今朝、テレビをザッピングしまくっていたら、確かフジ?で、“いかにもチャイナ”な映像が目に飛び込んできた。
日本公開予定の新作中華電影情報かと思い、リモコンを置いたら、
「人気コミック<キングダム>連載10周年を記念して、山賢人主演の実写版で撮った特別映像」とのこと。
途中から観て、説明をちゃんと聞いていないし、そもそもこのジャンルは私の興味の対象外なので、
なんだか意味がよく分からず…。
とにかく、その映像は、Youtubeで公開しているという。今、ちょっと調べたら、情報はすぐに出てきた。
何はともあれ、まずはその映像を。
ね、見覚えのある風景、見覚えのあるカットが、“いかにもチャイナ”。
誰が撮ったのかと思ったら、
大野大樹(おおの・ひろき)という日本人監督。

横浜出身、カリフォルニア大学で映像を学び、主にCMを撮っている1985年生まれの監督みたい。
メイキング映像も。
背後に飛び交う中国語。
1分40秒くらいのところで登場し、
騎乗撮影をしているカメラマンだって、日本人とは到底思えない。

こういうアクロバティックな神業をサラリとやってのけるツワモノは、中国人に違いない。
そう、ここは、大陸の映画やドラマを観る人にはお馴染みの
横店影視城 Hengdian World Studios。

中国浙江省にある巨大撮影スタジオ(テーマパークとして一般にも公開)。
私がこのスタジオの存在を初めて知ったのは、陳凱歌(チェン・カイコー)監督作品『始皇帝暗殺』(1998年)。
この映画を撮るために、秦王宫をポンと建ててしまったと聞き、驚いた。
その後も敷地内の建設は続き、広州街に香港街、清明上河圖まであったり。
中華作品を観る我々日本人に、取り分け馴染みがあるのが、
北京に現存する実物とほぼ同じスケールで建ててしまったという紫禁城。
清朝を舞台にした『蒼穹の昴』がドラマ化される際、原作者の浅田次郎も、
「このスタジオができなければ、ドラマ化は不可能だった」とテレビのインタヴュで語っていた。
今でも、中国製時代劇の1/3は、横店で撮られるという。
韓流ファンだと、「ドラマは韓国が一番!中国なんて興味無いもん」と言うかも知れないが、
例えば、NHKで放送された『奇皇后』だって、横店で撮影しているのです。
山賢人クンは今回の撮影に関して、「中国の数々の映画の撮影に使われてる世界最大級の撮影所で、
秦の始皇帝のセットはもう言葉に表せないくらいに圧倒的迫力があり、とにかくスケールがでかい。
そして衣装や小道具もすごく細かく作られていて、キングダムの世界にタイムスリップした気分」
と語っている。なんかこの興奮が分かる。中国では、小さな日本では考えられない世界が見られるから。
あと、映像を観て、気になったのが、剣舞を披露している女性。
動きがキレッキレなので、当然中国人女優だろうと思ったら、日本人の山本千尋であった。
“太極拳の大会でメダルを獲った日本人若手女優”とか“カンフー美少女”と紹介されているのを
テレビで2~3回見ただけで、彼女の事はよく知らないのだが、
この映像で見ると、確かに日本人離れしたイイ動きをしている。
あと、この映像では、ほとんど確認できないが…
大陸の魏哲鳴(マイルス・ウェイ)が秦の始皇帝・嬴政の役で出ている模様。
その魏哲鳴クンが、情報公開前に、自身の微博で、共演した山賢人について
「日本の最優秀新人賞は確かにスゴイ!」と絶賛しながら、写真を出してしまい、
その後削除されるという出来事が起きたようだ。関係者にとってフライング公開はマズいだろうが、
日中の若い俳優が仲良く交流しているのは、嬉しい。
ちなみに、『キングダム』は中華圏では『王者天下』というそう。
中華モノと言えば、現在、絶賛放送中の『琅琊榜(ろうやぼう) 麒麟の才子、風雲起こす』。
おうちのテレビにチャンネル銀河が入り、視聴している皆さまは、そろそろハマリだしたことと察します。
実は、当ブログ、最近、『琅琊榜』関連のワードで辿り着く来訪者が非常に多い。
マイナーなチャンネル銀河で真っ昼間に放送の大陸ドラマで、これだけ反響がある事に、正直驚いている。
細かな部分が気になったり、素敵だなぁと思う俳優がいて、きっと皆さまついつい検索してしまうのでしょう。
確かに一種の中毒性があるドラマ。私自身、すっかり“『琅琊榜』addict”。
“ro”と入力しただけで、真っ先に難しい漢字の“琅琊榜”を表示してくるなんて、
私のパソコンも随分利口になったものだ。![]()

(『キングダム』の横店繋がりになるけれど)また“琅琊榜”検索をしてみたところ、微博の(↓)こんな画像に遭遇。
『琅琊榜』で禁軍の大統領・蒙摯を演じる陳龍(チェン・ロン)。
画像に添えられているコメントは「横店的收获(横店の収穫)」。
この陌陌さんという女性が、横店影視城に遊びに行った時、たまたま『琅琊榜』の撮影に出くわし、
陳龍とツーショット写真を撮らせてもらったのだろうか。あぁー、羨ましい。
いや、それより、陳龍のTシャツ。梁國一の武人・蒙摯に有るまじきマサカの“おかめ納豆T”(笑)。
こんなのどこで売っているんだ?そして、何が良くてコレ着ているんだ…??
(本日の放送で、失脚の危機に陥ったのに、こんなおチャラけている場合か…???)
陳龍、益々好きになってしまいました。

