なので、日本語作品となると『市川崑物語』(2006年)以来だろうが、
あれはドキュメンタリー映画なので、普通の長編劇映画となると『花とアリス』(2004年)以来、なんと12年ぶり!

この新作もまたこれまでの作品と同様に、原案も脚本も岩井俊二監督自身による。
映画公開に先駆けた2015年12月、監督が書いた同名小説<リップヴァンウィンクルの花嫁>が
文芸春秋より出版されている。

小説未読の私は、映画の内容をまったく知らなかったけれど、予告編の映像には惹かれるものがあった。
予告編の中に出てくる白い紙で作られたウサギのような形の帽子(?)や、
『リップヴァンウィンクルの花嫁』というタイトルが何を意味しているのか?と想像ばかりが膨らむ。

タイトルにもなっているその“リップ・ヴァン・ウィンクル Rip van Winkle”とは、
アメリカの作家ワシントン・アーヴィングによる小説のタイトルであり、またその小説の主人公の名。
私はこの小説も未読。あらすじは、木コリのリップ・ヴァン・ウィンクルが森の奥深くに入り込み、
そこで出会った男たちと酒盛りをし、酔っぱらって寝入ってしまい、
目覚めると二十年もの月日が流れていた…、という“アメリカ版浦島太郎”のような物語らしい。
小説未読の私が、漠然とはいえこの物語を知っているのは、
松田優作主演映画『野獣死すべし』(1980年)の中でチラリと語られていたから。
…それはそうと、でも、じゃぁ、『リップヴァンウィンクルの花嫁』は、
浦島太郎みたいな男の女房の話か?!と益々疑問が深まる。



本作品は、出会い系サイトで知り合った教師・鉄也とあれよあれよと言う間に結婚したものの、
夫の浮気疑惑に端を発した負の連鎖で、早々に離婚する羽目となり、住む家も金も無い七海が、
何かにつけ頼りにしていた便利屋・安室の紹介で、月百万円という高額報酬で、住み込みのメイドを始め、
女優でもあるメイド仲間・真白と過ごす内に、ありのままの自分に変わっていく姿を描いた物語。

3時間という長尺の作品だが、その3時間の中には様々な要素がいっぱい。
幕開けはSNS。主人公・七海は、臨時雇いとはいえ教師という堅い仕事をしている女性なのに、
出会い系サイトを通じ知り合った鉄也と交際を始める。
「ワンクリックで彼氏ができてしまった」と本人もSNSで呟く程お気軽。
このように作品冒頭は、ネットという仮想の世界が広がりつつある昨今を表現したり、
その中で仮名を使った別人になった時にようやく本心を吐露できる現代人を
説教クサくない程度に風刺しているようにも感じられる。

ただ、現代社会風刺だけでは“らしくない”し、なにより3時間ももたないと思っていたら、
七海が、夫の浮気相手の恋人からホテルに呼び出される辺りから、一気にミステリー色が濃厚に。
彼女は誰にどのような目的でハメられてしまったのか?と、謎が謎を呼ぶ。

そして、これまたミステリアスなのだが、
七海は主人不在の洋館に住み込みのメイドとして高額報酬で雇われる。
ここで一緒に暮らすことになる同僚のメイドが、女優でもある真白。
まったくタイプの異なる七海と真白が築く女同士の友情物語や、ガーリーな世界観は、
“大人になった花とアリス”のようで微笑ましい。
この友情は百合化していくのだけれど、なんかもう同性とか異性とかそういう事を超越しちゃった
魂が共鳴し合う者同士の深い絆という感じで、とても自然。




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主な出演は、SNSで知り合った鉄也と結婚し離婚する教師・皆川七海に黒木華
何かにつけ七海を助ける便利屋・安室商会の安室行舛に綾野剛
七海と同居するAV女優・里中真白にCocco

今やすっかり日本を代表する若手女優となった黒木華は、
2012年、日本映画専門チャンネルで岩井俊二監督が担当する『マイリトル映画祭』のCM制作企画で、
刈谷友衣子と共にオーディションで選ばれた時に初めて知った。

