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映画『楊家将~烈士七人兄弟の伝説』

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【2013年/中国・香港/102min.】
北宋初年。北から侵攻してくる耶律原率いる遼國軍を討つ命を受けた将軍・楊業が出陣。
これまで数々の大功を立ててきた名将・楊業であったが
見方であるはずの潘仁美の裏切りにあい、孤立無援に。
父の窮境を知った楊家の7人の息子たちは、必ず父を連れて帰ると母に誓い、戦場へ向かう。
ところが、これは息子たちを誘き寄せ、楊家の人間を一網打尽にしようと目論む耶律原の策略であった…。
 
 
歴史小説<楊家将>を、ハリウッドでも活躍する香港の于仁泰(ロニー・ユー)監督が映画化。
これまでに何度も映像化された有名な物語であるが
私は原作小説を読んだことも無ければ、映像化された作品を観たことも無い。
なにせ<三国志>すら『レッドクリフ』の予習で読み始めるまで手付かずだったのだから
<楊家将>などなおのこと。で、なんの予備知識も無いまま鑑賞。
 
 
時代は北宋(960年-1127年)初期。
遼國の侵攻を阻止すべく、名将・楊業が出陣するも
敵はおろか、見方であるはずの潘仁美からも逆恨みされ、窮地に陥る。
これを知った楊業の7人の息子たちが、必ず父を連れ帰ると母に約束し、危険を顧みず戦場へ向かい
過酷な運命に翻弄される姿を描く楊家7人の孝行息子パパ救出大作戦!が本作品。
 
敵・遼國の指揮官・耶律原は、かつて楊業に父親を殺され、その悲しみから母親も亡くなってしまったため
楊家に対し並々ならぬ怨恨を抱いている。
そうとも知らずに、父・楊業を助けたい一心で戦場に向かってしまう楊家の7人の御子息たち…。
これでは敵の思う壺。7人に苦戦が強いられるこの先の展開は、私にも容易に想像がつき、ドキドキ…。
 
ひとつ気になるのは、楊業の妻で、7人の母である余太君が受け取った
「七子去 六子回(7人の息子が行き、6人が戻る)と書かれた予言めいたメッセージ。
このメッセージがずっと頭にあったため、ひとりの息子が命を落とした時点で
「あとの6人は無事帰れる、ふぅ~」とホッとしたのも束の間、
他の兄弟たちもバタバタと非業の最期を遂げてしまうではないか…!
じゃぁ、あの予言は一体何だったのか…?!あの一文からは、何か裏の意味が取れるの??
 
 
 
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                                                        (クリックで拡大) 
出演は、長男・楊延平/楊大郎に鄭伊健(イーキン・チェン)、次男・楊延定/楊二郎に于波(ユー・ボー)、
三男・楊延安/楊三郎に周渝民(ヴィック・チョウ)、四男・楊延輝/楊四郎に李晨(リー・チェン)、
五男・楊延/楊五郎に林峯(レイモンド・ラム)、六男・楊延昭/楊六郎に吳尊(ウーズン)、
七男・楊延嗣/楊七郎に付辛博(フー・シンボー)、そして敵対する遼國の耶律原に邵兵(シャオ・ピン)
 
本作品の見所のひとつは
両岸三地、中香台(正確には+ブルネイ)から召集した男前たちが扮する7兄弟であろう。
これまで<楊家将>に無関心だった女性たちの足を劇場に向かわせた功績は大きい。
カワイイ系(末っ子)から素朴なおっさん系(次男)までタイプの異なる男前が7人も揃えば
誰かしら自分のお気に入りが見付かるというものだ。
そういうところ、大陸人気ドラマ『宮廷女官 若曦(ジャクギ)~步步驚心』の楽しみ方に通じる。
だったら、日本語字幕での役名も『宮廷女官 若曦』方式に、上から順に、大郎、二郎、三郎…と
番号制にした方が、<楊家将>に暗い女性にも、兄弟の年齢の序列が分かり易く
しかも、後でお友達とお喋りする時に、「私のお気に入りは③番」、「あら、私は⑦番ヨ」と
御贔屓のメンズの御指名がし易かったかもね。
 
今回、この7人の中では、日本では、①鄭伊健、③周渝民、⑥吳尊に人気が集中すると推測。
ドラマ『花より男子~流星花園』でデビューして以来
ずっと弟キャラのイメージが強かった仔仔(=周渝民)が、上から3番目のお兄ちゃんを演じるとは。
口数少なく、ヒゲを生やした三郎は、精悍でオトナっぽくて、確かに素敵♪
私は基本的にオトナの男が好きなので、この仔仔と、長男・大郎に扮する鄭伊健が、特にお気に召した。
40代も半ばを過ぎると、かつての古惑仔もノーブルになるものだ。
 
 
逆に、下から2番目の弟に扮する吳尊は、いつもより頼りない雰囲気だなぁ~と思っていたら
最後にちゃんと見せ場が用意されていた。
そうそう、肉体派の吳尊と、末っ子役で実際にも一番若い付辛博には、お肌をさらすサービスショットもあり。
(個人的には、無闇に肌をさらす男優には最近ゲンナリしているので、不要なシーンに思えたが…。)
裸体の吳尊で私が気になったのは、鍛え上げられた胸筋でも、バリバリに割れたシックスパックでもなく…
 
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右腕のタトゥがきれいさっぱり消滅しているではないか。一応メイクで消したということになっているけれど
メイクだけで、ここまできれいに消せるとは思えない。最終的には、やはりCGで処理しているのであろう。
CGは、手間もお金もかかるから、俳優やるなら、最初からタトゥなんて入れないに越したこと無い。
だいたい中華圏の若手俳優のタトゥ率は高過ぎる。
“タトゥ”なんて言えば聞こえも良いが、ハッキリ言って“刺青”ですから。
吳尊のキャラに合わないワイルドなタトゥにも、常々ドン引きさせられていた。やはり無い方がずっと良い。
 
 
7兄弟以外では、敵・耶律原に扮する邵兵がとても印象的。
だって、加藤雅也Vシネ男優にしか見えない安っぽさ、回想シーンではまるで孫悟空なのだもの。
 
 
 
 
 
ラスト、国に戻った時、ママの髪が真っ白になっていてビックリ。
 
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出陣から帰還までに一体どれだけの月日が流れていたのか。
それとも、マリーアントワネットのように、心労や恐怖から一夜にして白髪に…?
それともそれとも、于仁泰監督の過去の作品『白髪魔女伝2』に自らオマージュを捧げたとか?
 
とにかく、“まぁまぁ”くらいの平凡な作品であった。特別好みのタイプではなく、傑作とも感じなかったけれど
100分ちょっとでザッと<楊家将>について知ることが出来る“ダイジェスト版<楊家将>”として
<楊家将>初心者の私にはそれなりに有益であった。
地声をよく知る俳優たちの吹き替えられた声には、最後まで馴染めなかった。
 
会場は、男前目当ての女性ばかりかと思いきや、結構男性客が多い。原作小説のファンなのであろう。
私の近くで鑑賞していたサラリーマン風の男性(推定35歳)からは、作品終盤、ずーっと嗚咽が漏れていた。
確かに父を想う息子たちには感動させられるけれど、私はむせび泣くまでには至らなかった。

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