武則天が天下を治める唐代の中国。小役人の孟元は、腹を空かせた罪人に情けをかけ、食事を与えたことを罪に問われ、二人の娘、孟凡、孟芙の目の前で処刑される。孟凡と孟芙も危うく処刑されそうになるが、美しい姉妹は宮廷からやって来た使いの目に留まり、入宮することを条件に、命を救われ、戸惑いながらも、約束通り、宮女として働き始める。宮廷では、高齢の武則天が、しばし妄想に憑りつかれ、残虐な殺害を命じることも。皆恐怖に怯えながらも、水面下では、武則天亡き後の後継者争いの火蓋がすでに切られていた…。
2015年3月、LaLaTVで始まった
大陸ドラマ『謀り(たばかり)の後宮~唐宮燕』。

試しに観始めたものの、女優のメイクは悪趣味だし、イケメン不在だし、
とにかくヴィジュアル的に引かれるものが、まるで無い。
しかし、ちょうど
外山軍冶の<則天武后~女性と権力>を読んだばかりで

本とドラマの内容が重なっていたので、ズルズルと視聴を続け、
約一ヶ月後の本日4月1日に放送された最終回まで、全46話をまさかの完走。
“いつでも捨て態勢”だったのに、ゴールするなんて、自分でも意外。
★ 概要
本作品は、大陸の大手映画ドラマ制作会社・拉風娛樂が手掛けたドラマ。
拉風娛樂のドラマは、ここ日本にあまり入ってきていないように思う。
日本でそこそこに知られている拉風娛樂制作ドラマは、『王の後宮~後宮』くらい?
似たような邦題が氾濫していて紛らわしいが、
『王の後宮』は安以軒(アン・アン)や馮紹峰(ウィリアム・フォン)が出演しているドラマ。
私は一部しか観ていないので、拉風娛樂テイストがどういうものか不明。

私も大好きな台湾男優、張孝全(ジョセフ・チャン改めチャン・シャオチュアン)と紛らわしい一字違い。
名前は似ていても、監督の方はもっとずっとオジさん。
監督名の片仮名表記は、日本版DVD販売元エスピーオーの表記に一応従ったが、
ハッキリいって、“正 Zhēng”を“ション”と読ませようとする感覚は、私には理解できない。
とにかく、張孝正は、武侠ドラマや歴史ドラマを多く手掛けている監督で
代表作は『白髪魔女伝 美しき復讐鬼~白髮魔女』。
★ 物語
唐代の中国。
生き延びるための選択で宮女となった姉妹、姉・孟凡と妹・孟芙が、
いつしか皇帝の座を巡る権力争いに巻き込まれ、唯一無二の肉親でありながら対立する立場となり、
各々が信じた主の下で、自分の運命や時代を変えていこうとする姿を描く歴史フィクション。
まず、軽く時代をおさらい。
ドラマの幕開けは、まだ、中国史上唯一の女帝・武則天(624-750)が天下を治めている時代。
武則天は、唐朝第3代皇帝・高宗(628-683)の妻で、夫の死後、皇位についた実子たちを廃し、自ら皇帝となり、
国号も“唐”から“周/武周”と改め、新王朝の始祖に。
武周は武則天が死ぬまで15年続き、
その後は、かつて一度は皇位から引き下ろされた中宗・李顯が再び皇帝の座に返り咲き、
国号も“武周”から“唐”に戻される。
本ドラマは、武則天の晩年から始まるので、正確には、ドラマ冒頭の時代背景は“武周”であり、
その後、復興した“唐”へと流れていく。
復興した唐朝で、取り敢えず皇帝に座についたのは、前述のように中宗・李顯であるが
おとなしい中宗を巧く操っているのは、中宗の皇后・韋氏。
中宗の在位中から、すでに次の皇帝の座を巡る水面下での争いは始まっており、
韋皇后は勿論の事、中宗の息子で韋皇后とは血の繋がりが無い太子・李重俊、
武則天の娘・太平公主、武則天の甥・武三思、中宗の甥・李隆基が派閥に分かれ、これに参戦。
(派閥を大雑把に分けると、
唐朝の御本家である李氏、
武則天の実家である武氏、



