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大陸ドラマ『最上のボクら~最好的我們』

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2003年8月末。
中国で猛威を振るったSARSの影響で、受験科目が減り、
奇跡的に難関の振華に合格したラッキーな女の子・耿耿。
今日はいよいよ入学式。
日々の生活を記録しようと、カメラを手に意気揚々と学校へ向かうが、
有ろう事か、その大切なカメラを落とし、しかも、拾おうと無理をして、鉄柵から頭が抜けなくなってしまう。
そんな間抜けな耿耿を小馬鹿にしながらも、助けてくれたのは、通りすがりの青年。
お陰で何とか学校に到着した耿耿は、クラス分けの掲示を見て、自分が5組に入った事、
そして、その5組に、さっき鉄柵に挟まった自分を小馬鹿にした青年もいる事を知る。
早速5組の教室に行くと、なんとあの青年が隣の席。
彼の名は余淮。
師範大付属中から入学した余淮は成績優秀で、すでに多くのクラスメイトが彼の事を知っていた。
一方、十三中から奇跡的に名門校に入学できた耿耿は、先生に存在さえ忘れ去られる始末。
初日から踏んだり蹴ったりだが、こうして高校生活は幕を開け…。



2018年10月下旬、アジアドラマチックTVで始まった大陸ドラマ『最上のボクら~最好的我們』
12月半ば、全24話の放送を終了。
現地で評価の高い作品ではあるが、“今の私の気分”ではなかったため、大した期待も無く、
週3話の放送なら、無理せず追えるという理由で、何となく観たら、実のところ案外楽しめた。

★ 概要

2016年春に、愛奇藝 iQIYIで初配信された青春ドラマ。

原作は、人気女性作家・八月長安の“振華三部曲”の内の一作<最好的我們>。
それを劉暢(リウ・チャン)監督がドラマ化。
(“振華三部曲”他二作品は、<你好,舊時光>と<暗戀· 橘生淮南>で、全て映像化。)



劉暢監督は、北京電影學院で学んだ1988年生まれの新鋭。

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コンクールに出品した自作自演の8分間の短編作品『李晚我想和你好』が、
大ヒットwebドラマ『匆匆那年~Back in Time』を制作した北京小糖人文化傳媒の創設者で
プロデューサーの朱振華(ジュウ・ジェンホア)の目に留まり、
当時、小糖人と愛奇藝との間ですでに企画が進んでいた新ドラマ『最上のボクら』の監督に、
新人でありながら、大抜擢。
結果、『最上のボクら』は好評を博し、劉暢監督自身注目され、次々と新作を手掛けるようになり、
現在は、張超(チャン・チャオ)主演の新ドラマ『獨家記憶』が、すでにクランクアップし、公開待機中。


劉暢監督は、運命を変えた短編作品『李晚我想和你好』で自作“自演”しているように、
その気になれば、自身も表に出て演じられる人なので、『最上のボクら』でも、終盤、2015年のシーンで…

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主人公の嫌味なお見合い相手Andyの役で、チラリと出演している。

私生活では、『最上のボクら』が初配信され、成功した後の2017年に…

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女優の周放(チョウ・ファン)と結婚。
成功者になった途端、いきなり有名女優にスリ寄られた訳ではなく、
二人は幼少期から仲良しの同級生で、大学時代は北京と上海で離れ離れとなり、音信が途絶えるも、
十年後に再会し、初恋を実らせての結婚。
『最上のボクら』を地で行っているワケ。
ついでに補足しておくと、その『最上のボクら』終盤2015年のシーンで、
リメイクされたドラマ『還珠格格』にハマッた主人公の父親が、
「柳紅は、新版の女優がいいね」という台詞がある。
2011年度版『新還珠格格』でその柳紅を演じている女優こそが、劉暢監督の奥方・周放ですヨ。


余談になるが、映像関係の仕事をする親戚がいたこともあり、
早い時分から漠然とその世界に興味を持っていた劉暢監督の想いを決定付けたのは、一本の日本の作品。
岩井俊二監督の『PiCNiC』(1996年)なんですって。
日本向けインタヴュで語った話ではないので、リップサービスではないはず。

★ 物語

2003年、進学校・振華に入学した耿耿、余淮ら、高校生たちの日常を綴った青春ドラマ

…なのだけれどぉ、高校卒業から十年後の現在2015年を描く最後の2話を見ると、
その高校時代に出逢った運命の二人、
耿耿と余淮の紆余曲折の恋を描いたラヴ・ストーリーであったと感じる。