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二人ともとても瑞々しく、“いかにも岩井俊二監督の作風に溶け込みそうな自然派”という印象を受けたが、
刈谷友衣子の方はいつの間にか引退してしまい(それとも休業?)、
芸能界に残った黒木華の方は短期間で人気女優の階段を駆け上がり、
ついにはこうして御縁のある岩井俊二監督作品で主演。

これまでにも演じた様々な役で、常に高評価を得てきた黒木華ちゃんだけれど、
数年前岩井俊二監督に選ばれただけあり、監督の作品には恐ろしいまでに馴染むし、とにかく素晴らしい。
扮する七海は最初から最後まで基本的には内気でおとなしい女の子で、性格が激変することはないが、
微妙な変化や心の動きは沢山有って、その都度印象に残る表情も多々ある。
意地の悪い生徒たちから「声が小さい」とカラカい半分にマイクを渡され、戸惑いながら浮かべる笑みとか、
夫の浮気を知らされた時の他人事のような第一声「あっちゃぁー…」とか、
キャリーバッグ2ツで家を出て、途方に暮れて流す涙とか、
真白とはしゃぎながら見せる初めての心の底からの笑顔とか…。
女性同士のキスシーンも、彼女だからこそ妙な生々しさが無く、自然で絵になるのかなぁ~と。

あと、黒木華ファンは、彼女のコスプレ映画としても楽しめるかも。
かつて“日本一割烹着が似合う女優”と称えられた黒木華ちゃんだが、
コンビニ店員、清掃員、メイド、ウェディングドレス等々、昭和な割烹着以外もお似合いです。


綾野剛は、以前から良い俳優だとは思っていたけれど、最近特に(↓)このCMで評価さらにアップ。


docomoのCM“斎藤さんゲーム編”。
さすが、学生時代、陸上で好成績を残しているだけあり、動きが俊敏、キレッキレ…!綾野剛、サイコー!

黒木華とのコンビは、『シャニダールの花』(2013年)を思い出す。
『シャニダールの花』は、二人の演技が良いとか悪いとかではなく、作品自体が私には合わなかった。
でもねぇ、今回のこの『リップヴァンウィンクルの花嫁』でのコンビはすごく良い。
綾野剛扮する安室は、人々がネット上でハンドルネームやアカウントを使い分けるように、
実生活でも沢山の名前を使い分け、その人物を演じ、色々な事をやっている。
そもそも安室商会の仕事をする時に使っている“安室行舛”だって、本当の名前なのだろうか。
披露宴等の代理出席サービスを請け負う会社名は“アズナブル”だし、ガンダム好きである事は間違いない。
七海の味方なのか、彼女を陥れる敵なのか、イマイチ分からず、
観衆を翻弄させる掴み所の無い男にもかかわらず、なぜか滲み出ているイイ人感。
こんな胡散臭い男を“愛されキャラ”にしてしまっているのは、やはり綾野剛が上手いからであろう。


Coccoを映画で見たのは『KOTOKO』(2012年)くらい。
女優としてのキャリアは決して豊富ではないCoccoだけれど、
演技の技術以上に本人が発する独特な個性が、本作品の雰囲気に調和。
Coccoのような浮世離れした不思議な雰囲気を醸す女性が、
肉欲処理という現実的な商売をするAV女優の役を演じるのも、面白い。
そのAV女優、“リップヴァンウィンクル”こと真白は、型破りで、あっけらかんとしているように見え、
実は誰にも打ち明けないでいる秘密が有り、常に死と背中合わせでいるような神秘性をも醸す。
そういう所は、やはりCoccoならではと感じる。

その真白の母・里中珠代の役が、りりィって、上手いキャスティング。
Coccoとりりィ、こんな母娘、本当に居そう。

あと、私の中では絶対に“岩井俊二監督作品向け”ではない元AV女優・夏目ナナが、
真白のマネージャー・恒吉冴子役で出演しているのだが、テキパキした姉御肌タイプで、殊の外良かった。

ついでにもう一人記憶に残った出演者を挙げるなら、七海の母・皆川晴海役の毬谷友子
久し振りに見た毬谷友子は、“ウザめの桃井かおり”のようであった。


他には、カメオ出演で、(↓)こんな人。

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紀里谷和明監督。既婚者であることを隠したまま中村ゆりと結婚式を挙げる新郎役(笑)。





