2018年8月、チャンネル銀河で始まった大陸ドラマ『月に咲く花の如く~那年花開月正圓』が、
約3ヶ月半後の11月半ば、全74話の放送を終了。
本ドラマに関しては、以下の2部構成で記録を残す。
概要、歴史上の周瑩、時代のキーワード、物語、主人公・周瑩等について

その他のキャスト、音声、リンク集、音楽などについて
では、後半、行きます。
★ キャスト その②:周瑩が愛した男たち

実際の吳聘は、長いこと肺の病を抱え、死期迫る中で周瑩と形ばかりの婚姻関係を結んだようなので、
二人の間に愛情が有ったかは疑問だし、若死にだから、事業でも足跡を残せず、存在が希薄。
しかし、ドラマでは、貧しく、ろくに大切にされたことの無かった周瑩を、
初めて一人の人間として扱い、優しく接してくれたのが吳聘で、
彼女の人生において重要な人物として描かれる。
史実と同じように早死にするため、早い時点でドラマから消えるけれど、
その後、数々の波乱に巻き込まれる周瑩にとって、一番穏やかで幸せだった時期の象徴のような人物。
中国語の原題『那年花開月正圓(あの年、花は開き月はまん丸だった)』は、
後年、周瑩が人生を振り返った時、一番幸せだった頃に、吳聘と見上げたお月様を指していると思われる。
懐かしの“皮蛋何(ピータン・ホー)”こと何潤東は、孫儷と『玉観音~玉觀音』以来の共演。
結婚し、四十代にもなり、一時の人気が落ち着いていた彼は、
このドラマで“國民好老公(国民的よき夫)”と、奥様方の注目を再度集めるように。
欲を言わせてもらうなら、清代の御曹司を演じるなら、筋肉は少し落として、役に臨んで欲しかった。
四十過ぎたら、筋肉キャラは封印した方が、俳優としての好感度は高い。

このドラマの本当の男性主人公は、吳聘ではなく、沈星移である。
沈星移は、陽で吳家に次ぐ富商・沈家の次男坊。
典型的な金持ちの次男キャラで、ドラマ前半は、身勝手し放題。
しかし、我がままも、裏を返せば、素直な証拠。
裕福な家庭で大切に育てられた沈星移は、真っ直ぐなのです。
このドラマのサイドストーリーは、我がままボンボンが、志のある一人の男性に変わっていく成長記でもある。
杜明禮に頭が上がらない父・沈四海が、堕ちてクズ化すればする程
(もっとも、沈四海も根っからの悪人ではなく、致し方ない事情があり、泥沼に嵌ってしまったのだが)、
反比例するように、息子・沈星移の実直さ、精悍さが際立ち、素敵に見えてきた。
ところがこの沈星移、アッサリと死んでしまう。
“ナレ死”どころか、「沈星移は亡くなった」という脇キャラの台詞で、
その死が判明するほどアッサリだったので、私は「これは死んでいないパターン」と生存を確信した。
そしたら、案の定、元気な姿で再度登場。
こっそり日本へ逃亡し、多くを学んでの帰国。
“康卓文”の偽名を使い、腐敗した朝廷の改革を訴えるようになる。
沈星移は、架空の人物であるが、
日本へ渡り、変法を説いた清末の“康”姓の人物となると、康有為(1858-1927)を連想する。
実際の康有為は広東省出身だし、周瑩と接点が有ったなどという言い伝えも無い。
朝廷の腐敗に怒りを覚えた沈星移が、当時改革の先鋒だった康有為に感銘を受け、
あやかって自分も“康”姓を名乗り、改革を広める運動に突き進んで行った、…という設定なのかも?
ちなみに、北京にある康有為の故居は、現在億ションになっており、
2014年、房祖名(ジェイシー・チェン)と柯震東(クー・チェントン)が、お薬で逮捕された現場。(→参照)
美形の陳曉は、見た目通りの王子様的な役より、
沈星移のようなヤンチャな役を演じている時の方が、活き活きしているし、面白みがある。
作中、女装も披露しております。
罰ゲーム的に装った低クオリティ版と、本気の女形の2パターンあり。
並みの女より綺麗。
★ キャスト その③:周瑩を愛した男たち

