今回の旅の一番の目的だった台中Rクラブの創立記念式典へ。
場所は、
全國飯店 Hotel Nationalの地下1階ボールルーム・國際廳。

我々が宿泊していた台中亞緻大飯店からは、徒歩で5分程度の近場。
自分たちでも迷わず辿り着ける場所だが、台湾の皆さまは大変親切で
式典準備で忙しい中、「この附近の緑地帯・草悟道を一緒にブラブラしながら参りましょう」と
またまた大勢でお迎えに来て下さった。
12月の夕刻でも温かで、…かと言って、この時刻はもう暑過ぎないので、
散歩が気持ち良い。

街中なのに、人を恐れず、リスが走り回っているのには、びっくり。
間も無くして到着した全國大飯店は、開業当時こそ台中一の高級ホテルだったようだが
客室などの写真を見ると、さすがにもう老朽化が隠せない様子だったので、宿泊する気はさらさら無かった。
でも、実際に見ると、(客室は知らないが、公共の場に限って言えば)きちんとメンテナンスされている。
こじんまりしたロビーは、ヨーロッパの老舗ホテルの趣きでシック。
早速式典会場のある地下階に下り、受け付けで来賓用の蘭のコサージュを付けられ
扉の中を覗くと、30卓ほどが並んだ会場には、すでに大勢の人々が入っていて、賑わっている。
もっと小規模な式典を想像していたので、若干圧倒された。
しかも、我々は、出席者全員が着席した後に
来賓として名前を呼び上げられ、会場後方の扉から、ライトと人々の注目を浴びながら、行進して入場。
私、結婚したこと無いから、こういう入場ってしたこと無いし…。
この先結婚披露宴をやる機会が訪れたとしても、ここまでの派手婚はやらないと思うワ。

★ 創立記念式典
式典は、会長の開会の合図、
各来賓の挨拶、本年度の活動や寄付金の報告と、厳粛なムードで進行。
北京語ではなく、ほぼ全て台語で進行していくので、まったく分からないが、日本の式典と変わらない。
そんな事がひと通り終わると、余興タイムに突入するという想定外の流れに。
Rクラブ会員の中で有志者が集まる同好会のような物が多数存在するらしく

しかし、何と言ってもメインは
カラオケ大会…!

いつの間にかステージ上に
プチ・ミラーボールが運ばれ(…!)

ステージのソデには、立派なカラオケ機材と、曲の準備をするカラオケ要員が常駐(…!!)。
「昔はスモークまで炊いて、玉姫殿の披露宴みたいだったけれど、随分落ち着いたなぁ~」と遠い目になる父。
そうなんだ、これでも落ち着いたんだ(笑)。 日本人にとっては、充分カルチャーショックを感じられる光景。
選曲は、毎度の事なのか、日本人ゲストに気を遣ってのことなのか分からないが
中文歌詞ではあっても、麗君(テレサ・テン)や翁倩玉(ジュディ・オング)といった
日本でも馴染みの有る歌手の古い歌が多かった。
日本語を結構お話になる御老公が、聴いたことの無い
日本語の歌も歌ってくれた。

「何て曲ですか?」と尋ねたら、「えっ、知らない? 北島三郎の新曲だよ」だって。
日本人も知らないサブちゃんの新曲を御存知とは…!
そんな式典で一番の盛り上がりを見せたのは、
韓国PSYを真似た<江南Style>ダンス披露。

名誉か不名誉か(?)“台湾版SPY”と呼ばれる程PSYに似ていてる本年度副会長を中心に有志者が集まり
歌舞団を結成し、この日のために、
日夜練習に励んできたという。

一体どこで入手したのか、スパンコールが眩い揃いのジャケットまでお召しになり、息の合ったダンスを披露。
前半は男性だけだったのだが、途中から、赤いスパンコールのミニのボディコン姿で、御夫人方も乱入。

一般的に日本の女性は、夫の仕事など家庭外での活動に付き合わされるのを面倒くさがる傾向が有るし
ましてや「君も今度の式典でボディコン着て踊って」なんて頼まれた日には、離縁だって切り出しかねない(笑)。
だが、台湾の御夫人方には、無理矢理付き合わされているという感じが無い。 むしろ望んで参加している様子。
お国柄ですワ。 このダンス発表会に、台湾の夫唱婦随の形を見た。
★ 宴の食
お食事は、式典の間中、途切れることなく次から次へと出てきたのだが、 ほとんど写真に残していない。
一応この晩のメニューを挙げておくと…
叉燒酥・燒餅
精緻大拼盤
各客粉絲蒸蝦
蘭元炒雙脆
古法佛跳牆
幼蟹糯米糕
蜜汁雙方
清蒸麒麟淡水鱸
山薬燉蛤蜊田雞
木耳蓮子甜湯
合時水果盤
このホテルの中華も、
非常にレベルが高い。 特に印象に残っているのは…


…ノド越しの良い春雨にも、海鮮の旨みがしっかり染み込んで美味。

…お米の炊き加減と味付けが絶妙。

…甘く味付けされた中華ハムも美味しいのだが、サクッとした歯応えの揚げ湯葉も、地味だが不可欠な存在。

何が“古法”で普通の佛跳牆と違うのか分からないが、濃厚な味わい。
どれも美味しかった~♪
勿論この時も式典の間中、他の人と目が合っては「乾杯!」、名を呼ばれては「乾杯!」、
テーブルに挨拶回りに来ては「乾杯!」と、
乾杯攻勢。 下戸の私は水で応対。

式典は約3時間でお開きとなり (はっきり閉会を知らせる事もなく、なんとなぁーくズラかるのが台湾流)、
その後は、二次会。 我々が宿泊するホテルの上階にある小さな宴会場を押さえてあり
カラオケ大会を催すという。 さすがに私は遠慮させていただいたが
式典だけでももう十二分に異国情緒を満喫させていただけました。
恐らく台湾の結婚披露宴って、これに近い雰囲気なのではないだろうか。
文化の差を感じられて楽しいので、日本の皆さま、機会があれば、出席されてみては。