私は最近益々集中力が落ちているので、3時間という長さを知ってしまい、正直なところ、気が重くなったが、
重い腰を上げ、観に行って良かった。

予備知識ほぼ皆無で観たことも有り、展開が読めず、驚きの連続で、物語の世界に引き込まれていった。
まぁ“驚きの連続”とは言っても、そこは岩井俊二監督作品なので、奇を衒った演出があるわけでは無い。
ささやかだけれど、実際には有り得ないような小さな非現実を積み重ね、
最終的に物語にドキュメンタリーのようなリアリティをもたせていると言うか、
もしくは逆に、起こり得そうな小さな現実を積み重ね、全体をファンタジーにしていると言うか…。
現実的でありながら、何とも不可思議な大人の御伽噺を覗いたような気になった。

ミステリーとしては、はっきりとした答えが出ず、モヤモヤもするけれど、
そのモヤモヤ感さえ、御伽噺の味付けになっているように感じる。
結局、鉄也の浮気をでっち上げ、七海を離婚に追い込んだ真犯人は誰なのだろうか?
七海は、いつからハメられていたのだろうか…??
七海から便利屋の料金交渉などをされると決まって
「大丈夫ですよ、だってランバラルの友達だから」と言っていた安室こそが実はランバラル本人で、
もしかして彼が最初から全てを仕掛けていたのでは…?
そう考えると、安室は七海を幸せに導くために数々のイタズラを仕掛けた天使だったように思えてくる。

全員がハマり役と思えるキャストが素晴らしいし、光が美しく、透明感がある映像も良し。
どこか物哀しいお話しなのに、最後にはちょっぴり心が温まり、春風のような清涼感も。
岩井俊二監督作品の中で、これ、一番好きかも。

映画『あやしい彼女』

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【2016年/日本/125min.】
瀬山カツは、娘と孫の3人で東京の下町に暮らす、ちょっぴり口の悪い73歳。
早くに夫を亡くし、女手ひとつで育てた娘・幸恵は、バツイチで、今や人気ファッション誌の編集長。
バンド活動に夢中の孫・翼には甘いおばあちゃんのカツも、幸恵には何かと口うるさい。
ある日、恩着せがましく苦労話ばかりをするカツに、幸恵がついにキレる。
「お母さんが居なくても困らないから。子供のせいにしないで、自分の好きなように生きて。」
さすがにへコみ、家を飛び出したカツは、商店街の片隅の小さな写真館で足をとめる。
ウィンドウに飾られているのは、昔大好きだったオードリー・ヘップバーンの写真。
吸い寄せられるように中に入ると、
店主が、『ローマの休日』のお姫様のようにしてくれると言い、シャッターをきる。
写真館を出て、またいつものようにひと悶着を起こしたカツは、
たまたまバイクのサイドミラーに映った自分の姿を見て、驚愕。
なんと、20歳の頃の姿になっていたのだ…!



数多くのテレビドラマを発表してきた水田伸生監督最新作。
手掛けた映画作品では、『舞妓Haaaan!!!』(2007年)や『謝罪の王様』(2013年)といった
私が苦手なタイプの作品(もっと言ってしまうと、大嫌いな作品)がここ日本でスマッシュヒット。

そんな苦手意識の高い水田伸生監督ではあるが、
今回の作品は元ネタを鑑賞済みだったため、比べるつもりで観ようとは思っていた。



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その“元ネタ”とは、韓国の黃東赫(ファン・ドンヒョク)監督が手掛けた映画『怪しい彼女』(2012年)。
同じプロットを韓国と中国でそれぞれの言語、それぞれの解釈で映画にしましょう!という中韓共同企画で、
中華版は台湾の陳正道(レスト・チェン)監督が手掛け、『20歳よ、もう一度』(2015年)のタイトルで、
韓国版より約一年遅れで発表されている。