腐敗した世の中で、正義を貫くお役人。
当初はお下劣な周瑩を嫌っていたが、実は正義感が強く、自立した女性であると気付いてからは、
どんどん惹かれていくも、堅物すぎる超硬派ゆえ、想いを口にできず仕舞い。
しかも、その生真面目さで、吳漪の“ミサオ奪われちゃいました作戦”にまんまと騙され、
取らなくてもいい責任を取って、愛してもいない彼女を娶り、二人して不幸に。
周瑩とは義兄妹の契りを交わし、気持ちに整理が付いたのかと思いきや、実のところ彼女への愛は変わらず。
扮する任重は、正統派美男ではなく、どちらかと言うと胡軍(フー・ジュン)のような、やや泥臭い雰囲気で、
これまで無関心だったのだけれど、このドラマの趙白石だと、本人が持つ無骨さが活かされていて魅力的。

圖爾丹は、遠く迪化まで商売に行った周瑩が出逢う現地の大商人。
周瑩の豪快さや頭の良さを敬い、良き友となり、吳家に商売を任せるようになる。
圖爾丹の周瑩に対する気持ちは、あくまでも“同志”だと思っていたら、実は一女性としても愛しており求婚。
アメリカ華人俳優で、『CSI:科学捜査班』等でお馴染みだった高聖遠は、
2014年、周迅(ジョウ・シュン)と結婚してからは(→参照)、大陸の事務所とマネージメント契約を結び、
お仕事も中華圏がベース。
見た目がバタ臭く(実際には両親とも華人らしいが)、中国語もタドタドしいせいか、
エキゾティックな“ガイジン枠”で役が与えられがちですね。
つまりね、この『月に咲く花の如く』は、
聡明でチャーミングな周瑩が、出逢った男性たちを、片っ端からトリコにしていくという
“周瑩モテモテ伝説”を描いたドラマでもある。
こういう完璧なモテ女の役は、林心如(ルビー・リン)の大好物。
林心如が演じるとイラっとさせられるのに、孫儷だと、同性の視聴者も魅了されてしまうって、
二人の女優の差は一体ナンなのでしょう…。
★ キャスト その④:吳家旦那衆
周瑩が嫁いだ吳家は、東院を頭に、西院、南院、中院から成る。
それぞれの家長は4兄弟で、全員の名前を長男から順に並べると、“文武雙全(=文武両道)”となる。

長男・吳蔚文は、実在の大物塩商人兼朝廷の高官。
張晨光は、名門一族の頂点に立つ人物に相応しい威厳あり。

吳蔚文が死んだ直後は、この次男・吳蔚武じゃ吳蔚文の代わりは務まらない…と思ったけれど、
徐々に威厳が出てきましたね~(弟たちが駄目過ぎるから、イヤでもシッカリしてくるのかも)。
侯長榮は国家一級演員。ほっそりスラリと長身で、“清代名家の旦那様”のイメージにぴったり。

惚れた弱みで、妻・柳氏の尻に敷かれっ放し。
良くも悪くも無頓着で、簡単に柳氏に言いくるめられ、そのせいで南院を崩壊に導いてしまう…。

占い大好きオジさん(笑)。いつも手に数珠はマストアイテム。
実際の周瑩も、厄払いで重病人・吳聘に嫁がされたというくらいだから、
当時、今以上に迷信や占いが人々の身近にあり、信じられていたのは、確かであろう。
私自身は、一般現代人と比べても、現実派なので、いちいち占いの話を出されると、「うざっ…」と思うが、
吳蔚全くらいシツコイと、逆に、面白くて、好きになっちゃうワ。
扮するは譚希和。譚希和と言えば…
『琅琊榜(ろうやぼう)麒麟の才子、風雲起こす~瑯琊榜』で、いつも梁帝のお側にいた高公公ですよねー。
控え目なようでいて、実は結構世渡り上手な高公公は、若干不気味で印象に残ったが、
『月に咲く花の如く』の占いオジさんも、ウザ面白くて、ドラマの良いアクセントになっておりました。
ついでなので、吳家の御夫人からも、一人挙げておく。
小さな役ながら、とっても気になったのが、陳氏。
何が気になるって、髪型とか顔の雰囲気とか、よく絵に描かれている清代の女性のまんま!
演じた孫儷以上に、周瑩の肖像画にも似ているし。
この陳氏は、吳家西院・吳蔚武の妻で、演じているのは陳劍月(チェン・ジェンユエ)。
実はこの陳劍月…
私生活でも吳家西院二爺・吳蔚武(侯長榮)とリアル夫婦。
今では、一人娘も結婚して、孫をもつおじいちゃま・おばあちゃまになっておられます。
★ キャスト その⑤:クセ者