タイトル『最上のボクら~最好的我們』も、
当初は、青春時代をキラキラと生きる高校の仲間たち全体を表しているのだと思っていたが、
ドラマを最後まで観ると、耿耿と余淮の二人こそが“最好的我們(最上のボクら)”なのかなぁ~、と。



背景に触れておくと、1987年生まれの女の子・耿耿を主人公にした本ドラマは、
ズバリ、1987年生まれの原作者・八月長安の青春時代をヒントに描かれているものと思われる。

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八月長安、本名・劉婉薈(リウ・ワンフイ)は、1987年、黒龍江省・哈爾濱(ハルピン)の生まれ。
“八月長安”のペンネームで小説を書き始めたのは、まだ北京大學光華管理學院在学中。
(なんでも八月長安は、日本への留学経験もあるらしく、
ダブルディグリープログラムで、早稲田大学でも政治経済学の学位を取得している。)

ふんわりした女性に見えるけれど、相当頭が良いのでしょうね、八月長安サン。
通っていた高校・哈爾濱市第三中學も、
毎年卒業生の約10%を北京大学か清華大学へ送り込んでいる黒龍江省トップレベルの重点校らしい。

本ドラマの撮影は、主に山東省青島で行われている。
舞台となる振華高中は、青島二中分校(青島市南區江西路70號)が撮影に使われているけれど、
モデルは、八月長安の母校である哈爾濱市第三中學だと言われている。

本ドラマは、監督の劉暢も、八月長安と同世代の1988年生まれ。
劉暢監督の母校で、日本でも中華芸能をちょっとでも知っている人にはお馴染みの北京電影學院も
カメラ好きな主人公・耿耿が受験する大学として、ちょこっと出てくるから、我々にも食い付き易い。

このドラマは、八月長安や劉暢監督と同世代のアラサー中国人たちが観て、
懐かしさを感じる青春ドラマなのであろう。

★ キャスト その①:運命の二人~耿耿於懷

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主人公の男女は、名前からして運命の二人。
二人の名、耿耿(GěngGěng)と余淮(YǘHuái)を足すと、
同音で、心に引っ掛かって忘れられない事を意味する四字熟語“耿耿於懷”となる。


劉昊然(リウ・ハオラン):余淮~物理とバスケが得意な男の子

本ドラマの主演男優は、あれよあれよと言う間に有名になった新星・劉昊然クン。
現時点で正式に日本に入って来ている出演作、映画『空海 KU-KAI』(2017年)や
ドラマ『琅琊榜(ろうやぼう)<弐>風雲来る長林軍~琅琊榜之風起長林』より前の18歳の時の主演作がコレ。
母親世代に可愛がられそうな素朴な顔立ち+184の長身というアンバランスで、
シャープな二枚目には無い親近感や安心感を見る者に適度に与えながらも、
「でもやっぱり普通の人よりちょっとカッコイイかも…」と思わせる絶妙な立ち位置の劉昊然は、
進学校に通う真面目な優等生でありながらバスケも得意という余淮に適役。
下手にオシャレ感を狙った学園アイドルドラマじゃないから、
ヒロインを魅了する男性主人公なのに、髪型がお椀ヘアという野暮ったさが、これまたよろしい。

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もっとも、高三になると、洒落っ気が出て、分け目を付けたアダルト仕様に変わるのだが。
私個人的には、ダサダサお椀ヘアの方が、愛嬌があって好き(←多分、少数派)。

劉昊然はまだ21歳なので、これからも制服を着て演じる機会はあるかも知れないけれど、
まるで演じていないかのように初々しく高校生を演じているこの『最上のボクら』は、
それが正に等身大だったからで、二度と再現できない十代の貴重な記録。
終盤、現在のシーンまで観ると、高校時代キラキラ輝いていた余淮の挫折や内に秘めた悩みが判り、
ちょっぴり切なくなりますヨ。