日本版の制作を知った時、日本もそのプロジェクトに最初から絡んでいたのか、
はたまた後から乗ったリメイクなのか?とちょっとした疑問が湧いた。
…が、本作品の宣伝では、そこら辺の事をまったくと言ってよいほど触れていない。
公式サイトに申し訳程度に“原作映画『Miss Granny』”と記している程度。
『怪しい彼女』の邦題で、日本で劇場公開され、DVDも出ている作品なのに、
わざわざ英語のタイトルのみで記すって、余程事実を伏せたいワケ…??!
とにかく、日本は最初からプロジェクトに関わっていたのではなく、
韓国版をベースにしたリメイクとして制作された事は分かった。


そんな日本版『あやしい彼女』は、
サービスデー価格で、監督&キャストの舞台挨拶が付くというから、公開初日に鑑賞。

★ 物語

内容は、当然ながら韓国版や中華版と基本的に同じで、
写真館で20歳の頃の姿に戻ってしまった73歳の毒舌おばあさんが、
摩訶不思議な現象に戸惑いながらも、名前を変え、正体を隠したまま、
得意の歌声を生かし、孫のバンドにヴォーカリストとして参加し、孫の夢を後押しすると同時に、
生活に追われるばかりで自分には無かった青春を改めて謳歌しようとする、
ちょっぴり風変わりな青春やり直しファンタジー

★ 日中韓の共通点や相違点

日本版は、韓国版や中華版と重なる部分も有れば、小さな相違点も多々有り。
ここには、目立った物をいくつか列挙。


おばあさんの娘時代
韓国版と中華版のおばあさんは元々はお嬢様だったが、
結婚した夫が急逝したため、若くしてシングルマザーとなり、苦労したという設定だが、
日本版のおばあさんは戦災孤児で子供の頃から苦労が絶えない。


おばあさんの舎弟
物語には、おばあさんにずーっと片想いし続けるおじいさんが登場。
このおじいさん、韓国版・中華版では、その昔お嬢様だったおばあさんの家に仕えていた元使用人という設定。
日本版では、おじいさんもおばあさんと同じように戦災孤児。
二人に間に主従関係は無く、苦しい時を共に支え合ってきた幼馴染み。


おばあさんの夫
韓国版でも中華版でも、おばあさんの夫は、何らかの歴史的事実の中で死亡している。
韓国版では、おばあさんの夫は、1963年頃、ドイツの炭鉱に出稼ぎにいき死亡。
中華版は、中国というお国柄上、作中近代史をボカし、“ご想像にお任せします”という感じだが、
おばあさんが若かった当時、反右派闘争なり文化大革命なり、死に追い遣られる理由は事欠かない。
対して日本版のおばあさんの夫は、万博の頃亡くなった模様。
“東大卒のヤワなインテリ”だったらしいので、病死ではないだろうか。
中韓と違い、日本の60~70年年代は高度成長期。
出稼ぎ、戦争、革命(…!)などを死因にするには無理が有り過ぎるので、病死は無難でも妥当。


おばあさんの子供
韓国版・中華版に登場するおばあさんのたった一人の子供は男性。
女手一つで必死に育て、大学教授にまでなった自慢の息子。
日本版のおばあさんの子供も一人っ子ではあるが女性で、雑誌の編集者。
苦労して教育を受けさせ、立派な職に就いた子供が自慢であることは同じ。


おばあさんの現在の家族
韓国版・中華版のおばあさんは、息子の一家と同居で、嫁姑関係は険悪。
息子の妻は、口うるさい姑に大変なストレスを感じている。
強がっているおばあさん自身も、息子が自分を老人ホームに入れようと考えていることを知り、気落ちする。
日本版のおばあさんは、3年で結婚生活が破綻し、出戻って来た娘とその息子の3人で、
東京の下町・台東区で同居。
日本も親と同居する夫婦はまだ結構居るし、嫁姑問題も定番なので、そのままの設定も使えたとは思うけれど、
出戻り娘との同居の方が、もはやより一般的?
あと、日本版のおばあさんは親を知らずに育った分、娘との距離の取り方がやや下手で、過干渉気味。
娘はそんなおばあさんを負担に感じ、「子供のせいにしないで、自分の好きなように生きて」と言い放つ。
日本版では、そういう親子関係に重点を置いて描きたかったのかも知れない。