お金に困る度に、幼い内に拾った周瑩を、転売するような男だから、ろくな養父じゃない!と思っていたが、
実のところ、周老四なりに周瑩を大切にしており、周瑩もそれを分かっていて、二人の絆は強固。
縛られることが嫌いな自由人だし、博打好きな上、手癖も悪く、しばしば周瑩に迷惑を掛けるけれど、
劉佩がとにかく上手く、しょーもない周老四が憎めない愛されキャラに。
本ドラマの周老四は、劉佩が日本で広く知られるようになった『北京ヴァイオリン』(2002年)の劉成と並ぶ
“劉佩田舎モン二部作”に挙げたいハマり役。
同じ無教養な田舎モンでも、『北京ヴァイオリン』の劉成は純朴系で、
本ドラマの周老四はガメツイ系と一見正反対なのだけれど、根っこが善良なのは同じ。
『月に咲く花の如く』で劉佩好きになっちゃったー!もっと劉佩を見たーい!という皆さま、
黃鶴に扮した映画『空海 KU-KAI』(2017年)等がございます。

胡詠梅は、古月藥材行を営む父・胡志存が、吳蔚文と親しいこともあり、幼馴染みの吳聘の許婚になる。
吳聘が昏睡状態に陥った時、“沖喜”で邪気を払うため、予定を前倒しして結婚してくれ!と吳家から頼まれ、
心底LOVE吳聘な胡詠梅は、当然その要望に応じるつもり。
胡詠梅に関するここら辺のくだりは、言い伝えられている実際の周瑩のエピソードを使ったものと思われる。
ところが、このドラマでは、父・胡志存が、可愛い娘・胡詠梅が寝たきりの吳聘に嫁ぐことを阻止したため、
結局代わりの周瑩が“沖喜”で吳聘の妻になってしまったから、胡詠梅は彼女に憎悪を募らせる。
当の吳聘は、周瑩を大好きで、胡詠梅には興味が無いのだから、逆恨みなのだけれどねぇ…。
胡詠梅にはストーカー気質があり、「本当は吳聘は私と一緒になりたかった」と思い込み、
周瑩に逆恨みして暴走するから、タチが悪い。
但し、彼女の攻撃は詰めが甘いので、どうせ周瑩は負けないという安心感で見ていられる。
演じているのは、日本にもファンが多い胡杏兒。
香港小姐(ミス香港)出身の胡杏兒は、長身でスタイル抜群、個性的な顔立ちの、とても香港的な女性。
その香港っぽい“クセ”のある顔立ちが、ウザい胡詠梅に妙にマッチしていて、かなり印象に残る役であった。