邦題が『謀りの後宮』なので、唐朝の後宮における女たちの争いを想像してしまいがちだけれど、
実際には、皇位を巡る権力闘争を描いた“謀りの玉座”。
他の時代を背景にした王朝の権力闘争ドラマと異なるのは、
武則天が“女でも天下をとれる”という前例を作っているため、
本ドラマに登場する女たちは、男性の添え物などでは決して我慢できず、
自ら頂点に立つ気マンマンの猛女である点か。
主要登場人物の多くが実在の人物であるこのドラマで、主人公の姉妹は架空の人物。
この架空の姉妹は、訳あって宮廷にあがり、やがて権力者たちの争いに翻弄されることとなる。
つまり、歴史上実際に起きた唐朝の権力闘争を、架空の姉妹の目を通して描いたのが、このドラマ。
主人公が若い女の子なので、もちろん
恋愛も描かれているけれど

他のこの手のドラマと比べると、ラヴ・ストーリーの要素は薄め。
★ キャスト その①:運命に翻弄される姉妹
本ドラマの主人公は、歴史上実在しない姉妹で
偶然にも、他人でありながら、まるで姉妹のように、同じ“劉”姓の女優が演じている。
姉妹でも性格は異なり、姉・孟凡は、(自分自身も庶民でありながら)困窮する民を想う生真面目な正直者、
妹・孟芙は、上昇志向の強い野心家。性格や愛した男性の違いから、姉妹はやがて敵対関係になってしまう。
そういうところは、政治的に対立する立場に置かれた、かの宋家の三姉妹の下二人、
“国家を愛し”孫文に嫁いだ宋慶齡と、“権力を愛し”蔣介石に嫁ぎ台湾へ渡った宋美齡を彷彿。

劉庭羽は、本ドラマを制作している拉風娛樂の所属女優で
本ドラマと限らず、拉風娛樂制作のドラマに数多く出演。
よって、拉風娛樂制作ドラマの放送が少ない日本では、キャリアの割りに、あまり馴染みが無い。
このドラマで見ると、楊采妮(チャーリー・ヤン)の若い頃を彷彿させる顔立ちで
決しておブスではないけれど、私好みとは言い難い。
扮する孟凡は、陰謀渦巻く薄汚い宮中において、誠実に義を貫く善の象徴。
ちょっと堅物なくらいなので、後の玄宗帝、臨淄郡王・李隆基とのほのかな恋も
燃え上がることのないまま、静かに消火。
どうせ玄宗帝は、本ドラマ終了後、30年もすると楊貴妃に溺れ、国を傾ける運命なので、これで良し。

台湾女優・劉心悠は、数々の映画作品の他、
日香合作ドラマ『幸福(しあわせ)のスープはいかが?~幸福的味道』で成宮寛貴と共演したり、
最近だと『宮廷女官 若曦(ジャクギ)~步步驚心』で主人公の姉を演じているため、
ここ日本では劉庭羽よりずっと知られた女優であろう。
美人なので、これまではどちらかと言うと、落ち着いたクールビューティ系が多かったように感じる。
今回も当然姉を演じるのだろうと予想していたら、実年齢で1歳半年下の劉庭羽の方が姉役であった。
30過ぎの劉心悠が甘えん坊の妹役ってどうなの?!と心配しながら観始めたけれど
この孟芙は、あからさまに上昇志向が強く、ブラックな部分を持つなかなかの策士なので
結果的に、劉心悠には、おっとり系の姉より合った役だと感じた。
愛より出世を選び、安樂公主に寝返った直後の放送なんて、1話の中で、いきなり2名毒殺しちゃうしサ…。
本題からは反れるけれど、劉心悠って、中華圏の女優には珍しく、
耳に穴を開けていないのだろうか。

『宮廷女官 若曦』の時もそうだったが、クリップ式のイヤリングを付けている。
アップになると、左耳には穴があるように見えるのだけれど。
★ キャスト その②:キョーレツな女たち
本ドラマに登場する女性たちは、通常の宮廷ドラマに登場する女性たちとは異なり、
皇帝からの寵愛より、天下取りに野心を燃やしているため、並みの男より余程我が強くてキョーレツ。
なお、ここに挙げた4人は、全て実在の人物。