おばあさんのアイドル
韓国版でいきなり若返ったおばあさんは、かつて憧れていたオードリー・ヘップバーンの髪型を真似、
名前もオードリー・ヘップバーンを彷彿させる“オ・ドゥリ”に改名。
中華版のおばあさんは、香港女優・尤敏(ユーミン)の髪型を真似、
名前は麗君(テレサ・テン)と同じ“孟麗君(テレサ・モン)”に。
日本版のおばあさんのアイドルは韓国版と同じオードリー・ヘップバーンで、“大鳥節子”を名乗るようになる。
“大鳥”は分かるけれど、じゃぁ“節子”は?原節子?そこら辺の説明は無かった。



その他
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韓国版・中華版で、おばあさんの必須アイテムとして頻繁に登場する日傘は、日本版では使われていない。
韓国版・中華版では、おばあさんがおじいさんの家に持っていく手土産は桃だが、日本版では林檎。
日本の桃も美味しいのにねぇ~。撮影の時期が桃のシーズンじゃなかったのかしら。

★ キャスト その①:主人公

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二人一役の主人公に扮するのは、20歳に戻り、大島節子と名乗る瀬山カツに多部未華子
変身前のありのままの73歳、瀬山カツに倍賞美津子

韓国版では、沈恩敬(シム・ウンギョン)+羅文姬(ナ・ムニ)、
華版では、楊子姍(ヤン・ズーシャン)+歸亞蕾(グァ・アーレイ)がそれぞれ演じる。


多部ちゃん、キュート。日中韓の主演女優の中で一番可愛い。
ただ、歌唱力では、中華版の楊子姍が一番。多部ちゃんは、言われているほどでも…。
作品前半、初めて歌う老人歌唱コンテストのシーンでも、
金井克子扮するライバル老女・相原みどりの方が、明らかに上手かった。
金井克子健在!さすがは“腐っても金井克子”!もう70歳で、あれだけのスタイルを保っているのもスゴイ。
欲を言うならば、あのシーンでは、やはり<他人の関係>を歌って欲しかった。パッパパラッパ♪

倍賞美津子は出演を知り、役のスタイリングを初めて見た時、
“くるくるパーマがまるで韓国の田舎のおばあさん”、“没落しても日本の令嬢でこれはない”と失望。
しかし、実際に映画を観たら、日本版では元お嬢様という設定ではなかったので、
「だったりこれもアリか…」と少しは納得。
でもねぇ、やはり韓国版を意識し過ぎた感じで、あまり日本のおばあさんぽくないかも。
商店街を踊りながら散策する最初の登場シーンから、演技も作り込み過ぎていて、見ていて疲れる…。
普段の倍賞美津子は好きだけれど、今回は水田伸生監督の作風に合わせたのか、私好みではなかった。
おばあさん役は、そこはかとなく元令嬢の気品が漂う中華版の歸亞蕾が私のベスト。

あと、おばあさん憧れのアイドルも、韓国版と同じオードリー・ヘップバーンにせず、
中華版のように、日本独自のアイドルを出してきても良かったように思う。

★ キャスト その②:おばあさんの子供

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カツの娘・瀬山幸恵を演じるのは小林聡美
韓国版・中華版は娘ではなく息子で、それぞれ成東日(ソン・ドンイル)、趙立新(チャオ・リーシン)が演じる。

小林聡美は、本作品の中で、唯一演技も存在もナチュラルな出演者で、最も良かった。
他の人は作り込み過ぎ。小林聡美が出てくるとホッとした。

★ キャスト その③:おばあさんの孫

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カツの孫で幸恵の息子・瀬山翼に扮するのは北村匠海
韓国版では振永(ジニョン)、中華版では鹿(ルー・ハン/ルハン)が演じる。

韓国版の振永は、典型的なK-Popアイドル顔で、まったく私の好みに合わない。
中華版の鹿も別に好みではないけれど、可愛らしいお顔からキラキラのオーラを放ち、
さすがはトップアイドルと納得させられた。中華版は、鹿のアイドル映画としても、立派に成立しているのだ。
日本版の北村匠海は、さほど期待せずに見たら、
“バンド活動に夢中なティーン”の雰囲気がよく出ていて、とても良かった。