譚松韻(タン・ソンユン):耿耿~カメラが好きな女の子

耿耿は、あまり勉強は得意ではないのに、奇跡的に進学校・振華に合格したカメラ好きな女の子。
明るく朗らかな性格で、誰からも好かれる彼女だけれど、実は家庭はちょっと複雑。
両親が離婚しており、父と父の再婚相手、その再婚相手の息子・林帆との4人暮らし。
決して絶世の美女ではないが、タイプの異なるイケメン二人、余淮と路星河の両方から好かれるモテッぷり。
ちなみに耿耿(ゴンゴン)は、“林耿耿”でも“陳耿耿”でもなく、“耿”が苗字で、もう一つの“耿”が下の名前。
日本人に例えるなら、“森森(もり・もり)”とか、“山田山田(やまだ・やまだ)”みたいな感じ。


演じている譚松韻は…

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そう、『宮廷の諍い女~後宮甄嬛傳』の“淳ちゃん”こと淳常在。
あどけない少女だった淳ちゃん(譚松韻)も、
実のところ、1990年生まれで、今では30に手が届きそうな28歳。
相手役の劉昊然は1997年生まれだから、実際は譚松韻の方が7歳もお姉さん。
さらに言うと、耿耿の父親を演じている趙岩松(チャオ・イェンソン)は1984年生まれで、
耿耿(譚松韻)との年齢差・6歳ポッキリ。

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同級生のボーイフレンドより年齢差の少ないパパと並んでも、ちゃんと父娘に見える不思議。
童顔で未だティーンエイジャー対応できる譚松韻だが、
こういう童顔カワイ子ちゃんタイプって、一気に中年のオバちゃんにもなれちゃうものなのヨ。
先日、通販番組で麻木久仁子を見ていて、ふと譚松韻が重なった。
リアル十代のピチピチ女優が大勢いる中、『最上のボクら』で敢えて耿耿役に譚松韻を抜擢したのは、
現在を描く最も重要な最後の2話に焦点を合わせたからかも知れないとも想像した。


ついなので、オマケにもう一つ記しておくと、
耿耿と血の繋がらない弟・小林帆を演じている2006年生まれの榮梓杉(ロン・ズーシャン)という子役…

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賈樟柯(ジャ・ジャンクー)監督の『山河ノスタルジア』(2015年)で、趙濤(チャオ・タオ)の息子を演じて以降、
短期間で多数の話題作に出演している売れっ子。
ちなみに、『山河ノスタルジア』では、この榮梓杉が成長すると、董子健(ドン・ズージェン)になる。

★ キャスト その②~その他

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王櫟鑫(ワン・ユエシン):路星河~絵やギターが得意な芸術家肌

路星河は、余淮とはタイプが違い、ちょっと不良のニオイがする男の子。
でも、実は家はお金持ちで、性格も明るく自由でのびのびとしている。
耿耿へのアプローチも、ストレート。
正統派の美男子ではないけれど、“愛嬌のあるワル”って感じで、彼もまた可愛らしい。
日本だと、和田正人がやりそうな役回りかしら。

演じている王櫟鑫は、オーディション番組『快樂男聲』出身の歌手で俳優。
実年齢は、譚松韻のさらに上で、1989年生まれ(出た、80年代生まれ!)。
年齢以上に驚きなのは…

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2015年に結婚し、すでに二人の子を持つパパ(内訳は、理想と言われる一姫二太郎)。
二児の父親でも、制服のジャージ、まだイケますね。



董晴(ドン・チン):蔣年年~耿耿の親友 ニックネームは“β(ベータ)”

ベータは率直な性格。
担任の方文強先生に片思いしているが、その想いも実ることなく、卒業前に北京へ転校。

実年齢の話ばかりして悪いんだけれど、蔣年年役の董晴は、路星河役の王櫟鑫の年齢をさらに更新。
1988年生まれである。
アラサーでセーラー服はキツイが、中国の制服はジャージだから、
シックリくる年齢の幅が広いんでしょうかねぇ…??



方文強(ファン・ウェンチアン):張平~5組担任の物理の先生

張平は、真面目で優しく、生徒たちから慕われるお兄さんのような新米先生。
自分に対すベータの気持ちも分かっているが、それに応えてあげることは出来ず。
ドラマの中では、張平先生自身の恋もちょこっと描かれる。
憧れの後輩とおデートの時は…

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ワイシャツの下には、中国だけに、五星紅旗を思わせる鮮やかな赤のランニングシャツ!
これって、中国では普通なのか?!と少々驚いたが、
その後、街中で偶然出くわしたベータから、「下に赤いシャツは着ない方がいい」と注意されていたので、
どうやら、中国でもNGらしい。

