チケットWEB販売のシステムトラブルで大騒動を起こした第29回東京国際映画祭が、
2016年10月25日(火曜)、いよいよ開幕。
開幕のその日、私の元にも、重複チケットのキャンセル手続きの知らせが、ようーーーやく届き、
晴れてキャンセルが受理されました!あぁ~、長かった…!
(もっとも、まだ返金されていないので、安心はできないが…。)
気持ちがちょっと軽くなった私は、開催2日目にあたる本日26日(水曜)から映画祭に参戦。
本当はこの日、東京・中国映画週間で、セレモニー付きの『ロクさん』を鑑賞したかったのだけれど、
出演者の一人、吳亦凡(クリス/ウー・イーファン)が登壇するとあり、チケットが珍しくあっと言う間に完売。
闘いに敗れた私は、スケジュール変更を余儀なくされ、
同日、東京国際映画祭で
『大唐玄奘~Monk Xuanzang』を観ることにした。

『大唐玄奘』は、『ロクさん』にフラレたがゆえの妥協案で、積極的に観たかった作品ではないが、
東京国際映画祭開催中、一度しか上映がないし、
上映終了後には、来日した霍建起(フォ・ジェンチイ)監督のQ&Aもあるから、貴重な機会ではある。
本当は、主演男優の黃曉明(ホァン・シャオミン)にも来てもらいたかった。
こちらにも記した通り、実は黃曉明、約3週間前に妻の楊穎(アンジェラベイビー)と東京へ遊びに来ている。
プライベートだけではなく、お仕事でも来てくれると嬉しいのだが、
中華圏の明星が数年前からパタッと東京国際映画祭に姿を現さなくなったのには、
諸々事情があると想像しているので、致し方ない。
まぁ黃曉明にはお目に掛かれなかったけれど、本日、六本木に到着早々西島秀俊とスレ違った。
目覚めの“モーニング秀俊”(笑)。幸先良いです。
映画『大唐玄奘』に関しての詳細は、また後日として、
ここには上映終了後に行われた霍建起監督のQ&Aから、印象に残った部分のみを書き残しておく。
★ 『大唐玄奘』 霍建起監督Q&A
日本では、『山の郵便配達』(1999年)で知られるようになった霍建起監督は、
東京国際映画祭の参加は、今回で4度目なんですって。
そんなに来ていました?
『故郷の香り』(2003年)で来た事は、香川照之が主演男優賞を受賞したので覚えている。
その作品で共演した女優さん・李佳(リー・ジア)は、以前、こちらにもチラリと記したように、
現在絶賛放送中のドラマ『琅琊榜(ろうやぼう)麒麟の才子、風雲起こす~瑯琊榜』で
琅琊閣の少閣主・藺晨に扮している靳東(ジン・ドン)の奥方です(…余談になりますが)。
私がナマ霍建起監督を見るのがどれくらいぶりかは思い出せないが、まったくお変わり無い。
そこはかとなく漂う“和泉雅子感”も以前のまま。
台湾の二枚目俳優・霍建華(ウォレス・フォ)と、“起”と“華”、たったの一文字違いなのだけれど、
随分雰囲気違います。![]()


中国では儒教の方が一般的な宗教だと思いますが、なぜ仏教を取り上げたのですか?

儒教も確かに根付いていますが、仏教は他の宗教を遥かに超えて支持され、
人々の生活にも入り込んでいます。
北京には、雍和宮という春節に賑わう有名な仏教寺院もあり、
そこには、特別仏教徒というわけではない人々もお参りに行きます。

主人公の俳優は、どのように選んだのですか?

主演の黃曉明(ホァン・シャオミン)は、中国でとても有名な俳優です。
彼を選んだ理由は二つあります。まず、黃曉明の母親はとても敬虔な仏教徒なのです。
彼が6歳の時に、法衣を着て、西安で撮った写真もあります。
次に、史書に、実際の玄奘がとても立派な体形だったとあります。そういう点でも、黃曉明は合っています。

過酷な撮影だったのでは?

新疆での撮影は過酷になると最初から分かっていましたが、黃曉明ならやってくれると確信していました。
まず、俳優にはヘアスタイルを気にする人もいますが、彼は剃ってくれました。
撮影が始まった6月はすでに暑いのですが、彼の衣装は3層にもなっています。
ただ、俳優をこのような過酷な環境に置くことで、当時の玄奘に迫れるとも思っていました。

いつ頃、玄奘を取り上げて映画を撮ろうと考えたのですか?

玄奘は<西遊記>の小説で有名ですが、
玄奘の本当の姿や、彼の功績はこれまで紹介されていなかったので、ずっと撮りたいと思っていました。
玄奘の作品を手掛けるにあたっては、
<大唐西域記>と<大唐大慈恩寺三藏法師傳>という二冊の史書を参考にしました。

この映画は、日本でも劇場公開されますか?

中影集團が交渉中です。恐らく、そんなに遠くない将来、観ていただけることになると思います。

玄奘の行いは、結果的に中国にどのような影響をもたらしたのですか?

当時、中国にはいい加減な仏教経典が流布しており、玄奘はそれを不満に感じていました。
彼が本物を持ち帰り、漢語に翻訳したことで、本当の仏教が伝わっていきました。
日本にも遣唐使により伝えられたり、唐招提寺などという寺院があるように、
中国と限らず、アジアでの影響は大きいです。
霍建起監督が、北京の有名な仏教寺院として名前を挙げた雍和宮に関しては、こちらを参考に。
正確には、北京最大のチベット仏教寺院で、
寺院になる前は、清朝第5代皇帝・雍正帝が皇帝になる前に暮らしていた場所。
清朝第6代皇帝・乾隆帝が生まれたのも、ここ。
霍建起監督監督がお話していたように、ぜんぜん仏教徒っぽくない若者の姿もよく見掛ける。
私も、雍和宮は好き。
今回聞いた中で、一番の「へぇー」は、黃曉明の体形が玄奘に合っているというお話かしら。
玄奘って、あんなにマッチョだったの…?!水みたいに薄いお粥を食べているのに…。
それくらい体格が良いから、過酷な旅にも耐えられたのかもね。
あと、『大唐玄奘』は、日本公開に向け、どうも話が進んでいるようですね。
興味のある方は、期待して良さそう。
★ サイン会
約30分のQ&Aが終わると、会場のTOHOシネマズ六本木ヒルズ入り口附近で、

霍建起監督は、気難しい芸術家という感じではなく、見た目通り、おっとり穏やかな優しい人であった。