これまでにも多くの女優たちが演じてきた武則天。
最近では、『武媚娘傳奇~The Empress of China』で范冰冰(ファン・ビンビン)が演じる武則天が話題。
本ドラマで演じているのは、香港のカッコイイおばさん惠英紅。
最初の内は、一般的な現代人がイメージする通りの武則天像で、酒壷や猫の悪夢にうなされたり、
妄想に憑りつかれ大暴れしてみたり、情け容赦なくバッサバッサと殺生も。
ところが死期が近付くと、さすがにおとなしくなり、ヒューマンな一面を覗かせ、崩御するから
“稀代の悪女”というより“一時代を築いた権力者”といった印象を残す。

本ドラマで、武則天を最低最悪の“悪女”と感じないのは、武則天の死後、皇位についた中宗・李顯の皇后、
この韋皇后が、武則天を上回る筋金入りの外道だから、というのも一因。
演じている何賽飛が、私の中では『ラスト、コーション』(2007年)の蕭太太で止まっていたため、
随分でっぷりと貫録が出たように感じた。今や、東てる美に泉ピン子を掛け合わせたかのようなふてぶてしさ。
誰よりも夫の死を望んでいたくせに、白々しくも、人前でさめざめと泣いてみせる演技は秀逸であった。

安樂公主は、父・中宗が廃され、左遷される道中の劣悪な環境で、韋氏が出産し、
淋しい幼少期を過ごしたため、父母から取り分け大切に育てられた娘。
孤独な安樂公主も、主人公・孟凡にだけは心を開き、主従関係を超え、本当の妹のように優しく誠実に接する。
…が、この安樂公主が、母・韋皇后と手を組み、実の父・中宗を殺したのは、歴史上の事実。
ドラマでは心優しい公主に設定を変えたのかしら?なんて思いながら観ていたら、
いやいや、案の定、後半いきなり最強のクズに豹変…!
キッカケは、孟凡が安樂公主のために良かれと思ってついた嘘の発覚。
もうこうなったら、可愛さ余って憎さ百倍。安樂公主の、孟凡に対する逆恨みは加速する一方。
さすがは韋皇后の娘、あの親にしてこの子あり、って感じの暴れん坊っぷりを発揮。
いや、優しく誠実だった頃とのギャップで、視聴者は韋皇后以上の鬼畜と感じるかも。
とにかく、全登場人物の中で、外見でも内面でも、最も変化が激しいのが、この安樂公主。
最初の頃は無邪気で心優しい少女
やがて美しい公主に成長するも、ある事を機にケダモノ化し


錯乱状態に陥り髪を振り乱した彼女には、もはや公主の面影は無く、まるで落ち武者。
ギャーッ!…爆笑。

演じている劉娜萍は美人なのだけれど…
私には“中国語を喋っている福田綾乃”にしか見えなかった…。
いつ吉高由里子のモノマネを始めるかとドキドキ。

楊恭如が『ラヴソング』(1996年)で黎明(レオン・ライ)の妻を演じて注目されたのは、早いもので20年近く前。
近年は大陸ドラマで随分活躍しているようなので(まぁ映画でもちょこちょこは見掛けてはいるけれど)、
私が楊恭如を重要な役でたっぷり見たのは、今回が久し振りという気がする。
私の脳裏に焼き付いている『ラヴソング』でのオドオドした田舎の純朴女房とは異なり
本ドラマで演じている太平公主は、聡明で冷静な策士。
あれから約20年、アラフォー美女になった楊恭如に相応しい役。
★ キャスト その③:影の薄い男たち
このドラマでは、女性があまりにもキョーレツなため、♂男性の影は限りなく薄い。
大勢の男性登場人物の内、絞りに絞って挙げたこの3人もまた実在した人物。

『僕たちのプリンセス~全民公主』で初めて見て、まったくピンと来なかった韓国系アメリカン李承鉉。
あのドラマは、主要男性キャスト二人、孫藝洲(スン・イージョウ)と李承鉉が、共にイケていなかったため、
数話だけ観て捨てた日本人女性ドラマニアが多かったに違いない。
私が李承鉉を見るのは、あのドラマ以来今回が2度目。
現代劇で見てイケていなかった李承鉉は、時代劇で見てもやっぱりイケていなかった…。
決してブ男ではないのだが、主人公の相手役を演じるには役不足だし、
ましてや、この臨淄郡王・李隆基は、のちに唐朝第9代皇帝となるあの玄宗帝。
そういう役を演じるには、李承鉉にはオーラが無さ過ぎる…。
推測するに、本ドラマは、香台の有名女優たちに支払う出演料で予算が底を尽き、
男優は妥協で、ギャラの安さだけでキャスティングしたのではないだろうか。
どうせラヴストーリーの要素は薄いし、男性より女性が重要なドラマだから、まぁそれでも良いのだけれど。