★ キャスト その④:音楽プロデューサー

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節子(カツ)をスカウトする音楽プロデューサー小林拓人を演じるのは要潤
韓国版では李陣郁(イ・ジヌク)、中華版では陳柏霖(チェン・ボーリン)が演じている役。

この役は、日中韓で私のベストは、迷うことなく中華版の陳柏霖。…私は元々陳柏霖贔屓なので。
この時の陳柏霖は、髪型はビミョーなのだけれど(苦笑)、それでもカッコよかった。
陳柏霖を贔屓し過ぎて、韓国版が霞んだが、本当は李陣郁も充分素敵。
日本版の要潤も悪くない。中韓より、コメディ色を打ち出しているようにも感じる。
役名が小林拓人なのは、本作品で音楽を監修している小林武史を少し意識して命名?

★ キャスト その⑤:おじいさん

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若い頃から一途にカツを慕い続けるおじいさん中田次郎に志賀廣太郎
この役は、韓国版では朴仁煥(パク・イナン)、中華版では王順(ワン・ダーシュン)。

モデルもこなす個性派&肉体派の王順がおじいさんを演じる中華版だけやや異色のキャスティングで、
韓国版と日本版は、正統派の“冴えないジィ様”を起用。
志賀廣太郎、イイ味出してます!一般的に俳優って、売れると垢抜けちゃうものだけれど、
ずっと頑なにスカスカのバーコード・ヘアを死守する志賀廣太郎には、畏敬の念さえ湧いてくる。
こういう“普通”が演じられる俳優は、絶対に必要。あの寒々しい頭頂部を見ているだけでも、郷愁に駆られる。
バカボンのパパみたいなチジミのシャツ&ステテコも、まるで皮膚のように馴染んでおりました。

★ キャスト その⑥:オマケ

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韓国版では、最後におじいさんまで不思議な写真館に行き、20歳に若返る。
そして、その20歳のおじいさん役で、金秀賢(キム・スヒョン)がカメオ出演するというサービスシーンが有る。
中華版にはこのサプライズが無い。
中華版は、孫に扮する鹿が、作中唯一無二のアイドル位置だから、他の若手は不要なのかも知れない。
日本版にはサプライズ有る?無し?どうなのだろうと思ったら、ハイ、有りました。
日本版で若返ったおじいさんとして登場するのは、野村周平であった。
野村周平は、中国人のクオーターで中国語も喋るというし、
こういう国を跨いだ企画モノへの出演を足掛かりに、アジア進出頑張るかもね。
ディーン・フジオカ同様、所属事務所アミューズが、中国語要員として、中華圏進出の駒にしそう。





水田伸生監督作品は、やはりあまり得意ではないかも。
まったくタイプの異なる作品を並べて比較するのもナンだけれど、
最近観た邦画だったら、『リップヴァンウィンクルの花嫁』の方が私の波長にずっと合う。
これは、私個人の好みの問題だから、仕方がない。
『あやしい彼女』の方は、俳優の演技が、文字通り“芝居掛かっている”し、
演出にも、いかにも“狙った”と感じられるアザトさが見えてならない。
こういうのは、テレビで観るなら良くても、映画館のスクリーンで観るなら「違う…」と感じてしまう。
但し、本作品は韓国版・中華版と比較しながら観るという楽しみが有ったので、
まったく飽きることなく、あっと言う間の2時間であった。

そもそもこの手の娯楽作品が好みではないので、日中韓、どれも「大好き!」とは言えないけれど、
強いて選ぶなら、私のベストは中華版。
中華版だけ、演出にさり気ない余白が残されているから。
陳正道監督は、娯楽作を撮らせても、やはり上手いと感じる。
韓国版と日本版は、台詞など言葉による説明が過多で、全体的にクドイ。
皆さまのお気に召したのは、日中韓のどれですか?



