現在開催中の第29回東京国際映画祭で、10月28日(金曜)、
中国の湖北省襄陽に作られた唐城で撮影中の日中合作映画、

この映画については、この夏、こちらに記した通り、
夢枕獏の小説<沙門空海唐の国にて鬼と宴す>を、陳凱歌(チェン・カイコー)監督が映画化するというもので、
ダブル主演で日中から一人ずつ、空海役に染谷将太、白樂天役に黃軒(ホアン・シュエン/ホアン・シュアン)が
起用されている。
その後、秦昊(チン・ハオ)や陳雨綺(キティー・チャン)の出演が発表されたが、
今回の報告会では、さらに
日本から松坂慶子と阿部寛が出演すると発表。

松坂慶子が演じるのは、日本から唐へ渡った白玲という女性。
楊貴妃の謎を解く秘密を知る重要な役だという。
私、原作小説の<沙門空海唐の国にて鬼と宴す>をまだ全部読んでいないので、なんとも言えないけれど、
小説に日本人女性なんて出てきます?映画のために新たに設けた役だろうか。
松坂慶子は、9月にすでに中国へ飛び、撮影してきたようだ。
阿部ちゃんが演じる役は不明。
小説の中で、空海とコンビを組んでいる橘逸勢を演じるには、年齢が上すぎるし、
うーン、安倍仲麻呂(晁衡)か…?
先日、ドラマ『スニッファー 嗅覚捜査官』の番宣で、
阿部ちゃんと香川照之がNHKに出ているのをたまたま見たら、
阿部ちゃんが香川照之の中国撮影体験をやたら一生懸命に話していたのだけれど、
今思うと、あれはきっと自分も中国へ撮影しに行くので、興味があったのですね。
でも、多分、陳凱歌監督は、姜文(チアン・ウェン)監督のような無茶ブリはしないだろうから、
香川照之ほどの壮絶体験は無いと思うわ。![]()

(香川照之がその体験を自ら綴った著書<中国魅録~「鬼が来た!」撮影日記>を御参考に。)
28日の報告会見の会場では、
撮影中で中国を離れられない黃軒、染谷将太、陳凱歌監督からの
ビデオメッセージも流れたという。

それと同じ動画が、微博にも上がっていたので私も観た。
で、それを、ここに貼りたかったのだけれど、上手く出来なーーーい…!
どなたか、秒拍をYahoo!ブログに貼る方法を御存知の方、いらっしゃいます??教えて欲しい。
余計な物まで写り込んでしまって見づらいけれど、それでも取り敢えず(↓)以下に貼っておく。
(正しい貼り方が判明したら、やり直しますので。)
黃軒と陳凱歌監督が言っている事は、ザッと以下の通り。

「皆さん、こんにちは。黃軒です。映画『空海』で白樂天を演じています。
彼は、漢詩の名作<長恨歌>を記した白居易でもあります。
この役を演じる機会を与えてもらい、また日本の優秀な俳優さんと共演させてもらえ、
陳凱歌監督には、感謝するばかりです。そして、日本の俳優さんたちの仕事への誠実さも感じています。
この映画を撮るにあたり、撮影スタッフは6年もの歳月を費やし、この唐の街を創り上げました。
我々はすでに3ヶ月撮影をしています。人、物語、そして巨大で精巧なセットから撮影に至るまで
全てから撮影チームの入念な心配りを感じています。
大唐の類い稀な魅力を我々に教えてくれた陳凱歌監督には、本当に感謝です。
皆さん、この映画『空海』をよろしくおねがいいたします。」

「皆さん、こんにちは。陳凱歌です。
十年ほど前、角川会長と、夢枕獏の小説<沙門空海唐の国にて鬼と宴す>を元に、
唐代の映画を撮ろうと約束しました。今その夢が実現しようとしています。
まず我々は6年の時を費やし、蓮の花の咲く沼地の上に、この巨大な唐城を創り上げました。
夢枕獏さんは、初めてこの唐城にやって来た時、
30年前、バックパッカーとして単身訪れた西安の情景を思い起こして、思わず涙し、
私に中国の文化が大好きだと言って下さいました。
幸運なことに、染谷将太、阿部寛といった素晴らしい俳優も迎え、映画を撮ることができました。
中国と日本の俳優の共演はとても上手くいっています。
我々はすでに3ヶ月以上撮影に取り組んでいます。
我々のカメラを通し、皆さんを夢の唐朝へお連れしたいと思います。」
私をスキー、…じゃなくて、唐城に連れてって(←昭和ネタ)。
以前、浅田次郎が、ドラマ『蒼穹の昴~蒼穹之昴』の撮影現場、紫禁城を丸々再現した横店を訪れ、
「スゴイ物ができた。これが無ければ、<蒼穹の昴>の映像化は絶対に無理だった」
とテレビで感慨深げに語っていたけれど、襄陽にできた唐城もスゴそう。
我々日本人が考える“セット”とはぜんぜんスケールが違う、まるで“街”。
夢枕獏が思わず涙したのも分かるし、
染谷クンが「毎日ここで撮影しているだけで、もうワクワクしています」というのも本心だと思う。
坊主頭で、あの中に佇んでいるのも、もはやすっかり自然ですね。
染谷クンは、現地で本当に皆と仲良くやっているようで、
9月3日のお誕生日には、(↓)こんなサプライズもあったようです。

誰をお祝いしているのか分からなかった。
後になってから、あぁ、あれ染谷クンのためのケーキだったんだぁ、と。
右下の書は、白居易の<詠草>を陳凱歌監督自らしたため、贈ったバースデープレゼント。
宝物ですね~。早く表装に出さないとね。
一つ気になっているのは、この映画を制作、配給する角川が、
黃軒(Huáng Xuān)のことを、ずっと“ホアン・シュアン”の名で宣伝し続けていること。
確かに、これまで黃軒には、“ホアン・シュアン”と“ホアン・シュエン”という2ツの表記が存在していたが、
彼自身がここ日本であまり有名ではないため、どちらも定着していなかった。
この『空海』は、黃軒を日本で広く知らしめる初めての大作になるだろうから、
角川が“ホアン・シュアン”を使い続けたら、それが定着してしまう。
「“uan”を日本語のローマ字読みのようにそのまま“ユアン”と発音しては駄目ですよ、“ユエン”ですよ」
というのは、中国語初学者が最初に先生に言われることのような気がする。
染谷クンだって、ビデオメッセージの中で“ホアン・シュエン”と呼んでいるではないか。
角川は、日中合作映画を作るのに、これ程度の中国語が判る人も社内に居ないのか…?
黃軒は私のお気に入りだけに、この名前表記問題は、許し難い。
(そもそも、片仮名8文字も使わずに、漢字2文字で記せヨ!と言いたい。)
この映画『空海 KU-KAI~妖貓傳』は、2017年完成、2018年公開予定とのこと。
一般公開の前に、2017年か2018年の東京国際映画祭でのプレミア上映を目論んでいるのだろうか。
東京国際映画祭は、チケット販売のシステム・トラブルがもはやトラウマになっているため、
またまた同じ被害に遭って、ナマ黃軒を見逃すという悪夢を想像してしまい、今からブルー。![]()