陽の隆升和を任されている“貝勒”の配下・杜明禮は、
権力と悪知恵を駆使し、吳蔚文を排除し、沈四海からは金を吸い上げる謎多き外道。
陝西商人たちを破滅に追い込むクズだが、彼自身が貝勒の操り人形。
幼少期に情けをかけてくれた胡詠梅を一途に愛すも、実は男性機能を失った太監ゆえ、
彼女に真実を告げることも、添い遂げることも出来ない、可哀相な人…。
私が、このドラマを観て、抱いていたイメージを最も覆された俳優は、この杜明禮を演じた俞灝明である。
俞灝明と言えば、中国版『花より男子』、『一起來看流星雨~Let's Watch The Meteor Shower』F4メンバー。
オリジナル版で花沢類に当たる端木磊を演じたのが俞灝明。
慕容雲海(=道明寺司)役の張翰(チャン・ハン)は正統派の美男子で、ブレイクを予感させたが、
俞灝明は、当時、私は、正直なところ、「いや、いや、これは違うでしょ」とミスキャスティングだと感じた。
それから間も無くの2010年秋、俞灝明の名がニュースに。
ドラマ『我和春天有個約會(後に“愛在春天~Love In Spring”に改名)』撮影中、
俞灝明は、台湾S.H.E.任家萱(セリーナ・レン)と共に爆破事故に見舞われ、
命こそ助かったものの、全身の39%にも及ぶ重度の火傷。
治療を続け、復帰は果たしたが、火傷の痕は、今でもはっきりと見てとれる。
芸能人じゃなくても、20代前半の男の子が、あんな大火傷を負ったら、精神的にもキツかろう…。
そして、そんな俞灝明を、私が久し振りに見たのが、この『月に咲く花の如く』の杜明禮だったのだが、
上手い、とにかく上手い!俞灝明って、こんなに演技が出来る人だったの?!とびっくり。
複雑な生い立ちで、屈折した杜明禮の感情表現は勿論の事、
京劇好きで、気分が乗ると、鼻歌感覚で、いきなり歌ったり舞ったりする素っ頓狂な杜明禮に、目が釘付け。
人生の最後でも、裏切り者・張長清を刺した直後に、いきなりノドを披露し、
視聴者を戸惑わせておいての唐突の自害。
ちなみに最期の歌は、京劇『霸王别姬』、“四面楚歌”の段(←歌のセレクトが自分の立場にちゃんとリンク)、
追い詰められた虞美人に自分を重ね、刃を首元に当てる杜明禮なのであった…。
見直しちゃたわ、俞灝明。爆破事故に遭って良かったなどとは全然思わないけれど、
もしあの事故が無く、中途半端にアイドル道を進んでいたら、
30歳で今の俞灝明に成れたのだろうか?とは考えてしまいます。

根は悪い人ではないけれど、吳家への妬みや商売への野望を杜明禮に巧みに利用され、
泥沼に嵌ってしまう沈四海。
長男・月生を死に追い遣った敵に、長年へコへコし協力し続けていたと判った時の虚しさよ…。
演じているのは、謝君豪from香港。最近は、“社長キャラ”が定着。
私が最近見た出演作では、『名家の恋衣~抓住彩虹的男人』で演じた染織工房経営者が、
『月に咲く花の如く』と時代が近く、役の設定も近かった。
ちなみに、そちらで演じている経営者の姓は、『月に咲く花の如く』のライバル一族と同じ“吳”です。
謝君豪は、1963年生まれの五十代半ば。
『月に咲く花の如く』の沈四海は、当初、油ののった等身大の謝君豪の雰囲気なのだけれど、
後半になると、謝君豪がもつ香港明星らしいギラギラ感は失せ、60代、70代のような老け込みようで、
沈四海の心労が滲み出ていた。
★ キャスト その⑥:清朝ロイヤルファミリー