俳優・方文強は、自分に想いを寄せる生徒ベータ(董晴)より、実のところ年下の(!)1990年生まれ。
なので、新ドラマ『忽而今夏~The Words of Love』では…

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方文強もまたジャージの制服を着ておられる。
オヤジ贔屓で若い子にはまったく興味の無い私としては、
学生役の方文強より、先生役をやっている方文強の方が好みかも。
張平先生は、学園ドラマにありがちなギラギラ熱血漢とも違い、ごくごく平凡で、温厚な感じが、とても良い。


ちなみに、方文強が出演しているその『忽而今夏』を監督しているのは呂赢(リュィ・イン)。
呂赢は、『最上のボクら』の監督チームの一人でもあり、さらに…

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保護者会にやって来るベータのニセモノのパパ役で出演もしている。
(ベータの父親は外科医のハズなのに、何か様子が変…、と疑われ、偽パパだとバレてしまう。 …笑)

ついでに言っておくと、この呂赢監督は、過去に、『レッドクリフ』(2008年)、
有名監督による有名な映画にも多数関わっている。だから…

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我が愛しの張震(チャン・チェン)にも、頭ナデナデしてもらっていて、羨ましい…。
(画像は『ブレイド・マスター』の現場です。)



劉啟恆(リウ・チーハン):徐延亮~余淮たちの同級の親友

方文強先生には振り向いてもらえないベータだけれど、そんなベータの事を想ってくれている男性が。
それが、この徐延亮。
ポッチャリ眼鏡の徐延亮も、私は結構好きなキャラ。

演じている劉啟恆は、劉暢監督が本ドラマの監督に抜擢されるキッカケとなった自作自演の短編作品
『李晚我想和你好』に劉暢監督の友人役で出演している。
北京電影學院では、劉暢監督の3年後輩なので、そんな事もあって、古くからの付き合いなのだろうか。

この劉啟恆、かなり頻繁に日本に来ているみたい。
一番最近だと、2018年12月上旬。
京都では、柊屋で、三島由紀夫がかつて過ごした33号室に、東京ではアマンに宿泊している。

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意外と丸の内の夜景が似合う(?)オトナの男。
ポッチャリ徐延亮クン(劉啟恆)は、そこそこ小金を持っている気がする。
皆さま、彼、狙い目です。どーヨ…?!

★ キャスト その③:日本人…?!

『最上のボクら』には、日本人(?)も登場。
舞台となる高校・振華に、国際交流で、東京桜中学の生徒たちがやって来るのだ。
東京桜中学の学生代表を演じているのは、こちら(↓)

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劉美含(リウ・メイハン)
そう、日本人ではありません。
かつて、中国・韓国・タイの女性混合アイドルユニットi Meに所属していた頃、
私、多分、日本のテレビで、見た記憶が…。
かなり日本語が喋れて、ニックネームは“ミカン”ちゃん。
(卒業した北京外國語大學でも、専攻は日本語。)
『最上のボクら』では、ゲスト出演程度だが、
「十年の日本語学習は、この為だったかのよう」と自身の微博で呟いている。
確かに、上手な日本語だし、ちょっとした動き等も、日本の女の子を研究し尽くしている感じ。

★ あゝ、近くて遠い国…。

ドラマの見方、感じ方は人それぞれ。
『最上のボクら』を観ながら、自分の青春を重ね、郷愁を感じたり、
高校生は中国も日本も変わらないと、親近感を覚えた視聴者も多いことでしょう。
私自身は、青春っぽい事に無関心な冷め切った高校生だったため、
どの国の青春映画/ドラマを観ても、自分の過去を重ね、懐かしく感じることは、まず無い。
じゃぁ、『最上のボクら』は退屈だったかと言うと、そんな事はなく、
中国の高校という未知の世界を覗けて、とても興味深かった。
特に興味深いのは、日本との共通点より、相違点。


ドラマ序盤ですでに軽いカルチャーショック。

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学校で、女生徒もみんな本格的に迷彩服を着て、軍事訓練をするの。
『最上のボクら』の舞台・振華のような進学校でも、軍事訓練やるんですねぇー。


あと、友人同士が集う席には、おビール。(※中国では、違法ではない。)

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世界を見渡すと、法的にハタチまでお酒を飲めない日本は、厳しい方かも知れない。
ヨーロッパ等も、国によっては、お酒にはかなり寛容である。
でも、西洋人は大人びて見えるせいか、ティーンがお酒を飲んでいても、ハッとさせられることは無い。
ところが、容姿が日本人と変わらない中国人高校生(しかも進学校に通う真面目な高校生)が、
堂々とビール瓶を何本も空けている様子を目にすると、ドキッ!