ちなみに、初日舞台挨拶に登壇したのは、水田伸生監督、多部未華子、倍賞美津子、小林聡美、
要潤、北村匠海、志賀廣太郎の計7名で、司会進行役は日テレの藤井恒久アナであった。

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この中では、小林聡美だけ、以前伊勢丹の文房具売り場で目撃したことがある。あとは多分お初。
童顔で若く見える多部ちゃんだけれど、黒い服を着てベージュのハイヒールを履いていると、
年相応の27歳という雰囲気。
アゴが小さ過ぎて、本来4本有るべき下の歯の犬歯と犬歯の間に、3本しか歯が無いのだと。
機材が作動しなかったり、話のまとまりが悪かったりと、全体的にはグダグダの舞台挨拶だったけれど(笑)、
「41歳で父と死別し、機会はあったのに、私のせいでずっと再婚しなかった母に対し、
女性として幸せだっただろうかと、後ろめたさを感じる」という水田伸生監督の話には、ジーンと来た…。
ただねぇ、今回も「SNSで広めて下さい」と言いつつ、写真撮影を禁止にしていたが、
本当にSNSの宣伝効果を信じているのなら、写真はOKにするべきでは?
今の時代、こういうイベントで撮影を禁じているのなんて、もはや日本くらい。
なんでも世界に追随すれば良いというものではないが、
この場合は禁止にするメリットよりデメリットの方が大きく、今どき馬鹿げていると感じる。



中華版の『20歳よ、もう一度』については、こちらから。

桜餅2016:その②~関東風を4種(+愛ちゃんオマエもか!)

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ほぼ日課の中華芸能チェック、本日に限り、芸能ニュースより、
卓球の福原愛ちゃんの恋愛報道ばかりを追ってしまった。

お相手は、台湾の卓球選手・江宏傑(ジャン・ホンジエ)、27歳。
1989年2月22日生まれとのことなので、1988年11月1日生まれの愛ちゃんとは、
日本風の言い方をすると同学年で、正確には愛ちゃんの方が3~4ヶ月年上。
身長は、155センチと小柄な愛ちゃんがグイッと見上げる180センチと、女子憧れの身長差20センチ超え。
数年前、錦織圭との交際報道が出た時に、愛ちゃんは結構面食い(少なくともブ男は好まない)と踏んだが、
「やっぱりね」である。江宏傑クン、なかなか爽やかな好青年ではないか。

<週刊文春>にスッパ抜かれた後、愛ちゃん自身がブログで交際を公表したように、
江宏傑クンも台湾でボチボチ取材に応じている模様。
愛ちゃん面食いだし、有名人だし、常に勝負し続けているアスリートだし、実は案外ハンター気質の肉食系で、
愛ちゃんからグイグイ押して交際に漕ぎ着けたのかと思い込んでいたら、どうやら違うという。
国際試合で愛ちゃんと知り合い、交流するようになった江宏傑クンは、二人には共通の話題が多い上、
お互い家で過ごすのが好き等、性格が似ている事に気付き、愛ちゃんに対する愛情が芽生え、
ある時勇気を奮い起こし、アタックを開始。
愛ちゃんを追い続けること4ヶ月、去年の春には、自然に交際が始まったという。
江宏傑クンも愛ちゃん同様、「今はオリンピックの事だけ」と言いつつも、
「結婚前提の交際。結婚については、オリンピックの後にまた」とも語ったとか。

あの小さかった泣きべそ愛ちゃんまでが、未だ独身の私を差し置き、お嫁に行ってしまうとは…!
愛ちゃん、オマエもか!とボヤきながらも、心より祝福させていただきます。
(まだ先の話になるし、余計なお世話だが、愛ちゃん、結婚後はどこで暮らすのだろう。
私は台湾ドラマを観過ぎているせいか、
“台湾人男性との結婚生活には、絶対的存在のお姑サマが漏れなく付いてくる”というイメージが強い。
江宏傑クンは3人兄弟の長男とのことなので、愛ちゃんも台湾で義父母と同居か…?!)