『月に咲く花の如く』は、宮廷ドラマではないので、
宮中の人々は、台詞の中に名前こそ出ても、姿を現すことは無いと想像していたのだけれど、
いえいえ、出てきましたねー。
特に、奚美娟が、実際の“西太后”慈禧にえらく似ていたので、驚いた。
『蒼穹の昴~蒼穹之昴』で慈禧に扮した田中裕子も、かなり似ていると言われていたが、
奚美娟は、田中裕子超えしましたね。
★ 音声
『月に咲く花の如く』技術面の特徴で挙げられるのは、90%以上が同時録音で撮影されている事。
つまり、声優による吹き替えではなく、俳優本人の地声が採用されている。
同時録音が当たり前の日本だと、「えっ、だから…?」って感じだが、
大陸のドラマ、取り分け時代劇では非常に珍しい。
これは、丁監督のコダワリでもあったようだ。
大陸の吹き替えは良く出来ているので、日本人視聴者は違和感を抱くどころか、気付きもしなかっただろうが、
あの大ヒット作『宮廷の諍い女~後宮甄嬛傳』でも、『ミーユエ 王朝を照らす月~羋月傳』でも、
我々が耳慣れた孫儷の声は、実のところ、“配音女王(吹き替えの女王)”と称される
超売れっ子気声優・季冠霖(ジー・グアンリン)による吹き替えなので、
地声で演じている孫儷を見られるのは、案外貴重。
もっと驚きなのは、中国語に訛りがある香台の俳優も、多くは地声が採用されていること。
香台の俳優の声が吹き替えられていると、目くじら立てる日本人ファンが居るけれど、
それは、中国語が聞き取れないから、おかしさに気付かないのであって、
発音の微妙な差異を聞き取れてしまう中華圏では、吹き替えは必然。
例えるなら、日本の時代劇で、京都のお公家さん集団の中に、一人東北訛りのある俳優が混ざっていたら、
おかしいでしょう?!そういう事。
なのに、本ドラマで、丁監督は、香台の俳優も同時録音の地声を採用したのである。
結果、胡詠梅を演じる香港の胡杏兒は、まったく訛りが無いと、北京語圏の人々からお墨付き。
歌手活動もしている胡杏兒は、やはり音に敏感なのだろうか。
香港人の両親をもち、台湾で英語教育を受け育った吳聘役の何潤東は、
どんなに意識して一字一句正確に発音しようとしても、どうしても抜けない訛りがあり、
プレッシャーも大きかったようだ。
実際、放送が始まると、時代劇らしからぬ彼の訛りが、若干の物議を醸したようだけれど、
丁監督は、「何潤東ならではの優しく温かな語感は、吹き替えでは再現し切れない彼独特のもの」と
何潤東の声を吹き替えなかったことの正しさを主張している。
私自身が、声の演技も上手い!と感心したのは、杜明禮役の俞灝明。
太監らしいマイルドな声色とか、京劇の歌声とか、絶妙であった。
★ リンク集
『月に咲く花の如く』に登場する食べ物等に関し、過去に記した記事をリンク。
本ドラマに登場する食べ物は、舞台となった陝西の名物が中心です。
★ テーマ曲
テーマ曲、オープニングは、主演女優・孫儷が歌う<忘不掉>、
エンディングは、譚維維(タン・ウェイウェイ)が歌う<行走在茫茫月光的中間>。
共に、韓紅(ハン・ホン)作曲のとても良い歌。
孫儷は、単独で聴けば、充分上手いのだけれど、
プロ歌手・譚維維と比べてしまうと、どんなにエコーかけて、加工しても、聴き劣りしてしまいますね。
時代背景が近い“民間人モノ”だと、
『月に咲く花の如く』が突出して面白かった。
主人公・周瑩が、若くして未亡人となり、婚家の家業を引き継ぎ、
男尊女卑の時代にも拘わらず、天賦の商才で成功を収めた、という大筋だけ史実で、
肉付けの90%はフィクションだが、
清末の動乱を背景に、巧いエンターテインメント作品に仕上げていると感心。
70話以上の長いドラマなのに、大波小波が絶え間なく押し寄せる練り込まれた脚本も、俳優の演技も、
共に優秀で、まったく飽きることが無かった。
史劇と言っても、難しい知識は不要で、朝ドラ感覚で気楽に観られるドラマなので、
(本心を言えば、歴史の知識は、無いより有った方が、ドラマを絶対により楽しめると思う)、
日本、韓国、台湾等のドラマくらいしか観たことがないという大陸史劇初心者にもお勧め。
一応“朝ドラ”と形容したが、衣装、美術、セット等々、日本の朝ドラと比べ、規模もクオリティもずっと上です。
チャンネル銀河、平日夜11時枠、この『月に咲く花の如く』の後は、
2018年11月13日に、すでに『ミーユエ 王朝を照らす月~羋月傳』が始まっている。
『月に咲く花の如く』で孫儷ファンになった視聴者を、そのまま掴んで離さない!という目論見なのでしょう。
『月に咲く花の如く』が朝ドラなら、『羋月』は大河ドラマって感じ。