特に、北京へ引っ越してしまうベータとの最後の女子会のシーン。
本格的な中華料理をつまみながら、ビールを飲みまくっている様は、
“社会に出て最低でも3年は経ったOLが、金曜の晩、会社帰りに同僚たちと新橋で集い、
社の待遇や上司の悪口で盛り上がっている”図にしか見えなかったー(笑)。
貫禄あるわぁ~、中国のJK!
あんな若い時から飲み慣れているのだから、中国人に酒豪が多いのも納得。



台湾の懐かしい系青春映画だと、男子高校生の大半がヘビースモーカーなのよねぇ。
台湾人高校生の喫煙にはとっくに慣れっ子だった私も、中国人高校生の酒豪っぷりには、驚かされた。
他にも、お国柄が表れているシーンは色々とあり、日本と違うからこそ面白かった。
皆さまが『最上のボクら』で感じたカルチャーショックは何ですか?

★ 耿耿のリュックサック

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ドラマを観ていて、ボカシの入った耿耿のリュックサックが気になってしまった視聴者も居ることでしょう。
ボカシやモザイクは、目を細めると見える!という都市伝説を信じ、試したところで、無駄。
普通に調べた方が早い。
ディズニーアニメ『フィニアスとファーブ』に登場するカモノハシペリー/エージェントPであった。

★ テーマ曲

このドラマにオープニング曲は無い。
webドラマという事もあるのだろうか。テレビ放送向けに作られたドラマより、あっさり始まる。
エンディングには曲アリ。
台湾の王笑文(ワン・シャオウェン)が歌う<耿耿於懷>
映画『あの頃、君を追いかけた』(2011年)のテーマ曲<那些年>を思い起こす
懐かく、甘酸っぱい雰囲気のメロディ。





大陸には有りそうで無かったタイプの青春ドラマという印象。
大事件など起きないし、奇想天外な展開も無い。
人生の中から、数年の学生時代を切り取り、その日々を綴ったさり気ない作風が映画的。
それが、私が意外にもこのドラマを気に入った理由の一つ。

じゃぁ、最後までまったく何も起きず、ひたすら学生生活を描いたドラマなのかと言うと、実は違う。
このドラマでは、高校生活のクライマックスになるハズの大学受験の結果をバッサリ割愛し、
何の説明も無いまま、最後の2話で、いきなり卒業から十年後の現在に飛ぶ。
それを観ると、高校時代を描いたその前の22話は、
最後の2話のために用意された長~いプロローグだったのか!という気がしてくる。
その大胆な構成の意外性にハッとさせられた。
長いプロローグである(?)前の22話に関しては、
前述のように、未知の世界だった中国の高校生活を覗き見でき、面白かった。

日本側の作業に関しては、現代モノ、しかも、学生を主人公にした青春ドラマにもかかわらず、
日本語字幕で、人名を漢字+片仮名ルビで表記していた事を、高く評価。
簡單(かんたん)ちゃんや周末(しゅうまつ)クンなんていう同級生も出てくるのに、
これが全部片仮名で“ジエン・ダン”、“チョウ・モー”にされていたら…、と想像するとゾッとする。
片仮名表記にしてしまうと、本来の意味が失われる上、
記憶に残りにくく、字数もやたら食う等々…百害あって一利ナシ。
他社もこれを見倣い、今後“漢字+片仮名ルビ”表記が定着していく事を切に願います。

また、その日本語字幕や注釈で、実在の歌手や俳優の名前、曲名、映像作品名等が、
きちんと記されているのも、当時の中国の流行に触れられ、見ていて楽しかった。
このちょっと前に、ホームドラマチャンネルで放送していた某台湾偶像劇では、
そういう実名が全て“芸能人”、“美人女優”といった訳にされていたのが、ガッカリであった。
(別に実名を伏せたかったわけではなく、そのドラマの日本語字幕は、人名を片仮名で表記していたため、
字数が収まり切らなかったのだと想像する。)

あと、たまに、ドラマの最後に、メイキング映像が流されるのも、良かった。
あれ、通常日本で放送される大陸ドラマには付かないから。

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