今朝、台湾の芸能ニュースを覗いたら、珍しく、ドラマの宣伝でもアイドルのスキャンダルでもなく、
人の良さそうな中年男性の写真で溢れかえっている。
この男性は、『天空からの招待状』(原題『看見台灣』)の齊柏林(チー・ポーリン)監督。
『天空からの招待状』は、台湾を空撮で捉え、
台湾が直面している環境破壊の問題などを提起しているドキュメンタリー作品。
2013年、台湾で公開されると、ドキュメンタリーとしては異例のヒットとなり、
その年の金馬獎で、最佳紀錄片(最優秀ドキュメンタリー賞)を受賞。
つい最近、2017年6月8日、齊柏林監督は、その『天空からの招待状』の第2弾、
『看見台灣 II』のクランクイン発表記者会見を実施。
その直後の昨日、6月10日、花蓮の上空でその『看見台灣 II』を空撮中、
正午近く、そのヘリコプターが墜落し、齊柏林監督をはじめ、アシスタント、操縦士、乗組員3人全員が死亡。
そのヘリコプターはブラックボックスを装備していなかったため、事故の要因を解析するのは困難らしい。
もうビックリである。齊柏林監督は、今の時代、死ぬには若過ぎる52歳。
元々は國道新建工程局の公務員で、仕事で航空写真を約20年撮り続けている内に、
台湾がみるみる荒んでいくのを目の当たりにし、思うところあり、一念発起。
公務員の職を捨て、『天空からの招待状』を撮った人物。
『天空からの招待状』には、簡単に特定できる発電所、企業、観光地などがかなり映し出されており、
それらに対し、暗に疑問を呈しているのだから、
『天空からの“招待状”』ならぬ、『天空からの“挑戦状”』とでも呼びたくなる、
実は結構辛辣な社会派ドキュメンタリーである。
“空気を読む”という不気味な習性が染み付いていて、問題になることを避けたがる日本では
なかなか作りにくいタイプのドキュメンタリー作品だとも思った。
ヘリコプターの墜落事故は、日本でもたまにニュースで見るけれど、
「そんな事、本当に起こるんだぁ…」と、当たり前の事を今さら思い知らされた。
なにせ昨日の今日なので、『看見台灣 II』がどうなるかは、発表されていない。
着手したばかりなら、撮り溜めもあまり無いだろうし、
撮影に特殊な技術を要するから、誰か別の監督が引き継ぐのも難しいだろうし、
このままお蔵入りの可能性が高いだろうか。
今はただただ齊柏林監督の御冥福を祈ります。本当に残念…!
変わって、明るいお話。
大ヒット大陸ドラマ『琅琊榜(ろうやぼう)麒麟の才子、風雲起こす~瑯琊榜』の続編、
『瑯琊榜之風起長林~Nirvana in Fire II』が、先月9日、ついにクランクアップ。
それから約ひと月後の今月8日に発表された
40秒のティザー予告を、皆さまは御覧になりましたか?

戦場などの血生臭いシーンを中心に編集されているので、
これだけだと敬遠する女性視聴者も居るかも知れないが、映像のレベルの高さは、誰でも感嘆するはず。
もはや映画ではないか…。これがテレビドラマとは、中国の進化の著しさには、驚嘆しかない。
『瑯琊榜之風起長林』も日本に入って来ることに期待!
『瑯琊榜之風起長林』のキャストについては、以前に記した、こちらを参照。
皆さまは、どーヨ?御覧になりたいドラマは有りますか。
私は、今、日本上陸を期待するドラマを3本だけ挙げろと言われたら…
やはりその『瑯琊榜之風起長林』と、『如懿傳~Ruyi's Royal Love in the Palace』、
軽めのところだったら、『歡樂頌~Ode to Joy』の続編『歡樂頌2~Ode to Joy II』かしら。
全部日本に入ってきたら、すごく嬉しいのに…。

まずは、明日、6月12日(月曜)、BSジャパンで放送の『エンターザ・ミュージック』。
観たことのない番組。
毎回ゲストを招き、司会進行役の指揮者・藤岡幸夫とジャンルを超えた対談や演奏をする音楽番組らしい。
で、この晩のゲストは、二胡奏者の巫謝慧(ウェイウェイ・ウー)。
あるイベントで生演奏を聴いたことがる。とても素敵であった。
そんな訳で、この番組を初めて録画。
もう一本は、翌6月13日(火曜)、NHK BSプレミアムで放送の『2度目の旅』シリーズで、
今回は『2度目のマレーシア~おこづかい2万円で充実旅』。
モデルの呂敏が、首都クアラルンプールへ飛び、
絶品ポークヌードルやバクテー、名物スウィーツといった食を堪能したり、
レトロな街並み散策から、ジャングルまで体験。
さらに、マレー鉄道に乗って、世界遺産の古都・マラッカにまで出向くらしい。
先週の『2度目の上海』は面白かったけれど、今週のマレーシアも良さそう。
なお、その『2度目の上海』も、同日朝8時に再放送あり。
ちなみに、その『2度目の上海』の中で紹介されたお茶屋さんビル、天山茶城については、
当ブログにも少しだけ記してあるので、(すでに情報が古いが…)こちらを参照。
今年、東京は、
6月7日(水曜)に梅雨入りしたらしい。

それから早数日が経過したものの、あまり梅雨っぽい雨には降られていない気がする。
超冷え症ということもあり、人が言うほど蒸し暑いとも思っていないので、
コッテリ濃厚なスウィーツも何の問題も無く美味しくいただけるのだが、
世間の一般的な皆々サマのために、今回は、蒸し暑い今の時期に相応しいであろう
サッパリした和の甘味を2種類お届けいたします。
★ 美濃忠:垂水の蕨
容器の大きさは、だいたい長さ16センチ×幅6センチ×深さ3センチ。
きな粉と黒蜜を添えていただくわらび餅。
一つめは、創業安政元年(1854年)、名古屋の老舗・美濃忠(公式サイト)の“垂水の蕨”。
私にとって、美濃忠と言えば、黄身餡を包んだ“雪花の舞”で、これは食べたことが無い。
一応“わらび餅”として売られているが、材料は蕨粉と寒天のミックスで、
四角いプラスティック容器に流し入れ、固められている。
美濃忠の広告では、これをキューブ状にカットし、深さのある器にコロコロと入れている。
私は、もっとザッと1/3にカットし、お皿にドカンッ!
1/3カットだと、よく正方形の容器に入れ売られている胡麻豆腐くらいの大きさになる。
きな粉と黒蜜をかけ、いざ実食。
歯切れがよく、ノド越しつるん。
サッパリしていて美味しいけれど、これは、食感といい、味といい、わらび餅ではなく、ほぼ寒天である。
あんみつ等のあの寒天を、ドカンと大きく作った物という印象。
★ 笹屋伊織:紫陽花
大きさは、直径約4.5センチ。
中にこし餡を包み、上部は羊羹の花2ツで飾り、紫陽花をイメージした水饅頭。
もう一つは、笹屋伊織(公式サイト)の“紫陽花”。
梅雨に入った今の時期にピッタリな紫陽花は、6月限定の生菓子。
紫色の花型羊羹でおめかししているけれど、要は水饅頭である。
本葛と寒天を主原料に作られた生地は、滑らかな食感で、ツルンとそのまま丸呑みできてしまいそう。
中のこし餡も滑らか。
ただの水饅頭と言ってしまえば、それまでだが、ちょっとしたデコレーションのお陰で、
ジメジメの梅雨に、気分がちょっとだけ華やぎます?