先程、
フジの『ザ・ノンフィクション』、放送開始20年記念特番、“私は誰?消えた父を探して”を観る。

今回の主人公は、シンガポールの実業家、70歳のジョン・ホー氏。
マレーシアに生まれ、自分は華人だと信じていたが、42歳の時、女手ひとつで育ててくれた母親から、
「父親は大阪出身の“カズオ”(姓も判っているが、番組では伏せている)」と打ち明けられる。
1945年の終戦で父親は日本へ帰国。その時すでに身籠っていた母親は、その後一人でホー氏を出産。
当時、日本人との関係がバレるのは、とても危険だったので、母親は父に関する全てを処分。
息子のホー氏にも長年何も語らずにいたが、真実を打ち明けると2年後に死亡。
今でも父親が存命だとは考えにくいが、ホー氏は、自分のルーツを知りたい、
もし日本に親族がいるなら会いたいという強い思いから、日本の友人の助けを借り、父親捜しを始める。
終戦までマレーシアに居た大阪出身者と判っていても、
ホー氏とその父親を繋ぐ証拠が何も残っていないため、個人情報の保護が壁となり、捜査は難航。
ありとあらゆる手を尽くし、幸い、番組の最後で、ついに父親の消息に辿り着く。
父親は案の定、1995年にすでに他界していたが、父の息子が2人、東京と横浜で暮らしていることが判明。
ホー氏の母親はいわゆる“現地妻”などではなく、
父親は戦後日本に戻ってから結婚し、これら2人の息子をもうけていた。
父親がどのような人かと思い続けてきたホー氏にとっては、ささやかでも、そんな事実も救いになったであろう。
…が、日本の息子2人にとっては、異国に異母兄がいたなんて寝耳に水。
どうやら、来週2015年11月22日(日曜)に放送の後編で、
異母兄弟の対面や、その他の真実が明らかになるらしい。
まさに“事実は小説より奇なり”。下手な映画より、よほどハラハラどきどきしながら画面を追い続けた。
戦争は、本当に普通の人の人生を狂わしてしまう。ホー氏のような人は、他にもまだまだ居ると思う。
日本に暮らす異母弟にしたって、戦後70年も経って、血の繋がった兄の存在を知るとは、どんな気持ちか。
これ、今年観たドキュメンタリー番組のベスト10に必ず入る。来週放送の後編も待ちきれない。
残留孤児といえば、NHK BSプレミアムで毎週土曜に再放送中のドラマ『大地の子』。
20年も前のドラマなので、映像の古臭さは否めないけれど、内容は今観ても秀逸。
当時やけに“それらしく”聞こえた主演男優・上川隆也の中国語だって、
今改めて耳にしたら、下手くそに感じるのかと思っていたら、なんのなんの、やはり“それらしい”。
まったく中国語を解さない人が、耳だけで覚え、あそこまで発音できるって、スゴくないか…?!
近年、出演作のプロモーションなどで中華圏へ赴く日本の芸能人も、
即席で覚えた中国語で「こんにちは!○○です。」などと簡単な挨拶をするが、お世辞にも上手とは言い難い。
『大地の子』で上川隆也の中国語を聞いていたら、
他の日本の芸能人は努力がまったく足りていないと思えてきた。
短い挨拶程度なら、必死に練習すれば、上川レベルにもっていけるハズ。もっと本気出して欲しいワ。
あと、その上川隆也扮する陸一心の妻・江月梅を演じる蔣雯麗(ジアン・ウェンリー)。
当時はまだ20代半ば?童顔で今でも若々しい印象ではあるけれど、本当に若かった当時の姿は、
先日、東京・中国映画週間のために来日した姪っ子・馬思純(マー・スーチュン)を彷彿。
広い額、丸く小さな鼻、つぶらな瞳…、と二人はソックリ。叔母と姪でも、こんなに似るものなのですね~。
蔣雯麗は『師父』で、馬思純は『左耳』で、
共に今週末発表される
第52回金馬獎の最佳女配角(最優秀助演女優賞)にノミネートされている。

叔母&姪対決、どうなるでしょうか。
“東京・中国映画週間”で、
昨晩、11月7日(土曜)放送の東京MX『明日、どこ行くの!?~明天去哪儿!?』を思い出した。
今回は、日本在住中国人の中から選出されたVIVI Girl Chinaとやら4人が、2人ずつに分かれ東京をレポート。
特に、先月開催された東京国際映画祭と東京・中国映画週間を取材する前半を興味深く観る。
郝杰(ハオ・ジエ)監督作品『僕の桃色の夢』のために来日した俳優・包貝爾(バオ・ベイアル)が
(↑上の画像、右の坊主頭が包貝爾。左後方にはなぜか山村紅葉嬢。)、
日本は初めてかと尋ねられ、「いえ、母が20年ほど日本に住んでいますから」と答えていたのが意外。
最近、コミックリリーフとして重宝されている彼、子供の頃父親と離婚した母親は、日本在住だったのですね。
他にも番組のカメラは、私は行っていない中国映画週間のレセプションパーティーにも入っており、
日本語で<四季の歌>を歌う呂麗萍(リュウ・リーピン)なども少し流れた。
ちなみに、番組後半は、代官山にある香港カフェcondensedや、ハロウィンに湧く渋谷の街を取材。
11月24日(火曜)、26日(木曜)に再放送あり。
これからの放送では、11月19日(木曜)、BS TBSの『地球バス紀行』に注目。
“見て食べて!もっと台湾 穴場めぐり”と題した台湾特集。
B級グルメの他、アマチュアカメラマンの聖地になっている大稲埕(ダーダオチェン/だいどうてい)埠頭や、
世界6大猫スポットに選ばれた猴硐(ホウトン)などを紹介とのこと。
誰がどのような形で選んだ“世界6大
猫スポット”なのだろうか。