本ドラマ出演男優陣の中で、日本人女性ウケが一番良さそうなイケメンは、この陳威翰か。
台湾出身の陳威翰だけれど、拉風娛樂所属で、大陸ドラマを中心に活躍しているせいか、
日本での知名度はとても低い。
本ドラマで扮している李重俊は、国家と民を何よりも大切に思う正義感溢れる太子。
しかし若さゆえか、理想に燃え、突っ走り過ぎ、
彼の何倍も上をいく知能犯・韋皇后一派の策略にことごとくハメられ、
挙句信じて愛した孟芙にまで毒を盛られ、あの世逝き…。
気の毒と同情する反面、思慮の浅い若蔵で自業自得だったとも感じてしまう。ゴメンね、太子。

太子・李重俊のパパ、中宗・李顯に扮する謝祖武もまたFrom台湾。
李顯は、かつて一度皇位につくものの、生母である猛女・武則天に廃されるわ、左遷されるわ、
武則天にとっては実の孫である我が子まで殺されわ、…と散々な目に遭い、ビクビクと生きていたが、
そんな武則天も亡くなり、再び皇位に返り咲くも、ホッとしたのも束の間、
自分の女房・韋皇后が、母よりキョーレツな猛女で、実権を握られた挙句、殺されてしまうのだから、
もう「御愁傷様…。」のひと言しか、掛けてさし上げる言葉が見付からない。
謝祖武の神経質そうな顔立ちが、この気の毒な恐妻家・李顯にピッタリ。
でっぷり貫録のある何賽飛と並ぶと、線の細い謝祖武から益々漂う悲愴感。
まるで夫婦の力関係を表しているかのようなツーショットがよろしい。
★ その他の気になるキャラ:喜び組?はたまたナンバーワンホスト…?
ドラマ前半で消えてしまうけれど、実在の張易之&張昌宗も勿論登場。
彼らは、武則天に気に入られ囲われていた美しい兄弟。
武則天を楽しませるための要員で、言わば北朝鮮の“喜び組”の男版、
もしくは、“ホストクラブ武則天”の売れっ子ホスト。
ショーパブのダンサーのように、首にフェザーのストールを妖艶に巻くこともあるし(!)、
歴史上語り継がれているように、木馬に乗って笛を吹くこともあり(…!!)。
いい年した大人の男が木馬にまたがっている姿に萌える武則天って、かなり趣味がマニアック。![]()

★ 衣装
衣装では、安っぽいヴィヴィッドな色の化繊が目に付くが、
デザイン自体は平均的な大陸時代劇の物と大差なし。
決定的な特徴は無いけれど、強いて挙げるなら
女官のお召し物には、このドラマのオリジナリティが出ているかも。
彼女たちのお召し物は、トップスと、胸の上からストンと落ちるストライプでツートーンのスカートから成っており
地位や、働く持ち場によって、色が変わる。
主人公・孟凡がドラマ前半で着ている衣装は、色合わせが白雪姫を彷彿。
あと、安樂公主が持っていたと言い伝えられる貴重なお召し物、
美しい鳥の羽で作った珍品“百鳥裙”も劇中に登場。
別に悪くはないけれど、私が想像していた感じとは、ズレあり。
孔雀の羽を縫い付けたマントのような物で、岡本知高のステージ衣装っぽかった。
★ メイク
衣装よりずっとパンチがあり、オリジナリティに溢れているのが、
メイク。