他、
今後放送の気になる番組を2本。

一本目は、2016年4月21日(木曜)、BS TBSで放送の『地球バス紀行』。
“喧騒と混沌の街を行く”と題した香港特集。
100万ドルの夜景がドラマティックな世界都市・香港も、
ローカルなスポットに一歩足を踏み入れれば、そこは中華文化渦巻く異世界。
千年の昔から続く香港版“わら人形”、豪華食材&珍味てんこ盛りのおせち…、
と旅行ガイドには載っていないディープな情報が満載。…との事。
香港版“わら人形”とか、多分ガイドブック10冊中9冊に載っていると思う。![]()

でも、まぁ、いい。街並みを見ているだけで気分が上がる香港、久々の特集だから。
もう一本は、4月24日(日曜)、BS朝日で放送の『ザ・インタビュー~トップランナーの肖像』。
様々なジャンルで時代を切り拓いてきた“トップランナー”と、
人間洞察のプロである“インタビュアー”との真剣勝負を届ける新感覚のドキュメンタリー番組。
今回は、様々な香港映画の現場を渡り歩いてきたアクション監督・谷垣健治に、
スポーツキャスター・松岡修造が独自の視点で素顔に迫る。
谷垣健治から見た香港アクションの魅力、
成龍(ジャッキー・チェン)や甄子丹(ドニー・イェン)との現場エピソード、
『るろうに剣心』主演・佐藤健の撮影秘話や、リアリティー溢れるアクションシーンの秘密等々、盛り沢山。
いいわよねぇ、松岡修造。
熱く話を引き出してくれそう。


ひとつはとても気に入った。もうひとつは、うーン、それほどでも…。
★ 井ヶ田:千日餅(ずんだ)
大きさは、直径約6センチ。
独自の技法で練り合わせた生地で、ずんだ餡を包んだお菓子。
ひとつめは、仙台から。
お茶の老舗・井ヶ田(公式サイト)の“千日餅”。
味は、つぶ餡とずんだ餡の2種類が有り、今回私が食べたのは、ずんだ餡の方。
餡を包んでいる生地は、薄いのにモッチモチの食感。
この食感といい、見た目といい、…んン、京都の有名なお菓子、“阿闍梨餅”に酷似していないか…?!
阿闍梨餅は、比叡山延暦寺の千日回峰行という厳しい修行を成し遂げた
阿闍梨と呼ばれる高僧がかぶる網代笠を模したことから、その名が付けられたとの事だが、
こちらの千日餅の形も、千日回峰行の際にかぶる網代笠をイメージしているそう。
千日回峰行とは縁もゆかりも無さそうな仙台で、なぜこのようなお菓子が作られたかと言うと、
その荒行を成し遂げた人物は、1300年の歴史の中でたった二人しかおらず、
その内の一人が仙台・秋保の慈眼寺の住職、塩沼亮潤大阿闍梨なのだと。
塩沼亮潤大阿闍梨は歴史上の人物ではなく、1968年生まれで、千日回峰行を満行したのは1999年のこと。
もしかして、井ヶ田は、それを祝ってこの千日餅の販売を開始したのだろうか。
阿闍梨餅は1922年(大正11年)に考案されたお菓子なので、
千日餅のパクリ感は否めないですね。![]()

しかも、御本家・阿闍梨餅が一個108円なのに対し、千日餅は125円と(共に税込み価格)、
パクリの割りに、御本家を上回る強気な値段設定(笑)。
ただ“完コピ”に近いつぶ餡入りのみならず、アレンジ版でずんだ餡入りも販売している点に、
辛うじて仙台らしいオリジナリティが感じられるだろうか。
枝豆が好きな私は、ずんだも大好きなので、つぶ餡入りの元祖・阿闍梨餅より
むしろこのずんだ餡入り千日餅の方が好きかも?(…たとえパクリでも 笑)
…が、生地はモッチモチで美味しいけれど、ずんだにお豆の風味があまり感じられない。
ずんだって、こんなでしたっけ?
最近、仕事先で、ずんだのお菓子を御相伴あずかったのだが、
そちらは枝豆の風味がきちんと感じられ、本当に美味しかった。
…という事で、せっかくのずんだ入りお菓子だったのに、期待ほどではなかった。
その内御本家から訴えられ、販売差し止めなんて事態にもなりかねないし、興味のある方はお早めに。
★ 長嶋屋:切山椒
大きさは、長さ約8センチ。
上新粉に砂糖と山椒を加え、蒸した餅菓子。
もうひとつは、鎌倉のお店、長嶋屋(公式サイト)の“切山椒”。
切山椒というお菓子は、この長嶋屋の物を含め、初めて食べる。
そもそも切山椒とは、新粉に山椒や砂糖を混ぜ、蒸して、拍子木型に切ったお菓子のこと。
目をこらすと、お餅の中に緑色のプツプツが見えるが、当然カビではない。これこそが山椒。
封を開けた途端、ほわぁ~と鼻をつく山椒の特有の香り。
袋の中には、おめでたい感じに紅白二色の切山椒が入っているけれど、味に違いはない。
もちっと柔らかな食感は、あの素朴な和菓子“すあま”に似ている。
そう、つまり、コレ、山椒入りのすあま。
「他で食べた切山椒より食感が柔らか」と母。
どうなのでしょう。私は他を食べたことが無いので、切山椒のスタンダードが分からない。
とにかく気に入った。地味に美味しい。
山椒を使ったお菓子と言えば、これまで京都・鍵善良房の“岩山椒”が
美味しさで唯一無二だと思っていたけれど、こちらもイケる。
“岩山椒”は上品で、こちらは素朴。タイプは違えど、この2ツが、私の中では“山椒菓子の双璧”!