ちなみに、江宏傑クンは日本語を喋れないが、江宏傑クンのパパは日系企業に勤め、日本語も喋るらしい。
とにかく、愛ちゃんが中国語ペラペラなので、言葉の壁はナシ。
普段はLINEで毎日連絡を取り合い、休暇には日本か台湾でおデート。
お互いを“江(ジャン)君”、“小愛(シャオアイ)”と呼び合っているという。お幸せに~♪





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ところで、3月下旬、当ブログに関西風桜餅3種について記して以降、
関東風桜餅については、放置されたままだったのが、少々気になっていた。
東京は今日強い雨が降ったので、今年の桜は、恐らく昨日がもう見納めだったに違いない。
そこで、去りゆく桜の季節を惜しみつつ、今回はお江戸風桜餅ばかりをドーンと4種、いっちゃいます。

★ 紀の国屋:桜餅

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大きさは、幅約6センチ。
薄く焼いた生地でこし餡をはさみ、塩漬けした桜葉を上下に2枚添えた桜餅。




ひとつめは、紀の国屋(公式サイト)“桜餅”
“おこじゅ”や“相国最中”、“あわ大福”といった素朴な和菓子で有名なお店の桜餅。

桜餅本体がすっぽり隠れる大きな桜葉が印象的。
その桜葉は、大きいけれど柔らかで、塩分も適度。
生地はしっとり。

葉っぱが大きいせいか、桜餅本体が小さく見えてしまうのだけれど、
実は餡子が結構たっぷりで、案外食べ応えがある。

★ 鎌倉五郎本店:ひとひら桜餅

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大きさは、幅約9センチ。
薄い生地でこし餡をくるみ、塩漬けした桜葉と桜の花を添えた桜餅。




続いて、鎌倉五郎本店(公式サイト)“ひとひら桜餅”
ここのは、食べるの初めて。

白玉粉をベースにしているとのことなので、薄くてもモッチリした生地を想像したが、
いざ口にしたら、シットリ感に欠け、特に端の方など乾燥して固くなってしまっている。

見た目は綺麗だが、うーン、ちょっと期待外れ…。
出来立てを食べたら、違う印象だったかも。残念。

★ 虎屋:さくら餅

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大きさは、幅約5センチ。
中に求肥を隠したこし餡を生地で四角く包んだ上に、桜の花を飾り、
塩漬けした大きな桜葉2枚で上下からはさんだ桜餅。




3ツめは、虎屋0422-22-2083)の“さくら餅”
虎屋といっても、羊羹で有名なかのとらやではなく、吉祥寺にひっそり佇む小さな和菓子屋さんの虎屋。

ここのは、中に求肥を入れているのが特徴的。
その求肥はトロリ。生地はふんわりシットリ。餡は藤色の上品なこし餡。

どうせあの羊羹のとらや様のじゃないんでしょ?!などと侮ってはいけない。
これ、本当に美味しいと思う。
ハッキリ言って、あのとらやの下手な上生菓子より、吉祥寺虎屋のこの桜餅の方が、はるかに美味。

★ 青柳正家:さくら餅

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大きさは、幅約5センチ。
こし餡を生地でふくさのように四角く包み、さらに塩漬けした2枚の桜葉でくるんだ桜餅。




最後は、青柳正家(公式サイト)“さくら餅”
菊の形の“菊最中”などで有名な向島の和菓子屋さんが、この時期にだけ出している桜餅。

決して大きいとは言い難い桜餅に対し、大きな桜葉が贅沢な2枚使い。
箱を開けた途端、桜の良い香りがふぅ~っと漂う。
小麦粉、羽二重粉、蓮粉などを混ぜて作る生地は、とにかくシットリ柔らかな質感。
餡は、看板商品“菊最中”に使われているのと同じような綺麗な藤色のこし餡。

東京生まれの東京育ちでありながら、桜餅はずーーーっと関西風を好んでいた私を、
関東風贔屓にコロッと変えた桜餅。
求肥は入っていないが、前出の虎屋の桜餅と似たタイプで、これも実に美味。
私は、ここ数年、これと虎屋のが、お江戸の桜餅最高峰と信じて疑わない。
この2ツを超える関東風桜餅があるなら是非ぜひ知りたい、試したい。



参照:道明寺を使った関西風桜餅についてはこちらから桜餅2016:その①~関西風を3種
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