パステルピンクの口紅や、バッサバッサのツケマ等、
これまでにも、大陸時代劇の時代背景を無視したメイクには、幾度となく唖然呆然とさせられたが、
本ドラマを観てしまった今思えば、それらはまだまだ許容範囲だったのだと思い知る。
本ドラマのメイクこそ、私の大陸時代劇視聴史上断トツの悪趣味メイク。
時代考証云々を語る以前に、なぜ今敢えて水色のアイシャドーなのか…??!
官女たちのまぶたにコッテリ塗られた水色のアイシャドーが
その昔渋谷や自由が丘を席巻していた“丘サーファー”を彷彿させ、郷愁に駆られたワ。
あれは、唐代でも明代でもなく、紛れもない昭和末期のメイク。
昭和期に見ても変だと思ったが、今見たら、もっと変。
スタッフの中に、「それ変だから、やめましょう」と意見する勇気ある人は居なかったの…?!
監督以下撮影チームは余程気に入り、「今回は“水色アイシャドー押し”で行こう」と決めたのか。
ドラマの中の宮女たちは、入浴中も睡眠中も、獄に繋がれてい時も、床に臥し生死を彷徨っている時さえも、
目の上だけは変わることなく安定のライトブルー。
あまりにもシツコくこびり付いているので、目の上に青カビが生えたのかと思いました…。
★ 主題歌

エンディングも劉庭羽で、こちらは和匯慧(ショーン・ハー)とのデュエット曲<你的愛是我的命>。
ここにはエンディング曲の方を。…と言いたいところだけれど、ちょうど良い動画が見当たらないので
劉庭羽と同じ事務所の穆婷婷(ムー・ティンティン)が歌うヴァージョンで。
デュエットのお相手は同じ和匯慧だし、曲のアレンジにも差を感じない。
強いて言うなら、劉庭羽の声の方が、もう少し柔らかい印象かも。
水色アイシャドーを見た瞬間に、「このドラマはハズレ…」と直感。
事実、前半はかなり退屈であったが、直前に読んだ<則天武后~女性と権力>と内容がカブるため、
文字で学んだ事を、映像として頭に焼き付けるには最適で、それなりに役立った。
私がこのドラマを観始めたもう一つの理由が、范冰冰主演ドラマ『武媚娘傳奇』の予習であった。
もしかして『武媚娘傳奇』がその内日本にも上陸するかも…、という希望的観測から
事前準備のつもりで観たら、(ほぼ同じ時代を描いているのだから当たり前だけれど)実際両作品では
登場人物もかなり重なるし、あの時代の流れを何となく掴めた気がする。
当然フィクションは盛り込まれているけれど、要所要所で史実を押さえて進行していくので
武周末期から玄宗帝が即位するまでの唐朝の歴史を学ぶには、悪くない。
画的に野暮ったいとか、イケメン不在とか文句言いながらも、結構ハマっていたのかしら、私。
遂に迎えた怒涛の最終回では、安樂公主の暴走がどのように止まるのかを気にして観ていたら…
孟芙と共に、まるで
団子か焼き鳥の如く、串刺し状態であの世逝き!

仮初めにも公主だった女性が、落ち武者化した上、
串に刺さったお団子のようになって生涯を閉じるなんて、あまりにも無様。
ドラマで公主の“串刺し死”は斬感と感心しつつも、失笑。
(“串刺し死”の直後にやって来た李隆基も、さすがに気の毒と思ったのか
「これでは体裁が悪いから鳳陽殿に移そう」とご尤もな事を言っておられた。)
あぁぁ…、結局は弱肉強食。
一人、また一人と脱落していき、玄宗帝時代の到来でゴールインするサヴァイヴァルゲームであった。
さて、水色アイシャドーにめげることなく、
やはり『謀りの後宮』を観ておこうかしら、と思い直した皆さま、朗報です。
終わったばかりなのに、LaLaTVでは、2015年4月6日から、月曜~金曜で、
午後3時半に毎日1話ずつのペースで再放送。
何度放送を繰り返してもヒットするとは考えにくいこのドラマを、早々に再放送する意図は何なのだろう…。
一方、『謀りの後宮』を放送していた朝の枠は、2015年4月2日から
楊冪(ヤン・ミー)、馮紹峰(ウィリアム・フォン)ら人気俳優が出演する大陸ヒットドラマ
『宮 パレス 時をかける宮女~宮/宮鎖心玉』を放送。
『謀りの後宮』より明らかにこちらの『宮 パレス』の方が日本人ウケが良いであろう。
そしてさらに、4月20日からは、『後宮の涙~陸貞傳奇』も再放送されるらしい。
こちらも、『謀りの後宮』よりは遥かに日本人好みすると思う。
但し、『後宮の涙』はほぼフィクション。史実をより踏まえているのは『謀りの後宮』の方。