むしろ、あとの5ヶ所がどこなのかが気になってきた。
台湾を紹介する番組は、近年非常に多く、内容がカブリまくっているので、
今回も本当に“穴場”が紹介されるとは考えにくいが、一応録画の予約。
翌、11月20日(金曜)は、NHK『妄想ニホン料理』。
月一程度の頻度で不定期に放送されている番組で、今回のテーマは“ぼたん鍋”。
フランス高級リゾート地のシェフと、中国・雲南省の料理人が、
簡単なヒントを頼りに、独自のぼたん鍋を作るそう。
ちょっと硬いところでは、11月22日(日曜)のNHK BS1『ドキュメンタリーWAVE』、
“中国 株暴落に揺れる人々~上海 広東路の秋”。
中国株式市場は、取り引きの約80%をも個人投資家が占めるらしい。
大手証券会社がある上海の中心部・広東路には“街頭株式サロン”と呼ばれる一角があり、
この夏、世界の金融市場を襲った同時株安で資産を失った個人投資家たちの多くもそこに集い、
その数は、週末には200~300人にものぼるという。
夫が遺したなけなしの蓄えを失い、株で取り戻そうとする女性、
本業そっちのけで株取引にのめり込む経営者、株取引に見切りをつけ、新たな投資先を探す富裕層など、
激動の夏を経験した個人投資家たちの秋を追った番組。
お菓子は、最近和菓子ばかりが続いたので、
ケーキを3ツ。

★ ヴィタメール:サンバ
大きさは、直径約5センチ、高さ約5.5センチ。
ミルクとビター、2種類のチョコレートムースを、スポンジ生地と共に重ねたケーキ。
ひとつめは、ヴィタメール(公式ケーキ)の“サンバ”。
ヴィタメールで人気の定番ケーキで、私も幾度となく食べている。
これ、要はチョコレートムースのケーキ。
充分に気泡が入った軽いムースなので、どんどん胃の中に入ってしまう。
チョコレートムースは、ミルクチョコ一種類だけでなく、ビターチョコが加わっているので、甘過ぎず、味に深みも。
トップのグラサージュ・ショコラも、少量ながら、いい仕事しております。
こういう濃厚な味が加わらないと、このケーキは軽過ぎるかも。
ケーキの下の部分は、ちょっと手の込んだ細工になっており、
細く切ったチョコレートを均等に並べ、縦ストライプの模様に。
特別珍しいケーキではないけれど、間違いのないお味。
★ キャトル・キャール:和栗のモンブラン
大きさは、直径約5.5センチ、高さ約5センチ。
メレンゲに生クリームをのせ、その上からマロンクリームを絞り、
トップを、渋皮付きの栗半個とチョコレートで飾ったモンブラン。
続いて、キャトル・キャール(公式サイト)の
“和栗のモンブラン”。

ここのモンブランは以前にも食べているが、それはこのような紙のケースに入った物ではなかった。
もしかしたら、和栗と、そうではない栗、2種類のモンブランを提供しているのかも知れない。
メレンゲ+生クリーム+マロンクリームという基本の3種類だけで構成された、
私が好きなタイプの伝統的なモンブラン。
宮崎県産の栗を使用したマロンクリームは、さっぱり上品な味。
メレンゲは、チョコレートでコーティングされ、サックサックの食感。
生クリームは甘さ控え目で、量も少な目。
まったく無駄の無いモンブランで、まぁ美味しいが、私には味がアッサリし過ぎで、やや物足りない。
和栗を使っているだけに、和菓子に近いモンブランにも感じる。
以前食べた同店の別のモンブランの方が、生クリームの量が多く、全体的な味も、もう少し濃厚で、
激甘党の私好みであった。
★ リュー・ド・パッシー:キャラメル・サレ
大きさは、たいたい長さ8センチ×幅3センチ×高さ5センチ。
キャラメル風味のパン・ド・ジェンヌ生地とキャラメル・クリームを幾層にも重ねたケーキ。
最後は、リュー・ド・パッシー(公式ブログ)の“キャラメル・サレ”。
“Caramel Salé (キャラメル・サレ)”、つまり、塩キャラメルのケーキ。
主になっている“pain de Gênes(パン・ド・ジェンヌ)”は、“ジェノヴァのパン”の意で、
アーモンドプードルをたっぷり使った生地のこと。
よくあるスポンジ生地と少々異なり、適度にムッチリした弾力がある。
そこにはさまれているキャラメル・クリームはふんわりまろやか。
一方、ケーキ上部を覆っているキャラメルは、トロリと濃厚。
ゲランド産の岩塩の塩分と、キャラメル特有の焦げた苦味が効いていて、
味に甘いだけではない奥行きが。
見た目はやや地味だけれど、想像していたよりずっと美味しかった。
リュー・ド・パッシーは、キャラメルも人気商品なので、
そのキャラメルが存分に活かされたケーキなら、手堅い選択。
今回の3種類の中では、このキャラメル・サレが一番気に入った。