昨年、第25回東京国際映画祭に出品された
酒井充子監督のドキュメンタリー作品、

『空を拓く~建築家・郭茂林という男』が、本日2013年2月2日よりユーロスペースで一般公開。
公開初日の今日は、上映前に酒井充子監督の舞台挨拶、上映終了後にQ&Aを実施。
なのに、その事は、twitterでチラッと呟かれただけで、作品の公式サイトにも、facebookにも
ユーロスペースのサイトにも記載されていない。
地味な作品なのに、それ程度の簡単な告知も怠り、集客大丈夫なの?!と、他人事ながら心配になったが
なんの、なんの、会場は満員御礼。 145席という小さなスクリーンではあるが、立ち見も出るほどの盛況ぶり。
劇場内を見渡したところ、観客の年齢層は、
郭茂林が手掛けた高層建築並みに(?)高い。

決して若くはない私が、自分を小娘と感じる程、高齢者が大半を占めている。
作品の中にも登場する、郭茂林の御子息・郭純氏もいらしたし
宣伝なんかしなくても、初日は、郭茂林のかつての仕事関係者や台湾関係の人々が
わんさか押し寄せたのかも知れない。
一見して私より何十歳も高齢という方が、立ち見をしているので、心苦しかったが
その反面、映画上映中、そういう高齢者の
携帯が鳴ったり、ましてやその電話に出て喋り出されたのには

カチンと来た。 おじい様、おばあ様、映画館で電話に応対してはなりません。 それが今どきのマナーです。
★ 酒井充子監督Q&A
酒井充子監督は、上映開始前にチラッと登壇し
「お客さんが来て下さるか心配だったけれど、145席の劇場が満席になり嬉しい」と御挨拶。
そして、まるで劇場スタッフのように、立ち見の人を、前方の空いている席に誘導までしておられた。
上映終了後には、Q&A。
次の回の上映開始が迫っているので、Q&Aなんかしている時間が有るのかと、疑問に思ったら
案の定、受け付ける質問は2問だけだという。 なのに、誰も挙手しないし…。
仕方なく、酒井充子監督が、「今日は立ち見も出るほど大勢の方にお集まりいただき
館内の温度も上がってしまって…」などと話していると、ようやくひとりの男性が挙手。

この映画を作るにあたっての苦労、印象深かった事などが有ったら、教えて下さい。

90歳の郭茂林さんの最後の台湾旅行に同行させていただきましたが
郭茂林さんは、歯が悪く、台湾でもいきなり歯医者さんに寄ったりなさるんです。
時間が限られているのに、よりによって歯医者かよ?!と思いました。
日本に帰ってからは、体調を崩されたので、やりくりが難しく、そういう点が苦労でした。
時間がタイトな旅先でフラッと歯医者とは、師匠マイペース。![]()

作中、台北の街中で、歯医者の看板を見ながら、息子さんに何やら言っていた理由は、それだったのか。
時間の関係で、質問は結局ひとつだけになってしまった。
私は用が有ったので、すぐにその場をあとにしてしまったが
酒井充子監督はホールに残り、観客の質問に答えてくれるという。
どなたか興味深い質問をされた方、いらしゃいますでしょうか。
作品の詳細については、また後日。 大抵の日本人が知らない(少なくとも私は知らなかった)
日本と台湾の関わりを教えてくれるドキュメンタリー作品なので、ちょっとでも台湾に興味の有る人、
また日本の近代建築に興味の有る人にもお薦め。
今のところ、渋谷のユーロスペースで、毎日一回のみ、モーニングショーで上映。
より多くの人々が、劇場に足を運び、本作品を観てくれますように。
(台湾を題材にした良質なドキュメンタリーを地道に撮り続けている酒井充子監督を、蔭ながら応援。)